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2013年10月

(25.10.31) 安倍外交の見事な成果 「飛んでイスタンブール」 トルコとの親善外交

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(トルコ パムッカレの石灰棚)

 安倍首相の外交にはほとほと感心してしまった。しばらく前までは韓国の李明博前大統領が実に積極的な首脳外交を展開し、一方日本の首相は国会対策で明け暮れしているのを見て「なんで日本には首相らしい首相が現れないのだ」と落胆していたが、昨今の安倍外交を見ると思わす叫びたくなる。
イよー、大統領!!!、いや、首相!!」

 10月29日、この日はトルコの建国記念日なのだが悲願だったボスポラス海峡の下に海底トンネルが開通し地下鉄が運航することになった。
トルコが海底トンネルを建設しようと決心したのは今から150年前オスマントルコの時代からだから、トルコ国民にとってこんなうれしいプレゼントはないだろう。
 
  この式典に安倍首相エルドアン首相から正式に招待されたのだが、それには理由がある。
この海底トンネルの建設費用は約3000億円なのだが、そのうちの1500億円を円借款で調達し、さらに海底トンネルの工事を大成建設が請け負った。
日本の技術は関門トンネル青函トンネルで実証済みだが、トルコ国民の熱い日本に対する信頼が後押ししているようだ。
今回の開通に伴いNHKにインタビューを受けたトルコ女性は「日本のすることは何でも気に入っているの」と答えていたが、日本は世界で最も信頼されている国家の一つであることを再確認させてくれた。

 トルコは世界でもまれに見るほど親日的な国だが、それには二つの歴史的事実が存在する。
1890年というから今から120年以上も前だが、トルコの軍艦エルトゥールル号が日本に親善訪問をした帰り、現在の和歌山県串本町の沖合で台風に遭遇し沈没、600人余りの乗組員が死亡した。しかし奇跡的に69名の乗組員が助かったのだが、これには串本の住民が命を懸けてトルコ海軍の乗組員を助けたからだ。
そしてトルコはそのことを忘れず小学校の教科書に日本人がいかに懸命にトルコ人の命を救ったかが記載されている。
こうした記事を読めば小学校のトルコの児童が日本をどう思うか明確だ。
そしてそうした記事を教科書に記載し続けるトルコ政府の気持ちも分かろうというものだ。

注)それに比較して隣の韓国ではありもしない従軍慰安婦問題を教科書に記載し、日本を貶める教育に躍起となっている。その教育の成果がパク・クネ大統領で、でっち上げの歴史で日本を非難し続けている。

 もう一つの理由は、日本がけなげにも日露戦争でロシアを打ち破ったことに起因する。
16世紀以来トルコとロシアは角突き合わす仲で都合10回以上も戦争を行ってきたが、19世紀に入り形勢は明らかにトルコの不利になり、黒海周辺の旧オスマントルコ領は次々にロシアに蚕食されていった。
もうだめだ、ロシアにはかなわない。トルコに将来はない」と思ったときに東洋の小国の日本がロシアを打ち破ったので狂喜した。
トルコも日本を見習って国を作り直せば再建できる」建国の父、ケマルパシャはそう決心した。

注)1923年第一次世界大戦で疲弊したオスマントルコで革命を起こし現在のトルコ共和国を樹立したがそのモデルは日本だった。

 そして今安倍首相は今年に入って2回目のトルコへの訪問を果たした。
エルドアン首相はこの海底トンネルが日本の支援で建設された恩義を忘れず安倍首相を記念式典に招待したのだが、トルコ人は誇り高く、そして信義に厚い国民だ。
一年間に二回も訪問するとは「飛んでイスタンブール」と言ったところだが、安倍首相にとって本格的な経済首脳外交の始まりを、この信義に厚い国に定めた。

注)「飛んでイスタンブール」とは1978年に庄野真代さんが歌ってヒットした歌。知らない人は以下のURLをクリックしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=YEDnxW1h46k

 今回の訪問で、三菱重工業が原発の発注をほぼ手にしたほか、東芝の火力発電所建設、IHIと伊藤忠商事の架橋建設、トヨタのカローラ生産工場の稼働、ブリジストンのタイヤ工場等、インフラを主体に対トルコ投資が一斉に動き出した。

