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(25.12.28) 靖国神社への安倍首相の参拝 A級戦犯者まで参拝するのは問題がある!!

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  安倍首相が12月26日についに靖国神社に参拝した。6年前の第一次安倍内閣で「首相在任中に参拝できなかったことは痛恨の極みだ」と述べていたので、これでようやく目的を達成したことになる。
2006年の小泉首相以降靖国参拝は途絶えていたが、それをとだえさせたのが自分だという責任を人一倍感じていたのだろう。

 今回の首相の靖国参拝に対して中国と韓国が激しく非難をしているがいつものことなので別段目新しいことではない。中国は2005年の日本の国連安保理常任理事国入り問題2012年尖閣諸島国国有化問題のたびに大規模な官制デモを組織し、日系商店や日本メーカーの焼き討ちを行ってきたのでまた今回も起こるかもしれないが、これも日常的な景観になっている。
一方韓国はありもしない従軍慰安婦問題を取り上げて日本をひたすら非難することでその存在意義を確認している国家だから非難するのは当然でこれもいつものことだ。

 中国と韓国は日本の仮想敵国なのだから、相手が好意的な反応をすることは全く期待できないが、アメリカが「米国政府は失望している」とのメッセージを送ってきたのには注意がいる。
小泉首相が靖国参拝をしていた6年前まではアメリカは「これは日本の国内問題だから関与しない」という立場だったから、アメリカ政府の方針に変化が生じている。
実際この10月に来日したケリー国務長官やヘーゲル国防長官は千鳥が淵の戦没者墓苑で献花をささげたが、これは「ここがアーリントン墓地だ」とのメッセージだ。

注)千鳥ヶ淵戦没者墓苑は身元不明の戦士の遺骨を納める無宗教墓地。


 アメリカの動きに注意がいるのは現在が民主党政権だからで、民主党は伝統的に親中国反日本であり、一方共和党は親日本反中国である。
小泉首相の時にアメリカが「関与しない」としたのは当時は共和党ブッシュ政権だったからで、共和党は共産主義国家に敵意を持っている。
反対に現在のオバマ民主党政権は中国を囲い込んだうえで友好関係を結ぼうとしており、中国と正面から敵対することを好まない。
中国、日本、韓国の関係が安定しているのが一番だというのが本音だ。

注)共和党は反共路線で一方民主党は容共路線で日本の民主党と非常によく似ている。

 一方なぜ靖国神社の参拝が問題になるかというと1978年東条英機元首相等A級戦犯の合祀を靖国神社が認めたからだ。それまで靖国神社は戊辰戦争(官軍側)、日清・日露戦争、太平洋戦争の戦没者の慰霊が納められてきたが、長い間太平洋戦争の戦争責任者の合祀を拒んできていた。
それが1978年から合祀されることになったため靖国神社に参拝することは同時に戦争責任者に参拝することにもなってしまった。

 アメリカが反発するのは、A級戦犯が合祀されていると東京裁判史観に抵触するからだ。
東京裁判では日本は中国に侵略戦争を行い、それに対しアメリカが正義の戦いをしたことになっている。
安倍は侵略戦争の責任者を参拝し、アメリカの戦後体制に対して異議を申し立てようとしているのか????アメリカに疑念を呼び起こしている。

 私自身の意見としてはA級戦犯を靖国神社に合祀したことは間違いだったと思っている。
A級戦犯とは敗戦の責任者で、会社でいえば倒産会社の経営者に相当する。会社を倒産させたら責任を取ってもらうように、国家を倒産させた責任は重い。

 私は戦争に正義や不正義を入れることに反対で東条英機が悪人だとはいささかも思っていない。
一方で敗北した場合の責任は明確にとるべきで、戦争をする以上は勝利かイーブンでの痛み分けが最低の条件になる。
太平洋戦争では完膚なきまで敗北し国家倒産させたのだから拝まれる資格はなくA級戦犯者は靖国神社に合祀されてはならない。

 このことを誰より知悉していたのは昭和天皇で、靖国神社宮司松平永芳氏が1978年に東条英機首相等A級戦犯者の合祀を認めたことにひどい不快感を示され、靖国神社の参拝をおやめになられていた(元宮内庁長官の富田氏のメモにそのように記載されていた)。
東条も松岡も白鳥も私をだまして戦争に引きずり込んだ張本人で、こんな連中のために参拝することはできない」というお気持ちだったのだろう。

注)松岡とは元外務大臣松岡洋右、白鳥とは元駐イタリア大使白鳥敏夫

 やはり靖国神社でA級戦犯者の慰霊の合祀をすることには問題があり、これを1978年前に戻したうえで、首相はじめ閣僚が参拝すべきだと私は思っている。
安倍首相は積極的な平和主義者なのだから、何もアメリカにまで疑念を持たれる形で参拝を続けることは国益にならない。

注)中国・韓国包囲網を完成させなければならない時に、最も重要なメンバーのアメリカを敵に追いやることは外交上得策とは言えない。

なお、安倍内閣の外交政策については以下にトレースしてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat54917474/index.html

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評論 日本の政治 安倍内閣」カテゴリの記事

コメント

A級戦犯が合祀されたのが1978年で、
昭和天皇が最後に靖国親拝したのが1975年です。
1975年に三木武夫首相の参拝が
「政教分離」に反するのではないか?
との指摘に「私的参拝である」と答弁した為に
100%と公的存在である天皇陛下が親拝できなくなったのが真相ではないでしょうか。
それに天皇陛下が個人的感情で靖国親拝をやめるとは思えません。

投稿: Y | 2013年12月28日 (土) 05時58分

いつもいつも解りやすく筋の通った議論展開を有り難うございます。管理者さまのクリアさがうかがえます。
しかし、いくつかの疑問点を申し上げます。
#1 A級戦争犯罪人と戦争責任者をもしかして意識的に混同させていないでしょうか。戦争責任については、それを日本国民が追求するのは当然のことです。日本国民が史上未曾有の大敗について、当時の政治家、軍人等に責任を問うのは当たり前のことです。しかし、それは東京裁判の戦争犯罪人とは関係がありません。強いて言うならば、昭和天皇は責任はすべて自分にあると仰せられています。つまり、反省し、今後同じような失敗をしないようにする必要はあるが、責任は水に流せと仰せられていると解釈しています。
#2 日本とアメリカの戦後体制を決定づけているのは、東京裁判ではなく、サンフランシスコ条約です。そしてアメリカは「東京裁判」には触れたがっていないように感じます。アメリカが触れたがらないのは、もちろん「原爆」があるからです。東京大空襲があるからです。東京裁判では原爆は無視されていますが、東京裁判を問題にすれば必ず原爆がでてくるはずです。共和党にしろ民主党にしろ、もはや日米戦争を正義の戦いなんて思っていないでしょう。ならば、東京裁判云々で目くじらを立てる事はもうないと思います。
最近の中国の態度はサンフランシスコ条約に影響を与えるものです。すなわち、戦後体制を破壊するものです。アメリカが反発しているのは、その辺じゃないですか。

投稿: 縄文人 | 2013年12月29日 (日) 11時19分

それで合っていると思います。
昭和天皇は戦後に戦争指導者を良く思わないのは記録が残るのも勿論、軍部に自分の名を使わせてやらせたら日本が焼け野原になり、自身死刑になる可能性があった位で当然であります。
勝てば印象も違うでしょうけど。
あと天皇は政治的無答責と決められていて、政教分離の範疇に入らないどころか神社のトップですから。

投稿: 団長 | 2014年1月22日 (水) 15時12分

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