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(25.9.19) アメリカの時代の終わり 「債務上限問題」の桎梏

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(市原市 光徳寺の石仏)

  もういい加減にいてほしいというのが世界の偽らざる気持ちだが、アメリカの「債務上限問題」は今後ともアメリカの政治と経済を脅かし続けるだろう。
アメリカでは連邦政府の債務上限について上下両院での承認が必要で、アメリカ上院は民主党が、そして下院は共和党が抑えているため、いわゆるねじれ現象によって予算も債務上限額もオバマ大統領の意志のままに動かなくなってしまった

注)上記は政治の混乱だが、一方アメリカの中産階級が崩壊し、貧困階級が増大していることは前に記しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-bb1d.html

 日本でもつい最近まで衆参のねじれ現象で予算案は成立しても赤字国債発行法案が成立せず、政府は予算執行を遅らせたりしていたが、アメリカでは連邦職員数十万人が自宅待機になってしまった。
私はアメリカは大統領権限が強く(拒否権がある)、予算でも法律でも次々に通すことができるとばかり思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。

 このところ債務上限問題が常に政争の道具になるのは、債務上限そのものの問題ではなく、オバマ政権が推し進めているオバマケア医療保険改革)を共和党のティー・パーティーが阻止しようとしているからだ。
予算と債務の上限幅の変更を認めてほしければオバマケアを撤回しろ

 オバマ大統領としたら先進国中最悪と言われている医療保険制度を何とか日本のように皆保険制度にするのが悲願だが、一方ティー・パーティーを中心とする共和党保守派はこのオバマケアに大反対している。
俺たちの税金で貧乏人の医療費を賄うなんて絶対だめだ

)オバマ大統領の医療保険改革については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/22324-2b00.html

 実際はアメリカも日本もこうした費用は国債を発行して賄っており、必ずしも税金を投与しているわけではないが、国債は未来の費用だからティー・パーティーとしたらすぐに引っこまない。
いずれ増税になるのだから駄目だ」強硬に反対している。

注)ティー・パーティーに所属している議員は下院で50名、上院で数名だが、このグループがオバマケアに絶対反対集団。

 今回は妥協案として来年の2月7日まで債務を引き上げることに同意したが、この2月7日が次のデッドロックになってくる。
再び世界を巻き込んだ大騒動になるのかと思うと、「やれやれこれが世界の超大国のとる態度か、まるで日本なみだ」と思うが、今やアメリカも世界政治より国内政治だ。
私は個人的にはこのティー・パーティが主張する野放図な財政拡大に反対する態度には賛成なのだが、一方でこの資本主義と民主主義の組み合わせの社会は野放図な財政出動でかろうじて回っているという側面がある

 日本が典型的で一般会計予算の約半分は国債で賄っており、毎年1兆円規模で増大している社会保障関連費用を赤字国債を発行してはつじつまを合わせてきた。
アメリカも同じで増税は国民の総反発を食うので、致し方なく赤字国債を発行しており、国債依存度は35%前後だ(日本は50%前後)。

 国民が清く貧しく美しく生活することに同意すればこれほどまでの赤字国債の発行はしないで済むが、どこの国民も政府からの支援は最大で税金の支払いは最低にしようとする。選挙で国民の支持を得なければならない政治家はどうしても増税に消極的になり、結果として政府は借金だらけになる。
君たちにパンとサーカスを保障しよう。だから国債発行を無限に認めてほしい

注)古代ローマではローマ市民の生活保護費捻出のために、金貨の金の分量を下げ続けた。

 もはやどこの国もまともな手段では借金の返済ができない状況に追い込まれている。
残された手段はインフレーションでアベノミクスの年率2%のインフレなども、その手段の一つだ。
もっとも2%程度ではどうやっても追いつかないから、狙いは10%以上のハイパーインフレだがこれはこれで政権が持たないからおいそれと導入するわけにはいかない。

注)日本は戦時国債(太平洋戦争を行うための費用)を戦後のハイパーインフレーションで帳消しにした。

 この民主主義と資本主義のミックスは現在まで現れた政治・経済体制としてはもっとも生きながらえている体制だが、しかし完全というのからは程遠く、ポピュリズムに流れて国家や地方自治体の債務が無制限に増大してしまっている。
何かどうしようもないような状況で、「こんなシステム誰がした」と言いたいが、残念ながらこれに変わる有効な政治・経済体制を見つけることは不可能だろう。

なお、アメリカ経済に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43809971/index.html



 
 

 

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