« (26.2.18) 韓国経済の凋落 自動車も鉄鋼もさっぱりだ!! | トップページ | (26.2.20) 人類史の大転換 第二次情報革命時代に生きている »

(26.2.19) 日本経済の成長余力 なぜGDPが急拡大しないのか?

Dscf6384_2  

 安倍内閣が超金融緩和策を実施し成長の後押しをしているが実際の日本経済の足取りはほとんど千鳥足と言っていい。
内閣府が17日発表した2013年10〜12月期のGDP前期比0.3%増で年率にすると1%の増加だという。
このGDPの増加率は当初想定していた年率2%程度と比較してその半分であり、毎日新聞ではアベノミクスが失速したという評価をしていた。

注)アベノミクスの金融政策の特色については以下参照

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-9f20.html

 確かにこの1%という伸び率はほとんど成長していないのと同じだから、安倍首相の目指す力強い経済成長からは程遠いと言える。
内容を見てみると内需の寄与度が+0.8%で、一方外需の寄与度が▲0.5%で、結果として+0.3%のGDPの増加になっていた。

 内需はそこそこ堅調だが、外需がさっぱりと言うのがこの期の特徴で、輸出がわずかに0.4%の増加なのに対し輸入が3.5%増加したことがGDPを0.5%押し下げる原因になっている。輸入の増加が止まらないのだ。

注)GDPの計算では「輸出 - 輸入」がプラスであればGDPの増加、マイナスであればGDPの減少になる。

 現状の日本経済の実態はいくら内需を拡大しても輸入の増大速度が速すぎてとても経済成長を図ることはできないでいる。旦那が懸命に稼いできてもかみさんが浪費するので貯金ができない家計のようなものだ。
日本経済の病巣は輸入の増加速度であり、これは火力発電用の天然ガスや石油や石炭の購入費用が増大し続けているからだ。

 約3年前の東日本大震災以降、日本の原発は基本的に稼働しておらず震災前まで約30%の電力供給を行っていたのがゼロになってしまった。
この代替を火力発電所が行っているのだが、その燃料費が増大の一途をたどっている。
余りの急激な原子力発電の消失に日本経済が全く対応できない。

 これほどの急激なシフトは世界広しと言えども日本だけで、たとえば原子力発電ゼロを目指しているドイツでは現行の15%程度のシェアを毎年計画的に1.5%程度づつ低下させ、経済実態に対する影響をできるだけ少なくしようとしているが、それでも電力料金のアップにドイツ国民はクレームをつけ始めている。

注)原発政策の問題点については先に以下の記事で述べておいた。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/

 はっきりしていることは日本はどんなに金融緩和を行い内需拡大を行おうとも、GDPの大幅な増加は期待できない。出血のように増大している燃料費を圧縮する方法を取らない限り焼け石に水だ。
何しろ13年の貿易赤字約10兆円のうち燃料費の増大分がその35%程度3.5兆円)を占めている。

 現在電力会社は原子力発電の再稼働に向けて9原発の稼働申請を原子力規制委員会に申請しているが、規制委員会は活断層の有無で電力会社と論争しており、結論はほとんど棚上げ状態だ。
日本の地下はほとんど断層だらけで、これは日本が太古からの地震国だったので当然だが、問題はその断層が活断層かそうでないかの論争になっている。
見る人の立場で「活断層だ」「いやそうでない」となっており、現状の地震学の水準で結論を出すことはほぼ不可能といってよい。

 そうなると後は決断の問題になる。
今国民に問われているのは経済成長はあきらめて原発ゼロで行くか、それとも成長のために比較的安全と想定される原発を再稼働させるかという選択なのだ。
私などは老人で今更成長しても仕方ないと本音では思っているから原発ゼロでいいが、それは私が老人だからで若者にとってはつらい経済状況と言える。

 若者が望ましい職場に新規参入するには経済が成長していることが絶対的な条件で、実際私が就職した1970年ごろは企業は若者の雇用に必死だった。
私は4か所の職場から内定をもらったが、行けばどこでも採用してくれた。どこも現在の若者から見たらうらやむような職場ばかりだったが、私は内定を断るのに苦労したものだ。

 経済成長のためには金融緩和策だけでは限界があり、原発ゼロ政策をとる限り力強い経済成長は望めない。
だから今原発ゼロ政策で行くか否かを国民は問われているのだと私は思っている。

 

 

 

|

« (26.2.18) 韓国経済の凋落 自動車も鉄鋼もさっぱりだ!! | トップページ | (26.2.20) 人類史の大転換 第二次情報革命時代に生きている »

評論 日本の経済 経済成長」カテゴリの記事

コメント

いつも山崎次郎氏の理路整然と時事問題に対するコメントには感銘している。しかし、原発稼働が経済再生の原動力との御説には疑問。
原発停止発電30%減→原油の輸入増→貿易赤字→経済の成長阻害・・・・この説は極めて「感性的」であると思う。最大の問題は、21.8%
の円安で、それだけで15兆円の赤字となり、収支を圧迫している。純粋に原油増は3-4兆とみられており、明らかに赤字の要因は円安で、
アベノミックスの負の遺産となっている。

投稿: | 2014年2月20日 (木) 09時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (26.2.18) 韓国経済の凋落 自動車も鉄鋼もさっぱりだ!! | トップページ | (26.2.20) 人類史の大転換 第二次情報革命時代に生きている »