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(26.5.19) ドキュメンタリーWAVE 「アジアの黒衣動く」 ホンハイの挑戦

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 「ほんとかいね!!
思わず目を見張ってしまった。
NHKのドキュメンタリーWAVEで放送したアジアの黒衣動く」という番組で、台湾のEMS受託生産会社)大手ホンハイが独自技術として有機ELのディスプレーの開発に乗り出し、その技術陣が元シャープや日立やソニーの腕利きの日本人だと伝えたからだ。

 有機ELは次世代のディスプレーと言われ、液晶より薄く鮮明で折り曲げることができるため、今までは不可能だった腕に巻いて映像を見ることもできる装置である。
しかしこのディスプレーの量産には多くの課題があり液晶より鮮明にすることが難しかったり、歩留まりが大型になればなるほど悪く経営的になりたたないことだった。
日本メーカーはソニーも東芝もこの開発から手を引き、韓国のサムスンとLG電子が手掛けているが、あまりの高価格に全く販売が不振を極めている製品である。

注)最近になってサムスンが有機ELから実質的に手を引いたことは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-2b28.html

 「サムスンが諦めた技術をホンハイは本気でやろうとしているのかい!!驚きだ。
ホンハイは世界最大規模のEMS企業で、今までは独自のブランドは一切持たず、アップルやソニーや任天堂と言ったブランド製品をひたすら製造してきた会社だ。
全世界(と言っても中国が主だが)に約100万人の従業員を持ち、主力工場の中国の深圳には14万人規模の工場を持ち、世界中のタブレット端末やスマートフォンを制作してきた。
そして2年前にシャープが倒産しそうになったとき、その支援を表明した会社で特に日本では有名だ。

注)ホンハイのシャープ支援措置については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-4512.html

 しかし今ホンハイは従来のビジネスモデルのEMSから独自技術を持った企業に生まれ変わろうとしている。
その理由はEMSを支えてきた安価な労働力を中国に求めることが不可能になってきたことと、同業者のEMSの台頭でコスト削減を常に強いられ収益力が低下してきたからだ。
たとえば深圳ではここ10年間に賃金は3倍に上がったが、それでもなお新たな従業員を確保するのが難しくなっている。
中国の労働者は賃金に敏感で少しでも高い賃金が示されると大挙して高賃金企業に移ってしまうためホンハイでさえ従業員不足に悩まされている。

 これではEMSに未来がない。独自技術を持った企業に脱皮しないといけないが、そのためには日本の最高の技術者を引き抜いて有機ELの開発競争に打って出よう」ホンハイの郭台銘オーナーが動いた。
シャープから亀山工場の元工場長を引き抜き日立から茂原工場の液晶部門の責任者を引き抜いたりして、大阪にホンハイ大阪事務所を設立した。

 このチームのミッションは有機ELディスプレーをサムスンにもLG電子にも負けないほど鮮明でしかも採算ベースに乗せられるほどの技術力を確保することだ。
このチームの検討でそうした技術のめどがたてば郭オーナーは中国に大規模な工場建設を行い、世界の有機EL生産を完全にリードしたいと考えていた。
韓国の上を行く技術開発を日本の技術陣に任そうということだ。

注)郭台銘オーナーは外省人で蒋介石に従って台湾にやってきた人の子孫。もともと中国人だから中国とのパイプが深い。

 有機ELの画質は発行体のピクセルの量によって決まるのだが、問題はこの発行体をどこまで小さくできるかの技術にかかっている(基本は液晶と同じ)。
マスクというものに穴をあけて、その穴からレーザー光線を照射して赤・青・緑の発行体をフィルムに焼き付けるのだが、現在の技術はその穴が0.1mm程度であるという。
ホンハイの日本人技術陣はその穴をさらに細かくして0.05mmであける装置を探していた。
日本国内には世界に冠たる装置メーカーがあって、信じられないようなレーザー光の技術力を持っている。
それをホンハイの生産能力と販売力に結び付ければ韓国勢に負けない製品ができるはずだという。

 日本技術陣のテスト結果を見て郭オーナーは中国に有機ELの工場を建設することを決断し、その工場の責任者としてシャープ亀山工場の元工場長を充てることにしていた。
このホンハイの挑戦は成功するだろうか。
ホンハイはサムスンやLG電子に変わって、世界のディスプレー市場を押さえることができるのだろうか。
まことに興味ある挑戦で、サムスンを打ち負かせるほどになればそれこそ奇跡だが、こうした工場を中国本土に建設したらやはりEMSと同様に中国の高賃金に悩まされるのではなかろうかと私には思われた。

別件)1名生徒を追加募集します。
以下の条件に合致した場合はメール機能を使用して連絡ください。面接いたします

① おゆみ野在住者(遠距離ではやってこれない)
② 中学生、または小学高学年
③ 今教えられる時間帯は金曜日の5時からと、日曜日の9時からのみ
④ 
特に数学の特訓を受けたい人を歓迎します

募集の趣旨は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-e7bf.html


 

 

 

 

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