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(25.10.5) JR北海道についてのクローズアップ現代の指摘は正しいか?

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(おゆみ野四季の道)

 NHKのクローズアップ現代で放送されたJR北海道の「失われた安全」という番組は、その限りでは正しいのだが、しかし本質的な問題を指摘してないなと思った。

 JR北海道の輸送障害件数が他のJR各社に比べて2〜3倍と際立って多い。
JR北海道では2年前にトンネルでの列車火災事故を受け、国交省から業務改善命令を受けていたがその後も事故は続き、特に今年の4月以降、4回も特急列車の火災事故が発生している。
何とも異常な増加でNHKのレポーターはJR北海道に旧型の車両が多く、特に列車の配電盤からの火災は旧国鉄時代のおんぼろ車両だったと指摘していた。

注)なおこの列車火災事故の責任を感じて当時の社長の中島尚俊氏が自殺している。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23921.html

 JR各社が民営化されたのは今から26年前だが、このとき各社ごとの経営基盤を調整するために経営安定化基金が創設されている。
これは特に経営基盤が弱かったJR北海道6800億円)、JR九州3900億円)、JR四国2100億円)への支援金で、この基金の運用益を収入として計上することが許された。

 JR北海道は特に多額の基金を配分されたが当初からもっとも経営基盤が弱いと想定されていたからで、この運用益はピーク時は500億円規模に達していた。
JR北海道はこの支援金を元に特急の高速化を図り都市間バスとの競争に打ち勝とうとした。
しかし21世紀に入り日本経済がデフレモードになると運用益が急減し250億円規模まで縮小して目算が狂ってしまったという。

 当初想定の半分では十分な設備投資ができない。仕方なしに古い車両を更新せずに使用し続けたり、線路の補修費用を圧縮したりして何とか経営を維持してきたが、とうとうここにきて弥縫策が限界に来てしまった。
特急電車が次々に火を噴き始め、貨物列車が脱線をし始めたからだ。
また本来補修が必要な個所は260か所だが保線員は保線をほっぽり出していたことも分かった。
さらに問題を悪化させているのは運転手のモラル低下で、覚せい剤を使用したり、列車の安全装置のATSをハンマーで打ち壊す事件まで起きている。

注)列車や線路は耐用年数を過ぎるころから急激にトラブルが発生する。JR北海道の事故はこの耐用年数限界問題だ。

 クローズアップ現代ではこうした事象をとらえて本部と現場の意思疎通が十分に図られていないのが問題だと指摘していたが、本当は意思疎通と言ったような生易しい問題ではない。
根本のところでどうしようもない経営問題がJR北海道にはあるからだ。

 私は北海道ファンで夏場になると北海道旅行をしたが、なにげなくローカル列車に乗ったりするとトンでもないことが起こる。とても気に入った場所があって駅を降りたりしたら次の列車が来るまで5時間程度は待たなければならない。
歩いて隣町に行った方が早いぐらいで徒歩より遅い列車では誰も乗る気にはならない

 実際北海道は札幌周辺のような大都市を除くと完全な自動車社会で、土地の住民はほとんどJRを使用しない。JRの利用者は暇な旅行者か朝晩の通学に利用する学生くらいだ。
それでも特急にはそこそこ人が乗車しているが、ローカル列車に乗る人はほとんどいないので駅は無人駅になり列車の本数は朝晩だけになっている場所が多い
しかも朽ちた駅舎がいたるところに存在する。

 今回の函館線の貨物脱線事故について、私はかなり同情している。副線から本線に入る場所で脱線したのだが、原因はその副線の補修が1年余りにわたって放置されていたからだという。
だがこの副線を利用する貨物列車は日に1本だそうだ。
たとえ1本でも補修するのがポッポやの精神だが、一方で合理化の嵐に追い込まれている保線担当者がほとんど使用されない副線の補修をする気にならないのも分かる。

 
 NHKレポーターがJR各社の職員の意識調査の結果を報告していたが、JR北海道では「自分が行動を起こせば会社が変わる」という項目と「会社の変革を実感している」という項目の評価が際立って低かった。
職員は上から言われたことを最低限こなせばいいという冷めた気持ちで勤務していることが分かる。

 それは当然でもし積極的な提案を行おうとすれば不要な路線からの撤退と職員の馘首しかないのだから、なまじ何かを言えば自分の職場がなくなってしまう。
本社もそうした機微を心得ていてできるだけ変革をせずに今ある資源で細々と経営を維持しようとしている。
後は国の支援をまとうという気持ちだから誰も変革など取り組むはずがない
これは旧国鉄の親方日の丸精神と全く同じだが、JR東日本やJR東海やJR西日本が新幹線や都市部の路線を持って日本有数の優良会社になったのと好対照だ。

 かつて国鉄は日本全国にくまなく路線を引き採算は全国でプールして不採算部門を支え続けた。今そのJRは分割され好決算会社と赤字会社が明確に分かれてしまった。
北海道は今も昔も赤字路線で、政府からの支援金があっても200億から300億の赤字が毎年出てしまう。
はっきり言えば旧国鉄を黒字部門と赤字部門に分け、赤字部門は支援金を与えながら長期的には都市部の路線を除き消滅させようとしたのだ

 そこに勤めている職員がどんな気持ちになるか分かる。役員も職員も何か首を洗って待っているのと同じだから、モラルが向上するはずはないし役員も投げやりになる。
保線情報などまともに見させられたら責任問題になるので本部はそうした情報を見ようとしない。

 私が今回のクローズアップ現代に不満だったのはそうした社会的使命を追えてしまった企業がなお生き続けている現状についてのレポートがなかったからだ。
簡単に言ってしまえば会社を消滅せざる得ないのだが、一方で北海道にはまともな職場が少ないから合理化などしたら北海道経済に甚大な影響が発生する。
だからそうした企業をなお支えていくのはなぜかの提言があってしかるべきで、本質的な部分を避けたクローズアップ現代の番組に不満を感じたのだ。

なお、JR北海道の経営問題については最近以下の記事を書いてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/jr-7011.html


(別件) ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ

いよいよ明日になりました

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
(おゆみ野のさくら公園でないので注意してください)

・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

http://goo.gl/maps/B3T89

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 *人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)。

 

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