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2013年11月

(25.11.30) 参議院選挙は違憲 広島高裁の乱「もう許さんぞ!!」

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 ふたたび裁判所が怒ってしまった。広島高裁岡山支部で行われていた裁判で、「12年7月に実施された参議院選挙は違憲で、当選者は無効である」という判決が出たからだ。
最も無効とされる議員は岡山選挙区の石井議員だけで、それも裁判が確定した後最高裁に上告されればその判決を待って)だから、石井議員がすぐに失職するわけではないが、裁判所が参議院選挙で違憲判決を出した歴史的判決になった。
広島高裁では先の衆議院選挙でも違憲判決が出されているから、広島高裁の管轄区では今後とも違憲判決が続きそうだ。

注)昨年12月の衆議院選挙では、広島高裁岡山支部で岡山2区の結果を違憲としたので違憲判決としては2度目になる。
また同じく広島1区2区については「将来効判決」と言う条件付きで、広島高裁で違憲判決が出されているが、それは以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-eb79.html

 それまで参議院選挙の格差是正を求める裁判は何回も起こされてきたが、いづれも「合憲」か「違憲状態」の判決だった。違憲と違憲状態の区別は素人には分かりづらいが、「違憲状態とは憲法的には違憲だが国会の裁量権の問題だから国会に任す」という意味で、一方「違憲は当選者は無効」だとの判決だから、まったく厳しさが違う。

 各党は「真摯に受け止める」との談話を発表したが、本音は違う。
裁判官のやつ、とんでもない判決を出しやがって・・・・・・・」というところだ。
衆議院も参議院も格差是正問題に弥縫策を繰り返してきたが、実際は参議院の格差是正はことのほか難しい。

 それは最小単位の選挙区が都道府県だからで、今人口最小県は鳥取県だが、人口は約60万人でそれも毎年のように人口減少に悩まされている。
ここが最も人口の少ない最小単位になって、しかも参議院が3年に一回半数ずつの改選だから、最低でも鳥取県に2名の参議院議員が割り当てられる
一方東京都の人口は1300万人だから、単純比例で行くと東京都は43名の参議院議員が選出されなくてはならない。
だが実際の数は10名で、5倍の格差が発生している。

注)本来は選挙権を持っている人の数で比較しなければならないが単純化のため人口を利用して計算した。1300÷60=21.7  21.7×2=43.4

 すでに最高裁判所は約4年前に「参議院の都道府県単位の選挙区には無理がある」と是正措置を勧告しているが、国会議員としてはそうやすやすと是正措置を実施するわけにはいかない。
俺は鳥取県の代表だ」という立場から「鳥取県と島根県と岡山県の一部の代表だ」なんて立場になれば、いままで培ってきた地盤が一挙に崩壊してしまうからだ。

 この選挙区の区割りについては議員は直接の利害関係者だから、これを国会議員に任せていては、自分に都合のいい区割りにするのは当然だ。
だから第三者機関を設けてそこで合理的な区割り制度を決め、それを国会が無修正で承認するような体制ができない限り、この問題は半永久的に後を引く。

注)単純人口割りのような制度で、議員の裁量の余地が少ない制度が望ましい。

 現在の選挙区制度が時代に沿わなくなっているのは確かだ。
特に参議院選の都道府県単位制度は都道府県の人口がほぼ均一化していることが前提にあった。
しかし高度成長期に人口の大移動があって、農村部から若者が消えてしまった。
さらに現在は日本全体の人口が減少し始めたが、老人人口の多い農村部の人口減少がことさら大きい。

 道州制の導入が叫ばれている理由もそれで、都道府県と言う単位がそもそも時代にそぐわなくなっているのだ。
現在は地方出身議員のウェイトが高く「地方の重要性」を訴えて予算措置をとっているので、地方にだけ立派な高速道路や新幹線が走り、都市は一方でスラム化している。

 やはり時代の要請に応じて選挙区制度を改正しなければ日本という国自体が埋没していくのだから、今回の広島高裁の判決結果をうけて時代に合った選挙制度に変更するのが重要だと私は思っている。

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(25.11.29) 猪瀬都知事の天国と地獄 この苦境から逃げ切れるだろうか?

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(泉自然公園)

 こういうのを天国と地獄というのだろう。
この9月、東京オリンピック開催が決定し歓喜の中にいた猪瀬東京都知事が今地獄を味わっている。
医療法人徳洲会から受け取った5000万円の資金が、政治献金か、賄賂か、それとも個人的借入かでマスコミの集中攻撃を受けているからだ。

 猪瀬知事はこれは個人的借入で、「ほれこの通り借用書がある」とマスコミに披瀝したが、通常の借用書(金銭消費貸借証書)のような立派なものではなく、「借用書、5000万円、徳田氏からの借入、猪瀬都知事の住所・氏名」だけが記載されたいたってあっさりとした借入メモのようなものだった。

 無利子・無担保・返済期限なしだから通常はこうしたものは借入と言わず、一種の贈与と同じもので貸したほうは返済をあてにしていない以上、通常返済されることはない。
しかしそれでも猪瀬知事が盛んに借り入れと主張するのは、そうでないとはなはだ面倒なことになるからだ。

 もしこれが政治献金であれば政治資金報告書に記載しなければならないが、個人が政治献金する場合の上限は150万円で、しかも政治家個人ではなくその資金管理団体への献金が許されているだけだ。
5000万円もの金が政治献金だということになると、金額においてもまた献金先においても政治資金規正法に明確に抵触してしまう。

 一方で都知事は病院や社会福祉施設の許認可権を持っているから、この許認可を見返りに徳洲会から金を得たことになると贈収賄事件に発展してしまう。
徳洲会としては病院の設置等に便宜を図ってもらうことを前提に資金を提供したことは明確だが、それを都知事は認めるわけにはいかない。
猪瀬知事としては「誰が何と言おうと借入金だ」と突っぱねる以外に生き残るすべはない。

 この借入金は12年11月20日に借り入れたものだが、ちょうど東京都知事選の告示の直前で、タイミング的には選挙資金を徳洲会に依頼しに行ったとしか思われない。
徳洲会の徳田議員は「1億円を要求されたが、ドンの父親と相談して5000万円提供することにした」と述べているが、もちろん猪瀬知事は「1億なんてとんでもない、生活資金として5000万円借用したのだ」と反論していた。

 猪瀬知事によると「都知事の給与はとても低く徳洲会から借り入れないと生活ができない」という論理だが、私のような貧しい生活者が言うのならともかく都知事が言ってはいけない。
そうか、日本の都知事の給与は生活ができないほど低く、生活保護世帯並なんだ」なんて世界中から同情されて、国連から救済資金が支出されてしまうからだ。
実際はオリンピックが決定された9月に、「(徳田議員周辺が怪しくなったので全額返済した」のだが「そんな大事な生活費を返して生活ができるのだろうか」と今度は皮肉られている。

注)徳洲会の問題の詳細は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-5b66.html

 この徳洲会からの借り入れは、前知事の石原氏がもう少しで辞任に追い込まれそうになった新銀行東京事件に匹敵するトラブルになっている。石原氏は「責任は新銀行東京の幹部にあり、俺は何にも知らなかった」と逃げ切ったが、はたして猪瀬氏は「借入金だといったら、借入金だ、俺は貧しくこれでかろうじて生活しようとしたんだ」と言って逃げ切れるだろうか。

注)結局石原前都知事は新銀行東京問題で逃げ切ったがその経緯は以下の通り。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/201030-c3b7.html

 猪瀬知事はクリントン大統領のような女性トラブルもなく、東京オリンピック招致に成功した有能な知事だから、私などは「まあ、本人の言うことを聞いてやるふりをしよう」という気持ちだが、週刊誌などは猪瀬氏を徹底的に追い詰めようとしている。
別に徳洲会からの資金が無くても都議選の勝利は間違いなかったのだから、これは明らかに勇み足だが、どんなに有能な人も時にこうした失敗をするものだ。

 

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(25.11.28) ただひたすら恥をかきに行った日中経済協会訪中団 「こんな時に何しに行ったの?」

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 なんともさえない訪中団になってしまった。この20日から21日にかけて日中経済協会が派遣した訪中団のことである。
団長は張富士夫トヨタ自動車名誉会長で、顧問として経団連の米倉会長が同伴した。
総勢178名の大デリゲーションだったが、全くと言って成果はなかった。

 かつて日中経済協会の訪問団は国家主席首相と会い、仲良く写真に納まるのが常だったが今回は副首相の汪洋氏だけで、習近平主席李 克強首相に会うことはできなかった。
しかも汪洋氏には「日本政府は歴史と現実を正視することが必要だ」などと訓示まで垂れられた。
韓国のメディアは大はしゃぎで「冷遇された日本の経済使節団」と言った記事を嬉しそうに掲載していた。

 私もなぜこの時期に日中経済協会が訪問団を組織したのかさっぱり分からなかったが、第39回目だというから毎年の定例行事として訪問したらしい。
しかし何ともタイミングが悪すぎた。日本と中国の間は昨年9月の尖閣諸島国有化以降こじれにこじれて、日本の現地工場やデパートが焼き討ちに合い、またいつそれが再現するか分からないような状況になっている。

 中国海軍は尖閣諸島の領海内に平然と艦船や監視船を遊弋しており、日本の海上保安庁の船とバトルを繰り返している。
中国艦艇から日本艦船はレーダー照射まで受けており、これがアメリカやロシアだったらすぐに反撃に出るところだ。

注)レーザー照射の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-60b5.html

 さらに7月には中国海軍のミサイル駆逐艦とフリゲート艦5隻が日本の周りを一周して、いつでもどこからでも攻撃できると日本を威嚇した。
海からの攻撃に日本が無防備なのを忘れたか!!」幕末の黒船のイメージだ。
そして最後の極め付けが最近の中国空軍による防空識別圏の設定で、尖閣諸島上空に日本の戦闘機が入り込んだらスクランブルをかけると脅してきた。

注)26日にアメリカのB52爆撃機が防空識別圏内を飛行したがスクランブルはなかった。アメリカ軍にはおとなしいらしい

 すでに日本と中国との間は準戦時体制に入っているのに、なぜのこのこと日中経済協会は訪中団など派遣したのだろう。
経済と政治は別」とでも言いたいのだろうか。しかし相手は経済と政治が一体になって分離されていない中国だ。

 張氏も米倉氏も日本を代表する財界人だが、その政治センスのなさに驚く。
こうした時期は安倍総理を見習って、中国や韓国を相手にせずアセアンやインドやロシアとの経済協力強化に励んでもらいたいのだが、相変わらず中国とは恐れ入った。

 中国には世界のどの地域以上に政治リスクが高いが、現在はそれに加えて経済リスクが顕在化しつつある。
中国は長い間登り竜のように見られていたが、今はリーマンショック前のアメリカと同じでいつクラッシュが起こるか分からない。

 アメリカのサブプライムローンとさして変わらない理財商品の残高が膨らみ続け、この理財商品を販売して建設した地方の住宅団地や工場団地は閑古鳥が鳴いている。
こうした不動産は売れて何ぼのものだが、買い手がなくしたがって理財商品を償還する財源がない

注)理財商品の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-d9d9.html

 地方政府はこのままでは倒産するからと中央政府に泣きを入れて、人民元を無限に印刷させているが、今度はそれが物価上昇要因になる(日本の第3セクターは地方自治体の地方債の発行で生き延びていた)。
中国社会は貧富の差が世界最大級だから、物価上昇は貧しい人々の家計を圧迫する。
各地で毎年20万件程度の騒乱が発生していて、警察権力でかろうじて抑え込んでいるがそれでも天安門にはウィグルの親子が車で焼身自殺するし、山西省では共産党の地方組織の建物が爆弾テロの標的にされた。

注)山西省の爆弾事件については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-6e43.html

 政治リスクが最大、さらに経済リスクも大きい中国になんで史上最大の178名もの大デリゲーションを組んで行ったのだろうか。
数が多ければ習近平主席が泣いて喜びあってくれると思ったのだろうか。小沢一郎氏が率いた民主党議員団の胡錦濤主席参りをまねたのだろうか。
私でさえ躊躇するようなことを日本のトップ財界人がするとは情けなくなるが、韓国のマスコミを喜ばしただけで、実際に恥をかいて帰国してきたのだから少しは身に染みただろう。

 

 

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(25.11.27) EUの拡大の終わり。ロシアのウクライナ取り込みの成功

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 EUの拡大がとうとう終わった。EUへの参加を希求していたウクライナが急遽EUとの協議を止めて、ロシアとの関税同盟締結に舵を切ったからだ。
EUは突然のウクライナの造反にびっくりして、バローゾ欧州委員会委員長が「ロシアの立場と行動は全く容認できない」と声明を発したが、この造反はプーチン大統領の揺さぶりによるものだ。

 プーチン大統領はかつてのソビエトの夢の再現を目指してベラルーシ、カザフスタン関税同盟を締結していたが、これにウクライナを加盟させれば旧ソビエトの大半の国土が回復したことになる。
関税同盟とはロシア版EUで人や投資や貿易の自由化を目指すものだから、実質的なロシア共同体だ。

 しかしなぜウクライナがEUに見切りをつけロシアを選択したかというと、EUが経済的に停滞し全く魅力を失ったからだ
EUはリーマンショック以降、EU 内の持てる国と持てない国の格差が広がり、持てない国はギリシャがそうであるように厳しい緊縮財政を強いられている。
EUから資金援助をしてもらえると期待してたら、実際は財政再建か!!」持てない国が悲鳴を上げている。

注)EUの加盟国は財政赤字をGDPの3%以内に抑えるルールがあり、このルールの履行をドイツが厳しく求めている。

 当然ウクライナは持てない国で13年1月から9月までのGDP伸び率は▲1.3%と惨憺たる状況で、財政赤字は▲5%前後だから、これでEU並みの健全財政を義務づけられたら、国民の怒りが頂点に達してしまう。
そこにロシアが硬軟取り混ぜての揺さぶりをかけた。
もしウクライナがEUへの参加協議を続けるなら、ロシアはウクライナからの輸入をストップする。もしロシア版関税同盟に参加するなら天然ガスの価格を大幅に引き下げよう

注)ウクライナとロシアの天然ガス価格を巡る戦いは以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2117-a928.html

 この要請に元々親ロシア派だったヤヌコビッチ大統領が飛びついた。
何しろウクライナの輸出の4分の1は対ロシアだし、天然ガスはロシアからの輸入に限られている。
ロシアは親露政権には特別価格で、一方親西欧政権には市場価格で天然ガスを供給しており、2005年のオレンジ革命以来ウクライナの天然ガスは市場価格になってしまった。
そのため競争力のないウクライナ産業は悲鳴を上げている。

注1)なおオレンジ革命時のプーチン大統領の天然ガスを武器にした選挙干渉は以下に詳しい。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-e5b1.html

 もう一つヤヌコビッチ氏としてどうしてもEUとの協議を止めざる得なかったのは、前首相で政敵のティモシェンコ氏の釈放をEU がEU参加の前提条件にしていたからだ。ティモシェンコ氏とは髪の毛を特別なウクライナ様式で束ねていたあの美人の首相である。
ティモシェンコ氏親西欧の野党党首でかつ首相だったが、経済的には節操がなくかなり危うい闇取引を行っていたため、それを理由にヤヌコビッチ大統領が逮捕した。
逮捕をするだけの理由はいくらでもあったが、しかし怪しげなのは誰も同じだ。

 EUは「ティモシェンコ氏の逮捕は親西欧派の追い落としで、ウクライナがEUに入りたいならティモシェンコ氏を釈放しろ」と言っていたが、もし釈放して次の選挙でヤヌコビッチ氏が敗れれば今度はヤヌコビッチ氏が投獄される。
かなり後ろ暗い取引をしていることではヤヌコビッチ氏ティモシェンコ氏に負けない。
だめだ、ティモシェンコが復活すれば俺の将来はない。ここはEUへの参画はあきらめてロシアの軍門に下ろう」ということになった。

 1990前後のロシア民主化革命でいったんはロシア陣営から離れたウクライナが20年の歳月ののち再びロシア陣営に吸収されることになった。
プーチン大統領は外交的に勝利し、先のアメリカのシリア空爆停止措置に続いて二連勝だ。
こうしてEUの拡大は終わり、ロシアがかつての栄光を取り戻しつつある。

