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(26.3.26) NHK 「里海 瀬戸内海」 里海が世界を変える!!

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   私のように長らく生きているとたいていのことには驚かないがNHK 里海 瀬戸内海」には心底驚いてしまった。私の瀬戸内海のイメージは、1970年代の汚水が流れこんでどぶとさして変わらなかった頃のあのイメージから一歩も抜け出していなかった。

 当時私はある金融機関の融資の担当者だったが、瀬戸内海の埋め立て地で操業していたある合板会社の視察をしたことがあった.。そこの工場では工場排水は全く濾過されず海に垂れ流しで海面は色が変わって泡だらけだった。

これじゃ瀬戸内海は死んだも同然だな」そう思ったものだ。

 ところがその死の海と思われていた瀬戸内海が劇的に回復しかつての生態系が復活しつつあると聞いてびっくりした。
原因は工場の排水規制と漁師のカキ養殖の結果だという。
排水規制はよくわかるが、カキ養殖の結果だというのには驚いた。
カキ筏は瀬戸内海に約14000台設置されているそうだが、そこで養殖されているカキは約65億個だそうだ。

注)カキ養殖はホタテの貝殻にカキの幼生を付着させ、それを約1年半程度かけてカキ筏で生育させて収穫する

 このカキは植物性プランクトンを食べて成長するのだが、この植物性プランクトンこそが赤潮の原因でこれが発生すると生き物は酸素不足で一斉に死滅してしまう。
赤潮は1970年代には年間300回程度発生していたのが、今は急速に発生しなくなりつつあるという。
そもそも植物性プランクトンが大量に発生するのは海にリンや窒素が大量に流れ込むからだが、工場排水規制や下水処理で流れ込む栄養素を減少させ、さらに瀬戸内海にすでに浮遊しているこうした富裕栄養素をカキが浄化するのだそうだ。
カキの浄化能力は非常に高く1日で風呂桶一杯分の水を浄化してしまう(実験で見せてくれた)。

 実際海の透明度を図る円盤を海に沈めてみるとカキ養殖がされていない場所の透明度が4m程度なのにカキ養殖の筏の中は8m程度と2倍の透明度を誇っていた。
そしてこの透明度がよくなると光合成で成長するアマモという海の海藻が育つ。
このアマモに魚が卵を産み少し大きくなるとアマモの森を離れてカキ筏の下で成長するのが魚類の成長サイクルになっていた。

 このアマモの森は自然に回復したのではなく、育てていたのは瀬戸内海の漁師で、種を透明度の高い近くの海に熱心に撒いていた。
アマモの森が回復するにしたがってかつて瀬戸内海から消滅してしまった魚類やカブトガニやイルカさえもこの海に戻ってきたのには目を見張った。
今世界ではこの瀬戸内海の里海の取り組みが死んでしまった海の再生の決め手として研究者の注目を浴びている。
アメリカでもインドネシアでも「さとうみプロジェクト」が採用されていた。

 「さとうみ」という言葉は「つなみ」と同様に世界中で日本語の発音通りに使用されている。
かつては自然は手を付けないのが復活の決め手と思われていてそれが自然保護の主流だったが、今は反対に人間がカキ養殖をしたり海藻の種をまくことによって自然を復活するのが自然保護の主流になりつつある。
人間が壊した自然は人間の営みの中で復活させるというコンセプトだ。

 「なるほどね、日本人は江戸時代から自然と共生するのが上手だったが、21世紀の現在も里海という共生方法を編み出していたんだ」感嘆した。
私は従来の自然保護運動が人間を排除することに熱心なのに違和感を持っていたが、それは人間も自然の一部だと思っていたからだ。人間の営みの中で自然を回復させる方がはるかに効果的ではないかと感じていたが、この「さとうみ」はまさにそうしたものだと言える。

 21世紀は自然との共生の時代だが、まさか里海が世界の海の再生に役立つとは知らなかった。

注)なお日本再生に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48391813/index.html

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