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2014年3月

(26.3.31) 携帯電話騒動記 再び使用しようか?

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  ほぼ1年ほど前から携帯電話を使わないようにしてDOCOMOとの契約を打ち切った。
月に8000円前後の通信料を徴収されていたが何とも負担になったからだ。
私は普段ほとんど電話を使用せず通信はメールで行っているからこれで何の支障もないのだが、最近孫の病気等で緊急連絡を私にしようとしても全く音信不通なのにクレームが付いた。

 「電話をかけようにもかけられないし、四六時中自転車に乗っているのに事故が起きたらどうするの」と言われている。
いわばリスク管理がまるでなっていないということで、言われてみればもっともなので何とか安く通信(メールと会話)ができる方法がないか検討したがこれと言った決め手が見つからなかった。

 外からのメールならWi-Fi を利用するのが最も安価な方法に見えたが、iPodを実際に使用してみるとスポットと言われる場所に行ってもなかなか通じないことが多い。通常はコンビニ等で利用できるはずなのだが、どこに問題があるのか分からないがかかったりかからなかったりしてイライラする。
当初は全く無料のスポットを利用していたが、これはほとんど無理とわかってDOCOMOのWi-Fi を1500円で契約してみたが、それでも今のところさっぱりだ。

 さらに LINEにも加入して無料電話を試してみたが、これはかかる相手とそうでない相手がいて何が問題かさっぱり分からない。それに最も確実なスポットは我が家だけだから、すべての利用が家からになっていて、これでは携帯電話や携帯メールにならない。
やはり安く済まそうとするとどうしても無理か・・・・・・・

 リスク管理は迫られるし、一方で高額の通信料を取られるのは嫌だし困惑していたら、イオンが「端末と定額ネット接続で通話基本料2980円というサービスを始めるという記事が目に入った。
通話料金は別途必要で30秒あたり20円だそうだ。私は電話は基本としてかけないし、かけるとすればLINEを使用したいからこの程度の通信料金ならば我慢できる。

 こうしたサービスはMVNO(仮想移動体通信事業者)というところがサービスを行っており、自前で無線通信施設を設置しないので安価にサービスを提供できるのだという。
調べてみると他にもこうしたサービスを行っている会社が数社あり、DOCOMOやauやソフトバンクの料金より約半額の料金体系になっている。
そうかようやく日本の移動体通信のばか高い通信料にも風穴があいていたんだ・・・・・

 私の家計の中での通信料の割合はかなり高い。固定の光回線についてもNTTに7000円前後支払い、それ以外にパソコン通信のためにヤフーやニフティへの支払いがある。
通信料金の高さには私は根を上げており携帯を止めたのはそのせいだが、安価な移動体通信が出現したなら再び携帯電話を持ってみようと思うようになった。

 今年は何とかして通信関連経費を削減して、それでも快適な通信や会話環境(安価だとどうしても快適という訳にはいかないのだが)を確保したいものだと思っている。

注)なお携帯電話等に関する記事は以下のまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46019633/index.html

 

 

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(26.3.30) 人生の黄昏とチップス先生

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 春先は体調が崩れることが多くなった。最近はいつも何か身体が鬱陶しい。一つには風邪が完全に抜けきっていないこともあるがそれだけではないようだ。
気持ちをハイにさせるのがとても難しくなっている。

 今一番身体によく楽しいことは長柄方面にサイクリングに行くことで、大体3時間程度自転車に乗るとすっかり気分が回復する。だが雨降りが続くとサイクリングという訳に行かず、家に閉じこもる日が続いて再び鬱々とした気分に陥っていく。
身体を動かせないとすぐに老人性のうつ病にかかってしまうみたいだ。
身体は弱くなり、神様のお迎えも近づき、そろそろ人生も終わりか!!!なんて気持ちだ。

 今年はできる限り社会的な活動を縮小しようとしているが、今まで続けてきたことを一挙に止めるわけにはいかない。会議などに誘われたらできる限り辞退してエネルギーが必要な作業はそっと中止することにするつもりだ(耳が悪くて会議の内容を聞き取るのにへとへとになる)。
今一番悩んでいるのは昨年から始めた四季の道とかずさの道を結ぶハーフマラソン大会の開催だ。
呼びかけをしたりコース整備したりするのに、これは非常なエネルギーを使ってしまう。
この素敵なコースでハーフマラソンを開催するのが私の夢だったが、しばらくこうした情熱が極端に必要な作業は止めておこう。

 朝の清掃作業と四季の道の草刈りやベンチの補修だけに特化して、それ以上の活動は誘われたら断ることにするつもりだ。
今私が情熱をかけているのは子供たちに対する勉強の指導だけだ。
現在私のところで5名の中学生三年3人、二年1人、一年1人)の指導をしているが、この時だけが充実した時間だ。

注)私がボランティアで子供たちの勉強を見ていることは何回も記載している。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-e4e2.html

 見ている学科はもっぱら数学と英語だが、場合によっては理科も見ることにしている。私は数学などは中学校のレベルならどんな問題も苦も無く解けると思っていたが、最近千葉県の公立高校の入試問題を確認してそうした気持が間違いだったことにきがついた。
先日から試験問題集を取り寄せて過去問の解法に取り掛かっているが、時に非常にタフな問題があって驚いてしまう。
子供たちのために頑張ろう」ひたすら奮闘している。

 人生は黄昏に差し掛かっており、あまり多くのことをするには体力がついていかない。これからはできることを限定してエネルギーのロスをしないようにしないとすべてのことが中途半端になってうつ病に陥ってしまうことに気が付いた。
だから子供たちを教育するのを最後の仕事にしようと思っている。

 人生の最後はヒルトンが書いた「チップス先生 さようなら」のような人生で終わりたいものだ。チップス先生がロッキングチェアに座って静かに旅立つ場面だ。

チップスは、やがて眠りに沈んだ。あんまり安らかに見えたので,お休みというのも憚られた。が、翌朝、学校で朝食の鐘が鳴った時、ブルックフィールドは訃報を受け取った。
カートライト校長は『ブルックフィールドは彼の愛すべき人格を決して忘れることはないと思います』と全校生を前にこう話したが、結局一切のことが忘れ去られてしまった。
しかしリンフィード少年だけは忘れないで、いつまでもはなすことだろう。
『なくなる前の晩だったかな、ぼくは、チップス先生に、さよならって言ったんだよ・・・・・』

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(26.3.29) 世界の政治は一寸先が闇 安倍外交のほころび

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  政治の世界は一寸先が闇と言うけれど、世界政治がまさにそうなっている。
しばらく前まではロシアが軍事力でクリミア半島を制圧するなど誰も想像していなかったが、ヤヌコビッチ大統領がクーデターで親西欧派に追われると、プーチン大統領はクリミア半島に軍隊を派遣してロシアに編入してしまった。

 日本では安倍首相が中国包囲網の一環として日露協商を目指していたが、このクリミア問題ですべて棚上げになってしまった。
24日にはオランダのハーグにG7の各国が集まり、ロシアがこれ以上の軍事侵攻(東南部のウクライナへのロシア軍の侵攻)があれば、現在の微温的な制裁に加えて本格的な経済制裁を行うとハーグ宣言を出した。

 安倍首相はプーチン大統領と親密だが、G7の一員としてロシア制裁に加わることになりロシアとの経済協力は棚上げとなって4月に予定していた外相会談も取りやめることになった。この秋のプーチン大統領の訪日にもイエローランプがついている。
安倍首相としてはひどい誤算だ。
最も経済制裁と言っても本格的に導入できるかどうかはかなり怪しい。
西欧諸国はロシアからの天然ガスや石油の輸入で燃料の確保をしており、特に天然ガスの3割はロシア産だ。

注)クリミア半島情勢については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-c0f8.html

 アメリカは国内でシェールガス革命が達成されて世界最大の天然ガス産出国になっており、近い将来は最大の輸出国になる可能性が高いからロシアの天然ガスに全く影響されない。
みんなでロシアの天然ガスと石油の禁輸措置を取ろうと呼びかけているが、ドイツは天然ガス輸入量の約4割をロシアから輸入しているのでおいそれとアメリカの提案に乗ることはできない。
輸入制限は自国の首も絞め、せっかく好調なドイツ経済を失速させる。

注)北欧と東欧のロシア産天然ガスの輸入割合はほぼ100%。またチェコやオーストリアの輸入割合は5割を越す。

 ドイツでさえ輸入制限は非常に難しいのに他国はその比ではなく、もしロシア産の天然ガスがなくなれば世界の天然ガスの価格が高騰し、それでなくてもかろうじて安定を保っているヨーロッパ経済が再び激動に巻き込まれる。
ウクライナで自国経済をつぶすわけにはいかない!!!というのが本音だ。

注)ヨーロッパ経済の現状については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-e932.html

 アメリカはこのところもっぱらヨーロッパ問題に振り回され、アジアシフトがすっかり色あせてしまった。こうした時アジアで日本と韓国が反目しあっていてはおちおち西欧対策もとれないので25日にハーグでオバマ大統領が仲介して安倍首相とパク・クネ大統領の手打ちを行わせた。
あんたら、敵は北朝鮮なのに互いに敵対していては東北アジアの安全が確保できないではないか

 安倍首相はあいさつで韓国語で述べたりして終始にこやかだったが、パク・クネ大統領は全く反応せずそっぽを向いていたから、この手打ちが成功したとはいいがたい。
しかしオバマ組の盃を返すほどの勇気は日本にも韓国にもないから、親分の顔をたててとりあえずは会ったというところだ。

 このところ日本政治は安倍首相の出現で安定感抜群だが、安倍首相のパートナー達は激動の渦に巻き込まれている。
インドの国民会議派のシン首相は、この5月頃に予定されている総選挙で野党のモディ氏に敗北しそうだし、トルコのエルドアン首相は野党や反対派からひどい突き上げをくらって、ツイッターユー・チューブの接続を禁止してしまった。
俺に対する反対は許さない」ということだが、なにか先が見えたようだ。
またタイのインラック政権は選挙結果を最高裁判所から無効にされて、今やレームダックだ。

注)トルコ経済の問題点は以下参照

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-2e20.html

 こうして安倍首相がせっかく構築した中国包囲網にほころびが出ているが、唯一の救いは中国経済がすっかり下降局面に入り最近では銀行の取り付け騒ぎまで起こっていて、のぼり竜の時代が終わったことぐらいだろう。
中国そのものが自壊作用しているので包囲網が不要になる可能性もある。

注)中国経済の現状は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-f732.html

 本当に政治の世界は一寸先が闇だと思う。現在まともに国内政治を運営しているのはロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相と日本の安倍首相ぐらいしか見当たらない。
これからどうなるか予測することすら無駄なような時代で現実の動きにキャッチアップしていくのが精いっぱいのような時代だ。

 



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(26.3.28) ためしてガッテン アキレス腱で心臓病をチェック

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  最近のためしてガッテンはグローバルシリーズだそうだ。オランダとカナダとアメリカで採用されている健康チェックの方法が紹介されていた。

 オランダの心臓病チェック方法はとてもユニークで、「こんな方法があったのか!!と思えるほどびっくりする方法だが、アキレス腱の太さをチェックする方法だった。
これをチェックすると「心臓病のリスクが通常の人の13倍の人」を発見できるという。
一般に心筋梗塞は心臓を取り巻く冠動脈にコレステロールがたまり血液が流れなくなって心臓が酸素不足になって死に至る病気だが、コレステロールがたまる場所が他にもう一つあり、そこがアキレス腱だという。

 説明によるとアキレス腱は常に圧力が加わっているので痛んでひび割れができ、そこに高コレステロールの人はコレステロールがたまるのだそうだ。
アキレス腱の太さが2cm以上ある人は遺伝による高コレステロール体質で、こうした人は運動や食事療法で対応できず、薬の投与が必要になるらしい。
私も慌てて測ってみたが1cm程度で高リスク体質とはとても言えそうはないのでほっとした。
もっとも私のようにアキレス腱が丈夫でそもそも傷などがつかなかったらこのチェックは効きそうもなく、せっかくのオランダ渡りの方法も効果がないかもしれない。

注)番組を見ててよく分からなかったのはコレステロールの値が高い人はすべてアキレス腱が太くなるのか、遺伝性の高コレステロールの患者だけが太くなるのかが判別できなかった。
常識的にはコレステロールの値が高ければ先天的なものでも後天的なものでもアキレス腱は太くなるのではなかろうか?


 一方カナダで行われている血圧を下げる方法もかなりユニークなものだった。私は普段上の血圧が130前後で下の血圧が80前後だから、若干高めと言った程度でほとんど心配することはないが、高血圧の人にとっては朗報だろう。
この方法はタオルを一日10分間、週三日程度握ったり緩めたりすると血管内にNO一酸化窒素)という物質が出てきて血管を柔らかくして血圧を下げるのだそうだ。

 この方法の効果は圧倒的で運動療法の3倍程度の効果があるというのには驚いた。ゲストの3名もすっかりタオルを握りしめることに夢中になっていたが、それなら何もタオルでなくても握力を加えたり緩めたりすればよいので、私などは日常的に自転車に乗ってハンドルを握ったり緩めたりしているからタオルグリップでなくてもよさそうだ。

 アメリカで行われているピーナツバターを利用したアルツハイマー病の検査は笑ってしまった。アルツハイマー病は当初臭覚野という部分が委縮することが知られているので、初期の人は臭覚が衰えているのだという。
そして特に左側の臭覚が先に衰えるので、目を閉じてピーナツバターを距離を測りながら嗅がせ、その距離と左右に差があるとどの程度アルツハイマー病が進んでいるか分かるのだそうだ。

 最もこの研究は十分な検証が行われておらず、ちょうどSTAP細胞のような位置づけだから、日本のアルツハイマーの専門家は今後の推移を注意深く見守っていくという態度をとっていた。

 私はためしてガッテンのファンで毎回見逃さないようにしているが、とうとう国内だけの情報では番組を作るのには不足してきて、海外からの最新情報を入手する必要に迫られたらしい。それはそれでよいことで私などは大いに期待しているところだが、若干説明は荒っぽいところがある。

なおためしてガッテンのシリーズは以下にまとめて記載しております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html


 


 

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(26.3.27) 黄昏のみんなの党 渡辺代表の8億円借入金疑惑

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  人間落ち目になると次々に災厄が降りかかるらしい。みんなの党渡辺代表のことである。
昨年12月にみんなの党は分裂騒ぎを起こしたが、外部からは何がこの分裂を引き起こしたかさっぱり分からなかった。
その後袂を分かった江田氏が「結党の精神を忘れ去った渡辺氏についていけない」といい、さらに「野党再編の中心勢力になる」と言っていたので、この分裂騒ぎが渡辺氏の主導する安倍内閣補完勢力対江田氏の主張する野党結集勢力の対立であることがわかった。

注)なおみんなの党の結党精神とは「小さな政府、日米同盟、脱原発」

 しかしこの分裂騒ぎが世間の注目を浴びなかったのは安倍政権の基盤は盤石でみんなの党がどのように分裂しようが大勢には全く無関係だったからだ。
この分裂騒動で衆参合わせて35名のみんなの党は21名の小所帯に転落しますます政治力を失ったと言っていい。

 その渡辺氏に今度は約8億円の借入金疑惑が持ち上がっていると毎日新聞が(週刊誌に掲載される予定と)報じている。
10年6月に3億円、12年11月に5億円の借り入れを化粧品やサプリメントの企業DHC吉田会長から借り入れたというものだ。
何か猪瀬前東京都知事の借入金と酷似しており、渡辺氏は猪瀬氏が当初言っていたように個人的借り入れで利息も支払っており、うち2億5千万円はすでに返済したと説明している。

注)なお猪瀬氏の件は東京地検特捜部から公選法違反で略式起訴(裁判は開かれず裁判所が罰金を言い渡す)される模様。

 12年11月は衆議院選挙直前だからこの資金が何に使用されたかは誰の目にも明らかだが、渡辺氏は個人的借り入れで押し通すことになるだろう。
何しろ渡辺氏の政治資金報告書には2億5千万円の借入しかないことになっているのだから、間違っても政治資金などと言えば政治資金規正法の網に引っ掛かってしまう。
だから「誰が何といおいうとも借入金だ」と突っぱねる以外に方策はない。

 渡辺氏はもともと安倍首相とは近い関係にあり、特に安倍第一次内閣から福田内閣にかけて行政担当大臣として国家公務員制度改革法案を四面楚歌になりながらも通すのに尽力していた。
行政改革・公務員制度改革に対する姿勢は一貫しており、私は渡辺氏のこうした姿勢を評価しているのだが、弱小政党の領主として資金調達に走らなければならなくなり、墓穴を掘ったようだ。

 政治家にとって常に問題になるのは金と女(男)で、こうした罠をうまく潜り抜けたものだけが総理大臣になれるというのが実態だ。渡辺代表の父親の渡辺美智雄氏も副総理や蔵相を務めた実力者だったがリクルート事件の関与が総理への道を閉ざした。
政治家とは難しい職業だとつくづく思ってしまう。

注)なお小沢氏は政治資金規正法違反で裁判にかけられたがその経緯と結果については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-97f6.html



 

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(26.3.26) NHK 「里海 瀬戸内海」 里海が世界を変える!!