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(25.11.26) 中国はなぜこれほどまで戦争を仕掛けようとするのか  防空識別圏の設定

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 また一段と中国が尖閣諸島の領有権問題で、実力行使を強化し始めた。
中国空軍が東シナ海に「防空識別圏」を設置し、その中に沖縄県の尖閣諸島を含めたからである。
ここは当然日本の防空識別圏の範囲内だから、自衛隊機がスクランブルするし、そこに中国空軍の戦闘機や偵察機がスクランブルして入ってくることになる。

注)防空識別圏とは戦後アメリカが共産主義国のソビエトと中国を封じ込めるために引いた防衛ライン。その後日本、韓国、台湾等が引き継いだ。今回中国がこのラインを引いてきたのはアメリカの戦後体制への挑戦になる。

 尖閣諸島周辺で今までは中国海軍の海洋監視船と海上保安庁の巡視船が対峙していたのだが、今度は戦闘機同士の対峙に代わってしまう。
海上保安庁の巡視船は装備と言っても高性能の機関砲程度だから、戦闘になったとしても程度がしれている。

注)中国海軍はすでに戦争を望んで火器管制用レーダーの照射を行っている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/25210-e9be.html

 しかし自衛隊の航空機はミサイルも装備しているので、こちらは本格的な戦争状態になる。
アメリカも日中間の不測の事態を懸念して中国に「防空識別圏」の撤退を求めたが、中国からはなしのつぶてだ。
なぜ中国空軍はこの時期に東シナ海に防空識別圏を設定したかというと、アメリカがこの措置に対し有効な手段が取れないと読んでいるからだ。

 オバマ政権は二期目に入って完全なダッチロールに入ってしまい、大統領はティー・パーティーの共和党右派を切り崩せないでいる。
ひところ日本の政治を停滞させた衆参のねじれ現象と同様のねじれにあって、予算すら満足に通すことができず、また債務の上限問題で大統領が目指した健康保険改革はとん挫したままだ。
おかげでオバマ大統領は内政にすべての精力を注がねばならず、外交などやってられなくなっている。

注)オバマ政権のダッチロールについては以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-0557.html

 さらに中国空軍がアメリカの介入がないとの自信を持ったのは、オバマ大統領のシリア軍事介入が失敗したからだ。
オバマは腰抜けだし、今ならアメリカは動けない、チャンスだ。日本はアメリカの庇護の国だから、自国の意志で我が国の防空識別圏を撤回させる能力はない

 一般に中国の人民解放軍は共産党の指導下にあると思われているが、実際はそうではない。
中国の空軍は建前上は共産党支配下にあって、習近平氏の指示に従わなくてはならないのだが、日本の旧陸軍のように勝手気ままに権益拡張に励んでいる。
習近平氏が何を言おうとも「ほっておけ」という状況だ。

 現在の中国海軍および空軍の尖閣諸島周辺での行為は中国中枢部の意志を必ずしも反映しておらず、中枢部は海軍や空軍に引っ掻き回されているのだ。
これは戦前日本に関東軍という一大軍閥がいたからイメージできるだろう。

 かくして尖閣諸島問題はさらにきな臭くなってきた。政治家の意志とは別に軍人は戦争を待ち望んでおり、中国海軍も空軍もちょっとした機会をとらえて戦闘体制に入るつもりだ。
どちらも戦争をしたくて仕方がないのだから、安倍首相も対応に苦慮するだろう。
本来こうした問題は外交で解決するのだが、習近平氏は海軍と空軍に手足を縛られて身動きできない。

 従来はこの東シナ海周辺の空域はアメリカ軍がにらみを利かしていたが、そのアメリカが引っ込みこの空域を中国空軍の支配下に置けると中国空軍は読んだ。
日米安保条約など張り子の虎だ。アメリカは日中戦争に介入しない。我が国は日本を蹴散らすことができる

 だが問題は2点あって、① 日本の自衛隊が中国が見ているようにやわな存在かの問題と、② アメリカが本当に介入しないかどうかの問題だ。
中国はチキンレースを仕掛けてきているが、日本の自衛隊はよく訓練されており、また中国のアメリカ追い落としにアメリカがすんなり応ずるとは思われない。

 戦争を仕掛けて失敗するのは中国の方だと私は思っているが、少なくとも中国空軍のトップ層はそうは思っていないようだ。

なお尖閣諸島問題の記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51088450/index.html

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(25.11.25) 「フルマラソンは練習なしで走れるか?」 つくばマラソン始末記

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 いやはや、ひどい実験をしてしまった。どんな実験かというと「走る練習をほとんどしないでフルマラソンを走れるか」という実験だ。
実は私は今左足の膝の周りの靭帯が痛んでいるのだが、10月初めの「ちはら台・おゆみ野フルマラソン」を無理して走ったためにさらに膝を痛めてしまった。

注)「ちはら台・おゆみ野フルマラソン」のブログ記事は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e6df.html

 その後は静養に入って11月の初めにちはら台走友会の秋の合宿30km走った以外は全く走っていなかった。
昨日(24日)、第33回つくばマラソンに出たのだが、直前の1か月半の間に走った距離は30kmというのだから、かつての私のトレーニングから比べると信じられないような少なさだ。

注)ちはら台走友会の秋の合宿のブログ記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-0e87.html

 一般にフルマラソンを走ろうとするまじめなランナーは月に300kmは練習している。私もかつては300㎞を目標にしていたが、最近は150km程度になっていた。それが今回は1か月半で30kmだから、ほとんど走っていないといったほうが適切なくらいだ。

 膝が痛いのになぜ走れるかというと、レースのときだけ鎮痛剤を飲んでいるからだ。この鎮痛剤は実によく効いてレース中は全く痛まない。しかしこの薬の弱点は使い続けると効果がなくなることで、私はレースの時以外は使用しない。
だから練習となると膝が痛んでどうしようもないのだ。

 最も私は根っからのスポーツマンだから走れなければその代替のスポーツは行っている。毎日2時間程度自転車に乗り、急激な坂道の上り下りをしているので、まったく運動していないわけでない。
だから正確な問は「自転車の運動だけでフルマラソンは走れるか」ということになる。

 自転車を乗っている人は気づいているが、膝に支障があっても自転車は乗れる。それは自転車は主として大腿部の運動で、乗れば乗るほど大腿部が鍛えられる。
一方マラソンは膝から下が重要で、特にふくらはぎが発達していないと走れない。
レースの参加者のふくらはぎを見るとその人がどの程度走れるかだいたいの見当はつく。

注)自転車トレーニングの様子は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-ef7c.html

 さて実験結果だが、短い距離ならともかく距離が長くなればなるほどマラソンは走れなくなる。
今回30km程度まではそれほど支障はなかったのだが、30km超えたあたりから足に違和感が出始めた。
最初は左足のふくらはぎが痙攣していたのだが、無視して走っていたら、35kmの関門の手前で、両足の大腿部を含めた痙攣が始まった。

 関門は這うようにして通過し、そこで両足のストレッチを行ったのだが、それ以降は少し走ると痙攣するので、走ったり歩いたりしながらだましだましの走りになってしまった。
未だ7km程度あるのに地獄の苦しみだ。
やはり自転車だけでフルマラソンを走るのは無理だったな」後悔したが、今更どうにもならない。

  後ろから5時間のペースランナーがやってきてアッと言う間に私を追い越して行った。最終的なネットタイムは4時間55分59秒だった。
しかし困ったもんだ。しばらくは膝の養生で走ることはできそうもない。再びフルマラソンなどすると、今回の結果と同様に地獄を見ることになりそうだ。

注)ペースランナーは目標時間の10分ぐらい前を目標に走っているので,抜かされても目標時間はクリアできる。

 

 

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(25.11.24) 倒産モードになってきたJR北海道 補助金で支える限界が見えた

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(おゆみ野道)

 JR北海道を見ているとJALと同じだなと思わざる得ない。
JALは飛行機が特別な乗り物でなく通常の交通手段になったのかかわらず、かつてのナショナルフラッグとしての誇りだけで生きていた航空会社で、異常に高い給与を下げることもせず誰も改革をしようとしなかったために倒産してしまった。

 いまJR北海道が倒産しようとしているが、こちらは鉄道が北海道では主要な交通手段でなくなり、JRを利用するのは観光客や自動車を運転しない学生の乗り物になってしまっても、国の支援だけをあてに親方日の丸の経営を続けているからだ。
北海道では大都市部を除けばJRの必要性はなくバス輸送で十分であり、北海道の住民はとっくにJRに見切りをつけて自家用車で移動している。

 国鉄の民営化でJR東海、JR東日本、JR西日本などはまれにみる優良会社によみがえったが、それは大都市圏と新幹線網を持っていたからだ。
日本の新幹線は世界的に見ても優秀で、これに対抗できる乗り物はほとんど存在しない
少なくとも東京と大坂程度の距離では飛行機もバスも対抗手段がない。

 一方北海道は札幌周辺を除いて大都市圏はなく、また新幹線もない。
北海道の人口は減少しそれに輪をかけてJR利用者は減っている。地方のローカル線などは日に数本しか走らず、無人駅で降りてしまうと半日程度次の列車が来ない。
隣町程度だったら歩いて行った方が早いくらいで、私も仕方なくそうしたものだ。

 労使ともやる気をなくし、線路の点検はやったふりをして報告書をごまかし自動列車停止装置をハンマーで打ち壊した運転手の処分は15日間の出勤停止だけだ。
どうせ、みんな仕事をしているふりをしているだけなのだから、ATSを壊したぐらいで処分するのはおとなげない。適当に処分しておけばいい」経営者も投げやりだ。

注)最近のJR北海道の事故については以下にまとめて置いた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/jr-7011.html


 飲酒運転をチェックするための検査は組合から「アルコールがもともと飲めない人までする必要はない」と言われれば、「はい、ごもっともです」と経営者側は主張をひっこめる。
その結果飲酒者が「俺はもともとアルコール拒否体質だ」と言って検査を逃れる道を用意してしまった。

 なぜJR北海道ばかりに事故が発生するかと言えば、不必要な列車を走らせていれば国が補助金を出して給与を保障してくれるからだ。
一日1回程度しか貨物列車が通る引き込み線の点検なんかやってられるか。適当に報告しておけ
あいよ」なんて感度だ。

注)JR北海道は営業収入で営業支出を賄えない。その穴埋めは国からの基金と貸付金の運用益で300億から500億円になる。はっきり言えば国の補助金で従業員の給与を賄っている。

 国交省も実は同罪で、かつてJALをかばったようにJR北海道を懸命にかばっている。JR北海道が倒産してしまっては管理責任が問われるからだ。
保線記録の改ざんなどは昔からやっていたのに、国交省は検査で見逃してきた。
余りの事故の多さに今年に入って特別監査をしたが、そこでも改ざんは見抜けなかった。
検査をまじめに行えば行うほどぼろが出てくる。適当に止めておかないと国交省の監督不行き届きになってしまう・・・・・・。監査はしたふりでいい・・・

 誰もが分かっていても手を付けないのは、それはJR北海道の解体しか残された手段はないからだ。
何しろ北海道の人口は地方で激減しており、特に若者はいない。
札幌周辺の都市圏交通と札幌まで延伸される新幹線網以外に黒字になる路線はない。

 しかしそのようにJR北海道を解体すると、現在の従業員のほとんどが解雇されてしまう。
北海道の就職先は年々減少し、JRはその中でも約7000人の職員を抱えている大産業だ。
JRが倒産して解体されればかつての夕張炭鉱と同じようになってしまう。
お前ら、もっとまじめに事故を起こさないようにしないと、国だって支えられないぞ。仕事をするふりではなくちゃんと仕事をしろ」と国交省が言ってみても、実際は乗客が減ってやることがないのだ。
もはやJR北海道は解体して出直す以外に方法がないところまで追い込まれてしまった。

注)なおJR北海道の収支問題については以下に分析しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/jr-7011.html
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23921.html

 

 

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(25.11.23) ミャンマー支援の本格化 中国の牙城の切り崩しに成功

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(軽井沢 雲場池)

 ミャンマーへの投資合戦が熱をおび始めた。日本政府はミャンマー政府の民主化に呼応して大規模な政府借款を約束し、また日本のメーカーもミャンマー進出を狙っていたが、そのアウトラインが明確になってきた。

 現在ミャンマーには大規模な経済特区が3つあって、その内ティラワは日本、ダウィーはタイと日本、チャオヒューは中国という分担になっている。
民主化以前はもっぱら中国の独壇場で特区の開発も中国が先行して、チャオヒュー経済特区では石油・天然ガス施設の建設が進み、中国との間の石油・天然ガスパイプラインの建設も進んでいる。
中国の戦略はミャンマーのインフラ整備代金の見返りがこの石油と天然ガスだった(ミャンマーは天然ガスの産出が多い)。

 一方日本は安倍首相の肝いりもあり、大都市ヤンゴンの近くのティラワの経済特区を支援することにした。ティラワはヤンゴンから20km程度の場所にあり、日本のイメージでいえば京葉工業地帯と言った位置づけだ。
最も最近までティラワでは立ち退きを要請された住民が保障問題で反対していたが、どうやらめどがついたようだ。

注)従来ミャンマー政府は土地は国家のものだったので強権で住民の立ち退きをさせていたが、民主化以降はそうした強権政治を控えている。おそらくお金で解決したのだろう。

 ティラワの開発は丸紅・三菱商事・住友商事がそれぞれ33.3%の出資で日本連合の開発会社を設立し、さらにティラワ全体のインフラを整備する経済特区会社にミャンマー政府51%、日本商社連合が49%の出資を行うことになっている(インフラ整備には1100億円規模の資金がいる)。
進出会社としてはスズキホンダと言った自動車メーカーが前向きだ。

注)ミャンマーが日本のフロンティアであることは何回もブログ記事を掲載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-aea7-1.html

 最近注目され始めたのはミャンマー政府とタイ政府が共同で開発を予定しているダウィー経済特区で、ここは最初から何もないところに一大生産拠点を築こうとしたものだ。
なぜダウィーがタイかというと、タイのバッコックから300km程度の距離にあり(日本で言えば東京と名古屋程度の距離)、海に面していて海上輸送の便がいいからだ。
ここはタイの経済圏に含まれる。

 さらにここをアセアンの南部回廊ベトナムのホーチミン市から、ラオス、タイのバンコックを通りダウィーまでつながる高速道路)の終着地点にしようとタイ政府とミャンマー政府は考えた。
最近まで中国のアセアン進出が目覚ましく、中国の昆明からタイのバンコックに向けて南北回廊が建設されていたが、それに対抗するアセアンの中国包囲網がこの南部回廊になる。
アセアンは中国の奴隷にならない」という一種の意思表示のようなものだ。

注)なお中国人がミャンマーで如何に嫌われていたかは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/231227-92a7.html

 だが、ここダウィーはもともと何もない場所だ(ティラワは道路と港湾が整備されている)。一からインフラを整備しなければならずそのインフラ資金の調達に苦慮していた。そこに三菱商事大型発電所の建設でひと肌脱ぐことにした。
原発7基分に相当する700万kwの発電所で燃料は天然ガスと石炭だ。
この火力発電所の建設はタイ電力会社50%、タイ建設会社20%、三菱商事が30%の出資をし、総工費1兆円の資金調達にあたるという。
この電力の400万kwはタイで使用し、300万kwはミャンマーで使用する計画になっている。

 ミャンマーは東南アジア最後のフロンティアとみられ、今日本だけでなく各国から注目を集めている。民主化以前は中国だけがミャンマーの経済支援を行ってきたが、ここにきて日本とタイが本格的に支援に乗り出し、インフラ整備を始めた。
何か1990年代の中国のような熱気だ。
中国市場は政治的リスクが大きすぎて、いつ日本企業が焼き討ちに合うか分からない。
すべて中国政府のさじ加減ひとつで、尖閣諸島の問題がこじれれば、再び「愛国無罪」の大合唱になる。

 安倍首相の中国包囲網の一環としてのアセアン政策はめざましく、中国の牙城だったミャンマーの切り崩しに成功したようだ。

なお、ミャンマー経済についてのブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47221757/index.html

 


 

