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(26.1.6) NHK[よみがえる江戸城」 バーチャル・リアリティーの時代

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(江戸城の内堀)

 NHKが放送した「よみがえる江戸城」はなかなか見ごたえがあった。今は火事で焼失してしまった本丸御殿(約1万坪の建物で800の部屋があった)を図面を基に5年の歳月をかけてCGコンピュータ・グラフィックス)で再現したものだ。
建物の基礎から襖絵に至るまで本物と全く同じに再現したそうで、特に虎の襖絵などは圧巻だった。

注)本丸御殿は何回も焼失しそのたびに再建されたが、1863年の焼失後は再建されることはなかった。

 私はこうしたCGでの復元にとても興味を持っている。しばらく前に信長の安土城のCGによる復元を見たが、今回の江戸城復元で自分が江戸城ツアーに参加しているような感覚に襲われた。
完全に本物と同じという訳にはいかないが実物に限りなく近づいてきたという感じだ。
実際に江戸城本丸を再建すると1800億円程度かかるそうで、とてもそうした費用も場所もありそうもないから、こうしてCGで復元して当時をしのぶのが妥当だろう。
CGの機能アップで限りなく現実に近い感覚で過去の建設物に接することができるようになっている。

 本丸御殿3つのセクターに分かれ、表、中奥(なかおく)、大奥と呼ばれていた。表は江戸幕府の表立った政務を執り行う場所でここの筆頭権力者は老中である。
一方中奥は将軍の日常の生活空間であり、大奥は将軍が跡継ぎを作るために特化した特殊な女性のみの空間になっている。

 私はこの番組を見るまでは中奥という存在を知らなかったので、将軍はいつも大奥に居て美女に囲まれているものだと思っていた。
いやー将軍とは何とうらやましい身分だ。私も一日でいいから将軍になってみたいものだ・・なんて思っていたがこれはひどい誤解で、表の政務が終わりへとへとになった後で大奥で子づくりの仕事が始まるスケジュールになっていた。
子作りは私事ではなく政務だから、添い寝係という監視付きで、子作りは楽しみというより激務という感じだ。

注)作った子供を男なら養子、女なら妻女として諸大名に押し付け、徳川幕府の安泰を策する政策だった。だから将軍は子作りマシーンになる。

 今回CGで松の廊下が再現され忠臣蔵(赤穂事件という)の検証を行っていた。
芝居では浅野内匠頭吉良上野介に刃傷に及ぶのだが、番組の説明では原因は経費節減策をめぐる浅野と吉良の対立だという。
朝廷から勅使を迎えるにあたって饗応役として浅野家が選ばれたのだが、この時幕府上層部から費用を例年の1200両でなく700両に抑えるように指示があったという。
これに対し接待の総責任者吉良上野介が反対し例年通りの饗応レベルを要求した。
このため両者は不仲になり、殿中松の廊下における刃傷事件に発展したという。

 しかし私はこの説明を聞いて違和感を覚えた。饗応費は幕府が出すわけではなく浅野家の持ち出しだから、幕府上層部が経費削減の指示を出すとはとても考えられないのだ。
これは浅野家が老中等に依頼して支出の削減を願いそれを老中が了承したということではなかろうか。
それを知った接待係の総責任者吉良上野介が接待レベルの低下に反対したのだろう。

「浅野殿、よく考えらっしゃい。こたびは朝廷の勅使を迎える大事な儀式でござっしゃる。それを経費を出し渋って勅使殿に失礼を与えたらどうなさるおつもりなのじゃ。ここは例年通り1200両をおだっしゃれ
「吉良殿、700両の件はすでに御老中様の御裁可を得ておりまする。当藩としてもこれが精いっぱいの出費でござる
ええーい、だまらっしゃい、浅野殿は赤穂の塩でしこたま財政が裕福なのにこのケチな対応は何ということでごじゃろう。浅野ケチの守と改名されるおつもりか
なんと、それがしに対してその言い分、場合によっては容赦はせぬぞ
」なんて感じだったのではなかろうか。

注)この経費の中には吉良上野介に対する指南料が含まれており、吉良はそれで生活していたが浅野内匠頭はその指南料を値切ろうとした(ほぼ15年ほど前に浅野家は饗応係を引き受けており儀式の内容を知悉していたため)。

 CG出再現された松の廊下板戸で外部と仕切られており、上部に明り取りのための障子があったが、相当薄暗い場所であることが今回確認された(当時の江戸城は総じて薄暗かった)。
そこに浅野内匠頭がそっと近づき1.5m程度近づいて「この間の遺恨覚えたるか」と言って切りつけたのだろう。
ただしこれは井沢元彦氏が論証しているように、短刀で切り付けるようでは武士としてのたしなみは最低で、短刀は突かなければ致命傷を与えられないやくざ映画では身体ごとぶつけるようにして短刀を使用する)。

注)赤穂事件については吉良上野介に非がないことは以下のブログ記事を記載しておいた
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-19f3.html

 「よみがえる江戸城」は2時間半に及ぶ番組だったが、それでもまだ見ていない場所が多々あるのだそうで続編が放映されるようだ。
それにしてもこうしてバーチャル・リアリティーで今は存在しない江戸城を見せてくれるのだからいい時代になったものだ。
しかもバーチャルリアリティーでは画像の一部として自身が内部に入り込み江戸城内を歩き回ることもできる。

 今後すでに存在しない建物の復元や美術館や博物館のCGを使った再現が可能になり、私たちは家にいたままルーブル博物館大英博物館を自分の足で見学するように見て楽しむことができる時代になってきた。
外国に行かなくても外国旅行が楽しめるのだから老人にとっては夢のような時代だ。

 



 

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