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(26.1.18) BS歴史館 江戸のスーパー改革者 松尾芭蕉

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 私のように俳句俳諧の区別がつかないものにとっては、松尾芭蕉の俳諧と言われてもさっぱりで、そもそも和歌俳諧の違いも「さて、なんなのだろう」と思っていたが、今回BS歴史館で放送した「江戸のスーパー改革者 松尾芭蕉でおぼろげながら理解した。

 私は松尾芭蕉の俳句はことの他好きで、私が覚えている俳句のほとんどは松尾芭蕉が作ったものだ。したがって俳句とは芭蕉が作るように作るものだと思っていたが、実はこうした芭蕉風のスタイルは芭蕉以前には皆無だったという。

注)厳密に言うと松尾芭蕉の俳句とは俳諧の連歌の発句だそうだが、常識的には明治以降に成立した俳句(一人で製作する575形式の句)と同様なものと思われている。

 芭蕉風の最大の特色は日常的なものをありのままに歌い、そこには基本的に言葉の制約がないという特色があるのだという(こうした日常を扱う自由な詩形を俳諧と言った)。
たとえば「古池や 蛙飛び込む 水の音」という俳句は当時の教養人を驚かすに十分な斬新性と変革性を持っていたのだという。
私などはカエルというと池に飛び込むものだと思っているが、当時の主流の教養である和歌からするとこれはあり得ない表現で、蛙は鳴くものでそれも山吹の花の下で鳴くのが決まりだった

 芭蕉以前の王朝文化の伝統を引く和歌の最大の特色はであり、歌い方は非常に細かな決まりがあったのだそうだ。
一言でいえば下品なものを歌にするのは厳禁で、歌はそれ自体霊力を持っているので、誤った文字の使用は鬼神を怒らしてしまうから絶対使用禁止だったのだそうだ。

 したがってカワズを読むときは必ず鳴いていなければならす、それも山吹の花の下でないと言葉に霊感が存在しないことになる。
芭蕉の変革はそうした一種の言霊主義からの離脱で「歌は庶民の楽しみのために歌えばよいので、歌そのものに霊力などない」という、割り切った近代精神が基礎にある。

 そんなことは当たり前だと近代人は思っており、短歌や俳句を読んでもそれが鬼神のこころを動かすとはつゆほども思っていない。
しかし芭蕉以前はそうではなかったという。
古今和歌集紀貫之のかな序には力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり」と、いわばオールマイティーの霊力があると宣言している。
なるほどね、芭蕉がはじめて歌の世界をこうした霊的な世界から解き放ち、庶民の楽しみにした人なのか・・・・・・・・」感心した。

 変革者の行為はその時代には衝撃であっても、それが根付いた後代にあっては単なる常識になってしまう。
義経の騎馬戦法は義経の時代には平家一族を滅亡させるほどの先進的な戦法だったが、戦国時代には武田の騎馬軍団に代表されるように一般的な戦法になっている。
また信長の長篠での集団鉄砲使用法はこの武田の騎馬軍団を見事に打ち破ったが、関ヶ原ではどの大名でも採用した方法になっていて、当時の世界最大規模の銃撃戦になっている。

 ところで話は異なるが、芭蕉が生きた時代は戦国時代から約100年経過した平和な元禄時代で、死に方より生き方が重要視された時代だという。
戦国時代は武士だけでなく庶民もいつ死ぬか分からないから死と向き合っており、死生観こそがその時代の精神だったが、平和な時代は人生観(生き方が重要になる。

 通常であれば寿命をまっとうして死ぬから生き方を常時考えざるを得ず、「自分の思うままの生き方をしよう」ということになる。
したがって元禄時代は享楽的な文化が花開くが、一方でそうした生き方を拒否する生き方もあって、芭蕉が唱えたのはすべてを捨てて漂泊の旅に出る(精神的には積極的な)生き方だった。

 所有欲を捨てて漂泊の旅に出ることは現代人でも夢であり、一部はそれを実践している人もいる。
私なども世俗的に生きるのが嫌になると数日間は山に立てこもってしまうが、それは芭蕉の生き方のミニチュア版だということを知った。

 松尾芭蕉は詩形の世界を霊的な世界から解き放ち、かつ欲を捨てた生活方法まで提示してくれたのだから、江戸期において近代を準備してくれた人で、まさにスーパー改革者と言えるだろう。
今までは松尾芭蕉に対する感謝の念が足りなかったとこの番組を見て反省した。

なお日本史に関するブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

(別件)四季の道ミニマラソン大会(約5km)の募集が始まっています。

・日程 2月16日(日) スタート9時35分(四季の道駅伝の一環です)
・集合場所  有吉中学校正門前
・具体的なレースの詳細、およびエントリー方法は以下の「おゆみ野四季の道駅伝公式ホームページ」

http://www.oyumino-shatai.com/ekiden/

を参照して下さい。
ここからエントリーできます。

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