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   私のように長らく生きているとたいていのことには驚かないがNHK 里海 瀬戸内海」には心底驚いてしまった。私の瀬戸内海のイメージは、1970年代の汚水が流れこんでどぶとさして変わらなかった頃のあのイメージから一歩も抜け出していなかった。

 当時私はある金融機関の融資の担当者だったが、瀬戸内海の埋め立て地で操業していたある合板会社の視察をしたことがあった.。そこの工場では工場排水は全く濾過されず海に垂れ流しで海面は色が変わって泡だらけだった。

これじゃ瀬戸内海は死んだも同然だな」そう思ったものだ。

 ところがその死の海と思われていた瀬戸内海が劇的に回復しかつての生態系が復活しつつあると聞いてびっくりした。
原因は工場の排水規制と漁師のカキ養殖の結果だという。
排水規制はよくわかるが、カキ養殖の結果だというのには驚いた。
カキ筏は瀬戸内海に約14000台設置されているそうだが、そこで養殖されているカキは約65億個だそうだ。

注)カキ養殖はホタテの貝殻にカキの幼生を付着させ、それを約1年半程度かけてカキ筏で生育させて収穫する

 このカキは植物性プランクトンを食べて成長するのだが、この植物性プランクトンこそが赤潮の原因でこれが発生すると生き物は酸素不足で一斉に死滅してしまう。
赤潮は1970年代には年間300回程度発生していたのが、今は急速に発生しなくなりつつあるという。
そもそも植物性プランクトンが大量に発生するのは海にリンや窒素が大量に流れ込むからだが、工場排水規制や下水処理で流れ込む栄養素を減少させ、さらに瀬戸内海にすでに浮遊しているこうした富裕栄養素をカキが浄化するのだそうだ。
カキの浄化能力は非常に高く1日で風呂桶一杯分の水を浄化してしまう(実験で見せてくれた)。

 実際海の透明度を図る円盤を海に沈めてみるとカキ養殖がされていない場所の透明度が4m程度なのにカキ養殖の筏の中は8m程度と2倍の透明度を誇っていた。
そしてこの透明度がよくなると光合成で成長するアマモという海の海藻が育つ。
このアマモに魚が卵を産み少し大きくなるとアマモの森を離れてカキ筏の下で成長するのが魚類の成長サイクルになっていた。

 このアマモの森は自然に回復したのではなく、育てていたのは瀬戸内海の漁師で、種を透明度の高い近くの海に熱心に撒いていた。
アマモの森が回復するにしたがってかつて瀬戸内海から消滅してしまった魚類やカブトガニやイルカさえもこの海に戻ってきたのには目を見張った。
今世界ではこの瀬戸内海の里海の取り組みが死んでしまった海の再生の決め手として研究者の注目を浴びている。
アメリカでもインドネシアでも「さとうみプロジェクト」が採用されていた。

 「さとうみ」という言葉は「つなみ」と同様に世界中で日本語の発音通りに使用されている。
かつては自然は手を付けないのが復活の決め手と思われていてそれが自然保護の主流だったが、今は反対に人間がカキ養殖をしたり海藻の種をまくことによって自然を復活するのが自然保護の主流になりつつある。
人間が壊した自然は人間の営みの中で復活させるというコンセプトだ。

 「なるほどね、日本人は江戸時代から自然と共生するのが上手だったが、21世紀の現在も里海という共生方法を編み出していたんだ」感嘆した。
私は従来の自然保護運動が人間を排除することに熱心なのに違和感を持っていたが、それは人間も自然の一部だと思っていたからだ。人間の営みの中で自然を回復させる方がはるかに効果的ではないかと感じていたが、この「さとうみ」はまさにそうしたものだと言える。

 21世紀は自然との共生の時代だが、まさか里海が世界の海の再生に役立つとは知らなかった。

注)なお日本再生に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48391813/index.html

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(26.3.25) 負け犬になった橋下大阪市長 大阪都構想の落日

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  ひところ飛ぶ鳥を落とす勢いだった大阪維新の会の橋下徹氏の影響力はますます低下の一途をたどっている。
この3月23日に投票が行われた大阪市長選挙は投票率が過去最低の24%になっただけでなく、こうした選挙では異例とも見える13%もの無効票が発生した。白票を入れた有権者が多かったということで、ほとんど最低の選挙だったと言える。

 そもそもなぜこの大阪市長選挙が行われたかについて、大阪都構想に関心を持っている人以外はさっぱり分からなかったのではないだろうか。
私も正直に言うと「なぜまた選挙なんだ?と思った一人だが、大阪都構想で橋下氏が目指す区割り案を法定協議会が否決したからだと知った。

 各党が参加する法定協議会で区割り案を策定し、来年4月には大阪府と大阪市の合体を進めるのが橋下氏のスケジュールだったが、自民、民社、共産の反対にあい、さらに橋下氏と盟友関係にあった公明党にも反対され、ついに橋下氏は切れてしまった。
そうかい、なら選挙をして民意を聞き法定協議会と私のどっちが大阪市民の民意を反映しているか聞こうじゃないか

 選挙の結果は橋下氏の再選だったが、民意の反映とは到底思えない結果だ。そもそも主要政党は全く候補者を擁立しなかったし、投票率は過去最低で有権者の5人に4人は投票所に向かわなかったし、さらに投票した10人に一人は白票を投じた。
こんなつまらない選挙には関心がないよ!!!というのが民意と言える。

 橋下氏の影響力が低下したのは2年前の衆議院選挙で自民党が圧勝し、さらに昨年の参議院選挙で自民・公明の与党が安定多数を占めてしまったことによる。
それまで国政は中小政党がキャスティングボートを握る薄氷の上の戦いだったが、すっかり安倍政権は安定し野党などまるで存在しないも同然になってしまった。
もはや安倍政権にとっては日本維新の会など目ではなくなり、当然のこととして橋下氏が進める大阪都構想に関心がなくなった。
予算でも法律でも自公でいくらでも通せるのに何で維新の会の言うことを聞く必要がある

 もっとも安倍政権が目指す憲法改正の発議は両院の3分の2以上の賛成が必要で衆議院では自公で3分の2をとっているが、参議院では過半数を確保できたところだ。
安倍政権としては2年後の参議院選挙で民主党を蹴落として3分の2の確保を狙っており、もしこれに失敗したらその段階で各党との提携協議に入ろうとしている。
だから今の段階では日本維新の会は存在していないと同然なのだ。

 橋下氏としては何とも無念な気持ちだろう。
もし自民党がこんなにも圧勝しなかったら、俺が進めていた大阪都構想は実現したのに・・・・・
現実は盟友関係にあると思っていた公明党からもそっぽをむかれ、孤立無援になっている。
そもそも大阪府下の市会議員や府議会議員はこの構想に反対で、もし両者が合併なんぞしたら議員の半分は必要なくなる。
また市役所や府庁も合理化されて多くの職員が馘首されるだろう。
今までは橋下氏の勢いに押されて沈黙を守っていたこうした抵抗勢力が大合唱を上げている。
首切り反対だ!!!!

 大阪は江戸時代は天下の台所として栄え戦前までは日本を二分する勢力だった。それが戦後は大阪が繊維産業が主体だったこともありその地位が低下し、今では自動車産業のメッカの名古屋に追い抜かれてしまった。
産業は育たず大学の地位も低下し文化もない(これには異論もあるだろうが)大阪はローカルな都市に衰亡しつつある。
橋下氏としては大阪の復権は制度改革しかなく、新たな産業育成のためにも地方分権を推し進めてユニークな産業や大学や文化を持った地域にしたいと思っているが、今回の選挙結果を見ると残念ながらこうした大阪の復権も遠のいたようだ

注)橋下氏がなぜ大阪都構想を打ち上げたのかの理由の詳細は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/231130-f99d.html

 

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(26.3.24) BSドキュメンタリーWAVE 中国 pm2.5の戦いとその限界 上海市の事例

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  私は長い間中国人は大気汚染が好きなのだと思っていた。現在最も問題になっているpm2.5についても当初は北京のアメリカ大使館が発表していたのだが、北京の環境当局は「そんなものは存在しない」と居直っていたし、日本に飛来するpm2.5についても、「原因は我が国にはない」と言っていた。
だから私は中国人は大気汚染にめっぽう強く、世界中に大気汚染をばらまいて日本人のような軟な民族を絶滅させる戦略をとっているのではないかと疑ったほどだ。

 しかしさすがに北京上海の空がpm2.5によって視界がほとんどなくなり、住民でさえも危機意識を持つようになって中国当局もこの大気汚染の撲滅に乗り出すことになった。
李克強首相は中国政府の今年の9大目標の一つとして大気汚染撲滅」をあげ、「大気汚染企業は厳しく取り締まり、監督当局のサボタージュも許さない」との強い決意を表明していた。

 今回のドキュメンタリーWAVEはそうした取り組みを上海市でどのように実施しているかをレポートしたものだ。
中国は燃料の約70%を石炭の火力にたよっている石炭王国で、上海市には石炭ボイラーが約3000あるそうだが、pm2.5を20%削減するためにそれを来年の12月末までに石油や天然ガスのボイラーに転換をさせることを目標にしていた。
上海市の大気汚染の約3分の1は石炭からの微粒物質の飛散だからだという。

注)通常pm2.5の主要な原因は石炭と自動車の排気ガスと言われている。

 この取り組みを実際に指揮するのは上海市環境局の職員だが、取り締まりの対象は中小企業のボイラー食堂なので使用している石炭かまどで、この二つの汚染源に対しては熱心に指導を実施していた。

 中小企業の事例では400人規模の靴メーカーが採りあげられていたが、このメーカーは循環式のオイルヒーターに熱源を変えることになっていた。
主導していたのは創業者でもある会長で非常に熱心にボイラーを導入し、同時に靴の生産ラインの拡充を図ろうとしていた。

 しかし息子の社長はこうした設備投資に非常に懐疑的だった。
最大の原因はこの靴メーカーは北京の大手靴メーカーの受託生産なのだが、来年からは委託元の会社は靴の生産をベトナムやスリランカに発注し、上海市のような人件費が高騰してコストの高い工場への発注がなくなるからだという。
いま大事なのはボイラーを変えて靴の生産を拡大することでなく、異業種に転換することだ」と若い社長は言っていたが親父は聞く耳を持たず、ひたすら靴の生産拡大にまい進していた。

 また上海市環境局は実力で食堂の石炭かまどの撤去を行っていたが、こうしたかまどは上海市民の主食であるターピンを焼くための道具だ。
ターピンは石炭で焼かなくては美味しくないのよ」と食堂のおばちゃんが叫んでいたが、こちらの方は環境局の単なるパフォーマンスで、翌日には食堂は新たな石炭かまどを購入していつものようにターピンを焼いていたので思わず笑ってしまった。

 実は上海市には国営の石炭火力発電所があり、上海市の石炭の約5割を使用している。だから石炭かまどなどより火力発電所の排出するpm2.5の方がよっぽど問題なのだ。
番組ではこの火力発電所は脱硫装置が設置してあると説明し、この発電所に関するレポートは存在しなかったが(おそらく取材に応じなかったのだろう)、実際は発電所に設置されているとする脱硫装置こそが問題なのだ。
中国ではたとえ設置されていても効率化の問題があって稼働させていない場合が多い。
環境局の職員が現地視察に来た時だけ稼働させ、それ以外の日には止めてしまう。

 こうしたことは上海市のトップは当然知っているし、環境局も知悉しているが阿吽の呼吸で脱硫装置は稼働され問題はないとされるのが普通だ。
李克強首相のいう「監督当局のサボタージュも許さない」ということはそのことを指しているが、実際は環境局は国営企業に手も足も出ない
それは国営企業の幹部の方が共産党の序列が高いからで、中国では共産党の序列がすべてだから、なまじ下の者が真面目に仕事をするとすぐその役職からはずされてしまう。

 だから環境局は自分たちが指導できる中小企業とか食堂の商店主だけに圧力を加え、国営の発電所から排出されるpm2.5は見て見ぬふりをする。
弱い者いじめだが環境局としてはいかんともしがたい。
かくして今年の上海は最悪の重度の汚染が4回も発生した。

 李克強首相首相がいくら人民大会議場で演説しても地方幹部は生産が阻害するような措置はサボタージュする。何しろGDPの伸び率が出世を左右するのだから、なまじ脱硫装置など稼働させて必要な電力が供給されなくなればそちらの方が問題だ。
このドキュメンタリーはそれなりに興味があったが、いくら環境局が取り締まってもなぜpm2.5の排出量が減らないかの原因追及については不十分だったと言える。
実際は中国の環境汚染問題は中国政府の体質として解決不能の問題なのだ。

注)中国の大気汚染の実態については前にも記事を記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-af0b.html
 

 

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(26.3.23) ようやくデフォルトを認めた中国 「すべての企業を救うことはできない!!」

