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(25.12.4) 天皇皇后両陛下のインド訪問と日本の戦略

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 現在天皇皇后両陛下がインドをご訪問されている。両陛下のインド訪問は53年ぶりで、当時は皇太子として天皇の名代で訪問された。
マハトマ・ガンジーガンジー廟に献花され、大統領官邸での歓迎式典に臨まれていた。

 インドと日本の間にはほとんど問題になるような案件はなく、非常に親日的な国でインド人の約80%は日本を大好きな国に挙げている。
日本は世界的に見ても最も好まれる国の一つで、(世界的に嫌われている)中国と韓国以外からは平和を愛する国家と尊敬されている。

 両陛下がインドを訪問したのは明確に安倍政権のインド重視策がある。安倍首相は6年前の第一次安倍政権の時もインド重視策をとっていたが、今回はさらに中国の脅威が拡大しているのでその重要性が増した。
インドは中国とカシミールの領有権問題とインド洋のシーレーンの覇権で争っており、一方日本は尖閣諸島問題で中国に煮え湯を飲まされているので防衛面でのインドとのパートナーシップがことに大事だ。

注)インド側から見た対日戦略については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/221028.html

 インドに対する投資はここ数年急速に増大し、日本企業の存在感がアップしてきたが、従来家電や通信で韓国企業が先行していた。
最近まで続いていたウォン安に日本製品が歯が立たなかったのだが、安倍政権発足以来の円安で韓国企業追い落としのとっかかりがつかめたようだ。

注)韓国経済のインド進出の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/2383-47d2.html

 日本企業でインドで最も成功した企業はマルチ・スズキでスズキはまるでインドの会社のような感じだが、最近はマルチ・スズキでも労働争議が頻発して手放しで喜んでいられる状況ではない。
インドにはカースト制度という身分差別が今も残っており、従業員もカーストごとに分けられている。
派遣職員は低いカースト出身者で、この派遣職員が毛沢東主義者に扇動されて争議が拡大するという構図だ。
インドは世界最大の民主主義国家を標榜しているが、民主主義国家の中にカーストが残っているのは自慢にはならない。何とか解決を図らなければならない問題だが、カーストはインド人に染みついた意識の問題でもあるので一朝一夕には解決できない問題だ。

注)マルチ・スズキの争議の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-0060.html

 またインドはインフラの整備が遅れており、特に電力事情が悪い。一日に8時間程度停電することはざらだから、企業は自家発電施設を常備しなければならず、その分経費がかかる。また交通網も未整備で橋などは大型トラックが通ろうものなら崩壊してしまうのでガスタービンなどの重い製品は作っても港に運べない。
現在日本企業が集中している特区のインフラは、日本のODAを使った道路や橋や港湾の整備を推し進めている。
政府と企業が一体となってインド進出を行わないと、企業そのものが稼働できないまま朽ち果ててしまう。 

 最近までインド経済は毎年8%程度の経済成長をしてきたが、12年、13年と3%台になって高成長がストップしてしまった。
新興国経済がもてはやされていた時期は海外からの資本がインド市場にあふれていたが、現在はインド市場から資本が引き挙げられている。
このため逃げ足の速いヘッジファンドではなく、日本の製造業による直接投資に強い期待を持っており、シン首相としたら両陛下のインド訪問を機会に日本企業の誘致に積極的に乗り出し、インド経済のブースターにしたいと考えている。

注)インド経済の実態については以前以下の分析をしておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-998e.html

 インドは日本にとり最高のパートナーの一国だ。アメリカとだけでなくインドとの間に強い経済的・政治的基盤が築かれれば日本にとりこれ以上の安全保障はないというものだ。

 

 

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