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(26.1.28) アクリフーズの農薬混入事件 リスク管理が甘すぎる!!

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  従来日本では管理者は従業員を信頼し、従業員はそれにこたえるという麗しき精神があったが、そうした時代が過去のものになったことをアクリフーズの契約社員が身を持って示してくれた。
アクリフーズが生産したピザ、コロッケ、チキンナゲット等から農薬マラチオンが検出され、当社はこうした商品を含めてアクリフーズ群馬工場で製造した全商品の回収をしている。

 逮捕された阿部容疑者はピザの焼成を担当していた契約社員で、年収は約200万円程度だという。
私が職場に入った高度成長期の頃は誰でも正社員で採用され、給与も厚生設備も完備されていたが、1990年ごろを境に日本経済が失調すると海外との競争力確保を名目に契約社員が増加した。
契約社員であれば給与を安く抑えることができ(通常は正社員の半分)、かつ社会保険関連の費用や厚生関連の費用がいらないから、企業にとっては中国や東南アジアで職員を雇うのと同じレベルになる。

 私が勤めていた金融機関でも1990年以降こうした契約社員は多かったが、しばしばトラブルが発生していた。私はシステム部門にいたのだが、実務を契約社員が行い正社員はその管理に回ることが多く、その結果システム開発と運用の実力が逆転してしまい契約社員から正社員が馬鹿にされていた。
あいつらは俺よりずうっと高額の賃金を取っているのに全く無能で仕事の仕ノ字もしらない

 仕方がないので正社員は契約社員のご機嫌をとるために酒に誘っておごってやったりしていたが、たまたま両者の間でトラブルが発生するとことが面倒になった。
あのやろう、今に見ていろ、復讐してやる・・・・」ということになって機密情報が外部に漏れたりする。
もっともこうしたトラブル社員は内部にいるとすぐわかるもので、機密書類にいつ誰がアクセスしたかなどは勤務日とIDのアクセス記録などで判明するし、日ごろの態度を見ていればおのずとわかるものだ。

 今回のアクリフーズの契約社員の場合も農薬が注入された商品の製造日時・時間と勤務表を照らし合わせればすぐに対象者が縛られ、その中で日ごろから不満を述べていた人が最有力の容疑者になる。
さらに今回は作業着からマラチオンが検出されたそうだから、阿部容疑者が犯人なのは確実だろう。
本人は覚えていない」と供述しているが、通常は「私は知らない」というべきで「覚えていない」というのはほぼ自分が犯人だと言っているに等しい。

 それにしても日本企業はリスク管理が甘いと思う。アクリフーズは数年前から能力別給与を採用したが、この方法には非常なリスクが随伴している。
成績の不良者が能力別給与で給与を下げられるとただ不満がうっ積する。ただし正社員の場合はそれでも我慢して仕事の質を落としたりして抵抗するだけだ。
しかし契約社員であれば会社に対する忠誠心はほぼゼロなのだから、より積極的な復讐をすると想定しなければならない。

 会社内に明確な身分差別があり、かつ少ない給与をさらに減額された場合は、暴動直前のようなものだ。
今回の事件で親会社マルハニチロHDの当期利益は25億円も減額するそうだが、一人の契約職員の暴発が25億円の損失につながったことを肝に銘じるべきだ。
身分差別があり、さらに能力差別をする以上、経営者は従業員が復讐の機会を狙っていると想定してリスク管理を強化しなければならない。

 部屋には鍵を施錠し入退出管理はID番号で厳密に行うことは当たり前で、必要な個所には監視カメラを設置しなければならない。また日ごろから会社に不満を述べている従業員をチェックしておくのは当然だ。
こうした最低限のリスク管理もしないまま、能力別給与と称される給与カットを行うなどはきちがい沙汰と言える。

注)中国での毒入り餃子事件も基本的には同じ構造で、悪意を持った従業員の復讐事件と言える。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/22330-5f96.html

 

 

 

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