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(25.12.7) 北朝鮮に何が起こっているのか? 張成沢氏の失脚

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  世の中にはわけの分からないことが多いが、北朝鮮の序列NO2,張成沢氏が粛清されたとの韓国の報道もその一つだ。
韓国統一相によると、張成沢氏の側近二人が銃殺刑に処せられ、本人も拘束されているという。
側近とは張氏がトップだった朝鮮労働党行政部の副部長二人だそうだ。

注)北朝鮮では部が日本の省のような位置づけで部長の張氏が行政部大臣、副部長は副大臣に相当する。

 なぜそのようなことが分かるかというと、韓国の諜報部が北朝鮮の通信を傍受し「張氏の側近二人の処刑が終了した」との電文を確認したからだという。
最もこれだけで張氏が粛清されたというのは言い過ぎだが、それ以外に張ファミリーキューバ大使やマレーシア大使が本国に召還されたり、張氏本人がめっきり表に出なくなったからだそうだ。

注)金総書記に付き従っていた回数が昨年は106回に対し、今年は52回だという。

 張氏と言えば北朝鮮のNO2だが、金第一書記を凌駕する実力を持ち実質的には北朝鮮のNO1で、金第一書記を補佐し(顎で使い)特に中国との折衝の窓口を担当していた。
経済畑出身で疲弊していた北朝鮮の経済立て直しのために、中国との間で経済特区を建設し、その権力の基盤は中国との太いパイプ(中国のワンちゃん)である。
一方中国は張氏を通じて北朝鮮を間接統治してきたといえる。
飢え死にしたくなかったら、中国のいうことを聞け」ということだ。
だから私は張氏の地位は盤石で、かえってお坊ちゃんの金第一書記の方が粛清されるのではなかろうかと予想していたほどだ。

 張氏のライバルには序列NO3崔人民軍総政治部長がいて、こちらは軍部を代表し軍事緊張路線を主張していた。
核兵器の開発や大陸間弾道弾の発射実験、韓国艦艇への魚雷攻撃、島嶼部への砲撃等はすべて軍部が主導し総書記が追認するというパターンで、韓国とは一触即発の関係にある。

注)なお崔人民部長は軍の最高権力者だったリ・ヨンホ軍参謀総長を追い落として軍の最高権力者になった人物である。非常なやり手で現在は金総書記の信認が最も厚い。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-d7a4.html

 もし張氏の失脚が事実だとすると、これは張氏を疎ましく思い始めた総書記と崔政治部長が仕掛けた一種のクーデターで、中国をバックにした張氏もあえなく葬り去られたことになる。
金第一書記の言葉として「かつてどれほど党に忠実であっても、一瞬でも党に忠実でなかったら忠臣とは言えない」と述べたとされるが、この忠臣とは張成沢氏のことだと韓国当局は見ている。

 今回の副部長二人の公開処刑理由は汚職だそうだが、共産党とは汚職の巣窟だから逮捕理由はいくらでもあるのだが、ここにきて急に嫌疑をかけられてしまった。
な、なんなんだ。みんなやっている汚職なのになぜ我々だけが公開処刑されなければならないのだ!!」きっと処刑された二人の副部長は憤懣やるかたなかっただろう。
本来なら張氏が乗り出してきて国家安全保衛部の担当者を叱り飛ばせば済むことなのに、今回はそうしたこともされず、処刑が実施されたことから張氏本人の粛清も取りざたされている。

注)なぜ共産党(北朝鮮では労働党と言っている)幹部が汚職にまみれるかというと、すべての権力を集中してチェックが効かないから。警察も検察も裁判所も抑えていればあとは切り捨てごめんの世界になる。

 この韓国報道が事実だとしても、何とも私が不思議なのは張氏のバックが中国なのにその影響力が全くなく簡単に張氏の首がきられたことだ。
これでは北朝鮮は中国の顔に泥を塗ったようなものであり、「北朝鮮は中国の植民地ではない」と宣言したようなものだ。

 この5月まで北朝鮮は盛んに韓国を標的に戦争の威嚇をしていたが、軍部の勢力が増して再びそれが始まるのだろうか。
ソウルを火の海にする」というのは北朝鮮の常套句で実際戦争の一歩手前まで行くのはいつものことだが、朝鮮半島の情勢はいつも読みづらい。

注)5月まで続いていた北朝鮮の威嚇は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/255-8a31.html

 

 

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