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(25.11.13) 台風30号が津波を引き起こした!! フィリピン レイテ島タクロバン

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(軽井沢)

 これが台風の後の光景だろうか。台風30号に襲われたフィリピン・レイテ島の都市タクロバンの惨状である。
通常日本で台風の被害と言えば川が氾濫し、家や樹木がなぎ倒され、自動車が横転している光景を思い浮かべるが、タクロバンの光景は東日本大震災の後の津波による被害そっくりだった。

 すべての家屋がなぎ倒されてがれきの山になっており、町が完全に消失している。タクロバンはレイテ湾に面した人口20万人の都市であり、年配の日本人ならここが太平洋戦争の激戦地だったことを知っているはずだ。
町が消失した原因は高波である。約4mの高波が押し寄せたというから日本的な意味では津波と変わりがない。

注)太平洋戦争の実態は日本軍守備隊の全滅だったが、それは大岡昇平氏の「野火」に詳しい。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-432f.html

 今回の台風30号は気圧が895ヘクトパスカルという猛烈な台風で、気圧が下がると海水面を押し付けている空気の層が薄くなるため海面が上昇する。そこに海方面からの台風よる猛烈な風が波を押してタクロバンの都市を襲ったことになる。
最大瞬間風速が100mを越えたというから半端な風でない。

注)日本では昭和34年に伊勢湾台風に襲われたが、その時の気圧がやはり895ヘクトパスカルで、死者が約5000名だったので、今回の台風は伊勢湾台風並みだったということになる。

 通常は風がどんなに恐ろしいものか実感がないが、私はかつて北海道のトムラウシ岳の風の通り道で突風で自分自身が飛ばされそうになった経験がある。
実際は背中にしょっていたマットが風で飛ばされたのだが、1秒間に30m程度マットが飛び去ったのを見て目を見張った。
あの時の風速は30m程度だったが、これが100mになるとどうなるか想像がつかない。

 今回の台風被害でレイテ島を中心に死者が1万人を超しそうだとタクロバンの市長が言っていたが、現在まで(12日)の確定した死者の数は1774人と発表されている。アキノ大統領国家災害事態宣言をだし軍を総動員して住民の救助にむかわせている。

 日本を始めアメリカ、オーストラリア、ドイツなどが医療チームを派遣しており、日本はフィリピンの要請があれば自衛隊の派遣も検討している。
なぜ軍隊の派遣が必要かというと、日本と異なり略奪や暴力が平気ではびこるからで、フィリピンもご多聞に漏れず銃社会だから、平和な救援活動を支援するためにも軍隊が必要になるのだ。

注)日本は大震災が起こっても略奪が発生しないまれな国でだが、世界の常識では秩序が乱れれば略奪が発生するのが普通。

 だがしかしなぜこのようなスーパー台風が発生するのだろうか。年間に台風が30回発生したのは19年ぶりだが、理由は北緯20度以南の海水面が例年になく高かったからだという。
このところ観測史上初なんて記録の目白押しだから、19年ぶりぐらいに驚いてはいられないが、地球の環境が粗々しくなってきたことは実感で知ることができる。

 日本の夏は異常と言っていいほど暑くなり、今年は四万十市で過去最高の気温を観測したし、各地がうだるような暑さだった。
一方台風シーズンになると、これまた観測史上初の大雨が伊豆大島で降って、大島町で40名を超える人々がなくなられたばかりだ。
これは絶対地球温暖化の影響だ」と私などは考えてしまうが、気象学者はもう少し慎重で地球は20世紀の後半に平均気温が0.13度上昇した後、1998年から現在まで地球の平均気温はほぼ一定の水準にとどまっているという。

 最もこれは平均だから。最近のように暑いときはめっぽう暑く、寒くなればこれまためっぽう寒くなったということが実態ではなかろうか(あるいは暑い場所はますます暑く寒い場所はますます寒くなった)。
日本の猛暑分の低温地帯がどこかにあるということで、そうでなければ平均が一定ということにならない。

 今や世界各地で観測史上初と言われる異常気象のオンパレードだが、今回のフィリピンの台風もそうした異常気象の一種で、今後もこうしたスーパー台風に我々は襲われつづけるのだろう。

なお地球温暖化に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44491343/index.html


 

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評論 世界 地球温暖化」カテゴリの記事

コメント

 こんにちわ ご無沙汰しています。
 フィリピンの台風被害には驚きましたね。今回レイテ島の被害を拡大したのは「高潮」です。時には「津波」とも呼ばれ、沿岸部では「高波」による被害も出ているので、津波や高波と書いたマスコミがあっても仕方ないかも知れません。
 ただ、この高潮は遠いフィリピンや伊勢湾の出来事と考えてはいけません。実は東京湾も高潮の危険が懸念されている地域です。
2010年4月、国の中央防災会議が「室戸台風(1934年)級の超大型台風による高潮が東京湾を襲った場合、死者は最大7600人出る」と公表しています。また、大正6年(1917)に起きた高潮は「関東大水害」や「大正六年の大津波」と呼ばれ、東京湾沿岸に、死者・行方不明者数1324人、全壊・流出家屋約36500戸、床上・床下浸水約30万3000戸という大被害を出しています。
この時東京湾沿岸に多く存在した「塩田」が壊滅的な被害を受け、そのほとんどが廃業したと伝えられています。昔、習志野市に「谷津遊園」という遊園地がありましたが、この土地は廃業した塩田があった場所です。
 東京湾は地形上高潮が発生しやすいようで、江戸時代の史料「武江年表」を見ると、深川一帯を度々水害が襲っていますが、その多くは高潮だったと考えられます。
 現在は、伊勢湾級の高潮が発生しても大丈夫な堤防が整備されているということですが、前述の中央防災会議の記事を読むと、どうもあやしい感じがします。
信天翁

(山崎)実に詳細なレポートですね。いつもながら驚きます。

投稿: 信天翁 | 2013年11月14日 (木) 21時46分

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