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  日本のような市場経済に慣れていると企業の倒産社債のデフォルト投資信託のデフォルトにも慣れているし、市場で競争に負けた企業は退場するのが当然だと思っている。
経営状況が悪化した企業は市場から淘汰され、新たな成長産業が現れて市場をリードしていくものと言うのが常識だ。

 しかし中国のような半分が社会主義経済で半分が資本主義経済の国家では、国営企業や官僚層との結びつきが強い企業は基本として倒産しないものと思われていた。
すぐに国営銀行が救済融資に乗り出して間違っても倒産やデフォルトなどさせないようにしていたからだ。

 一見「何と中国政府は企業を大事にするのか」と思われるがそれは間違いで、日本でいえば第3セクターを長い間地方政府が支援して倒産させなかったのに似ている。
中国の国営企業とは国家の産業部門で国家そのものと何にも変わらないから、日本でいえば千葉市の水道局をデフォルトにするようなもので、とてもそうはできなかったからに過ぎない。
民間企業も本当の民間企業などほとんど存在せず地方政府とひどく結びついているからこれもタコが自分の足を食べるのと同じだからだ。

 しかしここにきてとうとう国家と企業の結びつきが破綻し始めた。
浙江省にある中堅の不動産会社約560億円の負債を抱えて倒産した。浙江省では不動産バブルがはじけて不動産の値下げ競争が始まり資金繰りに支障が出てきたからだ。
先日は太陽光パネルの大手が社債の償還に失敗したばかりだし、また過剰生産に悩んでいた山西省の鉄鋼会社が495億円の負債を抱えて倒産している。

注)デフォルトが確実視された投資信託は政府が救済融資を行った。

 李克強首相デフォルトを容認する」との姿勢を鮮明にしているので、従来国立銀行によって支えられてきた弱小企業も次々に倒産するとみていいだろう。
問題はこれが中国の三大病巣と言われている①シャドー・バンキングの存在、② 膨れ上がった社債市場、③ 不動産バブル、等の一気の崩壊に結びつくかだ。
現在の状況の見方は二つに分かれている。
市場経済では当然視されている適者生存の過程なのか、それとも中国経済はほとんどがバブルなのでリーマン・ショック並みの崩壊に結びつくかだ。

 シャドーバンキングが扱っている理財商品の規模は中国社会科学院の推定でも326兆円、一般にはその倍程度があると推定されているからこの市場が崩壊したらパニックだ。
また不動産投資は中国の命みたいなところがあり2013年のGDPの約16%は不動産投資だった。
地方政府は土地の使用権の切り売り(土地の所有権は国家にある)で財政を支えているから不動産価格の暴落は地方財政の崩壊につながる。
また中国政府は債務不履行になりそうだった投資信託を買い支えたりして影響が外部に及ぶことを懸命に避けてきたものの、あまりの不良債権の多さにたじろいでいる。

注)中国国家統計局による2月の新築住宅価格は70都市中69都市で上昇しているという。
この結果を本気にするかそれとも中国特有の政治的統計処理と見るかによって判断が分かれる。


 日本やアメリカのような市場経済では企業倒産によって問題はその都度解決されてきたが、中国ではほとんどが実質国家企業のようなものでその経営能力の不足を政治力で補ってきた。そのためゾンビ企業が徘徊している。
しかしさすがに李克強首相もすべての企業の面倒は見られないと突き放した。
ここにきてようやく中国の大企業の倒産が始まった。
私は中国経済は1990年代の長期低迷に陥った日本に似てくると思っているが、それが誰の目にも明らかになるのにはもう少し時間がかかりそうだ。

なお中国経済の現状については以下にまとめて記載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

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(26.3.22) 理研はSTAP細胞の失敗から逃れられるか? 理研の責任とジャンヌ・ダルク

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 「理研は果たして逃げ切れるかな?と言った状況になってきた。STAP細胞の論文事件のことである。
先日理研のトップが中間報告をしていたが、野依理事長によるとすべての罪は「未熟な研究者が膨大なデータを集積し取り扱いが極めて杜撰だったことにある」ということになっていた。
また同席していた幹部からも「論文の体をなしていない」「常道を逸している」などという言葉がはっせられていたが、私などは「それなら理研の管理責任はどうなのだ」と聞きたくなる。

 私も金融機関という組織に長い間所属していたから、組織の存続にかかわるような事態が発生すると「トカゲのしっぽ切り」を行うことを何度も見てきた。
一人に罪を着せて後の人は「知らぬ顔の半兵衛」を決め込むのだが、そうして組織は生き延びてきたと言える。

 だから今回STAP細胞論文の大失敗の原因を「すべて小保方晴子リーダーにある」と主張する理研の立場は分からないではない。
しかし一方で魔女のような汚名を着せられて火炙りの刑に処せられようとしている小保方晴子さんには同情を禁じ得ない。

 特に今回の理研の対応でひどいと思われるのは、理研内部の共同執筆者である笹井芳樹CBS(理研発生・再生科学総合研究所)副センター長については罪を逃れることはできないのではなかろうかと思われるからだ。
笹井氏ES細胞の第一人者でマウスのES細胞を使った再生実験に成功しており、山中教授のiPS細胞が現れるまでは、日本の再生医療の第一人者だった。

 それが山中教授のiPS細胞が再生医療の本命になってしまい、受精卵を使用することで倫理問題があるES細胞は時代の流れに完全に遅れてしまった。したがって今回iPS細胞を凌駕すると期待されたSTAP細胞について笹井氏が並々ならぬ情熱と決意を持って小保方リーダーの研究を支援してきたことはよく理解できる。

 1月末のSTAP細胞の研究発表でマスコミを集めた大々的なセレモニーにしたのも、また論文がネイチャーに掲載できたのも笹井氏というES細胞の権威者が付いていたからだと言える。
そうでなければ30歳の「未熟な研究者の論文が世界的に取り上げられるはずがないからだ。

 さらに理研内部でもこの発表を後押ししていた形跡がある。時あたかも安倍内閣は特定国立法人の指定で日本の研究者の給与をアメリカ並みに引き上げて優秀な研究者を日本に呼び込む戦略を立てようとしていた。
理研の研究者の平均給与は 1000万円程度だそうだが、ハーバード大学では平均で2000万円、スター教授の場合は5000万円程度が相場になっているという。
理研が特定国立法人の指定を受けて研究者の給与のUPと、ここを世界的レベルの研究所にしたかった気持ちはよくわかる。

 そのためのセレモニーが若干30歳の女性研究者の世界をあっと驚かすSTAP細胞の発表だったが、論文の内容のあまりの杜撰さでものの見事にずっこけてしまった。
理研のトップ層も驚いただろう。
笹井が指導していたのに、このありさまはなんだ!!
政府からは特定国立法人の指定は当面延期が通告され、理研が目指した世界的レベル(内容も給与も)の研究所に衣替えする戦略は大失敗に終わってしまった。

 後はこの敗戦責任を小保方リーダーだけに負わして逃げを図ること以外になくなったのだが、これはかつての日本陸軍がノモンハン事件でとった対応と同じだ(現場の指揮官のせいにして関東軍作戦参謀は逃げた)。
日本では失敗については語らないのが原則だが、今回の理研の敗戦はそうとばかり言っていられないほど根が深い。
ジャンヌ・ダルクを火刑にすればそれで良しとすることはできないだろう。

注)なお一連のSTAP細胞の案件の記事は以下参
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat58261917/index.html

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(26.3.21) 千葉県立高校の数学入試問題は相当タフだ!!

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  私は家で中学生4名と小学生1名のボランティア教師をしているのだが、先日中学2年生の生徒が26年度の千葉県立高校の数学の前期の試験問題を持ってきた。
学校の教師から「中学2年が終わった段階で解ける問題もあるので挑戦してみるように」言われたらしい。

 実は私は県立高校の数学の問題を見たことがなかった。通常公立高校の試験問題は教科書に準拠しているので一部の私立にあるような難解な問題は出されないと思っていたからだ。
どれどれ見せてごらん」なんて解き始めたら何か途轍もなく難しい問題が並んでいることに気づき、一瞬頭に血が登った。

 県立高校の問題にはある一定のパターンがあり全体で5問出され、各問の中で5つぐらいの小問が出されていた。
第1問はいたって簡単な計算問題が並んでいて、「やはり公立高校はこの程度のレベルか!!」と思ったが、第2問あたりから急に難しくなっていた。

 この中に作図問題があるのだが「与えられた円の中に同じ中心円を利用して面積が半分の円を作図せよ」という問いがあるのだが目を見張った。
うぅーん、一体どうしたらいいんだ、わからん!! 」さっぱり作図ができず、回答を見てようやく作図の方法が分かった。
こりゃ、思ったより手ごわそうだ・・・・・・

 第3問は一次関数で囲まれた面積を求める問題で慣れていたが、最後の問題はその面積を回転させた後の頂点の位置を求める問題だった。これが三平方の定理を駆使して解くのだが中学生にとってこの三平方の定理をどれだけ上手に使えるかが入試の分かれ道になるようだ。
いや、これも一筋縄ではいかんな・・・・・
だんだんと入試問題を見る目が変わってきた。とてもタフな問題がちりばめられている。

 第4問は相似の図形の問題だが小問の2は恐ろしいほど難しい。悲鳴を上げそうになった。
そして第5問を見て心底驚いた。これは小学生が有名中学を受ける時に出るようなよほどのトレーニングをしなければ金輪際解けないような問題で、始めて見た生徒はまず途方に暮れるような問題だったからだ。

 全体を見た印象は半分は解ける問題だが、後の半分は相当程度トレーニングが必要な問題ばかりだという印象だ。
そうか、最近の県立高校の入試問題はこんなにレベルが高くなっていたんだ

 私が都立高校を受験したのは今から50年以上も前のことだがそのころの問題は非常にやさしく中学のトップクラスの生徒は100点近くを取るのが当たり前だった。
一方最近の千葉県立高校の問題は50点を取るのは簡単だが、それ以上得点するためには相当の努力がいるような問題ばかりだ。
数学が得意な生徒でも90点取るのがやっとで、70点から80点取れれば上出来と言うレベルなのには本当に驚いた。
数学の教科の内容も50年たつと進歩していたのだ。

 だが展望はありそうだ。まだ26年度の前期と後期の問題を解いてみただけだが、一定のパターンがあり何を勉強しなければならないかは明確になりそうだ。
しばらくは県立高校の過去問を調べて傾向と対策をしなければこれではおちおち子供たちの指導もできない。

なおボランティア教師に関するブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51314868/index.html

 

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(26.3.20) STAP細胞と小保方晴子さんの私生活は無関係 週刊文春の露悪趣味

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 私が週刊誌をほとんど読まないのは「川に落ちた犬を棒でたたく」ような実に人間性の最悪な部分を露呈するからだ。
小保方晴子さんのSTAP細胞の論文ことである。
STAP細胞の論文に問題があったのは確かでそのことが記事になるのは当然なのだが、週刊文春の3月27日号では見出しが「小保方晴子さん 乱倫な研究室」となっていた。

 さらに小見出しでは「先生お食事行きましょう。猛アタックで共同研究者の家庭にヒビ」とか「神戸の湾岸高級ホテルを自宅代わり。セレブ生活の資金源」となっていて、これでは小保方さんは高級娼婦と変わりがないと言っているのと同じだ。

 私がこうした見出しに怒りがわくのはその1か月前の2月13日号では「一途なリケジョ 小保方晴子さんの初恋と研究という提灯記事を載せていた同じ週刊誌の記事だからだ。
あの一途なリケジョが1か月間の間に高級娼婦に様変わりしたのかい!!皮肉も言いたくなる。

 今回の小保方さんのSTAP細胞の研究発表は純粋に学問的問題であって、その論文に瑕疵があればそこを突けばいいだけでそれ以上でもそれ以下でもない。
データのねつ造があれば研究者としては失格だが、個人的にどこに食事に行こうとどこに住んでいようと研究成果とは関連がない。
それを週刊文春はセックスアピールがすべてだったという記事にすり替えており、ちょっと前までは「リケジョだと囃し立てていたことなど口を拭っている。

 私が週刊誌の記事が本当に嫌いなのはかつて松たか子さんが不当なバッシングにさらされたことがあったからだ。もう昔のことだが兄の松本染五郎さんに隠し子があり、それを週刊誌が暴いたのだが、いつの間にか松本家バッシングに変わり、その一員である松たか子さんまでバッシングの対象になっていた。
松たか子はなまいきだ」というのだが、私などはなぜ松たか子さんがそのように非難されなければならないか全く分からなかった。
問題は松本染五郎の隠し子だろう。家族と言っても独立した存在の人をついでにバッシングすることはないだろう」怒りがわいてきた。

 私は正直に白状するが今も昔も松たか子さんのファンだ。特に松たか子さんが出演した山田洋次監督の「隠し剣 鬼の爪」の「きえ」の役は忘れられない。
全く週刊誌のやろう、こんな清純な乙女をバッシングするなんてとんでもない奴だ!!」

 小保方晴子さんの件についても小保方さんが若く、研究者としては美人(これには異論のある人もいる)なことがこうした下半身でしかものを考えない週刊誌の最も下劣な品性を暴露している。
繰り返すが研究者は研究者として評価すべきで、その人の私生活で評価すべきではない。
人間にはそれぞれ後ろ暗いところはあるもので、週刊文春のこの記事を書いた人も同じだろう。
なら、自分の暴露記事を書いたらどうだと言いたくなる。それで週刊文春の編集者や記者の私生活と小保方晴子さんの私生活を読者に比較対象させて公平な判断を求めるべきなのだ。
自分だけが高みに立って落ちた犬を棒でたたいているこの姿は実にいやらしい。

 残念ながら小保方晴子さんのSTAP細胞を作る研究には失敗していたようだ。しかし何度も言うがこれは学問の領域の話であって、個人の私生活とは全く無関係だ。

注)なおSTAP細胞の問題点については先に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-3db4.html

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(26.3.19) BS歴史館最終回 足利尊氏の開いた室町幕府

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 私が初めて歴史を学んだとき最も不思議だったのはなぜ室町幕府はこれほど弱体だったのかということだった。
それは鎌倉幕府江戸幕府と比較してみると一目瞭然で、将軍の所領はほとんど存在せず、幕府の高官が互いに将軍を担いで権力闘争を行い、将軍はしばしば殺害されるありさまでどう見ても幕府らしからなかったからだ。

 結果的に分かったのはこの室町幕府を創設した足利尊氏がほとんど権力に執着しなかったからだとその理由を知った。ただし全く執着しなかったというのは間違いで時には権力志向になるがすぐに嫌になって、「もうやだ、俺は引退して和歌を作っていたい」なんて気分になって引きこもってしまう、なんとも気分家の性格だった。

 尊氏は実に権力者らしからぬ人物だったが、鎌倉幕府の筆頭御家人清和源氏の流れを引く由緒正しい家柄で鎌倉幕府の大番頭北条氏などは及ぶべくもない家柄だったことが、北条氏に弓を弾く大きな原因になった。
本来ならば俺が源氏本家を次いで北条氏に代わって幕府を開くべきではないか・・・・・」そう心の底で思っていた。

 機会が訪れたのは後醍醐天皇が中国の朱子学を学んで神がかりになり北条氏討伐の綸旨を流したからで、すぐさま幕府は後醍醐天皇を捕縛し隠岐の島に島流しにした(1332年)。
通常はこれで一件落着になるはずが、後醍醐天皇の息子護良(もりなが)親王が挙兵し、一方後醍醐天皇も隠岐を脱出して鳥取に陣取り、さらに天皇派の楠正成が千早城で幕府軍を苦しめたりしていたので、幕府は今度は本気になって足利尊氏を総大将とする大軍団を送ることにした。
今度は徹底的に後醍醐天皇側を掃討する!!

