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(25.10.15) NHK 激動中国 「さまよえる人民のこころ」 宗教の時代

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(北海道 根室市の明治公園のサイロ)

 NHKが放送している「激動中国」の二回目は「さまよえる人民のこころ」だった。
共産主義国家は基本的に心の問題を扱わない。「宗教は阿片だ」というのが共産主義諸国の国是で、崩壊したソビエトロシアではロシア正教が徹底的に弾圧されたし、中国では儒教キリスト教、そして法輪功のような新興宗教がこれも弾圧されてきた。

 しかし中国においては2007年胡錦濤国家主席当時)が、儒教を解禁し政府指導で大々的に普及活動を実施することにした。
なるほど儒教ね!!」と思ったのは儒教は宗教の中で最も宗教らしからぬ宗教で、一種の道徳律のようなものだからだ。
儒教の開祖孔子自らが「鬼神を信じぬ」と公言しているのだから、これは現世利益と妥協を図った道徳律と言えるだろう。

 私も高校生時代に漢文を習い、孔子の教えに接したが五輪の教えには面食らった。
五輪とは(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)関係を維持することを教える教義だが、第一に父子の関係が重視され、次に君臣の関係が続いているのだが、これでは皇帝と言えども父子関係に逆らえず、たとえば戦争中に父親が死亡すると子供は喪に服して戦線を離脱したりするので、戦争の遂行に支障をきたす。
さらに兵士がみんな喪に服すことを理由に戦線を離脱することも考えられる。

 最も実際的な中国人が孔子の教えをそのまま実行するはずはなく、適当にいいとこどりをして儒学を利用してきたのだが、現在中国政府が行っている官制の儒学復興運動もその一種だ。
現在の共産党が行っている儒学復興運動はそうでもしないと人民のこころの荒廃が進み、このままでは共産党支配が危うくなるほど危険な状況になってきたからといえる。

 改革開放以来富める人は徹底的に富んできたが、一方貧しいものは半永久的に貧困に落とされてしまった。
特に約3億人といわれる農村戸籍を持つ農民工は都市住民の農奴的存在で、スラムに住みひたすら最低賃金で働いても生活は一向に向上しない。
農民工の子供が貧困から抜け出す唯一の方法は著名大学を卒業し、国営企業に勤め、共産党員の資格を持つことだが、すべてがコネ社会リベートがいるということ)の中国では貧しい農民工にそうした機会を与えない。
都市の裕福で十分にコネを持っている層の子弟だけが、再び中国のエリートとして再生産される。

注)中国経済が行き詰りに陥っていることは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-1cbe.html

俺たちはどうしたらいいんだ!!!!」中国全土で怨嗟の声が渦巻いている。
中国共産党がこうした声を抑える方式で採用したのが公式には儒教教育であり、非公式にはキリスト教の解禁である。
前者はいたるところに孔子廟が建設され、地方政府主体の行事が行われ、学校では儒教教育がされて道徳が教え込まれている。
父母を敬愛しなさい、年長者を敬いそして間違っても共産党幹部を指弾してはいけません
後者は一部の公認された教会以外に非公認の家庭教会というものがあり、今爆発的に普及しているのがこの家庭教会だという。
推定信者数は約1億人というから半端な数ではない。

 中国では宗教が公認と非公認に分かられるのは、共産党が宗教を管理しようとしているからだ。公認教会では信者の名簿の提出が求められる等、何かと共産党による横やりが入る。
家庭教会はこうした共産党の横やりを嫌って自由に活動を行っている教会だが、政府も黙認せざる得ないようだ。
特に政府にたてつかなければ良しとしよう

 何か古代ローマのキリスト教解禁のような様相になっていた。当時と言っても4世紀の初めだがコンスタンチヌス皇帝がキリスト教を公認したが、私はなぜローマのような物質文明に優れ、当時の世界各地にローマ式都市を建設し、軍事力では蛮族を圧倒していたローマがキリスト教という宗教を公認したのか理由が分からなかった。
GDPは毎年のように向上し生活が豊かになっているのに宗教なんか不要だろう」そう思っていたからだ。
だが現在の中国を見ると、なぜローマがキリスト教を解禁せざる得なかったかがよく理解できる。

 古代ローマも今の中国と同じで、裕福なのは都市市民だけで奴隷は当然としても市民になれない貧しい多くの下層階級が存在していた。中国の農民工と同じだと言えばイメージがわくだろう。
こうしたどうしてもローマ市民になれない下層階級を中心にキリスト教が浸透していったのだが、今の中国もこれと同じ状況だ。
俺たちは永遠に貧しいままだ。ローマも中国もくそくらえ

 裕福な人には更なる富を与え、貧しい人には宗教を与えなければ社会が安定しない。
共産党中国の苦渋の決断だといえる。
君たちには富を与えられないが心の自由は保障してあげよう
これで中国は「さまよえる人民のこころ」を救えるだろうか。それとも古代ローマがそうであったように残るのはキリスト教会だけになるのだろうか。

なお「激動中国」その1「空前の農民大移動」は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html



 

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コメント

勉強になるお話、ありがとうございます。
この写真は北海道根室市市内の明治公園のサイロです。
ここは寒さに強い外来種(グリーングラスと思われます)ですが芝生がとても美しい所です。

(山崎)教えてくださってありがとうございます。思い出しました。

投稿: | 2013年10月18日 (金) 08時31分

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