 しばらく前まで円高の影響もあり、韓国と中国の企業に押されっぱなしだったが、ここにきて反転攻撃のきっかけがつかめた。
親日的なトルコの経済発展は同時に日本の安全保障にとって最も重要な礎で、ともにスクラムを組んで世知辛い世界を生き抜いていくことができる。

 日本の政治・経済戦略は日本を敵視している中国と韓国の経済を弱体化させ、一方親日的なトルコ、ロシア、インド、インドネシア、台湾等の経済発展を支援することにある。安倍首相の戦略は明確にその方向に舵を切った。
安倍首相はなかなかの役者だ。
おぬしも、ようやるのう!!」

なおトルコ経済については以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47029560/index.html

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(25.10.30) NHK 病の起源 第4集 心臓病 高性能ポンプの落とし穴 その2

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(千葉市 昭和の森公園 ここで国際的なクロスカントリーの大会が開催される)

 この記事は昨日記載した「その1」の続きです。

 http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-9241.html

  私はまったく知らなかったが、心筋梗塞は人類特有の病気だと言う。
そんなことはないだろう。チンパンジーだって心筋梗塞はありそうだ」と思ったがそうではないと言う。
心筋梗塞の原因は冠動脈コレステロールがたまるためだが、ただコレステロール値が高いだけではコレステロールはたまらないのだという。
血管を痛めるGcという物質が存在し、このGcが血管に付着しこれに対する免疫反応で血管が痛み,そこからコレステロールが血管の壁に厚くたまるのだそうだ。

注)人間よりゴリラはコレステロール値が1.5倍も高いのだが、心筋梗塞にならない。

 Gcなんて言われても何のことかさっぱりだったが、人類が脳を3倍以上に増やす過程で邪魔になった物質なのだそうだ。
これがあると脳の神経細胞の成長を妨げるので、哺乳類に一般的に備わっているGcを人類は脳を大きくするために今から270万年前に捨ててしまったのだという。

 一方動物にはこのGcが体内にいくらでもあって共存しており、Gc が体内に入っても免疫反応は起こらない。だからライオンがシマウマをいくら捕食しても心筋梗塞にはならないのだが、人類は動物の肉を食べれば食べるほどGcを体内に蓄えるため、血管のあちこちで免疫反応が起き血管に炎症が生ずるのだという。

注)ではなぜGcが哺乳類に一般的に存在し何のために役立っているのかの説明はなかった。

 人類の文明史は高々1万年だから270万年前の進化のことなど言われても困るのだが、を発達させる戦略をとったことで神経細胞の発達に邪魔になったGcを捨て去ったことが、人類に心筋梗塞が多発する原因なのだそうだ。
そして一万年前から農業・牧畜革命が始まり、ここに飽食の時代が出現したことが心筋梗塞が現代の病になった理由だという。

注)270万年前から1万年前までは常に飢餓状態だったから、Gcが無くても当然心筋梗塞はなかったことになる。

 「問題は飽食なのか!!」と思ったが、単純に飽食を否定するのもまた危険だと、この番組は親切にも妊婦に限っては十分な栄養が必要だと注意をしていた。
これはオランダで起こった歴史的事実に基づいた知見で、第二次世界大戦のさなかオランダはナチス・ドイツによって食糧封鎖をされたのでひどい飢餓状態に置かれた。
平均して一日400~800カロリーと言われ必要量の半分以下だが、この時オランダで生まれた子供に圧倒的に心臓病が多くなったのだという。

 実は心臓の筋肉細胞は胎児期にしか細胞分裂を行わず、生まれてからは胎児の時に分裂した細胞だけで一生を過ごすのだそうだ。
ところが栄養が少ないとこの心臓の筋肉細胞が死に絶えてしまい、薄い筋肉の心臓になるため心臓病を多発させるのだという。

 そして妊婦が飢餓状態になるとなぜ心臓の細胞に栄養分が行かないかというと、これもまた人類の宿命で栄養不良状態で最も優先的に栄養補給を受けるのが脳だからだという。
人類は常に脳を守るために心臓に負担をかけてきており、心臓は脳の奴隷のような存在で私はひどく心臓に同情してしまった。
そうかい、君はけなげに一生働いてももっぱら脚光を浴びるのは脳で君は下住みかい

 なお心臓病にならないための秘訣は足を常時使うことで、歩くと足の筋肉が下肢の静脈を締め付けるのでちょうど井戸から水をくみ上げるように血液を心臓に送ってくれるという。
よく足の筋肉は第二の心臓と言われているのがそれで、日常的に歩いたり走ったりしている人が心臓病になりにくいのはそのためだ。