 この時太平記によると尊氏は「父親の喪があけておらず、一方病気がちなのに総大将にさせるなんて北条氏はひどい」と恨みを持ったということになっているが、これはほとんどありえない。喪中だから戦闘をしないのは中国の儒教、それも朱子学の影響だが尊氏が朱子学の徒だという証拠はない。
それよりも京都方面に向かう途中で千早城攻めで失敗した鎌倉方の敗残兵にあうにしたがって、「これはどうも鎌倉幕府もガタが来たな。それなら俺が幕府を開こうか。俺は由緒正しき清和源氏だ」と思ったのだろう。

 しかも後醍醐天皇の綸旨護良親王の令旨では北条氏を討てとなっているので、大義名分はある。さっそく幕府の京都出張所六波羅探題を襲ってこれを一蹴すると諸国の御家人はみんな反北条氏になってしまい、1334年に北条氏は鎌倉で全員討死してしまった。
これで頼朝や家康ならさっそく幕府を開くところだが、尊氏は全くその気がなくなったのか以降2年間は神がかりになった後醍醐天皇の新政のサポートをしている。

 後醍醐天皇は朱子学の教義に則り徳治政治を行うつもりだったが、一方ですべての所領争いは後醍醐天皇が裁断するとしたので、案件が山のように積み上がり事務処理どころではなくなってきた。あまりの事務の多さに根を上げて翌月にはこの命令を取消、「今のままで良しとしろ」ということに変えた。
実際は後醍醐天皇は側近の公家に所領を分配してしまったために、反北条に立ち上がった御家人に分配する所領などなかった。

 収まらないのは尊氏に従って北条氏を倒した御家人だ。
なんで恩賞が無いんだ。北条氏の所領を分配すればいいじゃないか。尊氏殿何とかしてくだされ」ということになった。

 ちょうどその時期に北条氏の残党が決起し鎌倉を攻めて占領したため、後醍醐天皇は尊氏に北条氏の掃討を命じたが、さすがに人のいい尊氏も今度は「うん」と言わなかった。
私に征夷大将軍の称号と恩賞を与える権利を賜りたい
当時戦いに勝利すれば恩賞を与えるのが決まりでこの権利を持つ者こそが本当の支配者だったので、後醍醐天皇は拒絶した。
駄目だ、恩賞は天皇みずから与える

 尊氏は天皇の命令を無視して鎌倉に出向き北条氏の残党を一蹴して従った御家人に恩賞を与えたのだが、これに後醍醐天皇が激怒した。
あのやろう、俺の徳治政治を無視してまた鎌倉に幕府を作るつもりだな!!
今度は後醍醐天皇は尊氏追討の綸旨を出したので、尊氏はそんなつもりはなかったのですっかりしょげかえってしまった。
実際は尊氏の動きを陰で操っていたのが弟の直義ただよし)で、将軍職も恩賞の件も直義の進言に従っただけだったので尊氏は後醍醐天皇の怒りが理解できなかった。

直義、俺はもうやだ。天皇には誤解されるし、寺にこもって和歌を作るから政治向きのことはお前に任せる
しかたなく直義は足利軍を率いて尊氏掃討軍に対抗したが直義は戦闘には全く向かないタイプで掃討軍に蹴散らされてしまった。
兄さん、あんたが出なきゃ勝てないよ。寺にこもっていないで戦闘に出てくれ」

 尊氏が寺から出たのは「弟の命を救うため」だったから何とも武士としては優しすぎる。
尊氏はその後の戦闘にも勝利し後醍醐天皇を破って室町幕府を京都に開いたのだが、本当は幕府の将軍になどはなりたくなかったようだ。
政務は直義にまかす」といってもっぱら和歌を作っていた。

 なぜこの時期から南北朝が始まったからというと、尊氏が後醍醐天皇を死に追い込まなかったからだ。
まあいろいろ事情もあるのだろう。後醍醐天皇の都合もあるだろうから好きないさせよう。こっちはこっちで天皇を立てればいいや」相手を徹底的に追い詰めないところが家康と違う。
おかげで後醍醐天皇は吉野に逃れて南朝を開き以来60年にわたって南北朝の時代となる。

 やはり幕府の性格はその創設者の性格によって全く異なったものになる。何事も大雑把でものに拘泥せず、敵方を簡単に許してしまう尊氏の性格がその後の室町幕府の弱体化を招いた。何しろその後の将軍は尊氏のような戦闘上手でなかったから権威だけで生きていかなくてはならなかったからだ。
BS歴史館最後の登場人物は足利尊氏だったがこの人を最後にしたのはBS歴史館も皮肉が効いている。
激動の時代は思わぬ人物が権力者になってしまうということだ。

なお日本史のシリーズは以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

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(26.3.18) 大変だ、世界の地鳴りが始まった!! 古いシステムの崩壊現象

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 世界の政治経済情勢に地鳴りが鳴り響いている。ちょうど大地震が来る前触れのようだ。
政治情勢とはクリミアのロシアへの編入のことだが、16日の住民投票では97%の圧倒的多数でクリミア住民はロシアへの編入にYESの回答をした。
アメリカなどは「の住民投票はウクライナ憲法に違反するので無効だと言っているが、プーチン大統領は「ヤヌコビッチ大統領をクーデターで追い出したウクライナ親西欧政権に正当性はない」と反論している。

  従来はアメリカが吠えれば相応の効果があったのだがアメリカの威信は地に堕ち、アメリカの脅しなどプーチン大統領は歯牙にもかけない。
昨年シリアが化学兵器を使用したとしてオバマ大統領は制裁の空爆を行う」とこぶしを振り上げたが、プーチン大統領の反対で全く制裁ができなかった。軍事大国が軍事力を行使できないようではおしまいだ。おかげでシリア情勢はますます混とんとして900万人近い難民であふれかえっている。

注)シリアへの懲罰戦争失敗の経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-fdc3.html

 1990年前後のソビエトの崩壊後アメリカ一国で世界を牛耳ってきたがそれもほぼ20年間の運命だった。オバマ大統領は国内問題で手いっぱいで、予算も国債の上限枠も通すことがやっとで「世界のことなど知らない」というのが本音だ。
こうして政治の世界ではアメリカの世紀が終わって多極主義の時代に入ってきた。

注)アメリカがなぜウクライナに手出しできないかは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-c0f8.html

 経済情勢もひどい地鳴りがしている。アメリカはFRBが湯水のようにドル札を刷っていたが、それをやめると言ったとたん世界経済に急ブレーキがかかってきた。
特に新興国と言った経済はこのアメリカの増刷された紙幣をあてに国内の株価が上昇し、国債発行をおこなってきたのにその資金を引き揚げられては元も子もない。
ブラジル、トルコ、インドネシア、インドと言ったひところのぼり竜のようにもてはやされていた新興国の経済が急停車し始めた。

注)FRBの金融政策の変更で世界の経済が委縮し始めた経緯は以下参照

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-8b8d.html

 中国は為替の自由化を行っておらず、他国の影響を限定的に抑えることはできるが国内問題が火を噴いている。
中国の問題は複合的でゴルディアスの結び目のようになっており、一刀両断中国の崩壊)以外には対処のしようがないほどになっている。

 ウイグル族の独立運動は明らかにゲリラ戦争の様相を呈しており、昆明駅の無差別テロでは29人の人命が失われた。またマレーシア航空370便の事故についてもハイジャックされた可能性が非常に高く、犯人はウイグル族の活動家ではないかと中国政府は疑っている。
ちょうどかつてのイギリス政府とIRAとの闘争のような雰囲気だ。

 また経済は完全に失速しているのだが、中国の経済指標は政治指標なので実態が全く分からない。中国が購入しなくなったので石炭や鉄鉱石の価格が急落していたり、中国への輸出が多い国の経済が不調になったりしているが、一方の中国経済は7.5%の順調な経済発展を遂げているという。

注)中国経済の推移は中国との貿易先(中国への輸出先)の経済動向を見ている方が分かりやすい。オーストラリア経済の事例は以下の通り。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-45ae.html
 
  地方政府が建設したマンション群にはバブル崩壊後の日本と同様に買い手がつかないのだが、地方政府は順調に販売されていると強弁している。上海の株価は傾向的に低下しているが、中国経済は順調そのものだというのが中国政府の公式見解だ。
最近太陽光パネルのメーカー上海超日の社債がデフォルトになった。従来は中国政府が通貨元を印刷してはデフォルトを回避してきたが、とうとうその手も使えなくなった。あまりにデフォルト予備軍が多すぎるからだ。

 一方で理財商品を扱うシャドーバンキングの問題も深刻だ。日本でいえば住専やノンバンクと言ったところだが、10%程度の理財商品の利回りを上回る投資物件がなくなっている。
従来は不動産投資が理財商品の格好の投資対象で資金が回転していたのだが、バブル崩壊後の日本と同様売れない物件が山積みになっている。
世界の投資家はこの理財商品がサブプライムローンのようにいつ崩壊するか戦々恐々だ。

 日本のアベノミクスもこと経済に関しては限界が見えている。いくら日銀が通貨を増刷しても投資対象はせいぜい株式と不動産だから実体経済は回復しない。せいぜい1%程度の経済成長がやっとだ。
ヨーロッパ経済も暗雲がただよっており、好調のドイツ経済もウクライナ問題で制裁合戦が始まるとロシアからの天然ガスの輸入がストップしてしまう。世界中が天然ガスを求めて右往左往する様が目に見えるようだ。

 こうして経済においても世界中の経済が下降局面に入っている。政治経済面でのアメリカの威信低下は明白で、一方新たな政治経済体制の枠組みはどこにも見当たらない。
2014年、世界は激動の時代に入ってきた。
古いシステムは地鳴りを上げて崩壊し始めたが、新しいシステムの展望が持てないでいる。
 

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(26.3.17) 体力と気力の崩壊 これ以上の行動は慎もう!!

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  このところ体力と気力の低下に悩まされている。もうすぐ68歳になるのだから当然と言えば当然だが、今まで唯一の自慢がこの体力だったのだから人生の黄昏を感じることが著しい。
私はほぼ毎日のように四季の道約6kmの清掃活動をしているが、最近とてもきつくなっている。
特に最後の1km程度のところに有吉中学からジャスコにかけての坂があるのだが、ごみ袋がいっぱいになっていると最近は息も絶え絶えだ。仕方がないのでジャスコに入って飲み物を購入してベンチで休むのだが、こうでもしないと家にたどり着けない。

 また昨年の夏は実に熱心に四季の道の草刈りを行ったが、炎天下の草刈りは煉獄の苦しみだ。雑草の除去ができればそれ以降の草刈りも楽になるので頑張ったのだが、ペットボトルに水を詰め込んで浴びるようにしての作業になった。
今年はそれができるだろうか。よく農家で老人が農作業中に熱中症で死亡するが、何かそうした雰囲気が漂ってきた。

 私は家で子供たちにボランティア家庭教師をしていて今5人(中学生4人、小学生1人)の子供の勉強を見ている。
当初はこちらから生徒を募集していてもなかなか集まらなかったのに、最近は子供の勉強を見てほしいとの要望をあちこちで聞くようになった。
しかし一人で行うのには5人程度が限度で今はみんな断っているが、私は断ることに非常に精神的ストレスを感じるタイプだ。

 昨日は昨日で緑区の地域活性化支援事業の公開説明会に出席した。おゆみ野クリーンクラブが本年度から行おうとしているベンチの補修事業の支援を受けるためだが、こうしたプレゼンを行うのも最近はとてもエネルギーがいる。
一番の原因は聴力が非常に落ちてしまいしゃべるのはいいが、聞くほうになると質問者の質問が何を言っているのかうまく聞き取れないので神経を集中しなければならない。
昨日の場合もそうで終わったらくたくたになってしまった。

 実際聴力の低下は日常生活を送る上でも支障が出てきており、音声拡張器を使用しないとほとんど相手の言っている言葉が分からない。最も使ったら使ったでひどく耳が疲れてくたくたになるので普段は人との会話をできるだけ避けている。
会議などは最も苦手で多くの人が次々に発言し始めると何を言っているのか分からなくなるので、会議には出ないようにしている(それでも断ることのできない会議はあるのだ)。

 また私は自動車を持っていないので資材は自転車か一輪車で運ぶのだが、昨日ビバフォーム(約5km程度離れている)から一輪車で防腐剤の缶10kg程度を運んだがふらふらになってしまった。かつては何キロだろうが意に返さなかったのにと思う。

 そして今まで毎日のように運動を行い、ほとんどがJOGだったが、最近膝と腰を痛めてからこのJOGができなくなった。走れないことはないのだが最初はオイルの切れた自動車のようにガタビシして何とも走っている感覚がしない。ちょうど初期の頃のロボットの動きのようだ。
仕方がないので普段は自転車に乗っている。長柄方面に50km程度ライディングに出かけるのだが、この時が唯一幸せを感じる時だ。
しかしその時間も他の活動であまり取れなくなりつつある。

 やはり人生には黄昏と言うのがあるのだろう。体力と気力に任せて突っ走ってきたが、とうとう限界に突き当たった。
今年はこれ以上の活動の拡大は絶対にしないことにして、また今までしてきたことについても見直しを行っていこう。
体力と気力の範囲内に活動範囲をとどめなければ自身の崩壊につながりそうだ。


 

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(26.3.16) 市原ちはら台マラソンのスタッフボランティア

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  年齢を重ねるにしたがってなれないことをするのに非常に疲れるようになってきた。
今日は市原市のちはら台で第1回の「市原ちはら台マラソン」が開催されたのだが、初めてスタッフとしてこのマラソンの裏方を務めた。
私が所属しているちはら台走友会が全面協力することになり、私もメンバーの一員として参加したものだ。

注)ちはら台走友会には40名近くの会員がいるが今回ボランティアと選手で30名近くが参加している。ボランティアスタッフの中心的存在になっていた

 私は自分が大会に参加することは何回も行っており、また個人的な小さなレースの開催はしたことがあるが、こうした本格的なマラソン大会のスタッフに組み込まれたのは初めてだ。
レースは10kmと5km、それと子供2kmと親子向け1kmレースが組まれており、10kmは約1000名程度の参加者があった。第一回目の大会としてはまずまずの参加者と言える。

