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(26.3.23) ようやくデフォルトを認めた中国 「すべての企業を救うことはできない!!」

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  日本のような市場経済に慣れていると企業の倒産社債のデフォルト投資信託のデフォルトにも慣れているし、市場で競争に負けた企業は退場するのが当然だと思っている。
経営状況が悪化した企業は市場から淘汰され、新たな成長産業が現れて市場をリードしていくものと言うのが常識だ。

 しかし中国のような半分が社会主義経済で半分が資本主義経済の国家では、国営企業や官僚層との結びつきが強い企業は基本として倒産しないものと思われていた。
すぐに国営銀行が救済融資に乗り出して間違っても倒産やデフォルトなどさせないようにしていたからだ。

 一見「何と中国政府は企業を大事にするのか」と思われるがそれは間違いで、日本でいえば第3セクターを長い間地方政府が支援して倒産させなかったのに似ている。
中国の国営企業とは国家の産業部門で国家そのものと何にも変わらないから、日本でいえば千葉市の水道局をデフォルトにするようなもので、とてもそうはできなかったからに過ぎない。
民間企業も本当の民間企業などほとんど存在せず地方政府とひどく結びついているからこれもタコが自分の足を食べるのと同じだからだ。

 しかしここにきてとうとう国家と企業の結びつきが破綻し始めた。
浙江省にある中堅の不動産会社約560億円の負債を抱えて倒産した。浙江省では不動産バブルがはじけて不動産の値下げ競争が始まり資金繰りに支障が出てきたからだ。
先日は太陽光パネルの大手が社債の償還に失敗したばかりだし、また過剰生産に悩んでいた山西省の鉄鋼会社が495億円の負債を抱えて倒産している。

注)デフォルトが確実視された投資信託は政府が救済融資を行った。

 李克強首相デフォルトを容認する」との姿勢を鮮明にしているので、従来国立銀行によって支えられてきた弱小企業も次々に倒産するとみていいだろう。
問題はこれが中国の三大病巣と言われている①シャドー・バンキングの存在、② 膨れ上がった社債市場、③ 不動産バブル、等の一気の崩壊に結びつくかだ。
現在の状況の見方は二つに分かれている。
市場経済では当然視されている適者生存の過程なのか、それとも中国経済はほとんどがバブルなのでリーマン・ショック並みの崩壊に結びつくかだ。

 シャドーバンキングが扱っている理財商品の規模は中国社会科学院の推定でも326兆円、一般にはその倍程度があると推定されているからこの市場が崩壊したらパニックだ。
また不動産投資は中国の命みたいなところがあり2013年のGDPの約16%は不動産投資だった。
地方政府は土地の使用権の切り売り(土地の所有権は国家にある)で財政を支えているから不動産価格の暴落は地方財政の崩壊につながる。
また中国政府は債務不履行になりそうだった投資信託を買い支えたりして影響が外部に及ぶことを懸命に避けてきたものの、あまりの不良債権の多さにたじろいでいる。

注)中国国家統計局による2月の新築住宅価格は70都市中69都市で上昇しているという。
この結果を本気にするかそれとも中国特有の政治的統計処理と見るかによって判断が分かれる。


 日本やアメリカのような市場経済では企業倒産によって問題はその都度解決されてきたが、中国ではほとんどが実質国家企業のようなものでその経営能力の不足を政治力で補ってきた。そのためゾンビ企業が徘徊している。
しかしさすがに李克強首相もすべての企業の面倒は見られないと突き放した。
ここにきてようやく中国の大企業の倒産が始まった。
私は中国経済は1990年代の長期低迷に陥った日本に似てくると思っているが、それが誰の目にも明らかになるのにはもう少し時間がかかりそうだ。

なお中国経済の現状については以下にまとめて記載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

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コメント

表面化して来たようですね。

投稿: T | 2014年3月26日 (水) 12時52分

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