 また最新医療で低出力体外衝撃波治療なるものが開発され、たとえば血管がつまりその先の心臓細胞が壊死した部分にこの衝撃波を充てると一種のマッサージ効果で血管が再生されて心臓の働きが回復するようになっていた。

 人類の宿命のこの心臓病も普段から歩いたり走ったりしていればほとんど問題なく、また最後の手段として衝撃波による療法も開発されているので、将来はそれほど恐れる病気でなくなるのかもしれない。

なお「病の起源」シリーズは以下にまとまって入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhknhk_1/index.html

 

 

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(25.10.29) NHK 病の起源 第4集 心臓病 高性能ポンプの落とし穴 その1

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病の起源の最終回、第4集は「心臓病」だった。内容が濃いのでこれもまた二回に分けて記載したい。
心臓病は古代エジプト文明の昔からあった病気だそうで、番組では3500年前の王女のミイラが心臓病に悩まされていたと研究者が説明していた。
実は心臓病こそは人類最大の死因原因のトップとなる病気で、毎年700万人の死者が出ているという。
病の起源の真打登場と言ったところだ。

注)なお「種の起源」の第1集、2集、3集は以下参照。
1集(がん)
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-6717.html
2集(脳卒中)http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-3a0b.html
3集(うつ病)http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-30e0.html

 なぜ心臓病が人類に多発するかの基本的な原因は約700万年前に人類が2足歩行をし始めたことにある
2足歩行は人類に手を自由に使わせるという絶対的なメリットを与えたが、一方人は立つと血液の3分の2が下半身に集まってしまうため、脳に向かう血流が減少するというデメリットもあった。
脳はほんの少しでも血流が少なくなると貧血で倒れてしまうため、心臓は4足歩行の時よりも熱心に血液を脳に送り出さなければならない。

 映像ではドラム缶が40本並べられ、これだけの血液を心臓は一日で送り出し拍動数は10万回だと聞いて驚いてしまった。
心臓君、君はそんなに頑張っているのか」という気持ちと、「それだけ頑張ればガタがくるのは已むおえないな」という相半ばする気持ちだ。

 さらに立ったことで心臓に負担をかけた要因交感神経が緊張するからだという。
交感神経は全身の筋肉をコントロールする神経で、下半身に血がたまらないように下半身の血管を収縮させ血液が心臓に向かって回帰させるのを助けている。

 しかし人間年をとるに従い収縮状態が長時間続いたことで血管は狭いままで固定され、そのため心臓はより強力に血液を送り出さなければならなくなる。
二足歩行で脳に血流が少なくなり、さらに下半身の血管が細くなれば、4足歩行の動物に比べて圧倒的に心臓の負荷が高くなったというのが、人類に課せられた定めなのだそうだ。

 今回の番組ではとても興味がある映像が多かったのだが、その中でとても面白かったのは哺乳類は進化の過程で心臓の筋肉を強化したという指摘だ。
爬虫類の心臓と哺乳類の心臓を比較すると全く異なる構造をしており、爬虫類の心臓の筋肉はスポンジ状になっているが、哺乳類の心臓は筋肉の塊そのもののようだった。
このため哺乳類は特別な血管、冠動脈(心臓の外側から血液を運ぶ構造)で筋肉に血液を運ぶようになり、一方爬虫類はそうした血管は必要なく心臓内部から血液がしみこむ構造になっていた。

 哺乳類はこうした構造で心臓の筋肉を強化して素早い運動ができるようになり、爬虫類の攻撃から身を守ることができたのだという。映画ジュラフィック・パークなどを見ると恐竜が実に敏捷に人間に襲い掛かっているが、どうやら素早い動きはほんの一瞬で、最初の攻撃さえ避ければ恐竜は息が上がって追いつけなくなるらしい(だから映画の映像はかなり誇張がある)。
確かにワニなんかを見ても食料をとらえる瞬間だけ早くて、あとはのっそりしているからワニの捕獲は手で尻尾を持って口をワイヤーロープで塞げば簡単に捕獲できていたし、我が家の陸ガメなんかは食物を食べるときでも恐ろしくのろい。

 哺乳類は心臓を強化することで体の動きが圧倒的に敏捷になりかつ持久力もついたのだが、心筋を強化したため冠動脈が発達しそれが詰まるという厄介な病(心筋梗塞)になる種が宿されたのだという。

(心筋梗塞の人類特有のメカニズムは明日記載する)

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(25.10.28) スノーデン爆弾の第五弾 メルケル君、君の電話は筒抜けだ!!