 私が受け持ったのは受付担当子供2kmと親子1kmのコースの振り分け、それと10kmの最後尾ランナーのサポートだった。
受付で割り当てられた人数は120名程度で大したことはないのだが、やたらと質問されるのには閉口した。
実は私のようなボランティアスタッフは自分に指示された仕事以外のことはほとんど知らない。

「着替えの場所はどこですか」
「トイレの紙がなくなっているが手当てしてもらえないか」
「ゼッケンは前に付けるのか、後ろですか」
「スタート場所はどこですか」
「もらった記念品が水漏れしているがどうかしてくれないか」
「ピンが入ってないじゃないか」

受付をしているとこうした質問が次々に発せられて、単にゼッケンを手渡ししてればよいという訳にはいかない。
あの、本部がこの先にあるので聞いてください

 私は受付が終わった後子供2kmと親子1kmのコース整理(一緒にスタートをして途中で別れる)をしなければならなかった。ところが予定されていたコース振り分け用のコーンがなかなかやってこず、両者をうまく振り分けることができなくなるのではないかとひやひやした(5分前にコーンが運び込まれた)。

 その後10km最終ランナーの後について走る最後尾ランナーを担当したのだが、最後尾になるとほとんど歩いているのと変わりがない。
この歩いているような速度のランナーについていくのは本当にきつい。
それぞれランナーには巡航速度というのがあってその速度で走っているときが最も効率的に走れるのだが、それよりも早かったり遅かったりすると非常に体力を消耗する。

 今回の最終ランナーは10kmを約100分で走ったから、私が通常走る速度の半分程度の速度だった。
うぅーん、何と疲れるのだ・・・・・・」終わったときはがっくりして座り込んでしまった。

 今回初めて経験したのだが、こうした大会運営については専門の運営会社があり、会場の手配やパンフレットの作成やその他あらゆる運営のノウハウを持っていて、すべてを取り仕切っていた。
一般のボランティアはそのうちの一部だけを担当するシステムになっており、上記のようにほかの作業は一切わからない(だから質問されてもうまく答えられない)。
日本中でマラソン大会が開催されているからこうした運営会社もきっと引っ張りだこなのだろう。

 しかしいずれにしても私は疲れ切ってしまい、寒かったせいもあるが家に帰って風呂に入って体を温めなければ体力も気力も回復しなかった。
経験としては大変面白かったのだが、老人が初めて挑戦するには体力がついていかないというのが実感だった。

なおちはら台走友会についての記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44088639/index.html



 



 

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(26.3.15) マレーシア航空370便の不可解な事故!!

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 何かますます魔訶不可思議な事故になってきた。3月8日に発生したマレーシア航空370便の事故である。
この飛行機はマレーシアのクアラランプールを飛び立って北京国際空港に向かった便で乗員乗客239人が乗っていた。
乗客の中で最も多いのが中国人で135人だから、乗客だけでいうと約6割が中国人だ。

 今回の事故で最も不思議なのは飛行機が救難信号も出さずに忽然と消息を絶ったことで、通常は何らかのトラブルが発生した場合、パイロットから管制塔に連絡してくる。
連絡もできないような緊急事態とは一体何だったのだろうかというのが憶測の原因になっている。空中で爆発したのではないかとの推定だ。

 特に中国当局がひそかに恐れているのはこれがテロではないかとの憶測だ。最近雲南省昆明駅前ウイグル人とみられる集団のテロが発生したばかりで30名弱の人が死亡しているし、昨年はウイグル人の家族が天安門広場で自動車を激突させて集団自殺をした。
中国国内ではウイグル人の反発は急速に拡大していていつテロが起きてもおかしくない状況になっていた。

注)中国国内のテロ事件等については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-6e43.html

 中国政府の国内での締め付けは非常に厳しく今回成立した年度予算の内訳でも国内治安維持費が断トツで国防費を上回っている。
国内の治安はほぼ完ぺきに保たれているため、中国国内でテロを行うのが不可能になったので、外国から北京に向かう飛行機をハイジャックしてテロを仕掛けたのではないか、そう中国政府は恐れている。

 かつてと言っても1987年のことだが北朝鮮の工作員が大韓航空機に爆弾を仕掛けて爆破した事件があった。犯人が日本人の旅券を保持していたので、「日本人のハイジャック犯か!!!と色めき立たったが、偽の日本人旅券を保持していたことが後でわかっている。
今回も偽の旅券の保持者が数人いて、うち2名のイラン人は麻薬密売組織にかかわった人物ではないかと推定されている。
しかし他にもわけの分からない旅券で登場している人物がいて、こうした人物の身元確認に各国が奔走しているらしい。

 現在12か国から捜査隊が派遣されているが、最も大規模なのは中国で巡視船や揚陸艦や艦艇計9隻が大集合し、航空部隊も派遣した。
何か中国での事故かと思われるほどの大規模部隊の投入で、これは2つの意味があるらしい。

 一つはこの事件が単なる事故かそれともテロかを確認したいことだが、もう一つはこれを機会に南シナ海での中国艦船のオペレーションの実施訓練を兼ねていることだ。
余りの中国海軍の進出に驚いたマレーシア政府はアメリカと日本に哨戒機等の派遣を要請してバランスを取ろうとしている。
このまま中国に居座られては南シナ海が中国の内海になってしまうからだ。

 マレーシア航空機の事故原因については現状は全く不明で、いづれも憶測の域を出ない。
しかしもう少したてば機体も発見され、ボイスレコーダーやその他の機器も引き上げられて事故原因も明確になるだろう。
しかし一方で中国海軍のオペレーションは南シナ海を中国の内海にする一環として大部隊を派遣していることは確かだ。
周辺諸国はそうした中国の動きに気が気でなく、日本とアメリカに捜索の協力を依頼して捜索終了時点ですべての海軍にお引き取りを願おうとの戦略を立てている。
日本もアメリカも引き上げるのだから、中国さん、あなたも帰ってください」ということだ。

 

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(26.3.14) ためしてガッテン 胃の慢性不調の原因が判明した

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 私は長い間精神性胃炎に悩んできた。当初は本当に胃が痛んでいるのだと思い「俺もとうとう胃がんになったのか!!!なんて気持ちに襲われてきたが、長い間の経験でそれが精神性のものだということを知った。

 私が最初にこの胃炎に悩んだのは会社に入った当座に初めて北アルプスの登山を誘われた時だった。登山の予定日の数日前から急に胃がおかしくなり食欲が落ちて胃痛まで起こってきたので、連れて行ってくれることになっていた先輩に、胃の状態がおかしくてとても登山ができそうもありませんと言ったらどやされた。
実際登山を始めると胃のことなどすっかり忘れて快適な登山を楽しんだものだ。

 その後私は何か重要なイベントがあるたびに胃の不調を訴えるようになっていたことに気付いた。かなり冒険的な海外旅行や体力の限界に挑戦する超長距離走を行う前である。
また仕事などでもとても重要な仕事の完成日が近づくとこの正体不明の胃痛に悩まされたものだ。

 さすがにこうした経験を積むたびに私の胃炎は精神的ストレスからくるもので、実際に取り掛かるとそっちの方に注意が集中するのでストレスなどどっかに吹っ飛んでいくことを知った。
だから最近は胃が不調になれば、私が最も信頼している家庭医の金井先生から「何も問題はありませんね」と言ってもらうためだけに病院を訪れている。
精神的なものだから、金井先生の一言が絶対的な薬になるからだ。

注)金井先生の一言がどんなに劇的に症状を回復させるかは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-bb82.html


 私は慢性胃炎精神性胃炎)はそんなものでこれを抑えるような有効な薬などないものだと思っていたが、今回のためしてガッテンで「胃の慢性不調」に有効なアクチアミドという薬が保険対象になったことを知った。

 私は全く誤解していたが、胃に入った食物はすぐに胃の最下部に集められてそこで消化されるようになっていたと思っていたが実際はそうではないのだそうだ。
信じられないことに胃には一種の倉庫のようなものが上部にあり、そこに一旦蓄えられた後少しづつ下部に送られて消化吸収する仕組みになっていた。
何か牛の胃のようなイメージだが人類の胃は二層構造をしていて貯蔵庫と消化場所に分かれているのだという。
確かにいっぺんに消化吸収ができなければこうして手におえる範囲で消化吸収するのは非常に合理的だ。
なるほどね、人類も草食動物と似ているんだ・・・・・

 こうした働きを制御しているのが神経伝達物質のアセチルコリンで、通常ならばアセチルコリンの働きで倉庫に蓄えられた食物は順序良く少しずつ消化が図られる。
しかし一旦脳がストレスにさらされるとストレス物質が出てきてアセチルコリンの働きが急激に弱まるのだそうだ。
そうなると一旦倉庫に入れるという方式が取れなくなって、いっぺんに胃の下部に食物が来てしまい消化能力を超えるためひどい胃のもたれや胃痛が発生するのだという。
じゃー、私の精神性胃炎もそうして起きていたのだろうか・・・・・・・・・・・

 最近こうした病気を機能性ディスペプシアと名付けられたそうで、これに効く薬の名前はアクチアミドという。
慢性的な胃炎の半分はこのアクチアミドで対応できるそうで画期的な薬だという。私の場合は必ずしも慢性ではなくイベント性が強いがもしかしたら効果があるかもしれない。
しかしそれにしても胃に倉庫があると聞いて驚いてしまった。

なおためしてガッテンのシリーズは以下にまとめて入っています。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

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(26.3.13) 日本の輸入天然ガス(LNG)の高価格体質  なぜか?

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  なぜこんな価格推移になるのだろうか。天然ガスの地域別価格推移についてである。
リーマンショック後アメリカの天然ガスは5ドル前後、ヨーロッパでは12ドル前後、そして日本では18ドル前後で定着している。
日本が輸入する場合は液化しないと運べないからLNGにするための費用や輸送費がかかるのは分かるが、それにしては乖離が大きい。たとえばアメリカから輸入すると仮定するとそうした費用を加えてもヨーロッパ並みの価格になるはずだ。

注)天然ガスの価格推移については以下のグラフ参照
http://ecodb.net/pcp/imf_group_ngas.html

 専門家に言わせると日本を含むアジア向けは石油連動型の価格設定になっており、石油価格の上昇要因が大きいのだという。確かに石油価格はこのところ100ドル前後に張り付いたままだが、それならなぜ価格決定方式を変えないのだろうか。天然ガスは天然ガス独自の価格設定があってしかるべきだと私などは思うがそうはならないという。
これなども交渉力の問題だと私は思うが、まったく資源国にやられっぱなしだ。

注)石油の価格推移については以下参照
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_poilwti.html

 もっとも日本の場合は特殊要因があって東日本大震災で日本の原発がほとんど停止してしまい、従来30%あったシェアを火力発電所が代替している。
震災前のLNGの輸入量は約7000万トンだったのが、現在は8700万トンだから約25%UPしているが、価格上昇要因の方が大きくトン当たり5000円が9000円まで上昇している。
価格上昇率は大げさに言えば2倍だ。

 天然ガスを輸入するには西欧のようにパイプラインで運ぶか、日本のようにLNGにして運ぶ以外に方法はない。
問題はLNGにする施設が整備されている国は少数で、日本向けは主にカタール、オーストラリア、マレーシア、ロシアである。そしてこの中で輸出余力を持っているのはカタールだけだから、電力各社は大震災後カタール詣でをしていた。

注)地域別のLNG輸入先は以下参照
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fuwaraizo/20130829-00027509/

 日本の価格が世界標準からみて特に高いのは大震災後の需要で足元を見られたことが大きいが、それ以上に電力各社が価格引き下げ交渉をしてこなかったことが大きい。安定供給されれば良しとの態度だったが、それは輸入価格を消費者に転嫁できたからだ。
金はどうせ消費者が払うんだから価格はどうでもいい。ただ安定供給が大事です

 大震災前は原子力発電のウェイトは約30%で、それを50%まで引き上げるのが国の方針だった。LNGの輸入量は長期的には減少するとみられていたし、当時は円高でLNGの価格推移などはどうでもよいような状態だったことも確かだ。
しかし好事魔多しだ。大震災でそうした戦略が一気に崩壊してしまった。
原子力発電はゼロになってしまい、石炭火力発電所はこれ以上の電力供給ができなかったのでLNG発電が増産を始め、必要な燃料はカタール依存が高まった。

 今日本経済は嵐のただなかにある。ミクロ的には企業の業績回復が顕著だが、これは主として株式の含み益が増加したからで本業でのもうけが増えたとはいいがたい。
マクロ的には日本経済は完全に不調だ。貿易収支の赤字幅は月を追って増大しており、経常収支もここ4か月は赤字になって通年(13年4月~14年3月)でも赤字がほぼ確実になった。
飛行機でいえば乱気流に巻き込まれて失速しているが、飛行機の中で宴会している人はそれに気づかずはしゃいでいるようなものだ。

注)日本経済の現状については昨日も記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-762e.html

 LNGの輸入量を減らさない限り日本再生の道はないのだから、安倍首相としては決断の時期が来ていると思う。たとえ反対が多くとも安全確認が取れた原子力発電所はその段階で再稼働させるべきだと私は思っている(ただし100%の安全保障はできるはずはないので、実際は政治決断という要素が強くなる)。

 

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(26.3.12) 危険水域に入ってきた日本経済 経常収支の赤字基調の定着

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 私は安倍首相の外交政策については高い評価をしているのだが、経済政策については問題が多すぎる。
いわゆるアベノミクスとは通貨を乱発して物価を2%まで上昇させ、円安を誘導して輸出産業の復活を測ろうというものだが、残念ながらここにはタイムラグという魔手が控えている。

注)経常収支が赤字になったまま経済が失速するとの記述は1年前にしてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-762e.html

 一番の問題は円安になったからといってすぐに輸出が増えるわけでないことだ。そのためにはメーカーが生産拠点を日本国内に海外から移設しなければならないが、そんなことが簡単にできるわけがない。

特にリーマンショック以降の異常な円高で国内の大手企業は海外に生産拠点を移し終えたばかりなのに、円安になったからまた工場移転だなんてわけにはいかない。

 一方で輸入の方は待ったなしだ。特に日本の場合は特殊事情があって3年前の東日本大震災以降原発が基本的に稼働しなくなったため、火力発電所の燃料代がそれ以前に比べて約倍の7兆円になってしまった
量の増加要因が25%、価格上昇要因が75%である。

 このため日本経済は貿易収支が完全な赤字基調になり、さらにその傾向が強くなってとうとう経常収支まで赤字になってしまった。
ここ4か月連続の経常赤字であるが、1月の国際収支速報では信じられないことに1.6兆円の赤字である。
今までは貿易収支が赤字でも所得収支が黒字になるから経常収支が黒字になると言っていたが、13年4月から14年3月までの通年の国際収支は赤字に転落しそうだ。
それを受けてGDPの伸び率も予定の2%台から1%台に低下が予測されている。

