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(25.11.23) ミャンマー支援の本格化 中国の牙城の切り崩しに成功

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(軽井沢 雲場池)

 ミャンマーへの投資合戦が熱をおび始めた。日本政府はミャンマー政府の民主化に呼応して大規模な政府借款を約束し、また日本のメーカーもミャンマー進出を狙っていたが、そのアウトラインが明確になってきた。

 現在ミャンマーには大規模な経済特区が3つあって、その内ティラワは日本、ダウィーはタイと日本、チャオヒューは中国という分担になっている。
民主化以前はもっぱら中国の独壇場で特区の開発も中国が先行して、チャオヒュー経済特区では石油・天然ガス施設の建設が進み、中国との間の石油・天然ガスパイプラインの建設も進んでいる。
中国の戦略はミャンマーのインフラ整備代金の見返りがこの石油と天然ガスだった(ミャンマーは天然ガスの産出が多い)。

 一方日本は安倍首相の肝いりもあり、大都市ヤンゴンの近くのティラワの経済特区を支援することにした。ティラワはヤンゴンから20km程度の場所にあり、日本のイメージでいえば京葉工業地帯と言った位置づけだ。
最も最近までティラワでは立ち退きを要請された住民が保障問題で反対していたが、どうやらめどがついたようだ。

注)従来ミャンマー政府は土地は国家のものだったので強権で住民の立ち退きをさせていたが、民主化以降はそうした強権政治を控えている。おそらくお金で解決したのだろう。

 ティラワの開発は丸紅・三菱商事・住友商事がそれぞれ33.3%の出資で日本連合の開発会社を設立し、さらにティラワ全体のインフラを整備する経済特区会社にミャンマー政府51%、日本商社連合が49%の出資を行うことになっている(インフラ整備には1100億円規模の資金がいる)。
進出会社としてはスズキホンダと言った自動車メーカーが前向きだ。

注)ミャンマーが日本のフロンティアであることは何回もブログ記事を掲載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-aea7-1.html

 最近注目され始めたのはミャンマー政府とタイ政府が共同で開発を予定しているダウィー経済特区で、ここは最初から何もないところに一大生産拠点を築こうとしたものだ。
なぜダウィーがタイかというと、タイのバッコックから300km程度の距離にあり(日本で言えば東京と名古屋程度の距離)、海に面していて海上輸送の便がいいからだ。
ここはタイの経済圏に含まれる。

 さらにここをアセアンの南部回廊ベトナムのホーチミン市から、ラオス、タイのバンコックを通りダウィーまでつながる高速道路)の終着地点にしようとタイ政府とミャンマー政府は考えた。
最近まで中国のアセアン進出が目覚ましく、中国の昆明からタイのバンコックに向けて南北回廊が建設されていたが、それに対抗するアセアンの中国包囲網がこの南部回廊になる。
アセアンは中国の奴隷にならない」という一種の意思表示のようなものだ。

注)なお中国人がミャンマーで如何に嫌われていたかは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/231227-92a7.html

 だが、ここダウィーはもともと何もない場所だ(ティラワは道路と港湾が整備されている)。一からインフラを整備しなければならずそのインフラ資金の調達に苦慮していた。そこに三菱商事大型発電所の建設でひと肌脱ぐことにした。
原発7基分に相当する700万kwの発電所で燃料は天然ガスと石炭だ。
この火力発電所の建設はタイ電力会社50%、タイ建設会社20%、三菱商事が30%の出資をし、総工費1兆円の資金調達にあたるという。
この電力の400万kwはタイで使用し、300万kwはミャンマーで使用する計画になっている。

 ミャンマーは東南アジア最後のフロンティアとみられ、今日本だけでなく各国から注目を集めている。民主化以前は中国だけがミャンマーの経済支援を行ってきたが、ここにきて日本とタイが本格的に支援に乗り出し、インフラ整備を始めた。
何か1990年代の中国のような熱気だ。
中国市場は政治的リスクが大きすぎて、いつ日本企業が焼き討ちに合うか分からない。
すべて中国政府のさじ加減ひとつで、尖閣諸島の問題がこじれれば、再び「愛国無罪」の大合唱になる。

 安倍首相の中国包囲網の一環としてのアセアン政策はめざましく、中国の牙城だったミャンマーの切り崩しに成功したようだ。

なお、ミャンマー経済についてのブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47221757/index.html

 


 

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