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  スノーデン容疑者の暴露爆弾の第五弾はドイツのメルケル首相の携帯電話の盗聴だった。
第一弾はアメリカ市民への盗聴、第二弾が世界市民への盗聴、第3弾がアメリカ在住の大使館への盗聴で、第4弾がオバマ政権のサイバー戦争戦略の全貌を明らかにした文書の公開だった。

注)第1弾・第2弾の明細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-cad6.html
第3弾は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-a332.html
第4弾は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-03a6.html

 こう次々にアメリカ政府のインテリジェンススパイ活動)の全容が明らかになってしまうと、オバマ政権としては立つ瀬がない。
スノーデン容疑者はイギリスのガーディアン紙に情報を提供したのだが、それだけでは不安と思ったのだろう、ドイツの週刊誌シュピーゲル紙にも情報をリークしていた。
シュピーゲルが今まで情報公開をしなかったのは、ガーディアン紙よりは慎重だったからだろう。

注)ガーディアン紙はイギリスの左翼系新聞で発行部数20万部。一方シュピーゲルはドイツの進歩的週刊誌で発行部数110万部。

 シュピーゲル紙によるとNSA(国家安全保障局)が盗聴した携帯電話のリストにメルケル首相の携帯電話があり、この盗聴は2002年から行われていたという。
NSAの主要な任務はテロの防止のための盗聴だが、これではメルケル首相(2002年当時は野党党首)はテロ容疑者として盗聴されていたことになり、メルケル首相としては立場がない。
ねえ,オバマさん、私をテロリストに入れているの!!」と言いたくなるだろう。

 実際はNSAはテロ防止の目的をはるかに超えて各国首脳の通信を傍受し、政治・経済交渉を優位に進めようと画策している。
アメリカとドイツは同盟国だが、こと貿易や金融となると角突き合わす中だから、メルケル首相の政策をいち早く知ることが貿易や金融の交渉で有利になり、アメリカ政府としても盗聴を容認していた。

 日本人として気になるのは「では日本の首相の携帯電話はどうだったのか?」ということだが、菅官房長官が先日の記者会見で「日本の首相が盗聴されたという事実はない」と述べていた。
しかしこれを素直に信じることは難しい。現在情報がリークされている先がガーディアンシュピーゲルで日本のメディアでないから確認するすべがないというのが実態で、そのうちに日本の首相もNSAの盗聴の対象になっていたことが明らかになるだろう。

 何しろ民主党が政権をとっていた2009年8月から2012年12月までは日本に親中国政権ができていたのだから、アメリカとしては枕を高くしては眠れなかったはずだ。
この間の歴代の首相の電話は盗聴されていたと考えるべきだろう。

注)自民党政権の場合は親米政権で安全保障上の問題はないが、ドイツと同じ経済・金融上の桎梏があるので、やはり盗聴対象になっていただろう。

 NSAの盗聴に対し、ドイツ、フランス、ブラジルと言った諸国が公式にクレームをつけているが、実際はドイツではBND(ドイツ連邦情報局)が要人の盗聴を行っており、フランスも同様だ。
違いは大規模な盗聴組織はアメリカと中国だけが持っており、これを両横綱とするとあとは前頭レベルだからインテリジェンスのレベル差が大きすぎるというところだろう。

 日本についていえば全くインテリジェンスはお粗末で相撲でいえば幕下レベルで、NSAがあきれ返って2011年ごろ日本に中国の国際回線の防諜設備の設置を依頼してきた。
日本は意外にも情報のハイウェイで中国や東南アジアのインターネット回線の中継基地だからだ。
あんたの所には情報が山のようにあるのにそれを利用する技術がない、われわれが代わって実施しましょう」ということだ。

 この時は日本はNSAの申し出を人員不足を理由に断ったことになっているが、これもかなり怪しい。中継サーバースパイサーバーを接続させて、「特定の電話番号」や「爆破」「テロ」と言った言葉が記載されているか話されているメールや電話をスパイサーバーに落とすだけだから、盗聴装置の設置さえできれば後はいたって簡単なのだ
問題は通信会社にこのスパイサーバーをひそかに了承させることが難しいのだが、こうした案件は通信会社の建前として受け入れられないことになっていても、裏の世界はどうなのか分からない。
政府のいうことを聞かなければ免許を取り消すぞ」ぐらいの脅しはしているだろう。