注)経常収支=貿易収支+所得収支+サービス収支 またGDPの構成要素で輸出-輸入=赤字だとこれはGDPの引き下げ要因となる。
GDP停滞要因については以下参照

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-24a6.html

 何かアメリカ経済みたいに財務収支と国際収支の双子の赤字の様相を呈してきた。
日本の財政が約1000兆円の国債を発行してもそれを国内でさばけたのは、経常収支が黒字だったからだ。
それが赤字に転落すると国債の調達を海外に求めないとならなくなる。当然利回りはUPするし、日本経済に問題が発生するたびに資本の逃避が始まるからおちおち国債を発行することもできなくなる。日本経済のギリシャ化という問題だ。

 今や日本経済は完全にイエローランプがともった。赤字を抑える最も有効な手段はLNGの輸入を削減することだが、それには原発の再稼働が是非必要になる。
安倍首相は「世界で最も厳しい規制基準を満たした原発から稼働を認める」と発言しているが、この厳しい規制基準をクリアーするのは並大抵のことではない。
特に活断層の有無については「活断層と言えば活断層だしそうでないと言えばそうでない」というような状況で、学問的な結論を出すことはほとんど不可能だ。

 アベノミクスと称して日銀がいくら金をまいてもそうした金は日銀の当座預金勘定にとどまったままで、民間の資本形成にはほとんど回らない。
かろうじて自己ディールで運用している先は株式や不動産だから、こうした価格は上昇してもそれを現金化して使用しない限りはGDPにカウントされない。
アベノミクスから1年、経済は失速しつつあり日本経済は急速に悪化している。
このLNGの輸入拡大が続く限り、ただ株式や不動産の価格を上げさらに輸入物価を上げただけで国内生産の拡大にはほとんど寄与しないというのが実態のようだ。

注)それでも企業の収益が好転しているのは保有している株式の価格が上昇しているからだ。花見酒の経済である。

 

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(26.3.11) 大変だSTAP細胞ができない!! 共同研究者若山教授が逃げ出した

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  ついこの間世界初のSTAP細胞のニュースにわきかえっていたが、何やら雲行きが怪しくなってきた。
STAP細胞とは体細胞に刺激を与えることで幹細胞になるという画期的な方法で、ほんらい体細胞が外からの刺激位で幹細胞になることはないと考えられてきた。

注)STAP細胞作成の詳細については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-01db.html

 それが理化学研究所の小保方リーダーを中心とするチームが、STAP細胞幹細胞)の作成に成功したというものだから、私などは舞い上がってしまい「そうか、山中教授のiPS細胞より効果的な万能細胞の作成に成功したのか」と思っていた。
ところが実験担当者だった山梨大学の若山照彦教授が「信じていた研究データに重大な問題が見つかりSTAP細胞が本当にできたのか確信が持てなくなった」ので「ネイチャーに発表した2つの論文を取り下げよう」と小保方リーダーたちに申し出ているとNHKが報じたので私は目を疑った。

 論文の発表以来世界各国で追試が行われているのだが、論文で2~3日でできると言われたSTAP細胞の作成に成功しないため、発表された論文にねつ造があるのではないかとの疑問が世界中から寄せられていたのだそうだ。
不自然な画像やデータがあるとの指摘である。
理化学研究所はこうした世界中の反論を受けてSTAP細胞作成方法の詳細版をこの5日に発表したばかりだが、それを見て実験担当の若山教授が下りてしまった。

 若山教授が言っていることは私のように外部の者から見ると意味を把握しにくい。
理由は二つあって以下のとおりだ。
① 論文に使われた写真が小保方さんの博士論文の写真と同じ
今回の若山教授が提供した写真とは異なる
② 遺伝子変化のデータについてこれまで理研は変化があったと言っていたのに5日に発表した詳細版では変化がなかったと修正した私をだましていた

 さらに不思議なのはその結果若山教授は理研の小保方さんとは異なるチームから論文取り下げのアドバイスを受けたという。理化学研究所内でバトルがあるみたいだ。
何のことかかさっぱり分からない。
今回の論文発表では理研の小保方チーム、山梨大学の若山教授、ハーバード大学の教授の3者の共同研究だったはずだが、あの自信満々に写真を公開していた若山教授が逃げ出したわけだ。

 若山教授は実験の責任者で、この研究データ写真)こそがSTAP細胞ができたことの絶対的な証拠になっているのだから、本人が「自信を持てない」と言っている以上、STAP細胞ができたと称する論文はほとんど価値がなくなってしまう。
できたと思ったが勘違いでした」ということになり何ともさえない結果になってしまった。

 今世界中でこの問題が持ちきりになっている。
追試が不可能な以上この論文はねつ造か誤りであるとの立場と、いやそうではなくて追試の条件に不備があって上手に刺激を与えればSTAP細胞ができるとの立場に揺れ動いている。

 私も舞い上がってしまった一人だから大きなことは言えないが、この体細胞が適度な刺激で幹細胞になるとの研究は昔のルイセンコ学説をほうふつとさせる。
ルイセンコ学説を知らない人のために説明すると1930年代のスターリン支配下のロシアでルイセンコ氏が「春まき小麦が低温処理で秋まき小麦になり、同様に秋まき小麦が春まき小麦に変わったが、この刺激によって変わった性質(獲得形質)は遺伝する」とした学説である。
当時の社会主義体制では人間は環境によっていかようにも変わると声高に主張されていたので、この小麦の例も環境が遺伝子を変化させたという例になっていた。
社会主義体制の下では人間の遺伝子も変わる。ルイセンコが証明している」とスターリンが社会主義科学の優越性を声高に叫んだものだ。
しかしこの例はのちに単なる低温処理で発芽時期を変えただけだと分かり、獲得形質が遺伝することは否定された。

 今回の小保方リーダーの研究も単なる体細胞に刺激を与えれば幹細胞(万能細胞)に変化するとした点で、遺伝子を組み込むiPS細胞と異なっていて、ルイセンコ学説にそっくりだ。
やはり山中教授の方法が正しく遺伝子を利用しない方法では無理だったのか・・・・・・
私が反省しても仕方がないのだが、どうやらこのSTAP細胞の成果については根本的な見直しが必要で、今回の方法でSTAP細胞ができたというのは誤りだったようだ

 

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(26.3.10) BS歴史館 大教育者吉田松陰 松下村塾の白熱教室

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  BS歴史館「スーパーティーチャー吉田松陰 松下村塾は幕末の白熱教室」はなかなか面白かった。私は吉田松陰の名はよく知っていたし、幕末に果たした松陰の役割もそれなりに理解していたつもりだが、かなり表面的だったと知った。
久坂玄端、高杉晋作、山形有朋、伊藤博文と言った幕末と明治を代表する志士や政治家を生んだくらいの知識で、なぜ松陰がこれほどの影響力を与えたのかは分からなかった。

 松陰が行っていた教育の方法論は徹底した討論方式で塾生に対し「君は何のために生きるのか、どう生きるのか」を徹底的に討論を行い、時に涙し時に激昂して世のふけるのも忘れたほどだという。
ハーバード大学の白熱教室に近いが、さらに情熱的なものだったという。

 私は松陰は最初から松下村塾の教師で長い年月教師をしていたのだと思っていたがこれは誤解だった。
叔父の松下村塾を引き継いだのが1857年1958年には閉鎖されているから足かけたった2年に過ぎない。
この2年間で幕末と明治を代表する俊才を生んだのだから大したものだ。
松陰は松下村塾を開く前は佐久間象山に弟子入りし、象山とともに1953年浦賀でぺリ-来航の黒船をじかに見たり、ロシアのプチャーチンが長崎に来航した時にロシアに密航を企てようとしたりしている。

 そして1954年のぺリ-の再来航の折には友人の金子と二人でペリーのポーハタン号に乗船を依頼し再び密航を企てようとした。
最も2回目の密航計画は本気かどうか分からず、密航を装ってペリーを殺害しようとした可能性が高い。
というのもそのあとすぐに浦賀奉行所に自首をして幕府の伝馬町の牢につながれているからだ。

 本当に密航しようとしたならば幕府に知られることはご法度だから、これは幕府に代わって攘夷を実施しようとしたと幕府に言いたかったのだろう。
幕府は松陰とその師である佐久間象山に死罪を申付けようとしたが、時の老中阿部正弘が反対して、長州藩への差し戻しとなり長州藩の野山獄に幽閉されることになった。

注)幕末の政治家の中で阿部正弘ほど興味深い人物はいない。阿部は阿部の後を継いだ井伊直弼とは異なり人材というものをよく理解しており、異能の才を愛していた。

 松陰は翌年は野山獄から出されて自由の身になったが、その後松下村塾で塾生に教育を始めたことになる。
松陰が萩の片田舎においてなぜ江戸や京都の情報に精通していたかというと、弟子たちが京都や江戸に遊学しそこの情報を松陰に書き送っていたからだ。こうした役目を持った藩士を長州藩では飛耳長目と言ったが、その報告書を集めたものが飛耳長目張でこれを松陰は弟子たちに回し読みをさせて情報の共有化を図っている。

注)飛耳長目とは今でいう情報担当武官と言ったところで江戸と京都の情報を定期的に報告する義務があった。

 1858年、幕府は日米修好通商条約をアメリカとの間で締結したが、天皇の許可が得ないままの条約締結に憤慨した松陰は老中間部詮勝の暗殺計画を立て藩に上申したため再び長州藩は松陰を獄につないだ。
この暗殺計画に大老井伊直弼が激怒し松陰を江戸に搬送させた後1859年に斬首している。30歳だった。

注)この時期日米修好通商条約を締結に反対する勢力を井伊直弼は弾圧していたが、京都でその役目を負っていたのが間部詮勝だった。その間部詮勝を松陰は暗殺しようとした。

 この江戸への搬送中に歌った歌が「帰らじと 思いさだめし 旅なれば ひとしほぬるる 涙松かな」であり、死を覚悟していた様が分かる。
そして斬首される前に門人に残した歌があの幕末に多大の影響を残した「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちるとも 留めおまし 大和魂」である。

 松陰は徹底的に弟子に教え、そして教えたままのことを自ら実践して斬首された。何か大塩平八郎の人生と全く同様な一生をおくったように私には思える。
そうした意味で松陰も陽明学徒だったと言えるのだろう。

注)大塩平八郎の生きざまについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-3344.html

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(26.3.9) 3月は事務処理でパンクしそうだ!! いっそどこかに逃げ出したい!!

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 3月になって事務処理が一斉に滞ってしまった。この時期は確定申告をしなければならないのと、私が代表を務めているクリーンクラブが市から補助金を交付してもらっているのだがその結果報告を提出しなければならない。
さらに今回私が管理者になっているYahooのグループメールの移設作業が加わっている。

注)確定申告については毎年愚痴を書いているので以下参照。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/25827-noe-tax-1.html

 もともと私は事務処理をするのにひどく疲れるタイプだ。特に1年に一回だけの作業とか初めての作業になると全く気が向かなくてグダグダと時間を過ごしているうちに追い詰められて最後に慌てふためく。
なぜこうした作業がいやかというと私は記憶力が非常に悪くて1年前に行った作業などとっくに忘れていて、また一からマニュアルを読み直さなくてはならないからだ。やればそのうちに手順を思い出すが、それまでが何とも気が重い。

 「いっそう確定申告などしないで済まそうか。高々3万円程度しか還付されないのだからエネルギーのロスだ」と思うが年金生活者で他に収入はないのだからこの還付も大きい。
また補助金は交付してもらわなかったら報告義務はないのだから、「もう補助金はいらない」と断りたいが、これもクリーンクラブの重要な財源になっているので手を抜くわけにはいかない。
いやはや憂鬱だ」と思っていたところにYahooの移設作業が加わった。
Yahooがこの5月までに機能の一部を停止すると言ってきたからだ。

 従来YahooはYahooグループサービスと称したメーリングリストの機能を提供していたので、私はこのメーリングリストをよく利用していた。
おゆみ野クリーンクラブやおゆみ野の森四季の道駅伝等のメーリングリストである。
どうやらYahooはこうした機能の競争で負け組になってしまい、メーリングリストから撤退することに決めたらしい。
これを一斉に他のメーリングリストに移管しなくてはならなくなったが、その手順や一体どこに移設したらいいのか何とも分かりづらい。

 先日からあれこれとテストしているのだがいまだにこれだと言ったうまい方法が見つかっていない。すっかり嫌気がさしているのだがしないわけにはいかず、一方で気持ちは全く落ち込んでしまって手づかずのままだ。
ああー、やになっちゃうな。俺は毎日清掃作業やブログ作成や子供たちへの塾教師で忙しいのにこんな作業はまっぴらだ!!! 」ぶつぶつ。

 退職するとこうした事務処理は実におっくなものだが、実際は事務作業は手順を追ってやっていけば何とかなるものだ。そしてやってみると案外に簡単に済んでしまう方が圧倒的に多い。
さてブログに愚痴も書いたし、気持ちをハイにして作業に取り掛かろう。

 

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(26.3.8) NHK歴史ヒストリア 「大発見 歌麿の最高傑作 深川の雪」

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 栃木市と言っても私などは栃木県にある田舎町だと思っていたが、江戸時代はここは交通の要衝で例幣使街道の宿場町であり、かつ巴波うずはを利用して桐生や足利の絹織物等を江戸に運ぶ水運の集積地だった。
そのことをしみじみ感じさせたのが今回NHKの歴史ヒストリアが放送した「大発見 歌麿の最高傑作 深川の雪」だった。

 江戸期最高の美人画絵師として知られる喜多川歌麿は生涯に「雪月花図 3部作」という大作を描いているが、これは栃木市の豪商善野家に乞われて描いたものだ。
江戸きっての浮世絵師がなぜ栃木市に出向いて最高傑作を作成したのかと私などは不思議に思うが、当時の江戸は必ずしも浮世絵師にとって居心地の良い場所でなかったらしい。

注)「雪月花図 3部作」はいずれもタテ2m、横3m程度の対策で版画ではなく肉筆で描がかれている。見るとヨーロッパ絵画のような感じの画だ。

 当時と言っても18世紀の最晩年は寛政の改革1789年から1793年)を実行した松平定信の復古調の農本主義の時代に一致する。
朱子学者でもあった松平定信にとっては浮世絵などという華美にして堕落した絵画は我慢ならないものだったらしく、何度も禁止令が出されている。

注)松平定信の寛政の改革は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-3d03.html

 歌麿の「雪月花3部作」はそれぞれ制作年限が異なっているが、「品川の月」が1788年ごろ、「吉原の花」が1791年から92年ごろ、そして「深川の雪」が1802年から06年ごろの作品と推定されている。
吉原の花」はまさに松平定信が幕府の実権を握って寛政の改革を実行していた最中に描かれていたし、定信は引退しても幕府政界に強い影響力を持っていたので、歌麿の生涯と定信の生涯はまさに重なっていたと言っていい。
いわば互いにライバル心に燃えていたのだろう。
くそったれの石頭の定信の鼻をあかしてやる!!!というのが歌麿の心境だったようだ。

 3部作のうち「品川の月」「吉原の花」は現在アメリカの美術館が保有し、一方「深川の雪」は日本に存在していたが、昭和23年に一般公開された後その所在が不明になっていた。それが2012年に古美術商の手を経て箱根の岡田美術館が所有することになった。今回修復が終わりこの4月から一般公開されるという。

