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(25.10.16) NHKが報じだした中国中枢の権力闘争 習近平 VS 江沢民

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(ひたち海浜公園のコキア)

 海外のメディアではさかんに報じられ毎日新聞でも採りあげられていたが、ようやくNHKのワールド・ウェーブ・トゥナイトでも中国権力闘争の特集を組んでいた(10月11日)。
習近平政権が誕生してからほぼ一年が経ち、この政権が目指している方向が見えてきたという。
習近平氏胡錦濤氏と組んで既得権益集団の長老、江沢民氏の追い落としを図る死闘が行われていると報じた。
元々習近平氏は上海閥の江沢民氏に擁立されたので、私は江沢民氏の傀儡かと思っていたが、どうしてどうしてそんな玉でなかった。

注1)習近平と江沢民が闘争に入ったことは前に以下の記事で記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-0008.html

注2)なお私は中国中枢部での死闘についてなぜNHKが沈黙を守っていたのか不思議だった。私でさえすでに認識していたことをなぜNHKは報道しなかったのだろうか?

 現在の習近平政権は李克強首相との二人三脚だが、李克強氏共青団出身で前主席胡錦濤氏の懐刀だ。
中国では既得権益層を代表する江沢民氏と既得権益を国家管理にして国民の利益の拡大を図りたい共青団出身政治家との暗闘が繰り返されている。

注)共青団とは中国共産主義青年団のことで、中国共産党の政治教育学校。ここを出て共産党に入党し党の役職を登っていく。日本的な感度でいえば東大法学部出身者と言ったところ。

 元重慶市書記薄熙来氏が汚職容疑で裁判にかけられたのは、薄熙来氏が江沢民氏の庇護にあった政治家で、かつ大衆動員運動という手法で権力の奪取を目指したのを、当時の中国首脳だった共青団出身の胡錦濤主席と温家宝首相が叩き潰したものだ。
あいつは江沢民の家来だからいい機会だから叩き潰そう!!」

 現在行われている汚職追放運動はその第2弾で、ターゲットは石油閥のドンでこれも江沢民氏の子分である、周永康氏の追い落としにある。
中国では国有企業ごとに派閥があり、金融、エネルギー、鉄道等を誰が抑えているかによって、一種の国家内国家を形成している。
日本でも「省益あって国家なし」と言われているが中国では「派閥益あって国益なし」なのだ。

 特に石油企業は独占企業として品質の悪いガソリンをバカ高い価格で販売して膨大な利益を上げているが、そうした利益は派閥内部でストックされて国家の利益にはほとんどならない。独占利益はそっと国外に持ち出すか、江沢民氏のようなボスに対する献金として使用されるので、共青団の政治家は苦々しく思っていた。

 李克強首相が始めた汚職撲滅運動とはこの石油閥の解体で、たたけばいくらでも埃は出てくる。
現在この粛清の矢面に立っているのは国営石油会社の利権を牛耳ってきた石油派のボス蒋潔敏氏(周永康の子分。中国政治はやくざ組織と同じ親分子分の関係で成り立っているとその取り巻きで、すでに200人以上が逮捕拘束されている。
李克強首相としては治安警察の常套手段である拷問で蒋潔敏氏から周永康氏の汚職をあぶりだして一網打尽にしようとしているが、周永康氏はこの日のために江沢民氏に取り入っていたので、おいそれと逮捕されることはないだろう。

 共青団派の政治家は既得権益派の政治家のように自己利益の実現を目標にはしていないが、しかし実際に石油閥を切り崩した後は共青団派の人材を石油会社のボスとして送り込み、既得権益の横滑りになってしまう。
主観的にはともかく客観的には派閥間の権益の奪い合いになる。

 この辺がロシアのプーチン氏と異なるところで、プーチン氏はそれまでロシアの石油と天然ガスを一手に握っていた新興財閥を無理やり汚職容疑で捕まえて裁判にかけているが、ロシアは中国と異なって選挙が行われるから民衆を全く無視した政策はとれない。
一方中国では中国共産党の一党独裁だからはっきり言えば好き勝手だ。

注)プーチン氏の新興財閥の切り崩し手法については以下に詳しく記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-0d45.html


 習近平国家主席が当初の想定とは異なり共青団派に擦り寄り始めたので、既得権益層の焦りは相当なものだ。
「あの野郎、裏切りやがってただじゃおかねえぞ!!」
このままでは江沢民氏の院政は崩壊してしまい、胡錦濤氏の院政に変わってしまうので江沢民派は懸命な巻き返しを図るだろう。
後1か月後には中国共産党全体会議が開催されるので、その時江沢民氏の巻き返しがどうなるか大いに興味が惹かれる。

注)中国の政治・社会情勢については以下に記事をまとめてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html

 

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