« (26.6.9) 中国経済の黄昏 日本政府も独自の経済分析を開始した | トップページ | (26..6.11) 認知症の早期診断・早期治療体制 本当に必要なのだろうか? »

(26.6.10) パク・ケネ大統領の苦吟 金融危機になっても日本には頼りたくないわ、絶対!!

Dscf6788

 日本の輸出産業と韓国の輸出産業は完全に競合するから、日本メーカーの好調は即韓国メーカーの不調になる。
安倍政権が発足してアベノミクスで円が大幅に安くなったことにより、日本の輸出産業は軒並みリーマンショック前の利益水準になり、一部は過去最高益を計上している。

 自動車、鉄鋼と言った企業群が特にそうで、一方韓国の現代自動車や製鉄会社のポスコ、造船の現代重工業サムスン重工業が軒並み営業利益を減らしている。
韓国ウォンは対円で20%から30%程度の値上がりになっており、これでは日本のトヨタや新日鉄住金や三菱重工や日立に勝てない。
日本企業はリーマンショック以降の急激な円高で韓国企業に競り負けていたが、この円安で一気に失地を回復した。

 韓国がいまだに優位なのはサムスン電子やLG電子位で、日本のソニーやパナソニックやシャープと言った企業を蹴散らし、スマートフォンで絶対的優位を築いているので日本との競争では完全に優位に立っている。
サムスンにとっての競争相手は特許裁判で常に角突き合わせているアップルや、サムスンの技術を盗んで急激に力をつけてきた中国の電子産業群だ。

 今後日本経済が好調を維持すればするほど韓国経済は不調になる構造を持っているが、今問題になっているのはガリバーサムスンの快進撃にも黄色ランプがともっていることだ。
サムスンは韓国経済のGDPの約20%をグループ全体でたたき出しているが、中核企業のサムスン電子は13年第4四半期以降営業利益が前期比で減少し頭打ちになった。
一番の原因はスマートフォンの販売で先進国ではアップルに、後進国では中国企業に追いあがられて挟み撃ちにあっているからで、サムスンもスマートフォンだけではノキアのように急激に業績悪化が起こる可能性が高くなっている。

注)ノキアは2010年頃までは携帯電話で世界トップ企業だったがスマートフォンで乗り遅れ、赤字企業に転落しマイクロソフトに買収されてしまった。

 韓国企業は今、日本の復活と中国産業の追い上げのはざまにある。
特に鉄鋼や造船と言った産業で顕著に表れており、ポスコは今まで中レベルから下の品質の鉄鋼を中国に輸出して躍進してきたが、中国鉄鋼業が力をつけてきたのと過剰生産によるダンピング輸出を常に行うので、ポスコは実質赤字に陥っている。

注)ポスコの危機については以下に詳細に記述してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-ac4d.html

 ここに来てパク・クネ大統領は日本非難のトーンを弱めているが、韓国経済が不調になり、また1997年の通貨危機のように外国資本が逃げ出すようなことになれば、助けてもらうのは日本しかいない(この時の通貨危機を救ったのは邦銀の債務繰り延べに応じた日本でIMFの融資があるまで持ちこたえさせた)。
中国との間には6兆円規模スワップ協定があって「これで何があっても大丈夫。中国が助けてくれるわ」との判断をしていたが、中国「元」はハードカレンシーではなく誰でもが受け取る通貨ではないし、いざという時の機動性は全くない。

大統領、あまりに日本非難をしていると通貨危機が発生した時に日本が助けてくれません。少し非難を止めてください」側近が大統領にアドバイスし始めた。
パク・クネ大統領としては全く不本意で、「いやよ、私は安倍の顔を見ると虫唾が走るの。絶対に日本に助けてもらうなんていや!!」と駄々をこねていているものの韓国経済の先行きには完全に黄色信号がともっているので、すっかりナーバスになっている。

 

 

|

« (26.6.9) 中国経済の黄昏 日本政府も独自の経済分析を開始した | トップページ | (26..6.11) 認知症の早期診断・早期治療体制 本当に必要なのだろうか? »

評論 世界経済 韓国経済」カテゴリの記事

コメント

1997年の通貨危機は、IМFを通して日本が韓国に手を差し伸べたからこそ危機を乗り越えられた、と言い切ってよいと思います。
ただこの時、韓国企業はIМFの介入により経営手法の大幅な変更を強要され、それが思わぬ成功をもたらしましたね。

それまでの韓国企業は、日本を手本にした発展を目指していました。
大量生産した製品を売りさばいて捻出した資金を元手に、自前の研究開発部門を育成し将来の備える、というやり方です。
IМFは、この経営スタイルを見て、即、変更を求めました。
いつ成果が出るかもわからない基礎研究なんかやめてしまえ、固定費が重くなるだけで何の得にもならない、目前の背品開発に集中せよ、と。
基礎技術の不足は、他からの技術で間に合わせよ、と。

日立や三菱電機に代表される基礎研究重視企業は、いかなる技術的変革にも対応できる強みを持っている反面、その膨大な固定費に押しつぶされ、目先の製品開発に乗り遅れる、という弱みもありますからね。
韓国企業は、この固定費から解放されて大きく羽ばたきましたね。

韓国企業の、云わば他人のフンドシで相撲を取る、というやり方が何処まで通用するのか、ここにも黄信号が灯りますね。
こういう状況を踏まえ、日本企業は技術者のパスポート管理を強化していますし、安部政権は技術流出防止法案を通しました。
韓国は、日本に寛容の心を持つように意見しているようですが、どこまでも図々しい人たちですよね。

山崎さんのマクロ経済分析は、とても雄大でスパッと決まった時には、頭に大きな風穴が空いたような爽快感があります。
私は長い間、マクロ経済学を馬鹿にしていましたが、その考えを改めつつあります。
このブログは、ミクロから更なるミクロに執着する自分の方向性にも黄信号を灯してくれました、感謝しています。

(山崎)何時も的確なjコメントをくださり感謝いたします。

投稿: 三太郎 | 2014年6月10日 (火) 07時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (26.6.9) 中国経済の黄昏 日本政府も独自の経済分析を開始した | トップページ | (26..6.11) 認知症の早期診断・早期治療体制 本当に必要なのだろうか? »