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(25.11.22) クローズアップ現代 模索する中国 (1)民衆の不満はどこに  習近平氏のダッチロール

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(泉谷公園のケヤキ)

 NHKのクローズアップ現代で「模索する中国」というシリーズを開始した。
国谷キャスターが中国に乗り込み著名な作家や民衆活動家とのインタビューを行っていた。
第一回目は「民衆の不満はどこへ」というタイトルだったが、作家余華氏とのインタビューがいつもとは異なりひどくぎこちなかった。
落ち着きがなく表情が硬く、何か警戒しながらのインタビューと言った印象を受けた。

 習近平体制が発足してから1年、中国政府は大衆路線を掲げ習近平氏は積極的に遅れた農村部に出かけて行っては民衆の声をくみ上げるジェスチャーをしている。
このスタイルはかつての毛沢東文化大革命のスタイルとうり二つだがなぜそのようなことをするのだろうか。

 さらに最近盛んにテレビで取り上げているのは地方幹部による自己批判である。
私は自分を偉いと決めつけて、自己中心的で大衆の目線に立っていないと反省した」と言った具合だ。
文化大革命時にはそうした自己批判をした後、その幹部は殺害されたのだが、今回はいわゆるセレモニーのようなもので、余華氏によると「地方幹部は声明文の4割を自己批判に充てるように中央政府から指示を受けている。しかしこれは単なる儀式で、私の知っている地方幹部は文書作成が大変だとこぼしていた」そうだ。

 中国は現在共産党幹部による腐敗が蔓延しており富は共産党幹部と一部富裕層に集中している。
共産主義社会とは最も貧富の差が大きな社会だからこれでは毛沢東に顔向けができない。
仕方なしに毛沢東をまねて貧富の差に気づいているそぶりをするのが習近平氏の大衆路線のようだ。

 しかし反対に言えばこの腐敗こそが経済成長の原動力だからことは面倒だ。
すべての権力が地方の共産党書記に集中されており、どの土地を収用しそこに何を建設するかも自由自在で、反対者は警察権力を使って監獄にぶち込めば済むのだから、どのような開発も可能だ。

 だがこうしたシステムは汚職の温床になる。習近平氏は見かねて汚職撲滅運動に乗り出たが、それを推進していたのが団派の李 克強首相だった。
李 克強首相は前総書記胡錦濤氏の懐刀だったから、習近平氏は団派に取り込まれたと私は思っていたが、11月に行われた中央委員会の総会、三中全会の結果は全く違っていた。

注)団派と保守派の死闘については以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-7e7f.html


 李 克強氏の経済政策、リコノミクスは「国有企業の特権を廃し、市場経済化を進めて民間活力を引き出す」ことを目的にしていたが、三中全会による経済政策は、「国有企業を温存し、腐敗をなくして国有企業からの上納金を増やす」というものだった。
このための特別組織の長は習近平氏で、その補佐は保守派で固められ、李 克強氏の出番がなくなっていた。
まあ、本気でそんなことはできないから李 克強を外そう」ということだ。

注)なお経済の民主化がなぜ汚職撲滅運動と結びつくかと言えば、中国では経済と政治が共産党幹部によって牛耳られているから。これを切り離すことが政治の浄化につながる。

 一体三中全会で何が起こったのだろうか。習近平氏が再び保守派に妥協し、団派の追い落としを始めたのだろうか。
習氏は当初保守派に担ぎ上げられて総書記になったので保守色が強かったが、経済が失速し腐敗が蔓延するにつれて団派へすり寄っていた。

 しかしここにきて天安門での焼身自殺や地方での暴動が相次いで、ふたたび中国本来の強権路線に回帰し、保守派の牙城である国営企業の改革を後回しにする決心をしたのだろうか。
作家の余華氏はインタビューで「現在の中国は2つの道しか残されていない。一つは革命への道、もう一つは漸進的な民主化への道だ」と言っていたが、現実の中国は保守回帰している。

 はたして習近平氏ダッチロールはいつまで続くのだろうか。

なお、クローズアップ現代のブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_2/index.html


 

 

 

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