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(25.11.22) クローズアップ現代 模索する中国 (1)民衆の不満はどこに  習近平氏のダッチロール

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(泉谷公園のケヤキ)

 NHKのクローズアップ現代で「模索する中国」というシリーズを開始した。
国谷キャスターが中国に乗り込み著名な作家や民衆活動家とのインタビューを行っていた。
第一回目は「民衆の不満はどこへ」というタイトルだったが、作家余華氏とのインタビューがいつもとは異なりひどくぎこちなかった。
落ち着きがなく表情が硬く、何か警戒しながらのインタビューと言った印象を受けた。

 習近平体制が発足してから1年、中国政府は大衆路線を掲げ習近平氏は積極的に遅れた農村部に出かけて行っては民衆の声をくみ上げるジェスチャーをしている。
このスタイルはかつての毛沢東文化大革命のスタイルとうり二つだがなぜそのようなことをするのだろうか。

 さらに最近盛んにテレビで取り上げているのは地方幹部による自己批判である。
私は自分を偉いと決めつけて、自己中心的で大衆の目線に立っていないと反省した」と言った具合だ。
文化大革命時にはそうした自己批判をした後、その幹部は殺害されたのだが、今回はいわゆるセレモニーのようなもので、余華氏によると「地方幹部は声明文の4割を自己批判に充てるように中央政府から指示を受けている。しかしこれは単なる儀式で、私の知っている地方幹部は文書作成が大変だとこぼしていた」そうだ。

 中国は現在共産党幹部による腐敗が蔓延しており富は共産党幹部と一部富裕層に集中している。
共産主義社会とは最も貧富の差が大きな社会だからこれでは毛沢東に顔向けができない。
仕方なしに毛沢東をまねて貧富の差に気づいているそぶりをするのが習近平氏の大衆路線のようだ。

 しかし反対に言えばこの腐敗こそが経済成長の原動力だからことは面倒だ。
すべての権力が地方の共産党書記に集中されており、どの土地を収用しそこに何を建設するかも自由自在で、反対者は警察権力を使って監獄にぶち込めば済むのだから、どのような開発も可能だ。

 だがこうしたシステムは汚職の温床になる。習近平氏は見かねて汚職撲滅運動に乗り出たが、それを推進していたのが団派の李 克強首相だった。
李 克強首相は前総書記胡錦濤氏の懐刀だったから、習近平氏は団派に取り込まれたと私は思っていたが、11月に行われた中央委員会の総会、三中全会の結果は全く違っていた。

注)団派と保守派の死闘については以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-7e7f.html


 李 克強氏の経済政策、リコノミクスは「国有企業の特権を廃し、市場経済化を進めて民間活力を引き出す」ことを目的にしていたが、三中全会による経済政策は、「国有企業を温存し、腐敗をなくして国有企業からの上納金を増やす」というものだった。
このための特別組織の長は習近平氏で、その補佐は保守派で固められ、李 克強氏の出番がなくなっていた。
まあ、本気でそんなことはできないから李 克強を外そう」ということだ。

注)なお経済の民主化がなぜ汚職撲滅運動と結びつくかと言えば、中国では経済と政治が共産党幹部によって牛耳られているから。これを切り離すことが政治の浄化につながる。

 一体三中全会で何が起こったのだろうか。習近平氏が再び保守派に妥協し、団派の追い落としを始めたのだろうか。
習氏は当初保守派に担ぎ上げられて総書記になったので保守色が強かったが、経済が失速し腐敗が蔓延するにつれて団派へすり寄っていた。

 しかしここにきて天安門での焼身自殺や地方での暴動が相次いで、ふたたび中国本来の強権路線に回帰し、保守派の牙城である国営企業の改革を後回しにする決心をしたのだろうか。
作家の余華氏はインタビューで「現在の中国は2つの道しか残されていない。一つは革命への道、もう一つは漸進的な民主化への道だ」と言っていたが、現実の中国は保守回帰している。

 はたして習近平氏ダッチロールはいつまで続くのだろうか。

なお、クローズアップ現代のブログ記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_2/index.html


 

 

 

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(25.11.21) 特定機密法案の行方 ようやく日本も普通の国になる!!

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 現在ニュースのトップを飾っているのは「特定秘密保護法案」の行方になっている。
政府与党が提出した原案に対し、みんなの党が一部修正を行えば賛成するとの意思表示をしたため、衆議院で可決成立する公算が強くなった。
最も自民・公明の両党で衆参の過半数を占めているのだから、特にみんなの党が賛成しなくても法案は成立できるのだが、できるだけ多くの政党の賛同を得たいというのが安倍政権の意向だ。

 もともとこの法案を提出するきっかけはアメリカ側からの強い要請による。アメリカと言っても日本に太いパイプを持ち、常に日本に対し好意的助言をしてきたアーミテージ氏からのサジェスチョンによるものだ。
安倍さん、このままではアメリカは日本に対し重要な防衛上やテロ対策の情報を伝えることができない。日本には秘密保護法案がないから秘密を知った公務員がマスコミに情報を流しても罪に問うことが難しい。政府が機密情報を守るためにはそのための特別法が必要です」

注)アーミテージ氏は2005年までブッシュ政権の国務副長官だった。

 
なぜアーミテージ氏が上記のようなサジェスチョンをしたかというと、本当の狙いは中国によるスパイ行為によって日本から易々と中国に情報が流れ出すのを防ぐためである。
すでに京都祇園の高級ホステスバーを拠点としたハニートラップで日本のハイテク産業の情報が流れているほか、自衛隊員との偽装結婚問題もあり、政府は特に自衛隊の潜水艦関連の情報が中国に筒抜けになっているのではないか懸念している。

 現在中国と日本の間では尖閣諸島の領有権をめぐって一触即発の状況だが、もし中国が尖閣諸島に上陸すれば安倍首相は防衛戦争を開始する決心だ。
安倍首相は歴代の民主党首相と違って弱腰ではなく、ホークランド戦争を戦ったサッチャーを手本としている。
だがその時日本の防衛情報が中国に筒抜けになっていれば戦争に勝てない。
安倍政権が「特定秘密保護法案」をなぜこれほど性急に成立させようとするかの本当の狙いがここにある。


 安倍政権は急遽「特定秘密保護法案」の策定に着手したのだが、その内容は以下のようなものだ。

① 機密情報とは、防衛・外交・特定有害行動防止・テロ防止のための情報で、行政機関の長が決定する。
② 機密情報は原則30年たてば公開するが例外もありうる。
③ 公務員がこの法律に違反した場合は最長10年の刑に処すことができる。


 これに対しみんなの党は「機密情報の指定や解除に首相の関与」を入れれば賛成するという修正意見をだした。
元々行政機関の長は首相の指揮監督のもとにあるので、なんの修正かさっぱり分からないが、実際はみんなの党は「特定秘密保護法案」の趣旨を理解しており、単に恰好を付けたに過ぎない。

 私は国家にも「特定秘密情報」があることは認めるもので、特に防衛と外交部門は秘密が無くては成り立たない。
防衛問題は上記の通り対中国対策だが、もう一つの課題は外交関連文書の公開をいつするかという問題がある。いわゆる国民の知る権利との関連だ。

 外交交渉の中で最も密約が多いのはアメリカとの間で、たとえば72年の沖縄返還などは密約だらけだった。
有事の核持ち込みの承認、返還に伴う補償費の日本負担等が主な内容だが、これなどは国内に知られたら沖縄返還交渉そのものが成り立たなくなる。
そのため時の佐藤政権はこの密約を伏せた。

注)沖縄返還時の密約の内容の詳細は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/211216-ba18.html

 だから密約は致し方ないとして、それをどの段階で公表するかが問題になる。原案では原則30年で例外有りというものだが、維新などは例外を認めないと主張している。
実際に公開をする場合、過去にさかのぼってその責任を追及するか(あるいはできるか)が最も重要なポイントになる。
30年たてばその時の政府の決定に時効とみなして、歴史的検討の素材にするならば問題がないのだが、「ほれ見ろ、時の政府は嘘をついていた。生きているものは国会で証人調べをして、死んだ者の勲章は剥奪しろ」なんてことになると、公開など怖くて簡単にできない。
だから「30年たって判明した事実については、過去にさかのぼって責任を追及しない」というコンセンサスが公開の前提になる。

注)なお維新との話し合いで、60年たてば特定情報を必ず公開する(ただしなお例外あり)との修正を受け入れた。

 一般にマスコミは国民の知る権利が阻害されるとしてこの「特定秘密保護法案」に反対だが、秘密と公開の関係は程度問題で、現在のように国家の秘密が仮想敵国に容易に漏れる状況は好ましいものとは思われない。
安倍首相は国会で「民間人がこの法律で罰せられることはない」と答弁していたが、これは公務員による情報漏えい、特に自衛隊員による情報漏えいを頭に置いていたからだろう。

 私はこれによってやっと日本も普通の国に近づいたと評価している。

注)なお安倍首相の政治姿勢については如何にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52551955/index.html

 

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(25.11.20) コズミック・フロント ホーキング博士、宇宙創成の謎を解く

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 私のように物理学や天文学の知識が皆無の者にとって、NHKが放送しているコズミック・フロントのブログ記事を書くことはかなり努力を必要とする。
本当はこうした番組はそっと無視していたいのだが、何しろホーキング博士が「宇宙創成の謎」を解き明かすというのだから見ないわけにはいかなくなった。
それにこの番組は素人にも分かるようにできるだけイメージを駆使しているので、とりあえずイメージングができるだけでもありがたいことだ。

 現在の宇宙は138億年前の火の玉の爆発、ビッグバンによって作られたといわれているが、さっぱり分からないのは「それでは、その前はどうだったの?」ということだ。
ホーキング博士の答えは「その前は存在しない。なぜなら時間が存在しないからだ」だった。
時間が存在しない世界をイメージングするのは実際はかなり難しい。

 天文学の過去を遡ると、始まりはギリシャ人のタレスBC580年ごろに、日食の規則性に注目して次の日食の日にちを予測していたことから始まる。

 さらにBC3世紀アリスタルコスが現れ、月食を観測して地球の影が月食を起こすことと、月の影が日食を起こすこと、そして地球は太陽の周りを公転していることを理解していた。
その後は長い中世の宗教の時代に天文学は神学に追いやられていたが、17世紀ガリレオ・ガリレイが倍率20倍の望遠鏡で木星を観測し、そこに4つの衛星があることを確認して、教会の唱える天動説に反対し地動説を打ち立てた。

 このあたりまでは私でも理解できるのだが、20世紀の巨人アインシュタインになると知識が追いつかなくなる。
アインシュタインはエネルギーと質量の等価法則を発見し、それをE(エネルギー)=m(質量)×C(光の速さ)の二乗という式であらわした。

 私などはつい「だから何なの」と言ってしまいそうだが、この式は恐るべき内容を意味している。
これは、エネルギーと質量(物質)は同じものだといっているに等しい。
あるいはエネルギーを光速の二乗の値で割れば、物質になるとでも言うのだろうか。それとも物質は光速の二乗の値を掛けた値のエネルギーに変換するというのだろうか。
確かに原爆や水爆を見るとほんのちょっとした物質から莫大なエネルギーが放出されていることが分かる。

 そしてアインシュタインの等価法則を受けホーキング博士は「宇宙創成の謎」について次のように説明する。
宇宙は3つの素材でできている。エネルギーと物質と空間だ。そしてエネルギーと物質は同じものだから、実質的には宇宙はエネルギーと空間からなる。
エネルギーについてはイメージがわくが、この空間をイメージするのが難しい。
この宇宙はビックバンという大爆発で生まれたのだが、それ以前はエネルギーだけの世界で、ビッグバンによってはじめて物質と空間が生まれたという。

いくらなんでもそんな変な話はないでしょう。なんで物質と空間が生まれるんですか
ホーキング博士の説明によるとビッグバン以前はエネルギー平衡状態プラス・マイナスゼロの状態)の中で、エネルギーが膨らんでは消える状態が発生していたという。

 そうした中でエネルギーが急速に集中する場所が現れ、そこでエネルギーが物質が変化してその隙間に空間が発生することになったという。この理論によると物質が現れてくればくるほど空間が広がり宇宙が広がることになる。
かくしてなぜ宇宙がエネルギーと物質と空間でできているかはこの理論によって説明できたのだそうだ。
なにか騙されたような説明だが、エネルギーが物質になるとエネルギーは光速の二乗の値の大きさで収縮するからエネルギーの隙間ができて、それを空間と呼ぶらしい。

 さらにホーキング博士の説明はビックバンと時間の関係まで及んでいたが、このあたりになるとブログ記事も書けない。
この当初の物質は押しつぶされていて、いわゆる巨大なブラックホールなのだが、ここでは無限に空間がまがっているので時間がゼロになるのだそうだ。そして時間がゼロということはそれ以前に進めないから宇宙の誕生は138億年前以上には進めないという
さて、この説明で宇宙の誕生が理解できるのだろうか。
ホーキング先生、難しすぎてわかりません」最後は匙を投げてしまった。

なおコズミック・フロント「太陽系の歩き方」木星、冥王星は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_5/index.html


 

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(25.11.20) ためしてガッテン 尿酸値に潜む死の予言 痛風予備軍が心筋梗塞

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(軽井沢 旧三笠ホテル)

 どうやらためしてガッテンも病気に関しては放送をするテーマに事欠き始めたらしい。
いままではほぼ確実とおもわれていたことがらをテーマに採りあげていたが、今回の尿酸値の問題は動物実験の範囲での確認で、人間でそうなるかの確証は得られていない内容だった。

 そうした意味では最新テーマともいえるが、100%ガッテンするのは危険な内容だ。
一般に尿酸値が高いと痛風になることが知られており、日本の推定患者数は約96万人だそうだ。
痛風とは尿酸の結晶が主として足の親指の周辺にたまり、これがはがれて周りの組織を針でつっついたような状態になって炎症を起こす病気だが、出産の痛みに相当する激痛になるという。

 かつて私は海外から日本に帰る飛行機の中でこの痛風患者と隣り合わせになったことがある。私が窓側、その人は通路側に座っていたのだがトイレに行く段になって、その人の足にほんのちょっと触っただけでどなられてしまった。
いてー、てめえ、気をつけろ!!」
あまりの剣幕にこっちの方が驚いたが、その人は痛風を患って急遽日本に帰国しようとしていることを後で知った。

 尿酸値が高いと痛風になるといわれるが、実際は尿酸値が高くてもほとんどの人が痛風にならない。痛風患者は高尿酸値の患者の約1割といわれて、その他の人は別段異常がなく普段何気なく生活をしている。
しかしそうした人の足の親指の付け根を検査するとほとんどの人に尿酸の結晶が付着しており(しかしはがれなければ悪さをしない)、こうした高尿酸値の痛風予備軍は約1100万人だそうだ。

 尿酸と聞くと悪さばかりする悪玉物質と思われているが、実際は尿酸値が7以下程度に収まっていれば、体内の老化を防ぐ抗酸化作用があって、実に有用な物質なのだそうだ。
尿酸値7を超えるとそれが体内にたまり始めて問題が起こるのであって、7以下ならば若返りの薬と同じだという。

 今回の「痛風予備軍が心筋梗塞を起こす」というテーマはまだ人間では実験的に確認されていない。動物実験ではまさにそういう状態が発生しており、高尿酸が続くと尿酸が血管を痛めてしまい、その結果血管が腫れ上がって血流を阻害するので心筋梗塞の引き金になると説明していた。
ゲストで出ていた医者は「まだ人体実験では確認されてませんが、他に心筋梗塞を起こす要因がない場合には高尿酸を疑っています」と言っていた。

 
 尿酸値を下げるにはプリン体を含んだ食事を制限するとともに砂糖やソフトドリンクと言った果糖を含んだ食事を制限するのがいいのだという。
果糖は身体の中で燃焼すると尿酸を排出するからだそうだ。

 考えてみると私のように飲酒もたばこもストレスも少ない生活をしているのに、いつも尿酸値が7を超えているのはどうやら甘いもの好きでコーラをがぶがぶ飲んでいるからのようだ。
幸い痛風にはなっていないが、昨年急に目が見えなくなってしばらくして回復した苦い経験を持っているので少し注意が必要なようだ。

