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(26.7.11) 単純労働者争奪戦 アジアの労働力市場は売り手市場

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 NHKが見るに見かねて単純労働者受け入れのキャンペーンを始めたのだろうか。先日のクローズアップ現代で「アジアの労働力争奪戦」という番組を放映していた。
日本では現在建設業農業林業で労働力不足に陥っているが、こうした労働は単純労働であり、日本では受け入れが禁止されている。

 もちろん抜け道は用意されていて1993年から技能実習生制度労働者になる前の実習生)というものがあるのだが、この制度は実習生に名を借りた単純労働の受け入れ制度で、賃金が通常の半分程度で済むところがメリットとなっている。
日本ではこの技能実習生の派遣については民間ベースでおこなわれており、相手国と日本の仲介業者が研修生を企業に紹介している。
国は制度面の監視を行っているが、実際は何もしていないのと同じだ。

 
 一方韓国や台湾では単純労働者として受け入れを積極的に行っており、期間も日本の3年(現在安倍政権はこれを5年に延ばそうとしている)に比較して韓国が9.8年台湾が12年と圧倒的に長い。
韓国では海外の労働力確保に国が全面的に責任を持っており、労働者としての適格試験を15か国で実施している。そうしてパスした労働者の人数は約15万人程度になっていてそれをデータベース化して国が企業に紹介している。

注)韓国はホワイトカラーとブルーカラーの身分差別が激しく、韓国人はブルーカラーになるのを極度に嫌がる。したがって海外から単純労働者を受け入れないと3Kの仕事に労働者がいなくなってしまう。

 番組ではベトナムとミャンマーの若者がインタビューに応じていたが、「行くのなら韓国か台湾で日本は渡航費用が高すぎる」と述べていた。
技能実習生として日本に来るには仲介業者に100万円から300万円の費用(韓国は日本の3分の1から5分の1の費用で済む)を払う必要があり、それを3年の滞在期間で返済するとすれば、どうしても長時間労働にならざるを得ず、また企業を変えることができないからタコ部屋に閉じ込められた奴隷労働者のような立場になってしまう。
アメリカからは日本の技能実習生制度は実習生に名を借りた奴隷労働だとの非難がかまびすしい。

 現在安倍政権は技能実習制度の見直しで職種の拡大と期限の延長を行おうとしているが、どうやらその程度では海外から単純労働者を受け入れることは難しそうだ。
何よりも実習生という位置づけでは賃金は通常の半分程度に抑えられ、また雇用保険や労災保険の対象から外されてしまう
日本では低賃金、長時間労働でしかも労働者としての権利も認められないのでは、東南アジアの若者が韓国や台湾に行こうとするのは当然だ。

 前にも書いたが日本人は心の底では外国人が嫌いだ。できるだけ外国人を排斥して日本村だけの気心を知れた村社会で安住しようとする。
しかし日本は世界最速の少子高齢化社会で、そもそも働く人がいなくなりつつつある。
もちろん女性の活用も急務だが、建設や農業や林業と言った単純労働は肉体労働の側面が強い。
この肉体労働に中高年の女性を当てようとするのは無理で、やはり東南アジアの20歳前後のぴちぴちした若者しかこうした労働に対応できない。

注)女性の職場進出が待たれるがこちらには税制上の問題が立ちはだかっていることは前に記した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-7e3b.html


 いくら日本人が外国人嫌いでも単純労働の担い手がいなくなれば海外から若者を受け入れざるを得ない。しかし日本の技能実習生制度は本当は外国人労働者を入れたくないという気持ちがありありとしている制度だ。
だから技能研修生制度と言った奴隷制度顔負けの制度ではなく、正式な労働者として受け入れるべきだというのがクローズアップ現代の主張だった。

注)NHKは政府自民党から見ると安倍政権の政策に反対ばかりしているように見え、特に集団的自衛権で反対のキャンペーンを張っていたが、この単純労働者の受け入れについては安倍政権の後押しをしている。何か変化があったのだろうか?

 

 

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