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(25.11.28) ただひたすら恥をかきに行った日中経済協会訪中団 「こんな時に何しに行ったの?」

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 なんともさえない訪中団になってしまった。この20日から21日にかけて日中経済協会が派遣した訪中団のことである。
団長は張富士夫トヨタ自動車名誉会長で、顧問として経団連の米倉会長が同伴した。
総勢178名の大デリゲーションだったが、全くと言って成果はなかった。

 かつて日中経済協会の訪問団は国家主席首相と会い、仲良く写真に納まるのが常だったが今回は副首相の汪洋氏だけで、習近平主席李 克強首相に会うことはできなかった。
しかも汪洋氏には「日本政府は歴史と現実を正視することが必要だ」などと訓示まで垂れられた。
韓国のメディアは大はしゃぎで「冷遇された日本の経済使節団」と言った記事を嬉しそうに掲載していた。

 私もなぜこの時期に日中経済協会が訪問団を組織したのかさっぱり分からなかったが、第39回目だというから毎年の定例行事として訪問したらしい。
しかし何ともタイミングが悪すぎた。日本と中国の間は昨年9月の尖閣諸島国有化以降こじれにこじれて、日本の現地工場やデパートが焼き討ちに合い、またいつそれが再現するか分からないような状況になっている。

 中国海軍は尖閣諸島の領海内に平然と艦船や監視船を遊弋しており、日本の海上保安庁の船とバトルを繰り返している。
中国艦艇から日本艦船はレーダー照射まで受けており、これがアメリカやロシアだったらすぐに反撃に出るところだ。

注)レーザー照射の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-60b5.html

 さらに7月には中国海軍のミサイル駆逐艦とフリゲート艦5隻が日本の周りを一周して、いつでもどこからでも攻撃できると日本を威嚇した。
海からの攻撃に日本が無防備なのを忘れたか!!」幕末の黒船のイメージだ。
そして最後の極め付けが最近の中国空軍による防空識別圏の設定で、尖閣諸島上空に日本の戦闘機が入り込んだらスクランブルをかけると脅してきた。

注)26日にアメリカのB52爆撃機が防空識別圏内を飛行したがスクランブルはなかった。アメリカ軍にはおとなしいらしい

 すでに日本と中国との間は準戦時体制に入っているのに、なぜのこのこと日中経済協会は訪中団など派遣したのだろう。
経済と政治は別」とでも言いたいのだろうか。しかし相手は経済と政治が一体になって分離されていない中国だ。

 張氏も米倉氏も日本を代表する財界人だが、その政治センスのなさに驚く。
こうした時期は安倍総理を見習って、中国や韓国を相手にせずアセアンやインドやロシアとの経済協力強化に励んでもらいたいのだが、相変わらず中国とは恐れ入った。

 中国には世界のどの地域以上に政治リスクが高いが、現在はそれに加えて経済リスクが顕在化しつつある。
中国は長い間登り竜のように見られていたが、今はリーマンショック前のアメリカと同じでいつクラッシュが起こるか分からない。

 アメリカのサブプライムローンとさして変わらない理財商品の残高が膨らみ続け、この理財商品を販売して建設した地方の住宅団地や工場団地は閑古鳥が鳴いている。
こうした不動産は売れて何ぼのものだが、買い手がなくしたがって理財商品を償還する財源がない

注)理財商品の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-d9d9.html

 地方政府はこのままでは倒産するからと中央政府に泣きを入れて、人民元を無限に印刷させているが、今度はそれが物価上昇要因になる(日本の第3セクターは地方自治体の地方債の発行で生き延びていた)。
中国社会は貧富の差が世界最大級だから、物価上昇は貧しい人々の家計を圧迫する。
各地で毎年20万件程度の騒乱が発生していて、警察権力でかろうじて抑え込んでいるがそれでも天安門にはウィグルの親子が車で焼身自殺するし、山西省では共産党の地方組織の建物が爆弾テロの標的にされた。

注)山西省の爆弾事件については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-6e43.html

 政治リスクが最大、さらに経済リスクも大きい中国になんで史上最大の178名もの大デリゲーションを組んで行ったのだろうか。
数が多ければ習近平主席が泣いて喜びあってくれると思ったのだろうか。小沢一郎氏が率いた民主党議員団の胡錦濤主席参りをまねたのだろうか。
私でさえ躊躇するようなことを日本のトップ財界人がするとは情けなくなるが、韓国のマスコミを喜ばしただけで、実際に恥をかいて帰国してきたのだから少しは身に染みただろう。

 

 

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