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(26.2.20) 人類史の大転換 第二次情報革命時代に生きている

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 人類の情報史大転換時代に私も参加して生きている。情報革命と言うのだが個人が自由に情報発信ができ、しかもほとんど費用がかからないという驚くべき時代だ。
このブログが典型だが、こうした情報発信は20世紀までは全く不可能だった。そのころまでの主要な情報発信装置はテレビ、新聞、雑誌、書籍だったがこうしたメディアは個人には解放されておらず、発信権は一部の情報エリートたちだけの所有だった。
この情報革命は人類の情報史の中で二番目の大変革だが一番目はいわずと知れた紙の発明だ。

 井沢元彦氏が、情報革命以前の人類の歴史の中で最も重要な発明は紙の発明だったと「逆説の世界史」の中で強調していたが、言われてみればまことにもっともな指摘だ。
現在我々が使っている意味の紙の製法を確立したのは中国後漢時代蔡倫だが、これがイスラムやヨーロッパ世界まで広がったのは8世紀唐とアッバース朝との間で中央アジアの覇権を争ったタラス河畔の戦いの結果である。
この戦いで唐は大敗北を喫したが、捕虜の中に製紙技術を持ったものがいて、これがイスラム社会を経由してヨーロッパ社会にまで広がった。

 紙の発明がなぜそんなに大事かと言うと歴史や技術や制度をこの紙に落としさえすれば、それを見ることによってその情報伝達が誰に対しても(ただし文字を読める人だけ)可能になるからだ。
それまで木簡や粘土やパピルスや羊皮紙というものはあったが、いづれも大量生産に適さずまた保管にも難点のある物ばかりだった。
したがってこうした情報は神官のような一部インテリだけに秘匿され一般の人々が知りうる情報にならなかった。

 さらに15世紀にグーテンベルグが活版印刷術を発明すると本が西洋社会に爆発的に出回るようになり、今までは秘匿されていた情報が一挙に大衆のもの(といっても知識階級だけだが)となった。
マルチン・ルターの宗教改革が成功したのは聖書をドイツ語で印刷して大量に配布できたからで、一方それができなかったフスは火炙りの刑で憤死している。

 なるほどね、紙と印刷術の発明は世界に衝撃を与えたのかと感心したが、だが本にも弱点があり、少なくとも20世紀までの間は一般人がその意見や思想を公表する手段にはならなかった。
印刷された本が出版できるのはインテリ層大学教授や小説家や新聞記者や雑誌記者等)だけの特権で一般人は読むばかりだったからだ。
私などもやむなく懸賞小説や懸賞シナリオに何回も応募しては落選の憂き目にあっていたから「物を自由に発言できるのは特別才能ある人ぐらいか・・・なんて諦めていたものだ。

 しかし長生きはしてみるものだ。情報史の二次革命に遭遇しインターネットとディスク媒体の天文学的な低下に支えられて、情報伝達は紙から電子媒体に移ってきて、個人が自由に情報発信が可能な時代が出現した。

 私はブログを書き始めて7年だがすでに2500近いブログ記事を書いているが、その記事に対し約300万のアクセスが行われている。
注目すべきはこの作業はほとんど費用がかからず、しかもたった一人で作業ができ一つの記事の発信にかかる時間は資料調査から作成まで含めても最大で4時間程度だ。
さらにリアルタイムでの発信が可能だからテレビとまではいかないが新聞並のスピードでブログ記事は作成できる。

注)Twitterやfacebookについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/24215-twitterac.html

 メディアはその情報発信の独占権を奪われ、新聞は毎年のように部数が減少し雑誌は次々に廃刊になり本も電子書籍にとって代わられようとしている。テレビもユー・チューブの前におたおたしている。
私でも自由に電子書籍を発行できるのだから(あまり売られていないことを別にすれば)紙の書籍を中心としていた情報エリ-トの時代が終わったといえる

注)新聞社が時代に合わなくなってきたことは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-1b72.html

 歴史の変革期に遭遇し、それに参加しているのは歴史を生きている感覚がする。
紙革命から電子媒体革命までおよそ1200年間かかったが、今の情報革命はいつまで続くのだろうか。
生きている間はこの革命に参加し続けてその行く先を覗いてみてみたいものだ。

なお紙の時代が終わったため書店の倒産が相次いでいることは前に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-18f2.html


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