 ところで今回のメルケル首相の携帯電話の盗聴暴露で、スノーデン容疑者が持ち込んだNSAのスパイ活動の全容は終わりなのだろうか。
どう考えても資料の全容が解明されたわけでなく、私の予想はまだまだこれでもかというように暴露が続き、結果的にアメリカの盗聴組織の解体まで進みそうだと思っている。

注)かつてケネディ大統領はCIAが勝手にキューバ奪還作戦を遂行したことを憤って、CIAを解体するといっていたが、オバマ大統領もNSAを解体する(再編する)ところまで追い込まれるだろう。

 

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(25.10.27) 中国の悲惨な水事情 英エコノミストの指摘 中国経済のアキレス腱は水

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 中国人がなぜこれほどまでに水にこだわるのかは、日本人の想像を絶している。
日本の山林を中国人が買い占め、特に安価な北海道の山林が水資源確保のために買い占められているが、日本人にとっては分からないことばかりだ。
水なんてどこにでもあるのに、なぜそんなに水の確保が大事なのだろうか?」

注)中国人による北海道の山林の買い占めについては以下にまとめてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a79c.html

 しかし中国人にとってはほとんど死活問題で、中国はもともと水資源の少ない乾いた大陸で、特に北京が存在する北部は砂漠の中の都市と言ったほうが適切なくらい水資源に乏しい。

 こうした事実を英エコノミストがレポートしていた。従来中国の経済記事はもっぱらGDPや輸出輸入量と言った数値の羅列がほとんどで量だけの分析だったが、最近イギリスの経済紙は中国経済の質の面に切り込むようになっている。
経済分析も量と質の面が合わさって初めて分析になるので、イギリス経済紙の分析レベルは中国の実態を正しく把握できるレベルに達してきた。

注)これに比較してアメリカの経済紙が中国経済の分析にあまり役に立たないのは相変わらず量の分析が主体だから。

 それによると北部の黄河流域は黄河そのものが干からびてきたことと、流域に4000もの石油製品化学工場が乱立して汚染水を垂れ流したため、その3分の1は農業用水に使用不可と中国の黄河水利委員会が発表するまでになっているという。

 中国の水質汚染はすさまじく中国国土部は「河北平原の地下水の半分以上が工業用水に使用できず、7割は人体の接触に適さない」と発表するまでになっている。
また黄河にはやたらと死体が浮かんでいて黄河流域の蘭州近辺では12年後半だけで300の死体が流れ着いた。
ほとんどが自殺者とみられているが、さすがに死体の浮いている水を飲むのには中国人でも躊躇する。

 中国で水資源が不足してる最大の理由の一つに水の再利用が進んでいないことがあげられる。工場用水の再利用率は40%で、これはヨーロッパの平均の約半分だという。
また家庭用水も垂れ流しで、水インフラ、特に下水道、水道管、下水処理所の整備が遅れている。

 本来なら中国政府としては工場用水の再利用を勧めたり、水インフラの整備を進めるのがもっとも妥当な戦略になるのだが、実際は「南水北調」といって揚子江流域の水を黄河に引き入れる計画が先行している。
中国は高度成長期の日本と同じで、大規模なインフラ整備が国家の困難を解決する唯一の手段と考えているらしい。

注)南水北調については前に記事を記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/2368.html

 現在3本の運河が建設されており、海に近い方から東線、中央線、南線となずけられているが、東線はこの年末、中央線は14年10月に完成することになっている。
しかし問題はせっかく完成して揚子江から水を引っ張ってきてもこの水の汚染がはなはだしく、建設費の3分の1を水の浄化施設建設にあてねばならなくなっていることだ。
なんということだ、汚染水をいくら引っ張ってきてもこれでは中国人民の飲み水にならない!」
中国では何よりも水資源確保が第一級の課題だがあるのは汚染水ばかりだ。

