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(26.2.21) ウクライナが分裂の危機に陥っている!!

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 ウクライナ情勢
が緊迫している。
この18日に首都キエフで治安部隊とデモ隊が衝突し、その後20日までに64名の死者が出ている。死者のうちに治安部隊の要員もかなり含まれているが、これはデモ隊側が武装しているからだ。
ソビエト連邦崩壊後の混乱で多くの武器弾薬がウクライナから紛失したが、そうした武器が使用されているらしい。

 かつてウクライナはロシア発祥の地と呼ばれ、ルーシと呼ばれていたがこれはロシアを現す古語だ。
日本でいえば「大和」と言ったところで、だから連邦崩壊後にウクライナがロシアから独立した時は本当に驚いた。

注)隣国の「ベラルーシ」は白いロシアの意味


 8世紀というから日本では奈良時代だがキエフを中心にキエフ大公国という現在のロシアの原型ができたが、この公国が13世紀にモンゴルに滅ばされてしまった。
15世紀このモンゴルを破って再びルーシの伝統を復活させたのが、モスクワに本拠を置くモスクワ大公国元はキエフ大公国の貴族)で、いわば亡命政権の復活のような形になった。
モンゴル帝国が崩壊した後はウクライナの東部はモスクワの支配下にはいり、一方西部はポーランドやハプスブルグ家の支配に入って分断されてしまった。
そのため東部ではロシア語がそして西部はウクライナ語が主として話されている。

注)ロシア語とウクライナ語の相違は外から見るとあまり分からない。相互に意思疎通できる程度に似ている。

 ウクライナはソビエト時代は一つのまとまりのように見えたが、その実はロシアとヨーロッパがせめぎ合っていた場所で、それが分からなかったのは鉄のカーテンに仕切られていたからだ。
しかしウクライナが1991年に独立するとこのスラブとヨーロッパの問題が表面化してしまった。
当初ウクライナはヨーロッパになびいていたのだが、EU統合の実態が明確になるにつれ少しづつロシアに軸足を移してきており、現在のヤヌコビッチ大統領は完全にロシア派だ。

 現在のウクライナ問題は昨年11月にウクライナがEU参加の前提になる連合協定の署名を見送ったことが発端になっている。これはウクライナが西欧でなくロシアを選択したことを意味するのだが、おさまらないのは西部の親西欧派だ。
西部の人々は自らをヨーロッパ人と認識しており、一方ロシアは自分たちを植民地にした憎き相手だと思っている。

注1)ヤヌコビッチ政権がロシアに取り込まれていった経緯は以下参照。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-88bf.html

注2)ソビエトに併合された後ウクライナは食物供給の植民地となり特に1932年ごろの大凶作で5百万〜6百万人が餓死している。

 一方東部は昔からロシアに組み込まれていたから、完全にロシア人になっておりロシアとの親和性が非常に強い。ロシアとの連携こそが自国経済の命綱だと認識しており、ヨーロッパに対して敵意を持っている。
だからもともとこの国がウクライナとして自立するには厳しい環境にあった。

 最も独立後経済が飛躍的に伸びて生活水準が向上していればウクライナ人としての自覚が芽生えただろうが実態はその逆で、かつてロシアの安価な燃料でかろうじて成り立っていた東部の工業地帯は競争力を失い、一方新たな産業は生まれていない。
こうした情勢下でウクライナが取りうる手段は結局二つしかない。
一つはEU に加入して出稼ぎ先を確保する道、もう一つはロシアに頼って安い天然ガスの輸入を図る道だ。

 ヤヌコビッチ政権は後者の選択をしようとしているが、2004年のオレンジ革命から2010年までは親西欧派が優勢でEUへの加盟を積極的に推し進めていた。

 現在ウクライナ情勢は極度に緊張しておりキエフ等に空挺部隊が派遣されたりして戒厳令下に置かれているような物々しさだ。
特に西部の都市部では軍の武器庫が破られ西欧派が武装し始めた(実際は西部の軍も協力している)。

 ロシア派と親西欧派の確執はほとんど修復不能の状態になっており、このまま経済情勢が回復しなければ、ウクライナの再分裂が行われる可能性がある。
アメリカも西欧もこの問題に深入りすることを避けており(渡航の制裁等の形式的制裁しかできていない)、一方ロシアは積極的にヤヌコビッチ政権を支援している。
第一次世界大戦前のスラブとヨーロッパの対立が100年を経て噴き出してきたという感じだ。

注)ウクライナの親西欧政権(2004〜2010年)とロシアとの確執は天然ガスの価格交渉として現れていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7697.html



 

 

 

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コメント

ロシアの友人に、「日本でロシアのお土産が買えるんだ」とタラスブルバのジャケット(アシックス製)を自慢したことがあった。
彼は笑ってタラスブルバはウクライナとひと言。
ウクライナをマォロシアとよべば、ウクライナ人は気分を悪くする、とも言っていた。
小さなという意味らしい。
この地域について私は何にも分かっていなかった。

投稿: makina670 | 2014年2月22日 (土) 21時50分

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