注)医者からは眼動脈が一時的に閉塞した可能性が高いといわれている。

なお、ためしてガッテンのシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

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(25.11.18) 安倍外交の大成功と中国包囲網の完成 安倍首相のアセアン取り込み策

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 安倍首相首脳外交にはほとほと感心してしまった。就任してから5回目のアセアン訪問カンボジアラオスで、これでアセアン10各国すべて訪問したことになる。
安倍首相の戦略はアセアンを味方につけて中国を包囲するというものだが、特に今回訪問したカンボジアラオスは非常に強い中国の影響下にあり、特にインフラ投資は中国の独壇場となっている。

 ここに安倍首相は医療分野での切込みを行ったのだからいいセンスだ。中国は橋や道路や港湾を建設する能力は高いが、病院を建設したりそれを運営する能力は著しく低い。
中国にはまともな病院はほとんどなく、あればそれは共産党幹部や新興の資産家用で、一般の人はもっぱら漢方や民間治療に頼っている。
ハード先行で医療のようなソフトはすこぶる弱いから、日本は支援を医療分野に特化しようとしている。

 日本の医療保険制度は世界的水準から見たら非常に高く、これをカンボジアやラオスに売り込むのは遅れていた両国に対する進出策としては理にかなっている。
カンボジアには日本の援助で2年後に高度医療機器を備えた救急救命センターを設立する計画で、医師や看護師の育成も担っていくのだそうだ。

注)ラオスには95億円の円借款と空港の拡張を約束していた。ラオスの場合は医療よりまだインフラ整備が先行しているらしい。

 日本人が世界的に見ても最も長寿な社会を作り上げたのもこの医療保険制度のおかげで、今では薬が効きすぎて本来寿命が来てしまった人でも延命治療で生きながらえさせている。
私は延命治療はやりすぎだと思っているが、一方で日本の医療システムのおかげで長寿社会が実現していることも確かだ。

 しかしつくづく思うのは政権が安定するとこうも外交がうまくいくのかという驚きだ。
2006年第一次安倍政権では参議院選挙で大敗し、衆参のねじれ現象が発生してひどいダッチロールが始まったが、以来自民党政権も民主党政権もほぼ1年で交代しとても外交などしていられない状況だった。
この間をぬって韓国の李明博大統領が華々しい首脳外交を展開し私などは実にうらやましく思っていたものだ。

 しかし世の中禍福が転じるというのはこのことを言うのだろう。第二次安倍内閣は衆参に盤石の体制を引いたので、内憂に煩わされることなく外交に精力を注げることになった。
一方韓国はパク・クネ大統領イデオロギー政治をしているために海外ではまともに相手をしてもらえなくなっている。
少し頭がおかしいのではないか」そう思われている。

 また中国は民族問題が火を噴き、これを巡って習近平体制を揺さぶろうとする保守派習近平派が熾烈な内部抗争に入ってしまった。
もはや外交どころではなくなり、経済も失速して問題山積みだ。
中国は日本に代わって内政の時代に入り込んだ。

注)中国の習近平氏と江沢民氏の熾烈な内部抗争は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-7e7f.html

 アメリカのオバマ政権も上院と下院のねじれ現象があり、特に共和党強硬派の切り崩しをオバマ大統領は失敗して、まともに予算案が通らなくなっている。
内政に注力を注ぎ始めざる得なくなり、予定していたフィリピン訪問もキャンセルになり、アメリカも外国のことなんか知らないという状況になっている。

注)オバマ大統領のダッチロールは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43809971/index.html

 信じられないことに現在最も活発に外交を展開しているのは日本とドイツで、日本は東南アジアを中国から奪還するための布石を着実に打っており、さらにインドとロシアを加えて中国包囲網がほぼ完成しつつある。
あまりの安倍外交の成果にとうとう韓国がヒステリーを起こし始めた。
日本は戦争の教訓を得ないまま、再びアジアを植民地化しようとしている

 いっぽうドイツはEUを完全に自分の経済圏にしてしまって、もはやフランスが口をはさむ余地がなくなった。ドイツ第3帝国が完成したみたいだ。

注)ドイツのEUにおける絶対的な優位については以下参照。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-edc0.html

 21世紀は中国の世紀と言われて久しかったが、実際は中国の時代は終わりつつあり、国内は民族問題と経済失速が重なって指導者は茫然自失の状態だ。
一方の大国アメリカもオバマ政権が予算も法律も通過させることができなくなり、外交ではさらにひどくシリアに対する軍事攻撃もできない。

 こうした中で着実に得点を重ねているのが政権基盤が盤石な日本とドイツで如何に政権の安定が外交交渉で力になるか分かろうというものだ。
再びドイツと日本の時代が始まろうとしている。


 

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(25.11.17) ようやく日本も正気になった。温室効果ガス削減目標の修正

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 やれやれ、日本もようやくまともな判断力を取り戻したと安心した。
日本が2020年の温室効果ガス削減目標を05年対比▲3.8%と決定したからだ。これは90年対比にすると+3.1%で、鳩山元首相が言っていた90年対比▲25%とは全く異なる数字だ。

 石原環境相は「野心的な目標だ」と言ったがもちろん冗談で、ヨーロッパの環境団体は「削減ではなく増加目標ではないか」とかみついた。
イギリスやEUの閣僚からも「失望した」という言葉が出ているが、温室効果ガスについてはヨーロッパを失望させるのが最も正しい戦略なのだ

 もともと地球環境問題に熱心なのは西欧だが、これは地球環境を守ろうという崇高な目標以外に、ヨーロッパの復権を狙った戦略的な取り組みでもある。
西欧は経済的にはジリ貧で残ったのは環境政策だけだ。
だから各国に温室効果ガスの削減目標を設定させこの目標が下回った場合は、上回った国から排出権という権利を購入してペナルティーを支払わなくてはならないようにシステムを設計した。
環境先進国のヨーロッパから排出権を購入しろ」ということだ。

注)ヨーロッパの戦略については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/23121-cop17-9ea.html
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-9857.html

 このため当初から目標達成など不可能と思っていた中国アメリカがさっさとこの条約から抜けて、最後に鴨ネギになったのは日本カナダ程度になってしまった。
条約締結国の温室効果ガス排出量は全世界の27%程度で、一方アメリカと中国を合わせると50%を超えてしまい、いくら締結国の間で削減しても世界の温室効果ガスは削減されないどころか増加する。
それでもこの条約を維持しようというのは、ペナルティーを日本からふんだくれるからで、「中国とアメリカは逃したが、日本というお坊ちゃんがいるからまあ良しにしよう」という状況になっていた。
特に鳩山元首相などは「90年対比▲25%削減する」と大見得を切ったので、「鴨ネギどころじゃない。日本は西欧の打ち出の小づちだ」と喜ばれていたものだ。

注)温室効果ガスの国別排出量のシェアは、中国とアメリカがそれぞれ25%程度、インドとロシアがそれぞれ5%程度、そして日本が4%程度。

 世界政治は崇高な理念を背負いながら、テーブルの下で足蹴りをするのが常識で、この地球環境問題もそうした種類のものだ。
着物の下に鎧が隠してあることが分からないようでは世知辛い世界政治を生き抜くことはできない。

 地球環境がますます悪化して、日本では最高気温を更新し、大島では過去例を見ない集中豪雨に見舞われ、アメリカ並みの竜巻まで発生している。
隣のフィリピンでは過去最大規模の台風に襲われたばかりだし、中国では北京の空の視界が消えてしまい、まともな水も確保できなくなりつつある。

注)異常気象の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-1927.html

 だからこうした問題を地球規模で解決しなければならないのは当然だが、温室効果ガス排出国のNO1の中国と、NO2のアメリカが本気にならない限り解決の仕様がない。
特に中国が劣悪な石炭の使用を続ける限り、この問題は解決しないのだから、中国を地球温暖化対策に乗り出させるには、中国の環境を悪化させるのが最善の戦略になる。
日本さん、お願いですから助けてください。中国人民は日本の環境対策を参考にしますので、どうか技術を教えてください」と泣きを入れさせなければならない。

 そのためには日本や西欧が環境浄化に取り組んでは何にもならず、これでは半永久的に地球環境は悪化する。
北京の空に太陽が昇らなくなり、PM2.5の影響で気管支炎が慢性化し、さらに飲み水を煮沸しても飲料水として利用できなくなってはじめて中国は地球温暖化対策に乗り出してくる。
幸い日本の環境は中国からのPM2.5も間接的にしか影響がないから、ここはぜひとも粘りが必要だ。
地球を昔の青く美しい星にするには、中国・アメリカ・インドと言った国が自分の問題として取り組むまで、温暖化対策を骨抜きにしておくことが最も効果的な温暖化対策になる。

なお、地球温暖化問題については以下にまとめて記載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44491343/index.html

 

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(25.11.16) 徳洲会のウォーターゲート事件 徳田虎雄氏の悲しい挫折

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 これはウォーターゲート事件とそっくりだなと思ってしまった。
徳洲会の徳田毅衆議院議員派の選挙違反事件のことである。
ウォーターゲート事件とは1972年のアメリカ大統領選挙で、再選確実だった共和党のニクソン大統領が、それでも心配になって秘密裏にウォーターゲートビルにあった民主党本部に盗聴器をしかけようとした事件である。

 何が徳洲会の選挙違反とニクソンの選挙違反が似ているかというと、 再選が確実なのにもかかわらず、それでも心配になって選挙違反を行ったことと 従来からそうした選挙違反行為を行っていたが逮捕されなかったことに味を占めていたことだ
大丈夫だ、いつも問題は発生しない。今回も同じ方法で圧勝しよう!!!」

 私は徳洲会の前理事長徳田虎雄氏のことは知らなかったが、世間では医学界の風雲児として知られ医師会からは蛇蝎のように嫌われていた男だった。
何が嫌われるかというと、全国に350もの総合病院等を建設し、特に離島や過疎地の病院経営に熱心で、救急医療にも積極的に対応していたからだ

 「なんだ、実に立派な人ではないか」と思うのは一般市民で、医師会、特に個人の開業医にとっては死活問題になる。
患者が設備の整備された総合病院に行ってしまい、個人病院は閑古鳥が鳴くからだ。
日本では個人病院と総合病院との医療分担がなされていない。最近でこそ大学病院に紹介状がなくいくと手数料がとられるが、長い間どこの病院でも患者の支払う費用は同じだった。
やはり病院に行くのなら大学病院か総合病院ね、何しろ設備は整っているし、先生は優秀だし、そして費用は同じだもの」ということになる。

 一方医師会は自民党の基盤であり、かつ地方の首長にとって医師会の意向は無視できないから、徳洲会から総合病院建設の申請が上がってくると、何とか理由を付けて認可を先延ばしにしてきた
徳田前理事長はこうした医師会の圧力に抵抗してそれでも過疎地を中心に総合病院の建設を進めたが、大都市部になるとちょっとやそっとでは建設の許可が降りない。

注)総合病院を建設するときは地方公共団体の許可が必要になる。

 「それなら俺が政治家になって、医師会の政治的圧力を打ち負かす以外に方法はない
平成2年、徳田虎雄氏は3度目の挑戦で鹿児島2区から衆議院議員になり、鹿児島県下においては隠然とした力を示すことができるようになったが、全国規模ではマイナーだった。
徳田氏はより影響力を発揮すべくその後自民党からの立候補を狙ったが、一旦了承されたものの医師会の大反対でつぶされてしまった。
くそッたれども、それなら俺が政党を立ち上げる!!」

 平成6年自由連合という新党を立ち上げたが、都合361人の候補者を擁立したものの徳田虎雄氏を除いて全員落選し、選挙使用の負債は70億円規模まで膨らんでしまった。
この資金はすべて徳洲会からの裏資金から賄われていた。

 その後徳田虎雄氏平成14年にALSという筋肉が委縮する難病を発病し、平成17年に政界を引退した。
選挙地盤は次男の徳田毅氏が引き継いだが、選挙は実質的に徳田虎雄氏が指揮をとり、今回の選挙違反事件に及んだものだ。

注)徳田毅氏は当初自由連合から立候補し当選したが、その後自民党に入党していた。昨年12月の選挙では自民党から立候補していた。

 今回の選挙違反の方法は徳洲会病院関係者を研修目的で鹿児島2区に集め、実際は選挙運動をさせたものだが、その間職員は欠勤扱いになり、その給与の補てんをボーナスで行っていた
研修だから選挙運動でなく、報酬を受け取っていないのだから選挙違反でないという論理だが、ボーナスで補填されていたのは明白で証拠もそろっているから、言い逃れは難しそうだ。

 公職選挙法では親族が禁固以上の刑を受けた場合や、選挙の統括責任者が罰金以上の刑を受けた場合、議員資格を失うことになっている。
今回徳田前理事長が統括責任者として陣頭指揮していたことを特捜部はすでにつかんでいる。

 しかしなぜこのような選挙違反をわざわざ起こしたのだろうか。
鹿児島2区での徳田毅氏の優位は絶対的で、無理をしなくても勝利は確実だったのにと思う。
おそらく徳田前理事長はニクソン大統領とおなじ粘着質の体質で、100%勝利が確信できなければ落ち着いていられない性格だったのだろう。

 私は徳洲会が展開した全国に350もの総合病院等を建設する方策に賛成だし、特に過疎地ではなくてはならない病院になっている。
救急医療に対しても積極的に対応しており24時間、365日受け入れを行う等明らかに日本の医療行政の穴を埋めている。
徳田虎雄氏自身は相当な暴君として知られていたが、行ってきた医療分野での貢献は非常に大きく、医師の利益だけを目的とする医師会に挑戦してきた態度は立派だ

 今回の徳洲会のつまずきはひどいものだが、徳洲会自体は重要な社会的使命をになっているので、再建を果たしてもらいたいものだ。

なお医療合成に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51979874/index.html


 

 

 

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(25.11.15) NHK ケネディ大統領への背信 後篇 強硬派との対立

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注)この記事は昨日の前篇の続きです。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-cb23.html

  このドキュメンタリーを見てつくづく感じるのは、なぜケネディが暗殺され、フルシチョフが解任されたか推定できることだ。
ケネディの暗殺は1963年、そしてフルシチョフの解任は1964年だった。
ともに軍部強硬派からその弱腰外交を非難され、米ソの共存などはあり得ないと確信していた反対派から排除されたのだ。

 ピッグス湾侵攻作戦の失敗から立ち直れなかった1961年秋、今度は南ベトナムでホーチミンが支援した民族解放戦線に南ベトナムのゴ・ジィン・ジェム政権が窮地に陥り始めていた。
CIAや軍部強硬派は気が気ではなかった。
このままいくと東南アジアはすべて共産主義勢力に乗っ取られる。ケネディを脅し上げてでも南ベトナムにアメリカ軍を派遣して、ベトコンを殲滅しなければならない。二度とピッグス湾の失敗を繰り返してはならない

 1961年11月、CIAと軍部強硬派はテイラー・ロストン報告書を作成してケネディ大統領に迫った。
4万人の戦闘部隊を南ベトナムに派遣し、さらに北ベトナムに対する13万人の抑止部隊を展開すれば南ベトナムからベトコンを排除できる
しかしケネディは民族独立運動の歴史的趨勢を理解していたのでこれに反対した。
上院議員であったときベトナムを訪問し次のように述べている。
たとえベトコンが共産主義者の指導の下にあったとしても、民族独立運動そのものを武力で押しつぶすことは不可能だ

 結局軍部強硬派とケネディの妥協案は軍隊でなく軍事顧問団を南ベトナムに送り込むことだった。ケネディは軍や警察の指導はしてもアメリカ軍が戦闘に出ることを禁止したが、軍首脳は反対になし崩し的にベトナム戦争への参戦を目指していた。
指導中にベトコンから襲われたら反撃せざる得ないではないか!!」同床異夢だったのだ。

注)私は長い間アメリカの南ベトナムへの介入がケネディによってなされたことが不思議だったが、今回初めてこれが軍部強硬派との妥協案だったことを知った。

 政権内にはアチソンを中心とする強硬派がおり、また軍参謀本部はそのトップをケネディが交代させても軍事侵攻論を弱めることはなかった(軍部は誰もが強硬派だった)。
特に戦略空軍を指揮していたルメイ将軍はケネディの弱腰外交を非難してやまなかった。
ケネディのおかげでキューバは共産主義者の巣窟になり、南ベトナムはベトコンの餌食だ。ケネディにはこの問題を解決する能力はなく、われわれだけが真の愛国者で共産主義者の棟梁跋扈を防ぐことができる

