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(26.6.16) 秒読み段階に入った中国の不動産バブル崩壊 今そこにある危機

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 バブルは一旦はじけないことには次の成長軌道に戻れない。これは1990年頃の日本不動産バブル崩壊や2008年のリーマンショックによるアメリカやヨーロッパのサブプライムローンバブル崩壊にも言えたことだが、今中国が不動産バブル崩壊の秒読み段階に入った。中国の場合は理財商品バブルという。

注)理財商品にともなう中国バブルの実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-f732.html

 中国のGDPはその約45%が投資だが、そのほとんどは政府と民間(といっても政府要人のダミー会社)による不動産投資でけん引されてきた。
いたるところに飛行機の飛ばない飛行場を建設し、商船が寄港しない港を建設し、自動車よりパンダが遊ぶ高速道路を作ってきたのは日本の公共事業と全く同じだが、もう一つ猛烈な勢いで住宅建設を進めてきた。
もともと中国の住宅事情はお粗末だったから住宅に対する根強い需要はあったのだが、ご他聞に漏れず投資が投機になってしまったのは日本と同じだ。

 不動産の使用権は地方政府の管轄で、この使用権を共産党幹部が実質的に経営している民間デベロッパーに売渡して住宅建設を行い、数年前までは次々に販売できていたがここに来てさっぱり売れなくなってしまった。
中国各地で鬼城と呼ばれるゴーストタウンが発生し、夜半になると住む人がいないので真っ暗になり、中国人は「鬼が住んでいる場所」と揶揄する。

 中国指数研究所が発表する主要都市100の不動産価格指数は14年5月の下落率が0.32%と全く安定しているが、中国政府の発表する数字は中国の首相でさえ信用していない。
現実の市場は不動産の売れ行きがぱったりと止まっており、重慶市の大手不動産デベロッパーが開発した住宅は30%の値下げ販売を始めたと報道されている。

注)日本政府も独自の経済分析を開始し、中国経済の崩壊に備えだしたことは先日記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-cc65.html

 不動産王のSOHOの会長は「中国不動産は今氷山に衝突するタイタニック号のようなものだ」と言って中国国内での不動産投資から撤退したし、中国の経済学者の許少年氏は「中国経済の崩落に備えよう」と警告を発した。
香港を拠点とする大手ファンドCLSAは過去5年間で建設された新築マンションのうち実質的に販売できたのは15%程度とはじいている。
現在の中国の不動産市場はちょうどアメリカでベアー・スターンズが経営危機に陥った2007年の段階に酷似している。

 当時ほとんどの人はアメリカ経済はまだまだ成長するし住宅販売は好調だと思っていた。アメリカもヨーロッパも日本も浮かれていたのだが、突然アメリカ大手の証券会社ベアースターンズが実質倒産したのには戸惑った。

 それでもベアー・スターンズは個別企業の経営問題だと認識されていたが、その1年後にリーマン・ショックが起こり世界中の経済がガタガタに崩壊した。
現在の中国市場でも中国政府や中国の御用マスコミはなお不動産市況に強気で、GDPも7.5%の達成は可能だと報じているが、世銀でさえハードランディングの可能性を指摘している。

注)2008年になってリーマンショックに突入したが当時の状況を私は以下のように記載している。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/201231-20-6ab4.html

 世界中で「どうも中国経済はおかしくなっているのではないか? 特に不動産市場はバブルがはじけたのではないか?という疑心暗鬼が渦巻いているが、こうした疑心暗鬼が始まると1年程度たって本格的なバブル崩壊が始まる。
バブル崩壊など日本人にとっては当たり前の経済現象だが、成長一辺倒で来た中国経済にとっては試練の時といえるだろう。

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評論 世界経済 中国経済 不動産投資・統計」カテゴリの記事

コメント

私は趣味で日本のバブル崩壊を研究した。土地本位制の中国経済は日本のバブル崩壊が参考になる。

 日本の発展の原動力は工業化と貿易である。大規模な農業ができない日本は、海外から安い農産物を輸入したほうが豊かになれる。いらなくなった日本の耕作地は工場や店舗、住宅や道路に転用され、地方に車社会が到来した。都会ではビルはますます高層化した。
 要するに、日本は完成されてしまったのだ。こうした発展の陰で、土地を持たなかった人々は土地を持つようになり、その代金のために働いた。これは何を意味するのだろう。
 例えばその人が工場労働者なら、原始古代からある土地とその人の工場での長年の労働時間を交換したと言える。何の苦労もなく親から土地を相続した人間は、土地が欲しくて、土地のためになるべくたくさん働いてくれる人が多くいるほど、いい思いができるし、彼ら労働者が工場で作った製品も楽に買える。事業に失敗しても土地を売ればおつりがくる。
 高度成長期の工業化は土地本位制を金融界にもたらし、[土地持ち人間]を大いに潤した。土地の値上がりは労働によって裏づけられていたからだ。高度成長時代の甘い夢を1980年代の後半に、円高金余り現象ととももう一度甘い夢を見ようとしたのが土地がらみのバブルだった。
 しかし、時代は変わり、日本の多くの人々には持家があり、経済のグローバル化によって、工場も海外に移転する時代を迎えてしまった。土地に頼る時代は終焉し、日本人の多くが何を売って生きる糧を得るか難しい時代になった。

上の記述の中の[土地持ち人間]を[土地持ち地方政府]に換えれば、中国の成長からくりが理解できる。

投稿: pij | 2014年6月17日 (火) 06時34分

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