 歌麿は江戸で浮世絵を書くのが危うくなるたびに栃木に逃れ善野家の庇護のもとに浮世絵を描き続けたが、この3部作はそうした庇護に対する感謝、はっきり言えばパトロンに対する謝礼だったようだ。
特に「吉原の花」は幕府行政に対する痛烈な批判画で華美禁止令のさなかに大奥の女中や将軍家の女性が饗宴している様を描いている。
こんなのを江戸で描いたらやばいですね」と岡田美術館の館長が言っていたが、まず間違いなく手鎖りものだろう。

 手鎖りとは江戸時代の刑罰で、主として言論統制に使用し戯作者や浮世絵師に手錠をして作品を描けないようにした刑罰である。
歌麿がなぜ定信に目の敵にされたかというと、禁止の網の目を常にくぐっては浮世絵を描き続けたからで、たとえば色の使用制限をされると顔だけの絵にして色の制限をモノともしない美人画を描いている。
また美人の名前を画面上に記載することを禁止されると「判じ絵」といって、たとえば私の名前だと「と「」を描いて山崎だと分からせる方法だった。

注)歌麿の版画はモデルの実名が記載されていたのでモデルにされた女性のところに大挙して男が押し寄せトラブルが絶えなかった。こうしたトラブルメーカーの歌麿を定信は特に嫌った。

 幕府が禁令を出すたびにその網の目をかいくぐって評判の美人画を描き続けたのだから、ちょうどインターネット上で政府批判を禁じられた中国のネットユーザーのような心境だったのだろう。
歌麿を逮捕して二度と浮世絵が書けないようにせよ」当局がうごいた。

 1804年、歌麿は秀吉の醍醐の花見を題材にした浮世絵を描き、その中で当時の将軍家の饗宴のありさま(町人には倹約を解きながら自分たちは酒席三昧だ)を揶揄したため、とうとう捕縛されて手鎖り50日の実刑を受けてしまった。
その刑の厳しさやその以後の監視にすっかり疲れてしまい、歌麿は1806年50才台の生涯を閉じている。

 私などは歌麿と言えば妖艶な美人画を描いた画家程度にしか思っていなかったか、時の老中松平定信と渡り合った反抗精神の塊のような画家だったということを初めて知った。

なお日本史のブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

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(26.3.7) ためしてガッテン 「30代で骨粗しょう症」は誇大広告

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 最近のためしてガッテンはネタ切れなのだろうか。今回の「30代で骨粗しょう症」という番組は、日本初の大スクープ志の輔師匠が騒いでいたが、何がスクープなのか分からなかった。
話は骨粗しょう症になりやすいタイプの人がいて、簡単に言えばやせ形で母親が骨粗しょう症になっていれば子供もなりやすいという話だった。

 しかしそれを証明するデータは以下の通りだったが、これが本当に骨粗しょう症の要因と言っていいのかさっぱり理解できなかった。

   何が影響するか         要因の割合
①  やせ型                 8%
②  母親が骨粗しょう症         7%
③  身長が低い              2%
④  運動不足               1%


 これで証明されているのだろうか。要因の割合の数値を足してもたった18%だ。後の82%は一体何なのだろうと誰でも思う。
このデータを基にやせ形で母親が骨粗しょう症の子供は30代でも骨粗しょう症になるというのだからあきれてしまった。
もしその要因が50%を超えていればそれが原因だと断定してもほぼ間違いないし、30%でもかなり有力な原因だ。しかしやせ型と母親の遺伝は合わせて15%程度で主要な要因とはとても言えず、その他大勢の中の一つに過ぎない。
なぜこのデータが本邦初の大スクープなのだろうか。

 また骨に刺激を与えれば骨が丈夫になり健康な生活がおくれることは前から知られていた。番組では骨細胞を刺激すると臓器を活性化する物質が出ると言っていたがそうしたことは経験的に知られていた。
だからこそ私たちはできるだけ散歩やランニングをしてきたのだから、これも大スクープとはいいがたい。

 最も運動の種類によって骨細胞に対する刺激の度合いが異なるらしく、女子高校632人を対象にした調査では① 陸上部 ② 新体操部 ③ 帰宅部(何も運動をしないということ) ④ テニス部、 ⑤ 水泳部 の順に骨細胞に対する影響が大きさが異なっていたという
しかしこの調査もかなり問題がある。
帰宅部とは何もしないで帰宅をしている人たちだが、他のクラブメンバーも帰宅をしているのだから帰宅する運動量は同じだ。
運動種目によって骨細胞に対する影響が異なることを見たかったら運動種目だけを比較対象にすべきで、また何もしない人比較したいなら運動選手全般と比較をするのが適切だ。
この調査結果も本邦初公開とはしゃいでいたが実にくだらない。

 今回の番組で唯一の親知識は昨年の6月以降デノスマブという新薬が利用できるようになり、半年に1回注射をするだけで骨密度が大幅に改善されるという情報だろう。
それまでの薬は非常に取り扱いが難しく、1週間に一度決まった時間に飲んで、その間は食事ができずかつ薬を飲んだ後30分は立っていなければいけなかったのだそうだ。
骨粗しょう症の患者を30分立たせるなんて最初から無理な話で、とても有効な治療法とは言いかねたが、デノスマブが出たおかげで半年に一回の処置に代わって患者は大助かりになっていた。

 志の輔師匠がいくら「本邦初公開」と騒いでも、この番組はデノスマブだけが新たに付け加わった情報で、あとは番組を構成させるための時間つなぎに過ぎなかったと私には見えた。
ためしてガッテンはネタ切れなのだろうか?

なお、ためしてガッテンのシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html


 


 

 

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(26.3.6) NHKグローバルデベート 「メディアの未来 2014」

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  最近私はNHKが放送する「グローバル ディベート Wisdom」をあまり見ないが、それは出演者がかならずしもWisdomでなかったり、あるいは同時通訳者の質が悪くて何を言っているのか分からない場合が多かったからだ。
聞いていて疲れるだけなので馬鹿馬鹿しいから見なかったのだが、今回の「世界が語る メディアの未来 2014」は久々に面白そうだったからビデオに撮ってみた。

 最も興味深いのはディベート部分ではなく、相変わらずディベートを行うための前提として各国のメディア戦略を取材した内容の方だった。
今回のメディアとは主としてテレビがインターネット時代に如何に適合していくかという内容を追ったもので、イギリスとフランスの放送局が対象になっていた。

 イギリスのBBCがどうやらテレビ局としては世界の最先端の試みをしているようで、iPlayerという配信サービスを行っているが、これは7日前までの全チャネルの全番組を無料配信するというものだった。
何だ、これならビデオに番組を取っておく必要がないじゃないか、NHKもそうしてくれればいいのに・・・・・・・
BBCがこのiPlayerを開始したのは2007年で、テレビ離れが進む中、どうしたら視聴者にテレビにとどまってもらえるかを模索した結果だという。

 BBCはiPlayerをさらに成長させる戦略をとっており、番組のリスタート機能番組の途中で最初から見直すことができる)や放送前の番組も視聴できるサービスを開始していた。
これで時間に囚われず、かつ場所に関係なくスマートフォンやタブレット端末を利用してテレビ番組にアクセスできる。
かつては大相撲やサッカーの試合があるとその時間に張り付かなくてはならなかったが、完全にそうしたことから解放されたことになる。

注)フランスもイギリスのiPlayerをまねた実験を行っていた。

 アメリカの場合は完全にテレビから離れたインターネット動画サイト、ネットクリックスが採りあげられていた。今では全世界に4400万人の視聴者が居て、映画とドラマを月8ドルで見放題なのだそうだ。
さらにここがネットクリックスの驚くべき特徴だが、視聴者のデータをビックデータとして蓄積し、視聴者ごとに合わせた番組紹介や、ついには100億円をかけて「ハウス オブ カーズ」という人気番組までネットで作り上げてしまった(テレビや映画ではないネット動画でエミー賞を獲得していた)。

 この「ハウス オブ カーズ」はネットフリックスの視聴者が最も好む政治ドラマで配役も視聴者好みに配されており、すべてビックデータを分析して作成されていたのだからすごい。
この番組は最初からヒットするのは分かっていました」と番組制作者が言っていたがその通りだろう。
この企業にとってはビックデータを分析して視聴者の行動分析の精度を上げるのが最も大事な仕事で200人から300人程度のシステム分析者が分析アルゴニズムのレベルアップに取り組んでいたが、雰囲気は研究所と言ったところだった。

 こうしてテレビはネット時代にどのようにして生き残るかの戦略を立てており、一方ネットはネットでテレビという牙城を切り崩そうとしている。
考えてみれば私などはテレビをリアルタイムで見ることはほとんどなく、必ずビデオに撮ってみており、またパソコンでブログを書いたり検索をしたりしている時間が圧倒的に多い。
67歳の私ですらインターネットこそ命というような状態だからテレビが生き残るにはインターネットとの融合がどうしても必要なのだろう。

 何かテレビはインターネットに押されっぱなしだが、一方でNHKなどは非常に高品質の番組を制作している。この質の高さは他の追随を許さないのだから、後はインターネット時代に適合さえすれば生き残ると私は思っている。

なお、グローバルディベート Wisdomのブログ記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhkwisdom/index.html




 

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(26.3.5) ロシアの復権とアメリカ一国支配の終わり ウクライナに手を出せないアメリカ

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 こういうのをカエルの顔にしょんべんというのだろう。
オバマ大統領がウクライナ情勢で「いかなる軍事介入にも代償を伴う」と2月28日に最大限の警告を発したが、その後の経緯を見ているとプーチン大統領に全く無視されている。
おう、その代償とやらを見せてもらおうじゃないか!!!」全く意に介していない。

 クリミア半島は実質的にロシア軍の支配下に置かれ、ウクライナの海軍司令官はロシア軍に投降し寝返った。またクリミア駐留のウクライナ軍は武装解除されその多く(5000人規模と言われている)がこれもロシア側に寝返っている。
元々クリミアはロシア共和国の領土だったし、住んでいる人はロシア系が6割で公用語はロシア語だから、ウクライナよりロシアに親和性を持っている。
ロシア国旗をたなびかせて「ウラー」とときの声を上げている住民の映像が流れている。

 ウクライナの暫定政権はアメリカとEUに軍事的・経済的支援を求めているがアメリカもEUも口先だけは激しいが、それ以上の介入におよび腰だ。
それは当然でロシアはアメリカと二分する軍事強国で正面から戦ってロシアを打ち破れるような国家はどこにも存在しない。
アメリカも本気になってやれば共倒れになるから、アメリカとて軍事力の行使ができずせいぜいG8への出席をボイコットする程度がせきのやまだ。

注)軍事超大国に勝利するのはベトナムやアフガンでのようなゲリラ戦しかない。しかしゲリラ戦は住民がゲリラ側に味方しているのが前提で、クリミアのように住民がロシア側についている場合はゲリラが逃げ込む場所がない。

 ロシアは典型的な資源輸出国だが、西欧が天然ガスの禁輸措置をとっても困るのはかえって西欧諸国で、代替のエネルギー供給先を急遽探さなくてはならない。
しかしそのようなことをすれば高価な天然ガスを中東から輸入しなければならず、福島原発事故後の日本のようになってヨーロッパ経済は急速に悪化する。
せっかくECBが大量の資金供給をしてどうにか持ちこたえているヨーロッパ経済に激震が走るので経済制裁などもともとできないのだ。

注)またウクライナの経済は実質的にロシアが握っている。ウクライナの主要輸出先(約3割)はロシアで、特に農産物の主要輸出先。またエネルギーの5割はロシアからの天然ガスの輸入。ロシアが無ければウクライナの経済は成り立たない。

 アメリカのオバマ政権はシリアへの軍事介入失敗以来全く指導力を失っている。国内問題(予算案の成立、国債発行の上限枠問題、銃規制問題、健康保険制度の改革問題等)に忙殺されて海外のことなどどうでもいいというのが本音で、イラク、アフガンと全く無駄な軍事介入にへとへとになっている。
これでウクライナへ出ていくなんてとんでもない」というのが本音だ。
現在世界の指導者のなかで実力において軍事介入ができる大統領はプーチン氏だけだ。

 すでにクリミア半島はロシア領になり、あとはウクライナ東部の帰属がどうなるかにかかってきた。ヤヌコビッチ前大統領は選挙によって正当に選ばれた大統領だから、これを正式な手続きを経ずに解任したのはクーデターとなる。
ロシアはヤヌコビッチ氏を保護下に置いているから、ヤヌコビッチ氏の復権を求めて動くだろう。
正当な大統領の要請に従ってロシア軍は秩序維持に協力しているというところだ。

注)プーチン氏が強気にでられるのは親西欧政権に正当性がないからで、ヤヌコビッチ亡命政権の支援をしているという立場を強調できる。
プーチン氏としては2月21日にロシアを含めて合意した12月選挙の線はどうしても譲れないところだ。


 ウクライナ問題についてはアメリカは全くと言っていいほど影響力がない。G8への参加の拒否やビザの発行停止や経済制裁をちらつかせているが、もともとアメリカとの貿易額は多くなくロシアの輸出入の4割から5割はヨーロッパである。
なまじ貿易制限などしてロシアから天然ガスを止められてしまえばドイツなどは根を上げる。
オバマ大統領はシリア問題で軍事介入に失敗し、今またウクライナ問題で無策を露呈しており、アメリカ一国支配の時代が終わったことは誰の目にも明らかになっている。

なお、ウクライナ問題のブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat58097426/index.html

 

 

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(26.3.4) コズミックフロント 「ファーストスター 宇宙の一番星」

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  ついに私はコズミックフロントにはまってしまった。当初はなんて難しい話題なんだと思っていたが何度も見るうちにビック・バンダーク・マターダーク・エネルギーもなんとなく口をついて出てくるようになり、違和感がなくなってきた。

 今回のコズミックフロントは「ファーストスター 宇宙の一番星だったが、私は昔から星は夜空にあるものとばかり思っていたが、それは全くの誤解だという。
ビック・バンによって宇宙は生まれたのだが、生まれた当初は光り輝く宇宙だったという。星があったからではなくビック・バン自体が火の玉の爆発だったからだそうだ。
この火の玉は徐々に温度が下がり、約6000度cになった時にヘリウムが生まれ、さらに約3000度cで水素が生まれたのだが、この光り輝く世界は約50万年後にはすっかり光を失い、暗黒の世界が訪れたのだという。
宇宙が膨張してエネルギーが拡散し、温度が下がったからだ。

 その暗黒時代ヘリウムと水素がひも状に結合し、それが徐々に集まって丸いガスの塊になって内部の温度が1億度になった時、核融合によって星が生まれたのだという
この最初に生まれた星をファーストスターというのだそうだが、問題はこのファーストスターがいつどこに生まれたかが宇宙物理学にとって最もナウな研究課題なのだそうだ。