注)戦略空軍とはソ連との核戦争を準備していた部隊。B52戦略爆撃機や核搭載ミサイルを配備していた。

 一方ソ連のフルシチョフもケネディをなめきっていた。1961年のベルリン封鎖をケネディが黙認していたからだ。
よし、あの若造の鼻をへし折るにはキューバに中距離弾道ミサイルを配備し、ワシントンとニューヨークを標的にすればおじけづいて何もできまい。我々はキューバを起点に中南米で革命を起こせる

 1962年10月、アメリカの偵察機がキューバに中距離弾道ミサイルが配備されていることに気が付いた。急遽ケネディは戦略会議を開催したがそこでの意見は強硬派一辺倒になった。
ルメイ将軍は「すぐさま空爆でミサイル基地を叩き潰す。もしこれにソ連が反対して核戦争に打って出るなら応じてやろうではないか。すでに戦略空軍にいつでもソ連を核攻撃できる配置を命じてある
陸軍も上陸作戦に賛成し、ノルマンディー上陸作戦と同規模の上陸作戦の用意があると進言した。

 しかしここでもケネディは強硬策をとることに反対し、海上封鎖というより穏やかな措置をとることにした。
核戦争だけは何としても防ぐのがケネディの方針だったからだ。そうしておいて今度はソ連を脅し上げた。
キューバからの核ミサイルの発射はソ連によるアメリカへの核攻撃とみなして全面的な報復攻撃を実施する

 海上封鎖のアメリカとソ連のやり取りは何度も映画化され迫真の場面になっているので映画を見た人はイメージを沸くことができるだろう。
ケネディは核戦争を防ぐためにフルシチョフと直接交渉をして、最終的にはキューバから中距離弾道ミサイルの撤去を認めさせた。
交換条件はアメリカが二度とキューバ侵攻をしないと約束したことと、トルコから秘密裏に核ミサイルを撤去するというものだった。

注)当時アメリカはトルコとイタリアに中距離ミサイルを配備していた。

 この交渉は一般的にはアメリカの勝利と評価され、そのためフルシチョフの立場は急激に悪化し、ソ連強硬派の巻き返しで1964年に第一書記の立場を解任され幽閉の身に堕ちってしまった。
一方ケネディも急進派から強く攻撃された。
ルメイ将軍は「我々は負けた。キューバに侵攻すべきだった。もっと早く手を打てばこんなことにならなかった。ケネディはチェンバレンのように弱腰だ

注)チェンバレンとはヒットラーとの妥協政策をとったイギリスの首相。

 だがケネディも軍強硬派に負けてはいなかった。フルシチョフとの対話の窓口が開かれたことを機会に、ソ連と核実験禁止条約を締結する交渉を開始し、「アメリカが率先して核実験を行うことはない」と演説して、ソ連へ条約参加へのシグナルを送った。
ケネディは核攻撃も核実験にも反対だったからだ。
さらにカストロとの対話路線さえ模索したため、ついにCIAと軍部強硬派は切れてしまった
ケネディをこのまま大統領にしておくと、再選されて都合8年間も融和政策をとり続けることになる。そんなことをさせれば世界中が共産主義国家になり、アメリカは包囲されてしまう。あの若造にそんなことはさせてなるものか

 1963年11月22日、ダラスでケネディ大統領は暗殺されたが、いまだ犯人像は明確になっていない。
当時はマフィアによって殺害されたということになっていたが、それはあり得ない。
やはり確信的にケネディを排除し、そうすることがアメリカの利益になると盲信していたCIAと軍部強硬派がケネディの排除を狙ったものだろう。
ケネディとフルシチョフはともにその融和策で核戦争を回避したが、そのことが国内の強硬派を激怒させ、日本的なイメージでいえば2.26事件のようなものを起こしたのだと私は思っている。

なおBS世界のドキュメンタリーシリーズは以下にまとめて入っています。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nkk/index.html

 

 

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(25.11.14) NHK ケネディ大統領への背信 前篇 強硬派との対立

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(軽井沢 雲場池)

 とても興味深いドキュメンタリー番組をBS世界のドクメンタリーで放送している。ケネディ大統領が暗殺されてから50年たったのを機会にアメリカのプロダクションが製作したものだ。
前篇はケネディが強硬派の意見に押し切られキューバへの反革命、ピッグス湾事件を起こして大失敗した経緯を詳細に追っていた。

 ケネディが大統領に就任したのは1961年1月、そしてダラスで暗殺されたのが1993年11月だから、ケネディが大統領でいたのはたった3年間だったが、アメリカのどのような大統領より印象に残る大統領だった。

 大統領が暗殺された日のことは今でもはっきり覚えている。私は当時高校生だったが日米間の衛星放送が始まったその日だった。私は衛星放送を非常に楽しみにしていたが、流れた画面が大統領の葬儀だったのには驚愕した。当初これは非常に悪い冗談だと思ったほどだ。

 しかしこのドキュメンタリーを見直してみて1961年と言う年が世界史のエポックだったことがよく分かった。
1961年4月15日、突如亡命キューバ人によるキューバ奪還作戦ピッグス湾で敢行されたが、これはケネディ大統領をだましてCIA長官ダレス軍首脳が実施した戦争だった。

注)1959年1月1日にキューバ革命がカストロ達によって達成され、アメリカ資本の接収が行われていた。当時のキューバの支配者層はキューバを逃れてフロリダに亡命政権を作っていた。

 ケネディが聞かされていたのは、亡命キューバ人が立ち上がればキューバ国内で半カストロ勢力が立ち上がって、反革命は成功すると言うものだったが、CIA長官ダレスの真意は違っていた。
アメリカ空軍の支援なくして亡命キューバ人部隊は勝てない。国民はカストロを支持しており、反革命など起こらない。だからアメリカ軍が直接参戦してカストロ政権を打倒する以外に方法はない。ケネディはお坊ちゃんで何も知らないから、いったん事を起こせば空軍の投入を認め、次は陸軍の派遣を認めるに違いない

 しかしダレスや軍首脳の予想に反してケネディはそんなお坊ちゃんではなかった。
この戦争に仕掛けられていた罠を見破ると、アメリカ軍の投入にGOサインを出さなかった。
亡命キューバ人部隊はアメリカ軍の支援を失いたちまちのうちにカストロの軍に打ち負かされて、1000人以上の捕虜を出して撤退した。
ベトナム戦争以前に行ったアメリカの軍事作戦の最大の汚点になった作戦である。

 私は当時まだ高校生でありアメリカの政治情勢など全く理解できていなかったが、1961年1月17日に、前大統領だったアイゼンハワーが歴史に残る離任演説をしていた。
軍産複合体が不当な影響力を獲得することに用心しなければいけない。この見当違いの勢力が悲劇をもたらす可能性は存在し、今後も持続していくだろう」と言ったのだ。

 アイゼンハワーと言えば第二次世界大戦の英雄で、実際対ドイツ作戦の最高責任者だった軍人の中の軍人だが、彼でさえ1961年当時は軍産複合体を制御する力を失っていた。
ケネディはアイゼンハワーの後継者となったが、ケネディを補佐する軍首脳やCIAは全くケネディを馬鹿にしており「あの第二次世界大戦の時に中尉どまりの男に、アメリカの戦略など任せられない」とたかをくくっていたという。
CIAや軍首脳はロシアを核戦争で殲滅する計画を立てており、それを青二才のケネディ(大統領就任時43歳だった)に認めさせるのが彼らの使命だと思っていた。
そしてキューバを奪還し、さらに核戦争によるソ連殲滅プランを盛んにケネディにブリーフィングしていたという。

注)ケネディの軍事スタッフはアイゼンハワーのスタッフを引き継いだものだが、アイゼンハワーが「見当違いの勢力」と呼んだいわゆる対ソ強硬派のグループだった。

 一方ケネディの思惑は違っていた。ロシアのフルシチョフ首相と話し合いを行って、何とか東西冷戦、わけてもドイツ問題に決着をつけたいと思っていた。
ケネディは対ソ強硬派と異なりソ連との共存路線を模索していたことになる。
当時ベルリンはロシアが占領していた東ドイツのただなかにあった孤島で、ベルリンそのものも4か所に分断され、それぞれアメリカ、ロシア、イギリス、フランスが部分占領していた。
ケネディはこのベルリンを何とか守りたかったが、それにはフルシチョフの暗黙の了解が必要だと考えていた。
そのためキューバで戦争を起こすことに反対していた。

 キューバ侵攻作戦に失敗すると「キューバ侵攻作戦は失敗だった。責任はすべて自分にある」とケネディは国民向けに演説し国民は一応納得したが、納得しなかったのは政権内にいた強硬派とケネディ本人だった。
ケネディは張本人のGIA長官ダレスを首にするとともに、以下のような挑戦的な演説を行っている。
CIAを粉々にくだき、風に向かってまき散らしてやる

 一方政権内で強硬外交を推進してきたアチソンは自分の仲間内の会合ではケネディをこき下ろしていた。
率直に言おう。この国にはリーダーシップを欠いている
さらに強硬路線をともに推進してきた元トルーマン大統領あてに「ケネディの弱腰外交がロシアを喜ばせ、我が国は危機に直面している。核戦争を起こすこともできない」と伝えていた。

注)アチソンはトルーマン政権の国務長官で、ロシア封じ込めを目指したトルーマンドクトリンの実質的な起草者。外交問題のエキスパートとしてケネディ政権のアドバイザーになっていた。なお日本に原爆を投下する許可を与えたのがトルーマン。

 ケネディは国内の強硬派を抑え、フルシチョフとの交渉にかけたが、こちらの方も一筋縄ではいかなかった。
1961年6月3日と4日に行われた会議は明らかにケネディの位負けだった。
フルシチョフはケネディが自分の息子と同じ年だと確認して、ケネディをガキ扱いしたからだ。
「今年の冬までに西ベルリンを封鎖する。文句は言わせない」とフルシチョフはケネディを脅し上げた。

 実際その年の8月からベルリンには東西を分断するベルリンの壁が建設されたのだが、ケネディはこれに対して黙認を決め込んだ。
ケネディとしたら黙認することでベルリン問題をこれ以上悪化させず、一種の安定状態にするつもりだったが、フルシチョフの判断は違っていた。
アメリカは不幸な国だ。あんな男を大統領にえらぶなんて」と公言していたし 、実際脅し上げれば引き下がる弱虫男とみなしていた。
よっしゃ、アイゼンハワーと違ってケネディはガキだ。この機会に世界中に民族独立運動を起こしてアメリカを叩き潰そう

 こうして1961年はケネディにとって散々な年になってしまった。ピッグス湾事件では保守強硬派がケネディを見限り何とかしてケネディを大統領から引きずりおろそうとしていたし、一方ロシアのフルシチョフはケネディを見下げはてた男とみなして世界共産主義運動を推進していた。
そうしたなかでケネディは国内保守強硬派とロシアのフルシチョフの強硬路線に板挟みになって、背中の激痛を我慢しながら、世界平和を模索していたといえる。
私ははたして核戦争から世界をすくえるのだろうか
弟のロバート司法長官と二人になるとそういって涙を流していたという。

 
 私は当時の情勢をよく覚えているが、世界中が今にも共産主義国家になりそうな勢いになり、日本国内では左翼勢力が言論界を圧倒していた。
私が通った高校では共産党員の教師が何人もいて、そうした教師が左翼教育を行い生徒に圧倒的な人気を誇っていた。
世界中が共産主義運動に熱狂していた時代だったといえる。

(前篇終了、後篇に続く)

なおBS世界のドキュメンタリーシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nkk/index.html

 

 

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(25.11.13) 台風30号が津波を引き起こした!! フィリピン レイテ島タクロバン

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(軽井沢)

 これが台風の後の光景だろうか。台風30号に襲われたフィリピン・レイテ島の都市タクロバンの惨状である。
通常日本で台風の被害と言えば川が氾濫し、家や樹木がなぎ倒され、自動車が横転している光景を思い浮かべるが、タクロバンの光景は東日本大震災の後の津波による被害そっくりだった。

 すべての家屋がなぎ倒されてがれきの山になっており、町が完全に消失している。タクロバンはレイテ湾に面した人口20万人の都市であり、年配の日本人ならここが太平洋戦争の激戦地だったことを知っているはずだ。
町が消失した原因は高波である。約4mの高波が押し寄せたというから日本的な意味では津波と変わりがない。

注)太平洋戦争の実態は日本軍守備隊の全滅だったが、それは大岡昇平氏の「野火」に詳しい。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-432f.html

 今回の台風30号は気圧が895ヘクトパスカルという猛烈な台風で、気圧が下がると海水面を押し付けている空気の層が薄くなるため海面が上昇する。そこに海方面からの台風よる猛烈な風が波を押してタクロバンの都市を襲ったことになる。
最大瞬間風速が100mを越えたというから半端な風でない。

注)日本では昭和34年に伊勢湾台風に襲われたが、その時の気圧がやはり895ヘクトパスカルで、死者が約5000名だったので、今回の台風は伊勢湾台風並みだったということになる。

 通常は風がどんなに恐ろしいものか実感がないが、私はかつて北海道のトムラウシ岳の風の通り道で突風で自分自身が飛ばされそうになった経験がある。
実際は背中にしょっていたマットが風で飛ばされたのだが、1秒間に30m程度マットが飛び去ったのを見て目を見張った。
あの時の風速は30m程度だったが、これが100mになるとどうなるか想像がつかない。

 今回の台風被害でレイテ島を中心に死者が1万人を超しそうだとタクロバンの市長が言っていたが、現在まで(12日)の確定した死者の数は1774人と発表されている。アキノ大統領国家災害事態宣言をだし軍を総動員して住民の救助にむかわせている。

 日本を始めアメリカ、オーストラリア、ドイツなどが医療チームを派遣しており、日本はフィリピンの要請があれば自衛隊の派遣も検討している。
なぜ軍隊の派遣が必要かというと、日本と異なり略奪や暴力が平気ではびこるからで、フィリピンもご多聞に漏れず銃社会だから、平和な救援活動を支援するためにも軍隊が必要になるのだ。

注)日本は大震災が起こっても略奪が発生しないまれな国でだが、世界の常識では秩序が乱れれば略奪が発生するのが普通。

 だがしかしなぜこのようなスーパー台風が発生するのだろうか。年間に台風が30回発生したのは19年ぶりだが、理由は北緯20度以南の海水面が例年になく高かったからだという。
このところ観測史上初なんて記録の目白押しだから、19年ぶりぐらいに驚いてはいられないが、地球の環境が粗々しくなってきたことは実感で知ることができる。

 日本の夏は異常と言っていいほど暑くなり、今年は四万十市で過去最高の気温を観測したし、各地がうだるような暑さだった。
一方台風シーズンになると、これまた観測史上初の大雨が伊豆大島で降って、大島町で40名を超える人々がなくなられたばかりだ。
これは絶対地球温暖化の影響だ」と私などは考えてしまうが、気象学者はもう少し慎重で地球は20世紀の後半に平均気温が0.13度上昇した後、1998年から現在まで地球の平均気温はほぼ一定の水準にとどまっているという。

 最もこれは平均だから。最近のように暑いときはめっぽう暑く、寒くなればこれまためっぽう寒くなったということが実態ではなかろうか(あるいは暑い場所はますます暑く寒い場所はますます寒くなった)。
日本の猛暑分の低温地帯がどこかにあるということで、そうでなければ平均が一定ということにならない。

 今や世界各地で観測史上初と言われる異常気象のオンパレードだが、今回のフィリピンの台風もそうした異常気象の一種で、今後もこうしたスーパー台風に我々は襲われつづけるのだろう。

なお地球温暖化に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44491343/index.html


 

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(2511.12) 文学入門 道尾秀介 「光媒の花」 悪くはないが私の趣味ではない

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(軽井沢 雲場池)

 「うぅーん」唸ってしまった。今回の読書会のテーマ本「光媒(こうばい)の花」の読後感である。
この作品は道尾(みちお)秀介氏の作品で、第23回の山本周五郎賞の授賞作だが、全体が6章になっていて、それぞれが独立している短編集だ。
氏はこの「光媒の花」という短編集をほぼ2年間かけて書き上げている。

