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(26.4.10) 沖縄独立運動と中国の野望 なぜ同じことを日本はしないのか?

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  沖縄独立運動
などというと多くの人は冗談ととるが、一部の沖縄人(自分たちのことを琉球人と言っている)とそれをひそかに後押ししている中国にとっては本気だ。
沖縄では琉球民族独立総合研究所独立学会)が昨年5月に発足しているが、これは研究所と称した政治団体で目標は沖縄の日本からの独立を目指している。

 最もこの動きは沖縄の主流とはとても言えず、世論調査で沖縄独立を希求している人たちは20%程度いるものの、実際の知事選になると独立派の投票率は1%にも満たない。
だから独立は望んでも実際はそんなことは無理だというのが一般的な常識になっている。

 しかし尖閣諸島問題で中国と日本がこじれてから、中国は戦略的に沖縄独立を支援し始めた。
中国環球時報が「中国の民衆は沖縄の独立学会を指示すべきだ」と報じると人民日報が「釣魚島のみならず沖縄も日本の領土ではない」と報じた(沖縄を中国の領土だとまでは言っていない)。
中国としては釣魚島が沖縄県の一部だから、沖縄が独立すれば沖縄を脅し上げて尖閣諸島はいづれは中国領になるとの読みである。

 過去をたどれば沖縄は琉球王国として独立国だったが、その独立を維持するために中国の清朝に朝貢し、一方薩摩藩には隷属していた。どちらか一方にも飲み込まれまいとする苦肉の均衡策だったが、明治始めに琉球王朝は正式に沖縄県として日本に併合された。薩摩藩への隷属がそのまま継承されたわけだ。
当時清朝は阿片戦争等で疲弊しており、琉球のことに目を向ける余裕などなかったから、この沖縄県の日本への併合に対して有効な対抗手段を取ることはなかった。

注)琉球王朝が沖縄県として日本に併合された歴史については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-8809.html

 しかしここにきて中国の沖縄独立運動への支援は強烈になっている。環球時報や人民日報で独立学会を支援するだけでなく、独立学会の運動員の中に中国のエイジェント(スパイ)が紛れ込んで、この運動を支えている。
敵の最も嫌がることをする」のが戦略の要諦だから中国が物心両面で独立学会を支援するのは当然だ。
日本政府としては中国のこうした動きに対して苦々しく思っているが、日本にはスパイ防止法がないから中国のエイジェントの活動は野放しだ。

注)特定秘密保護法案は国会を通過したがこれらは国家や地方自治体の機密に対する保護法案であり、民間組織にエイジェントが居ても取り締まる法律はない

 私がとても残念なのは「なら中国にならって日本はウィグル独立運動やチベット独立運動を支援しないのか」ということだ。
ダライ・ラマを呼んで国会で中国のチベット人弾圧の非難演説をさせたり、ウィグル独立運動を支援すると表明すればいい。

 当然中国は猛反発をするが、これで国際政治ではイーブンなのだ。
日本人はこちらが誠意を見せれば相手も誠意を見せると信じているが、中国のような21世紀にまれな帝国主義国家にそれを期待するのは、毒蛇に腕を差し出すようなものだ。
中国が日本でしているような策略をチベットやウィグルでなぜ日本がしないのか不思議でならない。

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・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3695852)


なお、おゆみ野クリーンクラブの活動の実態は以下を参照してください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-9bc7.html

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評論 日本の政治 普天間基地」カテゴリの記事

コメント

何故敵の一番嫌がることをしないのか?
日本はアメリカの属国に成り下がってしまった。
ゆえに、日露戦争当時の覇気がないのが一番の理由ではないかと思います。
やろうと思えば、きっと中国に圧迫されている国や地域と秘密裏に手を組んで中国が一番嫌がる内部分裂をはかり革命をおこさせ、中国人同士が殺し合いをやり、自ら弱体化する工作をとると思います。
今の朝鮮半島のような形を中国全土に起こさせればいい。
日露戦争時の明石大佐のような有能な工作員を使って金をばらまいてね。
小説のようにはいかないもんですかね~?。

投稿: 水仙 | 2014年4月10日 (木) 21時50分

記事を読みました。おっしゃっていることはその通りでしょう。新疆ウイグルやチベットの独立を日本が正式に支持しないのは、台湾を独立国だとしないのと同様、中華人民共和国(中国)に対し一定の配慮があるからでしょうね。「内政干渉はしない」ということです。国際法を遵守する日本はそういう意味ではイーブンです。国際社会でクリーンなイメージを保つことは先進国として当然のことです。まずは日本の国益が優先されるべきです。ただし、今後中国が尖閣諸島ひいては沖縄を攻撃・侵略するようなことが今後もし起こりうるのであるならば、日本人の反中感情は激化し、世論が政治・経済に多大な影響を与えることは必死です。我々日本人の反中感情を高めて損をするのは他ならない中国です。大陸で起きたちょっとした反日運動の結果、対日貿易の収入が40%減です。日系企業が撤退し、中国への投資も激減し、今必死に中国はなんとか日本からの経済効果を模索している最中ですが、どこまで信用を取り戻せるのか疑問です。日本は「信用」で動く社会であり、一度信用を失えば取り戻すのは困難だからです。昨今のチャイナリスクを考えれば、儲かるからといってすぐお金を出すようなことはしなくなります。そのような状況で、今後軍事衝突、最悪第二次日中戦争なんて起きようものなら…想像に難くないですね。日本政府としては下手にウイグルやチベット問題に干渉せずとも、中国からのやぶ蛇を待ったほうが国益に適っているのではないかと思います。何もしないで利益を得るのが一番国益に適ったストラテジーであるのは自明です。私がもし中国の国家主席で、完全にウイグルとチベットを中国領土として安定させたいと真に願うなら、下手に周辺国の主権を侵害せず、両自治区の開発発展のための投資をし、民衆の不満要素を解消することで分裂を防ぐでしょう。現実はそうではなく、中国は常に領土領海の拡大の野心を募らせ、周辺国の脅威となっています。この脅威はブーメラン効果で中国共産党自身にとっても脅威になっているのです。外交だけでなく、内政も非常に不安定です。毎日中国のどこかで暴動が起きています。その火消しだけでも相当大変な労力を費やしていることでしょう。結論:このまま静観し、中国の自滅を待ち、ウイグル・チベット・内モンゴルの独立を目指すのが得策。尖閣問題は粛々と国内法および国際法に則り解決するべき。

(山崎)大変貴重な意見を記載していただき感謝します。

投稿: 王子 | 2014年5月30日 (金) 19時05分

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