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(26.2.18) ピラミッドが墓でないとするといったい何なんだ? 井沢元彦 「逆説の世界史」

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 私のように古い世界史を学んだものにとって最近の発掘結果から導き出されたエジプト考古学の新しい歴史イメージを描くのはことのほか苦労する。
井沢元彦氏の「逆説の世界史」の「古代エジプト文明の崩壊」で強調されていたことは、ピラミッドは王の墓ではなく、ピラミッドの建設は奴隷労働ではなかったということだった。

 なぜ最近の仮説はそうなったかというとピラミッドの中にはミイラも財宝も全く存在していないことが最近になって明らかになったからだという。従来はすべて盗掘されたからと思われたが、盗掘の痕跡がないピラミッドでも、ミイラも財宝も存在しないという。
では一体ピラミッドとは何かというと、今日のキリスト教会の大聖堂または日本の寺院のようなものだという。
 
 そこはファラオの魂が冥界に旅立つ儀式を行う場所で、ピラミッドの中には冥界に向かう船まで用意されており、そうした儀式が終わると王のミイラは王家の谷のような場所に埋葬されたのだと推定されている。
じゃ、いくらピラミッドを発掘してもミイラも財宝も出ないのか・・・・・・・・

 さらにこのピラミッドの建設は奴隷労働ではなくいわゆる熟練労働者の仕事なのだそうだ。
ピラミッド建設地の周りにはそうした労働者の宿舎があって、そこでは妻も子供もおり、何か炭鉱の宿舎のような感じで、その証拠には墓からは女性や子供の遺骨が発掘されるのだそうだ。
最近の学説ではピラミッドは公共工事の一種で、冬季に農作業が終わって収入が途絶えた労働者をファラオが国費を投入して雇用していたのだという。

注)私はピラミッドの建設風景は映画「十戒」で描いたような奴隷労働で成り立っていたと思っていた。実際の古代エジプトの庶民の生活は以下のようなものだったらしい。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-9da8.html

 何ともまあ現在の日本の公共工事と同じで笑ってしまったが、そうしないと経済が回らないからファラオは無理をしても費用の支出をしていたらしい。
そして公共工事であるから一人のファラオがいくつものピラミッドを建設したり、あるいは数世代をかけて中世の寺院のように少しづつ建設していったらしい。

 なぜそれが分かるかというとたとえばエジプト最大のクス王のピラミッドは、かつては20年で建設されたと想定されていたが(クス王の在位に相当する)、これだとあの世界最大のピラミッドはどう計算しても建設不能なのだそうだ。
計算では積み上げられた200万個の石を、想定される労働力で積み上げたと仮定すると1個あたりにかけられる時間はたった2分半になってしまうという。
こんな時間でどうしてピラミッドができるのだ。これは宇宙人の仕業ではないか」とまことしやかにかたられてきた理由がそこにある。

 しかしこれが公共工事であれば、日本の八ッ場ダムのように50年以上かかって完成してもおかしくない。
何しろエジプトの歴史は3000年で、その間に作ればいいのだから予算の許す範囲内でコツコツと作ればいい。
しかもそこはファラオが冥界に旅立つ儀式を行う場所に過ぎないから、まだ完成していなければすでにある代替施設で執り行えばいいことになる。

 あれほどの見事な建造物は相応の技術者集団が無ければ完成できず、そうした集団は普段は半農半工の生活をしており、ファラオに対しもっと公共工事を実施してほしい」などと嘆願していたのだろう。
経済現象などはどこであってもまたどの時代であっても経済合理性を追求するから、景気が後退すればケインズ政策をとるという同じようなパターンを繰り返すらしい。

注)日本でも江戸時代尾張藩主徳川宗春がこのケインズ政策を採用していた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-c645.html

 古代エジプトは今の日本とさほど変わらない世界なのだから、人類は一体進歩しているのだろうかと疑問に思ってしまうぐらいだ。
何はともあれピラミッドは宗教儀式を執り行う場所でファラオの墓でないという認識を持つことが必要なようだ。

なお世界史のシリーズは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat49743035/index.html






 

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