 通常短編集は全く人物も内容も時間も別なものだが、この短編集はそれぞれ独立していながら人物がつながっている。
第一章の「隠れ鬼」でかくれんぼをしていた少年が、第二章の「虫送り」の主人公になっている。
そして「虫送り」に出てきた兄妹に「ここは殺人現場で犯人は君たちだと知っている」とあいまいに子供たちを諭すおじさんが、第三章の「冬の蝶」の主人公だ。

 この「冬の蝶」に出てくる主人公は40歳前後の浮浪者で橋の下で生活していたが、仲間の浮浪者が少女を誘惑して犯そうとしたことに憤り、その浮浪者を撲殺する。
この主人公が浮浪者になったのは中学生2年生の時に、自分が愛したサチという同級生が義理の父親から性的関係を続けられ、その生活から助け出そうとして結局はサチが義理の父親を刺殺してしまう。
その後主人公は社会に不適応になり浮浪者になったという設定だ。

 そしてそのサチが今度は第四章「春の蝶」の主人公になって耳の聞こえない少女がバックしてきたトラックに危うくひかれそうになったのを助けるのだが、このトラックの運転手は第五章「風媒花」の主人公になっている。
そして第六章「遠い光」は亮のお姉さんの小学校の先生が主人公だ。
物語は全くの独立した短編なのに人物が横糸でつながっている。
実に漸進的な構成だなあ・・・・・」感心と驚きが入り混じってしまった。

 形式以外ではそれぞれがミステリー小説仕立てになっている。「犯人はだれか」ということが隠し味になっていて最後にどんでん返しが繰り返される。
たとえば「隠れ鬼」の主人公は中学生二年生の時に父親の愛人を愛してしまい、父との逢瀬を見てその女性を撲殺するのだが、読んでいる間は撲殺したのが主人公の父親で、それを苦に父親は30年前に自殺したのだとばかり思わせている。
そして最後の最後に「殺したのは自分だ」という少年の告白がある。

 また「虫送り」では妹をおもちゃにされそうになった兄弟が仕返しに浮浪者の住んでいた橋げたの下にある小屋に大きな石を落とし、それが原因で死亡したように書いてありながら、実際はこうした行為を見て憤っていた浮浪者仲間の「冬の蝶」の主人公がその石を使って撲殺したという筋だ。
必ず最後にどんでん返しが用意されていて「真犯人はこの人です」なんて感じになるので、読んでいると意表を突かれてしまう。

 私は大学生時代に読んだサマーセット・モームの短編「赤毛」を思い出した。
昔赤毛と呼ばれた若いハンサムな脱走兵とカナダ人の美しい少女との恋があり、意図せぬ別れの後その脱走兵が数十年たってその女性の面影を求めてやってくる。
読者は「いや素晴らしくロマンチックな話だな、その美しかった女性はどうしたのだろうか」なんて読んでいくと、その目の前に食事を運んできた恐ろしく肥満した老婆が、それが昔恋をした女性だというどんでん返しだ。
いくらなんでもそれはないでしょう、モームさん」と若かった私は憤慨したものだ。

 道尾氏の小説はそのどんでん返しの連続でまさにミステリー小説だが、一方で登場人物はみな物悲しい過去を持っており、また最後に殺人を犯すという設定で、弘兼憲史氏の漫画、「人間交差点」ばりの人間の悲しみがあって、人生の悲哀を感じさせてくれる。

 だが私の率直な印象は少し形式の目新しさに目が行きすぎ、またどんでん返しをするために筋があざとくなりすぎているというものだった。
あざといというのはシナリオ作家がよく用いる言葉だが、無理やりに筋書きをこしらえているという感じで使用する。
たとえば悲劇的状況を作るために主人公を必ず末期がんにするというような設定で、私のシナリオを指導してくれた先生は「それは作り物と言って、見る人が見ればすぐに筋がばれてしまいます。できるだけ無理のない合理的な筋立てを作りなさい」と言っていた。

 特に第一章「隠れ鬼」で殺人者が高校1年生だというのはあまりにも唐突だ。恋に狂った高校生ということだが、そんな話は受け入れるのが難しい。
また「春の蝶」の主人公の中学2年生のサチが性的関係を迫られた義理の父親を刺殺するというのも、「少しね」という感じだ。
第一交わされる会話のレベルは大人の会話で、中学2年生の会話とは思われない。

 文体は恐ろしいほど単純明快で、まったく読むのに苦労しないが、どんでん返しに驚かされてばかりいるという小説だ。
悪くはないが殺人事件が多すぎて私の趣味でないことも確かだといえる。

なお、文学入門については以下に記事をまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43898465/index.html

http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat31264874/index.html

 

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(25.11.11) ちはら台走友会の秋合宿 今年は軽井沢に行った

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(寮の前)

 ちはら台走友会秋合宿軽井沢で行われた。
軽井沢にはメンバーのMさんが勤務している会社の寮がありその関係で、走友会のメンバーも寮を使わせてもらった。
カラマツどうだんつつじに囲まれた実に瀟洒な建物で、この寮を利用する人も多く100名以上の宿泊客がいた。
今回の秋合宿の参加者は5名である。

 今回の合宿にあたって私のコンディションは必ずしも良くなかった。
先月のちはら台・おゆみ野フルマラソンで左ひざの痛みを押して走ったのが災いして、その後全くと言っていいほど走ることができなくなっていた。
仕方がないのでもっぱら自転車に毎日2時間ほど乗っていたのだが、コースの中に魔の三段腹コースと名付けた非常に厳しい坂があり、これを登りきることを日課としていたら、両足の大腿部の筋肉が異常に発達してきた。

注)この辺の経緯については以下に記事を記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-ef7c.html

 私は知らなかったが、この大腿部の筋肉が発達すると山登りや坂道走が非常に楽になる。
足を上部に上げることが苦痛でなくなるので、今回の合宿ようなトレッキング道を走るには足がもってこいの状態に仕上がっていた。
いやー、これは全くけがの功名だ!!」自分でも驚いた。
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(雲場池)

 私はこの時期軽井沢にいったことがなかったが、ちょうど紅葉が終わりカラマツの葉やケヤキの葉が風が吹くたびに雪のように舞い落ちていた。
合宿のコースは寮を出発して旧三笠ホテルの前を通り、信濃路自然歩道を遡って白糸の滝を経由し、浅間山の登山口峰の茶屋まで登って、そこから146号線を軽井沢まで降りてくるコースだった。
距離にして約30kmだから大したことはないと思ったが、軽井沢と峰の茶屋の標高差は約500mあり、この高度を一気に登って下るのは実際はかなりタフだった。
それでも息が上がらなかったのは自転車の坂道走のおかげだ。

 特に信濃路自然歩道はあまり歩く人がいないらしく、落ち葉がうずたかく積もっており、ところどころにイノシシが掘ったと思われる土くれの山があったりして、お世辞にも走りやすいコースとは言えない。
こんな山岳コースならばトレッキングシューズを履いてきた方がよかったかしら・・・・
山岳レースが好きな人ならコースがハセツネに似ているといえばイメージがわくだろう。

注)ハセツネとは山岳登山家故長谷川恒男氏を記念して奥多摩の山岳コースを使用して行われるトレッキングレース。距離約73km、制限時間は24時間。

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(旧三笠ホテル)

 この時期の軽井沢はかなり寒く、走っている間は身体があったまっているので感じないが、休息をとっているとたちまちのうちに体温が低下する。
そうした時は休まないで体を動かし続けるのがコツだが、一方で足がへたばって来ると休まないわけにもいかない。

 しかし今回の合宿は本当に楽しかった。木の葉の嵐の中を走っていると、なにか雪の中を疾駆している駿馬のような感じになって、気分が爽快だ。
空気はあくまでも澄んでいて、時々浅間山の頂上も見ることができた。

 翌日は寮の自転車を借りて軽井沢の別荘地帯を散策したが、やはり日本を代表する別荘地だけあって、最近できた別荘地と比較すると圧倒的に敷地が広く、また屋敷も風情を感じられる
一部に切り売りされた土地も散見されたが、こうした場所は昔の風情を残してこそ価値があろうというものだ。
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(白糸の滝)

 帰りに軽井沢にできたアウトレットによってお土産を購入することにしたが、ここには遠くから多くの観光客が押し寄せているらしく、駐車場に入るために国道に数珠つなぎに自動車が待っていた。
私自身は今までほとんどアウトレットに立ち寄ることはなく、アウトレットなるものの存在意義が分からなかったので寄ってみたい気持ちもあった。
メンバーのKさんがアウトレットにはブランド品を扱う店が多く出店して、しかも市価の半値程度で商品を売り出すことがある。だから日本人だけでなく中国人の観光客にも人気があるんだ」と説明してくれた。
そうかアウトレットはブランド品のディスカウントが売りなのか!!」なんとなく納得した。

 こうしてちはら台走友会の今年の秋の合宿は終わった。

なお、ちはら台走友会の記事は以下にまとめて掲載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44088639/index.html

 

 

 

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(25.11.10) クローズアップ現代 動き出した水銀規制 だが問題山積みだ

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  私が小学生のころ最も恐ろしい病気の一つに水俣病があった。原因不明の奇病で人間や猫などに集中的にあらわれ、いったんこの病気にかかると手足の制御が効かなくなり、ちょうど中風になった人のような動作を繰り返す病気だった。
その後これがチッソから排出された水銀が原因で起こることが確認され、日本では水銀の使用が大幅に制限されることになった。

 だから私は水銀問題は完全に解決され過去の話と思っていたら、先月(10月)日本で「水銀に関する水俣条約」が採択されたと聞いたのでとても不思議な気がした。
今でも水銀を大量に使用しているのかい???」 

 かつてと言っても1960年代のことだが、日本は水銀を毎年2000トン以上使用していた。水銀は電気を通しやすくかつ合金を作りやすかったため、蛍光灯や電池に大量に使用されていたからだ。
その後日本では水銀を使用しない技術が進んだため、最近では年間10トン程度しか使用していないが、これは日本の話であって世界では年間4000トン近い水銀が使用され続けているという。

 現在水銀が使用されている最大の用途の一つは金の採掘で、水銀を引いた板に金が含まれる岩石を砕いた泥水を流すと金が水銀と結合して残る。この金と水銀の化合物をバーナー等で焼くと水銀は蒸発し後に金が残るという仕掛けだ。
問題は蒸発した水銀が大気を汚染し、一方水と一緒に流れた水銀は川に流れ込んで有機水銀になり、これが食物連鎖で最終的に人間が魚を食べて水俣病になることだ。

 世界でこうした金採掘に伴う水銀汚染が発生している地域は約21か所あるそうで、その中でも水銀汚染が激しいといわれたブラジルのパラー州で行われたブラジル政府の健康調査では、274名の住民の三人に一人は重度の水銀汚染にさらされていた。

 そしてこうした重度の汚染地域以外でも大気中の水銀濃度は確実に上がっていて、特に冬場になると日本の大気中の水銀濃度が上昇するのは中国で大量の石炭を燃焼させたため、石炭に微量に含まれれる水銀が大気中に放出され、これが偏西風に乗って日本に到達したためだという。
pm2.5といい大気中の水銀といい、またも中国か!!!」とうんざりするが、中国で粗悪な石炭の大量使用を止めない限り、こうした問題は片付かない。

 今回の「水銀に関する水俣条約」では以下の事柄が決められた。

① 金の採掘に伴う水銀使用は禁止しない。
② 危険地域に住む住民の健康管理を奨励
③ 新規の鉱山の開発禁止。既往鉱山は15年後をめどに閉鎖。

 何ともユルフンの条約で、特に「金の採掘時に使用する水銀で最も重大な被害が想定されるのになんだ!」と言いたいが、これでも条約が無いよりはましという判断なのだろう。

 日本における問題としては水銀輸出の問題がある。日本国内では水銀の使用がほとんどされていないが、昔の蛍光灯や電池から大量の水銀がリサイクルされて輸出に回っている。10年間で1000トン余り輸出したというから半端な数ではない。
条約を推進していく立場からすると、今までリサイクル施設でリサイクルし、それを輸出していたが、今後はこうした行為は条約締結国としてできなくなる。
しかし、一体水銀をどのようにして処分すればいいんだ

 世界各国はそれぞれ対策を講じていたが、アメリカはネバダ州の砂漠の中にある軍事施設の中に5000トン以上保管していたし、ドイツでは地下800mの坑道の奥深くに閉じ込めていた。
日本では水銀が硫黄とたやすく結合することを見越して、化学的に毒性の少ない硫化水銀をつくり、それを管理型処分場に処理するという案が検討されていた。

注)管理型処分場とは排出される水をチェックして汚染物質が流れ出ていないことを管理できる処分場

 かつては生産現場の寵児だったが、今ではすっかり嫌われ者になって、人間生活から完全に隔離されようとしている。
しかし嫌われ者だけに管理型処分場での処分で本当に問題がないのか、今後とも議論が紛糾しそうだ。

注)クローズアップ現代のシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_2/index.html

 


 
  

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(25.11.9) ヨガのすすめ ぼくだって頑張ってるぞ!!

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(四季の道の朝)

 ヨガを始めてからほぼ一年余りたち、ようやくヨガに目覚めてきた。
当初はタダ痛いだけで「なんでこんなに身体を曲げなければならないんだ」と思っていたが、よくしたもので1年余りまじめにヨガ教室に通ったせいで、最近になって急速に柔軟性が増している。

  私は当初ヨガというものが全く分からず、柔軟体操の一種だと思っていた。
体操のノリで目いっぱい体を曲げたり、足を延ばしたり、スピードを上げて身体を動かしたりしていたがそのうちにめまいがしてきた。今までしたこともないような後ろに身体を曲げるポーズをとった途端、ある日体中からヒヤ汗が出てそのまま倒れこんでしまった。
これじゃ、健康をわざわざ壊すようなものだ・・・・・・・・

 その後無理はしないようにして、身体が自然に曲がったり伸びたりする範囲内に可動域を止めるようにしている。
先生から「静かに反動を付けず可能な範囲内で動かせばいいのです。ヨガは健康増進のためにしているのですから」と言われて、ヨガと柔軟体操の相違をようやく理解した。

 しかしこのヨガをしてつくづく感じたことは、「男の身体はなんて固いのだろうか」ということだ。いつも7人前後のグループでヨガ教室は開催されているのだが、私以外は女性でどちらかというと若い奥さんが多い。
見ていると足などはほぼ水平に開くし、片足でバランスをとるときも伸ばすほうの足はまっすぐにすらっと伸びている。

 一方私はと言えば足の開く角度は90度程度だし(最近は少し広がった)、足を延ばすポーズでは何をやっても足が曲がってしまい見苦しいことこのうえもない。
どうやらヨガは女性のスポーツではなかろうか・・・・・」と思ったりしたが、私たちを教えている先生は私より年長の男性で、それでもおもいっきり身体が曲がるから、男性がヨガに向いてないと断定するのは早計のようだ。

 ヨガではしばしば正座をするのだが、しばらく前まで私は正座ができなかった。足が痛くて仕方がないのだ。それでも家で正座のトレーニングを繰り返しているうち、少しずつ正座ができるようになり、今では女性の生徒並のレベルにはなってきた。
なるほどね、トレーニング効果はあるものだ」感心している。

 今のところまだクラスの最低レベルだが、それでも休まずに行きつづけている。私のたった一つの取柄はやり始めたらよほどの理由がない限り止めないことだが、この効果がようやく表れ始めた。
やまちゃん、いいぞ、がんばれ」叱咤激励している。

 ヨガの権威で佐保田鶴治氏という方がおられるのだが、その人の「ヨーガのすすめ」という本の中に以下のような内容の文書があった。

① 毎日ヨーガを10分すれば、健康と若さを保てる。
② 毎日ヨーガを20分すれば、強い性格になれる。
③ 毎日ヨーガを30分すれば、判断力と直観力が磨かれる。
④ 毎日ヨーガを1時間すれば、4次元の世界を越えられる。

 4次元の世界を越えても仕方ないので、私の当面の目標はヨガを毎日30分実施して、判断力と直観力が磨かれるか確認することだ。本当にそうなればこんな素晴らしいことはないので、実験する意義はありそうだ。

注)なおなぜ人間は年をとると身体に柔軟性がなくなるかは、以下の記事を読むと分かる。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-1929.html

(別件)「絵てがみ」始めませんか?