 研究者は様々な方法でこのファーストスターを追い求めており、最もオーソドックスな方法はハッブル望遠鏡でファーストスターの光を捉える試みだという。
ハッブル望遠鏡は宇宙空間にあるため空気による光の揺れがないため実に鮮明な画像を写し取ることができる。
この方法で実に132億年前の赤い銀河を捉えることができたが、そうなるとファーストスターは132億年より前に現れたことになる(星が誕生し次に銀河が誕生する)。
研究者はそれより2億年ぐらい前ではないかと言っていたが、その光を捉えない限り証明したことにはならない。
今ハッブル望遠鏡で134億年前の星の光を求めて探索している。

 もう一つの方法はファーストスターの生き残りを近くの銀河系の中に探そうという試みだった。地球の8割程度の軽い星であれば130億年程度の寿命があるので生き残っている可能性があるのだという(なぜ軽い星の寿命が長いのか私には分からない。人間でもメタボで重い人は早死にするがそれと同じなのだろうか)。
この星はヘリウムと水素だけから成っているはずで、星の光のベクトル解析でその星の組成が分かるのだそうだ。
研究者は大口径の望遠鏡でこのファーストスターの生き残りを追い求めていた。
乾草の中から針を見つけるようなものよ」という感じらしい。

 実はこうした実際に望遠鏡で追う方法ではなくシミュレーションでファーストスターを論理的に作る試みもされていた。現在宇宙誕生後38万年後の電磁波が捉えられており、その宇宙を再現することができているのだという。
この再現された宇宙に、物理法則流体方程式、アインシュタインの方程式等107の式)を適用してシミュレーションを実施した結果、太陽の約50倍程度の巨大な星が生まれ、明るさは太陽の100万倍、質量は約50倍になったのだという。
こうした重い星はすぐに燃え尽きてしまうのだそうで約200~300万年後には巨大爆発を起こして消滅してしまったという。
このシミュレーションは日本の吉田直紀さんという研究者が行っていた。

 この時ガンマー線バーストという電磁波を放出したので、このガンマー線バーストの痕跡を追い求めればファーストスターに行きつくのだそうだ。
実際宇宙望遠鏡のスウィフトが2009年4月にガンマー線バーストを捉えたのだが、それは赤外線として地球に到達していたために望遠鏡では何も把握できなかった。
宇宙の遠くの星は膨張しているので光はだんだんと波長が長くなって赤外線でしか地球に届かないという(赤外線だけの星がファーストスターということになる)。

 こうして世界中の宇宙物理学者や天文学者がファーストスターを追い求めているのだがそれは宇宙の創成が分かるからだ。
なぜファーストスターが大事かというとファーストスターの内部に核融合によって炭素、酸素、窒素、鉄等の現在宇宙を形成している原子が現れ、これがファーストスターの大爆発で宇宙にばらまかれて、現在の地球のような様々な原子からなる宇宙ができたという。

 何とも興味深い話だ。今まで全く知らなかったファーストスターという概念を知っただけでもコズミックフロントを見た価値があったというものだ。

なおコズミックフロントのシリーズは以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_5/index.html

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(26.3.3) コズミックフロント 「宇宙の果てを測れ」

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 私は物理学にとても弱いのだが、最近宇宙物理学の番組「コズミックフロント」を見てすっかりはまってしまった。最も理解したというよりはなんとなくわかったというレベルだがまるで分からなかったときに比べれば偉い進歩だ。

 今回のテーマは「宇宙の果てを測れ」で地球と星との距離の測定方法だった。確かに考えてみればこれはどうやって測ったのか興味津々だ。
天体と言っても月だがその距離を最初に測ったのは2000年以上も前のギリシャ人ヒッパルコスだった。
ヒッパルコス三角測量の技法を月に適応してその距離を計算した。離れた2地点から月を見ると角度が違って見えるのでその角度を利用すれば月までの距離が分かることに気が付いた。

注)私たちが中学で海岸線から遠くに航行している船までの距離を測定することを学んだがあれである。忘れた人は以下参照
https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%89%E8%A7%92%E6%B8%AC%E9%87%8F+%E6%96%B9%E6%B3%95&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=3cwSU_-dCoOZkQXjuoCoDA&ved=0CDkQsAQ&biw=1093&bih=520

 
 しかし月よりも遠い恒星までの距離となるとヒッパルコスの方法ではとても測れない。どんなに離れても自分の歩ける範囲を出ないからだ。
そこで地球が太陽を公転している距離3億kmを利用してその両端に来た時に星の角度を測る方法が考案された。この角度を年周視差と言って、この視差が求められれば地球と星までの距離が求められる。

注)月の次に近いのは惑星だが惑星の軌道は地球から見るとジグザグなので年周視差を利用できない。こちらはニュートンの万有引力の法則で計算した。

 ただし年周視差を求めるには重要な制約条件があってまず望遠鏡で見える星でないと分からない。さらに地上からでは空気が邪魔をして光が曲がるので地上での観測は誤差が大きすぎる。そして遠くの星だと光は平行になってしまい、視差を求められないので近い星しか測れない。
これで求められる範囲は300光年までの星で、それ以上は遠くとしか言いようがなかったのだそうだ。
宇宙が生まれて138億年だから、地空誕生時の星は138億光年先にある。300光年ではイメージ的には地球全体の測量をしたいときにここおゆみ野の測量ができた程度の範囲になってしまう。

注)高解像度の光学望遠鏡を宇宙に飛ばせば3万光年程度まで年周視差を求めることができる。これはガイヤ計画として実施されている。

 この年周視差の限界を破る発見は信じられないことにハーバード大学天体研究所のパートタイマー女性作業員リービッヒによって成し遂げられた(自給600円のパートタイマーだった)。
リービッヒは当時発見されていたセファイド変光星を二枚の写真乾板で見つけるスペシャリストだった。
セファイド変光星とは周期的に光の明るさを変える特殊な星で、その周期が一定だということが分かっていた。
そしてここがポイントなのだが、同じ周期をもつ変光星は同じ明るさであることも分かってきた。

 そうなると本来の計算上の明るさと地球から見た明るさの差によってこのセファイド変光星の距離が測れることになる。
リービッヒは世界の誰よりもセファイド変光星を発見し、その明るさの周期を観測したことで宇宙の距離の測定に大きな足跡を残した。
この結果人類は6500万光年先の星の位置を測定することに成功した(これ以上無理なのは変光星の光を測定できないから)。

 この6500万光年の限界を打ち破ったのはダークエネルギーの存在証明でノーベル賞を受賞したパールムッターだった。
彼はセファイド変光星より100倍も明るいIa型超新星の爆発を利用することが可能なことに気付いた。
この思いっきり明るいIa型超新星の利用は、乙女座銀河団の中にIa型超新星とセファイド変光星が同時に見つかったことでIa型超新星の距離が確定したセファイド変光星の距離は分かっていたので、Ia型超新星の距離が確定できた)。

 あとはIa型超新星の光の変化を分析すれば、地球からの距離が分かることになる。これによって一気に70億光年まで距離測定が広がった
宇宙の端までは138億光年だから人類は宇宙の端にまた一歩近づきたことになる。

 現在の最新の研究はIa型超新星爆発では知りえない100億光年レベルまで距離が測れると期待されているガンマー線バーストを利用する研究だそうだ。
この研究は日本の金沢大学の光徳氏の研究が進んでいて、この分野で日本の研究者が多大な貢献ができるかもしれないと番組は報じていた。

注)他の番組ではすでに130億光年の星の観測ができたと言っていた。このあたりになると私には判断ができない。

 宇宙の果てまでは138億光年だ。もう少しで人類は宇宙生誕の始まりだった光を捉えることができそうだ。パールムッター氏は「わくわくする」と言っていたが、私のように宇宙物理学に無知なものでも気持ちがたかぶるのだから人類の英知とはすばらしいものだ。

なおコズミック・フロント「宇宙の終わりに迫れ」は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-b77d.html

 


 

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(26.3.2)クリミアのウクライナからの独立が始まった。 プーチン大統領の軍事侵攻

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 ソチの冬季オリンピックが終了したとたんウクライナ情勢が一気にきな臭くなってきた。ロシア軍がクリミア半島に軍事侵攻したからだ。
実際に侵攻した規模は300人程度で、それも2つの小さな空港を制圧しただけだが、ロシア軍と分からないようにカモフラージュしている。
そして6000人の兵士がいつでもクリミア自治共和国に展開できるように国境に張り付いた(ウクライナはすでに6000人のロシア軍がクリミアに侵攻したと言っている)。

注)クリミアは自治共和国なので首相が存在し、ウクライナ国家内の別国家と言った状況下にある

 オバマ大統領は「ウクライナへのいかなる軍事介入も代償を伴うとロシアに警告したが、ロシアはカモフラージュした軍隊の派遣を正式には認めていない。
あれは地元住民の自警団だ」と素知らぬ顔だ。
そして6000人の兵士は通常の軍事演習だとうそぶいているが誰も信用する人はいない。

 ロシアにとってクリミア半島は第一級の重要拠点で、黒海艦隊の基地セバストーポリがある。ここを拠点にロシア艦隊は地中海ににらみを利かせており、シリア問題が片付かないのも、アラブの春が西欧諸国の期待に反して反革命になっているのも、このロシア艦隊の存在が大きい。クリミアはロシアにとって黒海と地中海をロシアの海にするための砦だ。

 クリミア半島はもともとはロシア領だったが1954年に当時のフルシチョフ書記長が帰属をウクライナに改めた。
地図を見ればわかるがここはロシアの飛び地で、イメージとしては東京都の土地が千葉県内にあるようなものだったから、行政の効率化の一環としてウクライナへの変更を認めたものだ。
当時はソビエト連邦は世界を席巻するような勢いだったから、行政区がロシアでもウクライナでも一向に構わないと言ったところだった。

 しかしこのフルシチョフの決定が半世紀を経て思わぬ展開を見せ始めた。ソビエト崩壊でクリミアがウクライナの領土になってしまったからだ。これはロシアにとって最大の誤算だったろう。
それでもウクライナとの間に友好関係があった間はこの問題は表面化しなかったが、今回の親西欧派のクーデターで一気に問題が表面化した。

 クリミア自治共和国は住民の約6割がロシア系で、公用語はロシア語だ。今回の政変を受けてクリミアのアクショーノフ首相はロシアに「領内の平和と平穏を守るためにロシアに支援を求めた」と声明を発した。
クリミア自治共和国のウクライナからの独立宣言と言ってよい。

 プーチン大統領は世界の大統領の中で最も決断力と行動力を持った大統領だ。かつてグルジアがロシアに反抗した時のことが思い出される。
2008年にロシアとグルジアとの間で戦闘が起こったのだが、それはグルジア領の南オセチアをロシアが武力で解放した戦争だった。
時のグルジア大統領サーカシビリはアメリカやEUが軍事的支援をしてくれるものとしてロシアに挑戦したが、あっけなくロシア軍に蹂躙されてしまった。

注)グルジア紛争の具体的な経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-a53a.html

 今回もウクライナがクリミアの独立を阻止しようとして軍事行動を起こしても圧倒的なロシア軍の前には手も足も出ないだろう。
もちろんアメリカやEUはロシアを激しく非難するが、ロシアと一戦交えるつもりは毛頭ないから犬の遠吠えになりそうだ。

 かくしてクリミアは実質的にロシア領になり、さらにウクライナは東部と西部に分裂して二つの国家になるというシナリオが現実味を帯びてきた。

注)ウクライナの歴史については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-77e3.html

 

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(26.3.1) 女性の時代 女学生は医大を目指せ!!

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 実感として女性の時代が来たのではないかと思うようになってきた。私は小学生にマラソンを教えたり、ボランティアの塾で中学生に英語や数学を教えているが明らかに女性の方が何事にも積極的だ。

 たとえばマラソン教室では3年生、4年生、5年生、6年生の児童を指導したが最も熱心なのは4年生までで、5年あたりからは適当に付き合うという怠け癖が出てくる。
それも男子に顕著に表れて集団でレベル合わせをしながらサボるようになる。
お前、速く走ったら承知しねいぞ!!なんて具合だ。

 一方女子はあまり集団を組まないでかなり熱心に走っているので、女子の方が男子より早いくらいだ。これは私が当初持っていたイメージとはまったく違う。
男性の方がスポーツ精神が旺盛でがむしゃらに頑張ると想定していたのだが、現実は頑張る子は女子に圧倒的に多い。

 スポーツだけでなく勉強でも同様で、女子生徒は計画的に実に真面目に勉強する。私の塾には当初勉強があまりできなかった女の子も来ていたが、それは勉強の仕方を知らなかったからで私が指導したらめきめきと上達し始めた。
最初は数学など全く分からないという雰囲気だったが、今では「数学が一番好きだ」と言っている。
サボらずに真面目に対応するから中学レベルの勉強ならばすぐさま追いつくのだろう。
いやー、女の子はすごいな・・・・」私が驚いている。

 勉強でもスポーツでも女性の方が圧倒的にのびしろがあって、実に頼もしい。
安倍政権でも女性の社会参画を盛んに推奨しているが、できることは公務員の昇格で女性を優遇することぐらいだから限度がある。
一方民間会社の管理職は私が現役の頃は男性ばかりだった。実際はとても優秀な女性もいたのだが、制度として女性を登用するシステムが一般企業にはなかった。
とうとう頭にきた女性が「こんなバカな上司のもとで働きたくない」と捨て台詞をはいて退職していったものだ。

注)女性登用のために総合職という制度を採用したが実際の運用はほとんど機能しなかった。

 前にIMFのラガルド専務理事が日本に来て、「日本は女性という埋もれた資源が存在するので積極的に利用すべきだ」と苦言を呈していたが全くその通りだ。
だが女性には男性と異なって社会に進出するには大きなハンディキャップがある。
子育て期間は女性は社会的活動より育児の方が大事だからどうしてもその間は社会参画から離れざる得ない。
今までは「だから女性は管理職の登用は無理だ」となっていたが、そうするにはあまりに優秀な才能を埋もれさせてしまっている。

注)なぜ社会参画が難しいかの分析は前にしておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/241028-imf-2a92.html

 大学までのレベルをみると明らかに女性の方が成績が上だ。それなのに社会に出ると日本は圧倒的な男性社会だ。無能な男性が優秀な女性を管理しているのだから生産性が上がらないことこの上ない。
学校と社会とのこのアンバランスは何とかして解決していかなければならないが、社会変革を待つのでは百年河清を俟つようなものだ。

 現在の社会状況下で女性がその実力だけで評価され、さらに高収入を保証される職業はその知性を生かして医者になることだけだ。女性は圧倒的に成績優秀なのだから大学の医学部に大挙押し寄せるのが一番だろう。幸い私はボランティアの塾教師をしているので優秀な女生徒は医学部を目指させることにした。

注)教員も優秀な女性にとって好ましい職場だが、日本は少子高齢化が進むから職場そのものが縮小する。一方医者は老人が増えて病人が増大するから需要が拡大する。

 かつて北海道大学で教えたクラーク教授は「Boys be ambitious !」と言ったが、私は「Girls be ambitious !」と言って女子児童の心を燃え立たせようと思っている。
それが私ができる日本再生の道のようだ!

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