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(26.5.28) NHK 「エネルギーの奔流」 その2 石炭発電か原発か!!

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  「エネルギーの奔流」その1は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/nhk-135c.html

 私はうかつにも知らなかったがここ10年程度の間で最も増加したエネルギー資源は石炭だった。
世界のエネルギー資源は大きく分けて石炭、石油、天然ガスがそれぞれ3分の1程度の割合で、あと残りが原子力と水力だが、そのうち新興国で最も利用されているのは石炭だという。

 理由は石油価格の高止まりで、一方天然ガスはアジアでは石油価格に連動しているため、石油の3分の1と言った価格で入手できる石炭に需要が集中している(天然ガスはアジアが一番高い)。
レポートでは中国とインドネシアが採りあげられていたが、中国は発電電力量の約8割を石炭に頼っているため排気ガスに耐えかねてそれを今後65%までに抑える計画を立てていた。

注)各国別エネルギー源の内容は以下の通り
http://www.jepic.or.jp/data/gl_date/gl_date03.html

 だが実際は中国にしろインドネシアにしろインドにしろ拡大するエネルギー需要に対応するには石炭火力発電所以外にないのが実情だ。
インドネシアでは今後10年間で53%のウェイトを66%まで増大させるという。
石油や天然ガス火力発電所を建設すると電気料金に跳ね返り、安価な電気料金をあてに進出してきた企業が他の電気料金が安い諸国に移転してしまうからだ。

注)インドネシアの電気料金は日本の半分で、いづれも新興国の電気料金は安い。

 このままいくとCO2 の増大により今世紀末までに気温が4.8度上昇し、海面が最大82cm上昇することによって海岸近くに住む数億人が住居を失うことが想定されているが、「そんなことは知ったことではない」というのが新興国の主張だ。
環境問題をかまっていては豊かになれないのだから、海面上昇ぐらいなんてことはない。高台に越せばいいだけで豊かになればどこでも暮らすことができる」というわけだ。

注)ジャカルタの海岸線の地域は満潮時には8時間も冠水していた。ベネチア並だ。

 日本に住んでいると石炭は過去の遺物で日本などはすべての炭鉱を閉鎖したくらいだが、今世界中で石炭の掘削が大々的に行われている。
映像で見るとモンゴルは世界最大の石炭産地になっていて、これを中国に毎日大型トラック700台で出荷している映像を映し出していた。
こうした中で日本は石油の使用量が際立って大きいのには驚いてしまう。中国が石炭をがぶかじりしている横で日本は石油をがぶ飲みしているという構図だ。

 石炭は大気汚染が深刻で中国などは人が住める限界を越しつつあるため対応策が検討されはじめた。
今世界の潮流の一つに石炭がだめなら原子力という動きがあり、これがCO2排出量削減の決め手とみなされているが、実際は使用済核燃料廃棄物の問題があり、この解決はなされていない。
各国は仕方なく廃棄物を自国の貯蔵庫にしまっているが、問題は毎年のようにこの廃棄物が増加することだ。

注)中国の大気汚染問題の深刻さについては何回も記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-c645-1.html

 石炭はCO2、原子力は使用済核燃料廃棄物の問題があり、どちらも解決困難な問題に直面している。
これに対しドイツでは太陽光や風力と言った再生可能エネルギーに代替しようとしているが、ここにも問題があってドイツ企業が電気料金のあまりの高さにドイツから逃げ出しており、これを受け入れるかたちで周辺のチェコやポーランドが原発を建設して安価な電力供給に応じようとしている。

 これをクリーン・パラドックスというのだそうだが、ドイツから原発がなくなった分周辺諸国に原発が増え、そして企業はドイツを逃げ出すという構図だ。
だから地球温暖化対策はドイツだけで実施しても無駄で、世界的に共同で行わなければならないと専門家は言っていた。
しかし実際は新興国は石炭に急傾斜し、一方ドイツがクリーンエネルギーに傾斜すればするほど周辺諸国に原発が増えている。

 最後の切り札は技術革新だが、実際に石炭火力発電所からCO2を出さないCCSという技術が開発済みだが、建設コストが2倍と高くこうした発電所を新興国が採用することはない。
国連の温暖化防止のCOP会議は暗礁に乗り上げ、世界中にCO2と核廃棄物が拡散していると言った何とも情けない状況になっている。


 

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