苅田郷の蔵の2階、畳の間で「絵てがみ」教室開催いたします! 2013年11月18日(月) 
午前10時~12時

場所:苅田郷 蔵の2階 畳の間
   千葉市緑区刈田子町13
講師:中川 美穂(日本絵手紙協会 絵手紙公認講師)

参加費:1500円

申し込み:電話・ちらしのFAX・苅田郷ホームページより
     ホームページ問い合わせ

 http://www.kattago-tougei.com/
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(25.11.8) だから言ったじゃないの!! 中国 山西省太原市爆破事件

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(四季の道 イイギリ)

 天安門に車が突っ込んで炎上したかと思っていたら、今度は山西省太原市の共産党地区本部の前で手製と思われる爆弾が爆発し、一人が死亡、8人が負傷したという。
今回の爆弾はアメリカで起こったボストン爆破事件と同様な圧力鍋を使用した爆弾らしく、内部には金属片や釘が仕組まれていて殺傷力を増すようになっていた。

注)天安門事件については以下のブログを記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/25111-875b.html

 天安門事件ではウイグル人親子が中国のウイグル人弾圧に抗議して天安門で焼身自殺を図ったものだが、山西省の場合は炭鉱開発に伴う土地収用問題のいざこざのようだ。
山西省は中国屈指の炭鉱地帯で、ここ20年余りの高成長を背景に強引ともいえる炭鉱開発を行ってきた。

 鉱区が見つかると農民が耕していた土地を強引に収用し、あとは雀の涙の補償金でだまかしていたのだが、問題は中国経済の失速に伴い石炭需要が急激に低下したことだ。
さらに石炭は汚染物質をまき散らすので北京などでは人間の生存できる限界を越えつつあるため使用の自粛が続いている。
もう石炭開発は十分だ。これ以上の開発はいらない
誰もがそう思うようになったが、困り切ったのは山西省の地方政府だ。

 何しろ山西省は石炭以外にはまともな生産物はないのだから、この鉱区を切り売りして財政と自分の懐を肥やすことができなくなった。
さらに農民に対する補償金さえ支払われなくなったので、農民は激怒して地方政府に抗議を繰り返している。

注)地方政府がどのようにして農民の土地使用権を取り上げてきたかは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-05b5.html

 しかし地方政府としてもない袖は振れないから警察権力で追っ払っていたのだが、追っ払われた住民もついに実力行使に出るようになったらしい。
今はインターネットの時代で中国政府がいくら自身にとって不都合な情報を消しても、ほとんどいたちごっこになっている。
当然ボストン爆破事件天安門に自動車が突っ込んで炎上したことも知っている(ただし正式にマイクを向けられると中国人は知らんぷりをするが、そうしないと中国での生活はできない)。
今や農民は「俺たちだって、黙っていないぞ!!」ということになった。

 この9日から中国では3中全会という日本の国会のような大事な大会が開催されるのだが、それを前に習近平体制は完全にメンツをつぶされた格好だ。
中国人にとりメンツをつぶされることは死ぬことと同じくらいつらいことだから、ウイグル族に対する大弾圧や、山西省の不満分子の摘発が今後続くだろう。

 すでに天安門事件では新疆ウィグル自治区の軍区司令官常務委員を解任されたし(中国では共産党の序列がもっとも大事だから共産党常務委員を解任されたということは首になったのと同じ)、現在のウィグル自治区のトップ、張春賢書記の柔軟政策がウィグル人をつけあがらせたと強硬派から非難の合唱が上がっている。

 しかしこうしたテロが発生するのは従来の中国地方政府の錬金術が崩壊したのが最大の原因で、土地を収用しても収入は入ってこないから農民に補償金を支払えず、その結果いたるところで地方政府は農民に突き上げられている。
地方政府は「あとは武装警察を使って農民を蹴散らすだけだ」という状況になっており、当然農民も反発して抗議行動はエスカレートするので、今後もこうした爆破事件は頻発するのだろう。
中国は激動の時代に入り「だから言ったじゃないの」といった状況になってきた。

注)地方政府のシャドウバンキングを通した錬金術が崩壊したことは前に何回も述べている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-05b5.html

(別件)「絵てがみ」始めませんか?

苅田郷の蔵の2階、畳の間で「絵てがみ」教室開催いたします! 2013年11月18日(月) 
午前10時~12時

場所:苅田郷 蔵の2階 畳の間
   千葉市緑区刈田子町13
講師:中川 美穂(日本絵手紙協会 絵手紙公認講師)

参加費:1500円

申し込み:電話・ちらしのFAX・苅田郷ホームページより
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(25.11.7) 日本国中、偽装表示のオンパレードだ!! 「おもてなし」はどうしたの?

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  えらいことになってきた。日本国中で虚偽表示のオンパレードになってきた。
当初は阪神阪急ホテルバナメイエビ芝エビと称してメニュー表示していたことがばれたのだが、今では他のホテルでも牛脂注入肉ステーキと称して販売したり、ブラックタイガークルマエビと称したり、豪州産の肉和牛になったりしている。

 最も私などはバナメイエビ芝エビと言われても「小エビだろう」ぐらいしか分からず、ブラックタイガークルマエビを見ても、「いや立派なエビですな」なんて言ってしまうほどで、その見分け方は分からない。
またレストランでは平気で牛脂注入肉と思われる安い肉をステーキと称して食べてきたから、「何が問題なのだろう?」と思ってしまう。

 しかし私のように高級食材について興味を示さないものはともかく、こうした食材に対し高額な費用をつぎ込むことに喜びとステータスを感じていた人にはショックだろう。
私どもでは高島屋のフォションしか使いませんのよ、何しろあすこのクルマエビのテリーヌは最高品でございますから、おほほ・・・」なんて言ってた人は、実際はブラックタイガーだと知って寝込んでしまうかもしれない。

 あまりに次々に虚偽表示がばれるので、どこがどうなのかさっぱり分からなくなってきた。
阪神阪急ホテル、東急ホテルズ、ザ・リッツカールトン大阪、近畿日本鉄道系ホテル、高島屋グループ、大阪松坂屋百貨店グループと次々に代表者が会見で頭を下げている。
高島屋はレシート等証拠の品を確認して返金に応じるとしており、その総額は約3億に上ると試算している。
一方近畿日本鉄道系ホテル「謝るが金は返さない、だまされる方が悪いんだ」となかなかタフな対応をしているものの、いつまで突っ張っていられるかは予断を許さない。

 私の関西生まれの知り合いの話では、「大阪では食材の虚偽は日常茶飯事で、大阪人はそんなことは当初から知っていて驚きはしない」と言っていた。
私は笑ってしまったが、消費者庁景品表示法の「優良誤認」の疑いで調査を始めたので、「大阪ではあたりまえでっせ」と居直り続けることは難しそうだ。

 なぜこのような虚偽表示が一般化するかというとホテル業界デパート業界の苦しい台所事情がある。
ホテル業界ではかつてのようにサラリーマンは出張をしなくなり、また会社の費用で豪華ホテルに泊まることはなくなった。食事は外部の安いファーストフード店などで済ましてしまう。
後は海外からの観光客が主要な顧客となるが、こちらはパッケージ費用を思いっきり引き下げてくるので、利益率はさっぱりだ。
もうやってられね、素材をだまかす以外にこんな安価な単価でメニューはだせねい。どうせブラックタイガーとクルマエビの区別なんてできるはずはないんだ!!」ということになる。

注)ホテル業界の規模は10年間で▲4%、旅館業界は10年間で▲32%になっている。また飲食部門の利益率は宿泊部門の約半分と言われ、合理化を迫られてきた。

 デパート業界も同じで、かつての最高の顧客だった企業はすっかり経費節減で盆暮の贈答などしなくなった。個人のお金持ちはいるが、だからと言って食材など胃腸の大きさ以上詰め込むのは不可能だ。
高級料理と銘打って金持ちのステータスをくすぐることしかできず、見てくれで勝負をしている。
だから「わがデパートでは芝エビは止めてバナメイエビに変えました」なんて口が裂けても言えない。

注)百貨店業界はホテル業界以上に経営は厳しく、長期低迷が続いている。1991年のバブル期に比較して現在の業界規模は3分の2になっている。

 こうしてホテルやデパートでは経営の苦しさに負けて虚偽表示のオンパレードになった。今名前が挙がってないホテルやデパートでもこれから次々に虚偽表示がばれるだろうから(内部職員の告発が続く)、この問題はしばらく尾を引きそうだ。
日本のホテルとデパート業界はとんだ「おもてなし」になってしまったようだ。

なお、詐欺関連の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43166398/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat40090319/index.html

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苅田郷の蔵の2階、畳の間で「絵てがみ」教室開催いたします! 2013年11月18日(月) 
午前10時~12時

場所:苅田郷 蔵の2階 畳の間
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(25.11.6) NHKドキュメンタリー 「科学捜査官 シャーロック・ホームズ」

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  NHKが放送しているBS世界のドキュメンタリーシリーズは時々興味深い番組を放送する。
今回はイギリスのプロダクションが制作した「科学捜査官 シャーロック・ホームズ」という番組だったが、この番組を見て警察の科学捜査がこの小説を契機に世界中に広まったということを初めて知った。

 それまでの警察の捜査方法は事件が起こるとまず目撃者を捜し、次にこうした事件を起こしやすい人物をしょっ引いてきて泥を吐かせるという手法で、もちろん泥を吐かない場合は拷問によって無理やり供述させていた。
日本でも江戸時代までは典型的にこの方法が採用され自白こそがすべての証拠だったし、その後も長く自白が捜査のきめてだった。

 現在でも多くの事件が自白優先主義になっていて、その後裁判でこの自白の信ぴょう性が争われている。
さすがに最近は自白よりも物的証拠が重視されるようになったが、こうした捜査方法を確立させた契機になったのがコナン・ドイル1888年に作り出したシャーロック・ホームズだという。

 ホームズの手法は事件現場を詳細に調査し、そこにある何気ない証拠から事件のいきさつを推理するという方法で、これは最近再放送されている刑事コロンボの捜査方法に受け継がれている。
あたしゃ、何かとてもつまらないことにこだわりがあって、これが解決しなければどうしても気が落ち着かないんですよ

 私は全く知らなかったがドイルが生きていた今から120年以上も前は、遺留品を集めることはせず、血痕は調べようがなく、弾痕から銃が発射された位置を測定する方法も確立されていなかったのだという。
小説の中でホームズが人間の血痕を調べる画期的な方法を開発したことになっているが、実際は1900年ウーレンフートによってその方法が確立された。

 また弾痕によってどこから銃が発射され、その銃の特定も小説の中で披歴されているが、実際にその方法がFBIによって確立されたのは小説が発表されてから40年後だという。
現在の科学捜査官はいわばホームズの弟子で、現場にまず行ってどんなに細かい証拠でも収集し、そこから演繹的推理を働かして事件の全貌に迫るのだそうだ。

 シャーロック・ホームズは何回もドラマ化しているので私も見ているが、ホームズワトソンが住んでいたベイカー街の部屋が一種の科学実験室になっていることに私はいつも驚いていた。
いくらなんでも家の中で科学実験をするのはやりすぎじゃないか・・・・・・
しかしこの科学実験がドラマで重要な役割をするのは、当時はどこの警察署にもこうした科学実験を行う施設がなかったからで、この部屋は世界初の科学捜査実験室だったことになる。

 私は長い間この小説をとても興味ある探偵小説とだけ思ってみていたが、実際は現在の科学捜査方法を予言した実に先駆的な取り組みであったことを知った。
そしてこのホームズにはモデルがあって、それはドイルが師事したエジンバラ大学ベル医学部教授で、ベル教授は患者が診察室に入ってきた途端に、細かな特徴から経歴や病歴を推理してしまったという。
彼は除隊したばかりの○○軍にいた兵士だ

 ドイルはこのベル教授の推理法を小説に応用したわけだが、それがくしくも近代的な科学捜査方法の最初の教科書になった。
一方私の悩みはホームズと異なり演繹的な推理力が不足していて、何よりも注意力が足らないことだ。細かな点を見落とすのは日常茶飯事でこれは昔からそうだったらしく、親父から「お前は注意散漫だ」とよく言われたものだ。
この年になって無理かもしれないが、何とかホームズの注意力と演繹的手法を身に付けたいものだと、ひそかに努力はしているのだが・・・・。

なお世界のBSドキュメンタリーシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nkk/index.html


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苅田郷の蔵の2階、畳の間で「絵てがみ」教室開催いたします! 2013年11月18日(月) 
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(25.11.5) NHK「ストラディヴァリウスの謎」 ミステリー小説じゃないよ!

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(四季の道の秋の道公園の向かい側に建っているマンション。いつも朝日が当たる)

 私のように普段音楽と言えば演歌以外に興味を示さないものにとってストラディヴァリウスと言われるバイオリンについて記載するのはいささか手に余りそうだが、先日NHKが放送した「至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎」はなかなか面白かった。

 ストラディヴァリウスは通称をストラドと言って、今から300年ほど前にイタリア・クレナモの職人、アントニオ・ストラディヴァリが制作したバイオリンで、現在約600挺のバイオリンが残されているという。
1挺あたりの値段が数億円で、オークションでは12億円で落札されたことがあるから、私などは値段を聞いただけで「それは名器に違いない」と思ってしまう。

 私はただ驚いているだけだが世界の最高レベルのバイオリン演奏家はストラド以外はバイオリンと思っていないらしく、それぞれが数億円もする名器を保有していた。
ストラドには一つ一つに名前が付けられており、現在最高のバイオリン演奏者と言われるパールマンムターと名付けられたストラドを使用している。

 一方でバイオリン製作者はこのストラドの音色に近づくべく300年間にわたって努力研究してきたが、未だにストラドを超える名器は現れないのだという
もっとも専門家と言われる人を集めて、ストラドと他のモダンバイオリンを聞き比べるテストを行ったところ(演奏しているバイオリンは見えない)、正解率は2割から5割程度だったというから、本当は専門家でも音色の違いが分からないらしい。
なんだい、ストラドと言っても単なるバブル景気と同じで価格がバカ高いだけじゃないか」と言いそうになったが、演奏家の判断は全く違っていた。

 「演奏をすればその違いを確実に認識できる」ということで、やはり違いがあるらしい。
これをNHKが42個の集音マイクを使った実験で確認していた。
演奏者の周りに42個の集音マイクを張り巡らして、その中でストラドを演奏してもらったのだが、その結果はストラドには明らかな音の志向性があるということだった。
右上の方に強く大きな音が出るようになっていて、一方モダンバイオリンは各方面に均質的に音が拡散していた。

 実験者が「ストラドは一方方向にホースで水を撒いているようなものです」と言っていたが、確かに志向性があれば特徴的な音は出せそうだ。
そのため現在のバイオリン製作者は何としてもこのストラドに迫ろうと日夜研究しているのだという。
現在までの主要なアプローチはまず形を完全にストラドをまねるということから始まった。
板の型や材質や厚さやを完全にまねて制作するのだが、この方法では残念なことに完全と言われるコピーはできないという。
何か微妙に相違しており、その相違がどこから発生しているのか更なる研究が行われていた。

 材質面については昔から言われていたのだが、ストラドはイタリア北部のアルプスに近い標高1700mに生育する松材が使われている。この松の特色は木目が詰まっていることで、この木目のつまりが重要な要素ではないかと言われてきた。

注)300年前は小氷河期にあたり木目の詰まった木材を入手しやすかったという。現在はそうした木材はほとんど存在しない。

 また最近は特にコンピュータCTスキャンによる研究が進んでおりストラドの特徴が判明している。
それによると表板と裏板をそれぞれ独自に振動させて、その上に細かな粒子をばらまくとストラドはある特徴的なパターンを描くのだそうだ
そのように粒子が集まるように板を細工すればいいというのが結論の一つになっていた。

 もう一つはCTスキャンでストラドをスキャンしてみると、音の振動を表板に伝えるという部分を中心に表板は完全にバランスがとれること、および表板の振動を裏板に伝える魂柱といういう部分で内部が2等分されていることが分かったという。
それ以外にも板をたたくと音が均質になっている等、いくつかの特徴が分かってきた。

 現在アメリカのオーバリンという場所で世界のバイオリン製作者が定期的に集まり、ストラドと完全に一致するコピーを作ろうと研究している。
約300年の歳月をかけてようやく現在人はストラドの技術水準に迫ることができるようになったのだという
だが完全にコピーができ中国あたりで大量生産されると私でもストラドを購入できそそうな値段になってしまいそうだ。

なお私は演歌、特に長山洋子さんのファンでその模様は以下に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/23122-c493.html

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午前10時~12時

場所:苅田郷 蔵の2階 畳の間
   千葉市緑区刈田子町13
講師:中川 美穂(日本絵手紙協会 絵手紙公認講師)

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(25.11.4) 韓国のやらずぶったくり 日本からは略奪しろ!!

