« (25.12.13) ためしてガッテン 脱腸を知っていますか? | トップページ | (25.12.15) NHK 歴史ヒストリア よみがえる幻の安土城 »

(25.12.14) 世界政治の余震 多極化の時代が始まった。

Dscf0143 
(会津近辺の山里の景色)

  余震が続いている。それも相当ひどい余震で大地震の前触れのような感じだ。
ここで私が言っている余震とは政治的余震のことで大地震とは現在の世界のフレームワークがひっくりかえってしまうような政治変革のことだ。

 私が感じているひどい余震の一つに北朝鮮のNO2張成沢氏が失脚し処刑されたことがある。
張氏は中国との強いパイプを持ち、はっきり言えば中国のワンちゃんだったのだからこれには驚いた。
北朝鮮は中国の経済支援を得なくても自立できると考えたのだろうか????この北朝鮮の中国無視には一体どんな意味が隠されているのだろうか????

注)張成沢氏の失脚(その後処刑)については以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-af68.html

 タイにおけるインラック首相はずしも驚きの余震だ。インラック首相は正当な選挙で選出された首相でこれまでかなり順調な政権運営をしていたが、兄のタクシン氏恩赦法案を下院で通したとたんに上を下への大騒ぎになってしまった。
タクシン氏自身も正当に選出された首相で2006年の軍事クーデターで国外追放になったのだが、タイでは総選挙が政権の正統性を保証するのではなく、軍隊や最高裁判所が正当性を保証するという信じられないような民主主義が行われている。

 実はタイは民主政治王政混合社会で民主主義が左傾化すると反動で王室が右傾化の揺り戻しをする。インラック首相の基盤は北部農民層や都市部の貧困層だが、近時この階層に中国が秘かに物心両面でテコ入れをしていた。それをタイ保守層が嫌って一気にタクシン派を追い落とそうとしている。
ここでも中国の影響力が後退しているのだ。

注)タイの政争については以下にまとめてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-7edc.html

 ウクライナのEUへの参加拒否も驚きだった。もともとウクライナは東部はロシア派、西部はEU派と分裂していたが、基本姿勢はEUへの加盟だった。
しかしここにきてヤヌコビッチ大統領が明確にロシア寄りの態度をとり始めた。
EUはもうだめだ。入っても何の利益もない。それよりロシアから安い天然ガスを供給してもらう方がよっぽど利益がある
ウクライナではEUが見捨てられロシアが歓迎されている。

注)ウクライナの政争については以下にまとめてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-88bf.html

 中国による東シナ海の防空識別圏設定も意外だったが、それに対するアメリカ政府の弱腰はさらに意外だった。
ヘーゲル国防長官が「防空識別圏そのものは目新しいものでなく各国が自由に引くことができるが、関係国との協議をせず一方的に設定することには反対だ」と言ったからだ。

 そもそも防空識別圏は冷戦期にアメリカが中国とロシアを封じ込めるために設定したラインで、それを日本と韓国が引き継いだものだ。だから中国の防空識別圏の逆設定は戦後のアメリカシステムへの明確な挑戦だったのにかかわらず、このヘーゲル長官の弱腰はどうだろう。アメリカはアジアへの関与を止めたとのメッセージを発しているようなものだ。

注)オバマ大統領が外交でなく内政に注力せざる得なくなった経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-0557.html

 これに対して猛然と反発したのが日本の安倍政権で、安倍首相中国の防空識別圏の撤回を明確に要請した。
もちろんいくら口で言っても聞く相手ではないので、防衛予算を増額し、特に沖縄における自衛隊の装備の充実と普天間基地の移設を急ぎ始めた。
また集団的自衛権を容認する姿勢に転換し、中国のスパイ活動を取り締まるための特定秘密保護法案を国会で成立させた。
東シナ海の中国の海洋進出ではアメリカの弱気と日本の抵抗が特に際立っている。

 アメリカは国内に共和党保守派をかかえ、予算や国債発行限度額一つとってもオバマ大統領の政治力を発揮できない。とても外国になど行っている余裕はなく、オバマ政権は内政の時代に入っている。
一方EUはかつての輝きが完全に失われ、経済的にはEUはドイツの単独市場になってしまった。メルケル首相はギリシャやポルトガルやスペインに自助を求め、ドイツ資金のバラマキを止めたためウクライナが造反した。

 そして中国ではその経済力が衰えるにしたがって周辺国が中国離れを始めた。北朝鮮、タイ、ミャンマー(さらにアフリカの資源国)に対する中国の影響力は激減している。
一方で海軍力だけは意気軒昂で、日本を標的に戦争を仕掛けようと盛んに挑発行動を繰り返しているが、ここには安倍政権が立ちはだかっている。
中国はその経済の黄昏を戦争を起こすことによって挽回しようとしており、戦前の日本軍部とそっくりのメンタリティーをしている。

注)安倍政権の奮闘ぶりについては以下に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-bd16.html

 こうした北朝鮮、タイ、ウクライナ、そして尖閣諸島をめぐる紛争の新展開は一体何を意味するのだろうか。
私にはこうした余震は大きなフレームワークの変革の予兆にみえる。
世界ではアメリカ、EU、中国が退潮し、日本、ドイツ、ロシアが復活する多極化の時代を迎えた。21世紀にはいって新しい時代が始まったのだ。

注)日本は中国の戦争の脅威にさらされているが、もし安倍政権が中国に対する防衛をうまく強化して中国の挑発に乗らなければ、中国を含めアメリカ、EUの世界的退潮を日本(とドイツ)は静かに見守っていられるだろう。

|

« (25.12.13) ためしてガッテン 脱腸を知っていますか? | トップページ | (25.12.15) NHK 歴史ヒストリア よみがえる幻の安土城 »

評論 世界経済」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (25.12.13) ためしてガッテン 脱腸を知っていますか? | トップページ | (25.12.15) NHK 歴史ヒストリア よみがえる幻の安土城 »