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(26.4.1) NHK 「ミクロの大冒険」 細胞のスーパーパワー

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いかにもNHKならではの大型番組が放映されている。
ミクロの大冒険 あなたを創る細胞のスーパーパワー」という番組で3回シリーズの第1回目だ。
見てみると分かるがCG(コンピュータ・グラフィックス)の出来栄えが素晴らしく、細胞の世界をリアルに見ることができるのと、コメンテーターがiPS細胞生みの親の山中伸弥教授と演出家の野田秀樹さんで、この組み合わせがまた絶妙で見ていて飽きが来ない。
普段、細胞などについて考えることはないので大変刺激を受ける番組だ。

 細胞には個体と同様一種の選択の意志があり、外部環境に応じてどの遺伝子を発動させるかを決めるという。
最初の事例は妊娠中にダイエットを母親がすると、生まれた子供が太りやすくなるとの研究が紹介されていた。
これは胎盤の中で分裂を繰り返している幹細胞が、外部で飢餓状態が発生していると認識して脂肪細胞を多く作るようになるからだという。
まだ何になるか分からない間葉系幹細胞は筋肉や骨や軟骨に変わりうるのだが、その変化の一つに脂肪があって、飢餓を感じて幹細胞は筋肉等にならずに脂肪になってしまうという。

 このあたりの説明を山中教授は「遺伝子の設計図はみんな同じだが、その遺伝子のどこを読むかは細胞に任せられていて、外部環境の変化で微妙に読む場所が異なってくると説明していた。
幹細胞がなぜ神経細胞になったり脂肪細胞になったりするかというと細胞がそこの遺伝情報だけを読み取るからということになる。

 また神経細胞については幼児期に活発に活動して触手にあたるスパインというものを互いに伸ばして神経回路を作っていくのだが、このスパインの活動は10代のうちに止まってしまって、その後は神経細胞の結合はされなくなるのだそうだ。
だから語学のようなものは幼児期に学習しないと大人になっていくら学習しても、日本人であれば「R」「L」を聞きわけることはできないのだという(この違いを聞きわける神経細胞の結合がなされていない)。

 私などは中学時代から今までそれなりに英語を学んできたのに聞き取りなどさっぱりだが、それは細胞が突起を伸ばして神経回路を新たに作成してくれないからだと知った。
問題はなぜ新たな回路を作らないかというと、あまりに多くの回路を作ってしまうとその制御ができなくなって大混乱に陥り、神経細胞が死に絶えたりして人格が形成できなくなるからだという。
神経細胞は人間が生きるに必要最低限の回路の形成が終わると、「よっしゃ、これだけの回路で一生暮らしなさいといって活動を停止してしまうのだそうだ。

それじゃ、10代を越えたらいくら勉強しても無駄じゃないか。成人教育などはしない方がましだ」ということになるが、実はそうはならない仕組みが神経細胞には備わっているという。
それは最もよく使用される神経回路が太くなるという現象で、道路のイメージでいえば新規の道路は作らないが道幅の拡張工事を行って多くの自動車が通れるようにするようなものだ。

 具体的には神経細胞に脂肪が取り付き、脂肪部分はスキップして情報伝達が行われるので非常に早く判断や行動ができるようになるのだという。
これをミエリン化と呼ぶのだそうだが、神経細胞に脂肪を巻き付ける戦略なんて聞いても非常に不思議な感じがする。
だが大人の学習とはこのミエリン化で幼児期に形成した神経細胞の回路を再整備して情報伝達を非常に素早く成し遂げることなのだそうだ。

 一般に私たちは三つ子の魂100までも」というが、確かに神経回路は三つ子の頃に決定されるが、それを強化したりあるいは反対に委縮させたりするのはその後の生き方によってであることをこの番組は強調していた。
この番組は実によくできている。CGが素晴らしいだけでなく解説も分かりやすい。山中教授は非常に穏やかな話し方だが教育者としての才能もあって、聞き手の理解の範囲に話を進めてくれる。
研究者としても超一流だが教育者としても超一流の人物であることが見ているとよくわかり、私は感心してしまった。

 


 

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コメント

久々の大型企画登場って感じです
銀河宇宙のオデッセイから この手のものは見てますが
山中教授で NHKも色々試行錯誤してるんだなあって感じました!
何か今風な感じですね

CGとトーク 今回も楽しませて貰えそうです

(山崎)私も楽しみにしております。

投稿: fuhpan | 2014年4月 2日 (水) 23時12分

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