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(尾瀬)

 こういうのをやらずぶったくりというのだろう。
韓国は日本に対しては何を請求してもよく、日本から何を盗んでもよく、日本の嫌がることならなんでもするということのようだ。
そのためには条約はおろか、あらゆる世界の常識も無視するのだから恐れ入る。

 先日韓国の光州地裁が元女子挺身隊だった女性4名と遺族1名に対して、前者には一人当たり1390万円、後者へは730万円の支払いを三菱重工に命じる判決を下した。
三菱重工はこの判決を不服として高裁に上告することにしたが、韓国の裁判所が再び賠償命令を出すことはほぼ確実だ。

 日本政府は「請求権問題は1965年の日韓請求権協定ですべて解決済み」という立場であり、条約もそうなっているが、その程度で引きさがる韓国ではない。
国の請求権は解決したが個人の請求権は解決していない」とかみついた。
最もこの個人の請求権についても2008年に日本の最高裁で「個人の請求権は消滅した」という判決がでたが、こんどは日本ではそうでも韓国では違うという。
時効が成立したという抗弁は信義に反する」と法的には成立しても信義則違反だと言い出した。
韓国でも時効があるのだが、法律でなく信義が先行するという論理だ。

 すでにこうした論理でこの7月にも新日鉄の徴用工への支払いを命じた判決が出ている。
なんでもいいから日本に難癖をつけて金を出させようようというのだから、日本側はたまったものではない。
法律も条約も無視ですか」と迫れば、「すべては信義」の問題だというのだから韓国は法治国家とはいいがたい。
もっとも韓国の裁判所の管轄権は韓国国内だけだから、日本に乗り出してきて財産の差し押さえなどはできない。

注)新日鉄の徴用工の裁判についての詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-7a3e.html

 韓国のやらずぶったくりはあらゆるところに出ていて、12年10月には対馬の観音寺の仏像が韓国の窃盗団により盗まれたのだが、この時もうち1体は14世紀に倭寇によって盗まれたものだから日本に返却する義務はないと地裁が判決した。
もし返してほしければ正当に渡ったことを証明しろと日本に証明責任を求めたが、もちろん韓国側は14世紀に盗まれたという証明の必要はない。
うるせい、返してほしかったら14世紀の証明をしてみろ。できねえだろう」ということだ。

注)観音寺の仏像の裁判については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/2531-8e12.html

 日本の靖国神社放火犯に対する態度も同じで、この犯人はさらに韓国にある日本大使館も放火しようとして韓国官憲につかまり8 か月間服役していた。
そして刑期が終えた段階で日韓引き渡し条約に基づいて日本側に引き渡しを求めたところ、犯人は政治犯だから日本には引き渡さず、中国に送還すると回答してきた。
中国が「政治犯だから中国に送還しろ」と言ってきたからだが、それまでは単なる放火犯人だったのに、とたんに政治犯に格上げだ
中国には媚び、日本を貶めようとするだけのことだが、法律も条約も無視するのはいつものことだ。
 
注)靖国神社放火犯の取り扱いの経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-55ec.html

 
韓国との付き合いは歴史的にも難しかったのだが、最近は特に疲れる。李明博元大統領は「日本は弱くなったので何を言ってもいい」とうそぶいたが、こうした相手には日本が強くなるか韓国が弱くならない限り、罵詈雑言と強奪は続けられるだろう。
幸いアベノミクスによって日本経済と政治は立ち直りつつあり、一方韓国経済は低迷していても、パク・クネ大統領は従軍慰安婦問題だけが政治と思って経済はそっちのけだから、金融不安が再現すれば日本に泣きついてくるだろう。
しばらく文句は言わないから、お金を貸してちょうだい


注)韓国経済の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-4df2.html

 

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(25.11.3) 走れない、しかし自転車があるじゃないか!!

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(江戸川の自転車道 片道60km)

 とても残念なことだが私のマラソン人生も終わりに近づいてきたようだ。
この10月はちはら台走友会の例年の走り込み月間だったのだが、まったくと言っていいほど走ることができなかった。
昨年、一昨年と500km以上走っていたのが嘘のようだ。

 これは昨年あたりからなのだが左膝の下部と上部が少し走ると痛むようになってきた。当初は気にせずに走っていたのだがだんだんと痛みが激しくなって、最近では5km以上走ると激痛に変わってきた。
「まずいな、これでは長距離を走れないではないか・・・・

 思えば60歳を過ぎるころから体からばねがすっかりなくなって、なにかロボットが走るような状態になっていたが、この油の切れた機械のような体が、このところますますひどくなっている。
走り始めて30分程度は何か自分の身体ではないみたいだが、それでも我慢して走っているとようやく調子が乗ってくる。
ところがそのころになると左ひざが痛むのだ。

 最近はすっかりあきらめてもっぱら自転車に乗っている。自転車は膝への負担がほとんどなく、いくらでも走れるのでうれしくなってしまう。
幸い私の住んでいるおゆみ野から南方の方は昔の山並みが続いており、そこによく舗装された道路が走っているが自動車の通行量は少ない。

注)昨年の記事を検索したらやはり10月の走り込み月間で走れなかった経緯が書いてあった。去年から全く駄目になっていたことを知ったが、今年はさらに悪くなったようだ。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-57d6.html

 特に大仏通りという二車線だが自転車の走行をよく考慮された道路があり、自転車競技の選手が練習しており、私もそうした一人になりきって思いっきり飛ばしている。
この大仏通りを外れると農道が続いており、ここは基本的に農家の車しか通らないので実に快適なサイクリングができる。

 私の自慢のコースはこの大仏通りを走って農道に入り、長柄ダムへの急激なのぼりを登るコースだ。
途中に私が名付けた魔の三段腹コースというのがあって、数百M続く急激な上り下りを3回繰り返さなければならない。
息があがり直線で走れないので道路をジグザグに走って何とかこの魔の三段腹コースを登りきるのだが、登り切った時は実に爽快だ(自動車が来ないのでジグザグに走っても問題ない)。
家を出て帰宅するのに約2時間かかるが、家に着くと体中から汗が噴き出ている。
私のような根っからのスポーツ選手は一日に1回は息が切れるような運動をしないと身体が持たない。

 残念なことにマラソンの方はさっぱりだが、こうして自転車を走らせることができるだけで幸せだ。自転車は自分の足で走っている場合に比較して圧倒的に早く、特に下りなどは自動車に負けないくらいのスピードが出るので思わず体に緊張感が走ってしまう。
足や腰(坐骨神経痛がある)に障害があってもこうして自転車を自由に乗り回すことができるのだから、人間の身体は残された機能を使って生き延びるようになっているのだろう。

なお自転車に関する記事は以下にまとめて入っています。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46425663/index.html

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(25.11.2) クローズアップ現代 追跡 消えた重要文化財の行方

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  悲しむべきか喜ぶべきか今日本の文化財が中国の収集家の手に渡っているらしい。
かつて日本もバブル最盛期のころ印象派の作品を買いあさっていたから別段不思議でもなんでもないが、通常の美術品ならともかく重要文化財となると話がきな臭くなる。

 日本には約1万点の重要文化財があるが、最近NHKが独自の調査を行った結果、このうちの76点が所在不明なのだそうだ。
直接調査をした記者の話では今回の調査はいわばサンプル調査の段階で、一点一点の悉皆調査をすればこの数はさらに増加しそうだという。

 重要文化財がなくなる原因は多様で、盗難にあったり、詐欺にあったり、また生活に困窮して所有者が販売した場合などがある。
重要文化財は文化財保護法で所有者の移転がある場合は現所有者の事前届け出と、新たな所有者の事後届け出が義務づけられているものの特別な罰則規定はなく、そうした届け出がなく転売されている事例があるようだ。

 放送で紹介された事例では滋賀県甲賀市にある大岡寺木造千手観音立像(鎌倉時)と木造阿弥陀如来立像(平安時代)の2体詐欺にあって持ち出され、その後ブローカーの間で販売が繰り返されていた。
そしてあるブローカーから大徳寺にこの仏像一体を1億円の金額で買い戻さないかとの話が持ち込まれていたが、住職としては騙されて持ち出されたものを再度売りつけられるのだから踏んだり蹴ったりだ。
住職にはそのような資金はなくがっくりと肩を落として歩いている姿が映し出されていた。

注)持ち出しの経緯は12年前に本堂の改築をしたときに、檀家の一人にあずかってもらったが、この檀家が持ち逃げしたのだという。

 私は全く知らなかったが今中国では日本の文化財のブームなのだそうだ。しばらく前まで中国の金持は中国国内の不動産投資に躍起となっていたが、各地方政府があまりに多くのマンションを作った結果、さっぱり売れなくなってしまった。
当然価格は低下してひどい含み損を持つまでになって、投資先を変え始めた。
マンションじゃだめだ。地方政府が馬鹿みたいに作るから全く希少性がない。投資をするなら日本の美術品がいい。日本のお寺は貧乏だから金を出せばいくらでも売ってくれる

注)中国経済の高度成長が終わり、日本のバブル崩壊後の状態に似てきたことは何度も記載してきた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-0acb.html

 億単位の金額で中国人投資家からブローカーに発注があり、いい品なら青天井で購入するという。金持ちが美術品の収集をして転売をもくろむのはどこの世界でも同じだ。
だが文化庁が重要文化財を指定した趣旨は、日本の優良な美術品の海外への流出を防ぐことだから、手をこまねいて中国人の金持にさらわれるのはまずい。

 今回のNHKの調査結果を見て、文化庁が動き出した。まず所有者が実際に持っているか否かの悉皆調査を定期的に行うとともに、所有者が困窮して保有できなくなった場合は、国の買取制度寄託制度を利用して文化財を守るのだという。
最も買取制度には上限があり毎年25億円程度で、一方良質の仏像はオークションなどでは10億円を超すことが多いから文化財を守りきるというのは少し無理がある。

 美術品の移動を見るとどこの国民が今一番金持ちか分かるのだが、中国には途方もない金持ちがいて日本を含む美術品の収集に余念がないという。
文化庁が悉皆調査をすれば重要文化財のかなりの多くが実際は転売され、その多くが中国人収集家の手に渡っていることが明らかになりそうだ。

 もっとも世の中にはさらに上を行く国があって、韓国は日本に窃盗団を派遣して日本から美術品を盗み出し、それを裁判所が14世紀に日本から盗まれたものだと認定して、国家がぐるになって窃盗を働いている。それに比べればお金を払って美術品を購入しようというのだから中国人の方がはるかに紳士的と言える。

注)韓国の国家総ぐるみの窃盗の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/2531-8e12.html

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(25.11.1) 植民地支配はもう嫌だ!! ウィグル人の悲痛な叫び 天安門炎上

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(千葉 落花生の収穫の後)

 とうとう始まったという感じだ。中国は21世紀になっても植民地を持つまれな存在だが、その植民地とはウィグルチベットである(蒙古もそうした土地だ)。
もともとこの2国は実質的に独立国だったのだが、1949年国共内戦に勝利した共産党軍が、兵士の自給自足体制を賄うために植民地獲得に乗り出して支配した土地だ。
わが共産党政府は君たちの食料の面倒は見きれない。かってにチベットやウィグルに行って、そこで食料を調達しろ。後は君たちの勝手に任す!」

注)日本は戦国時代を制した豊臣秀吉が、不必要になった武士集団の生計維持のために朝鮮に攻めあがって、そこで暮らしをたてるようにしようとして大失敗をしている。

 あれから60年以上の歳月が経ったが、当初はあぶれた兵士の生活維持活動だったものが現在は中国の核心的利益になっている。
たまらないのはウィグルチベットで、この地域に漢族が入り込み少数民族の宗教や慣習を無視した政策をとり続けたためトラブルが絶えなかった。
今では漢族の人口の方がウィグル人やチベット人の人口を上回っている。

 ウィグルでは過去何回も暴動が発生したが、09年ウルムチでの暴動で192名が死亡し(ただし世界ウィグル会議の発表では3000人が殺害されたとなっている)、13年4月カシュガル21名の死者が出ており、そして13年6月には今回天安門に突っ込んで焼身自殺をした3名が住んでいたトルファン地区ピチャン県の暴動で35名の死亡者がでた。
実際はそのあとで中国の武装警察による残党狩りが行われており、何人拷問によって死亡したかは明らかになっていない。

注)一方チベットでは焼身自殺が続いており、すでに100名以上の死者が出ている。チベットの人は仏教徒で暴力を好まないため自分だけの焼身自殺という手段をとるが、ウィグルのイスラム教徒はそんな甘くない。

 中国政府発表によると死亡した3名夫婦とその母親で、金水橋に激突した後、車内にガソリンを撒き焼身自殺したという。今回の死者は5名で巻き添えになった2名は観光客だ。この3名の親類(どのような関係かは不明)が先のトルファンの暴動で武装警官に殺害されたことの復讐らしい。

 丁度天安門内部では共産党のトップ7名が会議を開いていて、今回の天安門広場のテロ行為には度肝を抜かれただろう。
公安の連中は一体何をやってたんだ。全世界にTwitterで天安門広場でテロが起きたことを知られてしまったではないか

 今回の事件は自動車で突っ込んだ後の自殺方式がガソリン自殺であるところを見ると、このテロ行為についてアルカイダとの関連はなさそうだ
もしアルカイダが関与していればシリアやイラクのように爆弾テロの形をとるはずだが、この3人は爆弾の調達ができなかったらしい。

 どこの国でも21世紀になってまで植民地をもっていることは難しい。世界の先進国は20世紀の間にこの問題を解決したが、中国は21世紀まで植民地を持ち続けたために今苦吟している。
現状のところウィグルの東トルキスタン・イスラム運動は世界的なテロ組織とのネットワークがないが、中国政府の弾圧は熾烈を極めているから自爆テロが発生するのも時間の問題となってきた。

注)中国が植民地帝国であることは前に詳細に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/25210-e9be.html

 中国にはどうしようもない4つの格差があり、東西格差沿岸の裕福な省と貧しい山奥の省)、城郷格差(豊かな都市と貧しい農村)、業種間格差独占的な国営企業と競争下にある民間企業)、貧富の格差特権階級の共産党員と一般市民)の間で緊張が高まっている。
そこに支配国民と被支配国民の5つ目の植民地格差が加われば、中国社会に火がついてしまう。

 中国では少しでもこの緊張関係を緩和しようとしてこの11月に開催される中央委員会の会議で、農民が土地の使用権を担保に融資を受けられる制度を創設しようとしている(城郷格差の緩和)。
しかしそんなことになると地方政府が農民の土地を自由に取り上げられなくなるので(担保権の抹消をしなければならない)、地方政府としては死活問題になっている。
絶対に駄目だ。土地は国の物で少しでも私有を許すようになると共産主義社会が崩壊する」反対の大合唱だ。
既得権益層を崩すのは中国でも日本でも並大抵のことではない。

 今回のウィグル人親子の焼身自殺で世界が中国の闇に瞠目し始めた。今までは武装警察の力で弾圧をしていたのだが、中国のこの植民地問題は中国の屋台骨を揺るがし始めたといってよい。

注)中国は日本の尖閣諸島の領有を目指す等、いまだに帝国主義時代の切り取り自由の思想のもとにある。こうしたアナクロニズムの国が存在していること自体歴史の悲劇だ。

 
別件)「おゆみ野四季の道新」に「おゆみ野四季の道」と「おゆみ野四季の道 その2」のカウンター約2万5千を加えました。

 

 

 

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