 英エコノミストの指摘を読めば、中国人がなぜこれほどまでに水にこだわり、北海道の山林を買い捲っているか理由が理解できるだろう。中国の最大のアキレス腱は水だからだ。
かつてと言っても幕末のことだが、長州藩から高杉晋作ら数名が中国視察上海)に出かけている。
そこで高杉達が見た光景は中国人が人糞を道路に捨て去り、その容器を川で洗い、さらにその水を飲料水にしていた光景だ。
高杉は中国を「臭気に満ち、汚物にあふれ、水すらまともに飲めない国」と称したが、あれからおよそ160年が経過しても、現実の中国はその当時とさして変わりがなく相変わらずまともに水が飲めない国のままなのだ。

 太平洋戦争では日本は石油を求めて南方(インドネシア等)に進出したが、今中国は水をもとめて日本の山林を買い占め、国際河川のメコン川プラマプトラ川をせき止め、ダムの建設を行っては国際問題をひきおこしている。
信じられないかもしれないが日本の戦略物質は優良な水資源なのだ。このことに中国人は気が付いているが、残念ながら多くの日本人はそのことに気づいていない。

注)中国でお茶が発達した理由も生水を飲むとたちどころに病気になるためで、煮沸消毒をし、それでも濁っている水を見えなくするためにお茶の葉を入れたというのが実際だ。

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(25.10.26) リビアの内乱 独裁政権と無法政権 どっちがいいんだ!!

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(千葉県のほぼ中央にある長柄ダム)

 私が独裁政権民主主義のために倒すというのにいつも疑問を持つのは、独裁政権を倒したからといって民主主義政権が樹立することはないからだ。
2年前、アラブの春の最中にリビアに40年間君臨したカダフィ政権が崩壊し、民主主義国家ができることになっていたが、実際は部族闘争に突入しその中で指導権を持ったのはアルカイダ系組織になってしまった。
カダフィ大佐の予言私を倒せばリビアには混乱と無秩序だけになる」は現実のものとなっている。

 リビアは今ひどい混乱のさなかにあり、本来は首都トリポリがある国民評議会が国を代表していたはずが、実際は石油利権を持つ東のベンガジを中心とする勢力と、西の国民評議会を中心とする勢力に分かれてしまった
この東西対立の上に主要な都市で民兵組織が樹立され、さらに中央と地方の対立があるため中央政府の威信などどっかに吹っ飛んでしまった。
カダフィ政権の崩壊により、カダフィ大佐が隠していた武器弾薬を民兵組織が強奪して武装したからだ。

注)カダフィ政権が崩壊まじかの時点で私が記載した記事があります。一部はあたり一部は外れている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/2384-a4bd.html

 フランスイギリスを中心とするNATOが住民保護と民主主義政権樹立を目的にリビアの内戦に干渉し、実質的にカダフィ政権を打ち破ったのだが、その後はなすすべをなくしてしまった。
昨年9月にはベンガジにあったアメリカ領事館がアルカイダ系組織に襲撃され大使を含む4人が殺害されたし、今月に入ってゼイダン首相が武装組織に拘束されるなど、全く治安が安定しない。
アフガニスタンと同じだといったらイメージがわくだろう。

注)なぜリビアに対する軍事介入にフランスとイギリスが積極的だったかの理由はリビアの石油利権はほとんどがヨーロッパ諸国が抑えていたから。一方アメリカが消極的だったのは石油利権がなかったから。

 アラブの春はその後混乱のただなかにあり、エジプトは軍が乗り出すことでかろうじて安定を取り戻しつつあるが、これは独裁政治への復帰と同じだ。
チュニジアはリビアと同じく内戦状態でアルカイダ系武装組織が力を持っており民主政権から程遠い。

 アメリカやイギリスやフランスという諸国は民主主義の名のもとに軍事介入を繰り返してきたが、さすがに反省期に入ったようだ。
はたして独裁政治を打倒してアルカイダに棟梁跋扈させるのが民主主義なのだろうか?」
もはや直接の脅威や利権が脅かされる場合を除いて、アメリカもイギリスもフランスも世界の警察官を演じるのがすっかりいやになってきた。

 その最適な例がシリアのアサド政権に対する態度で、民主主義が大好きなアメリカもイギリスもフランスも、ただ傍観しているだけだ。会議は開くが軍事介入はジェスチャーだけだということがオバマ政権のドタバタ劇で明らかになった。
まあ、好きにやってくれ。俺たちはもう知らん

注)アメリカのドタバタ劇は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-fdc3.html

 実際どのような対応がいいのだろうか。
独裁政権アルカイダ系テロ組織が戦っているときに、もっとも適切な対応は両者の共倒れを狙うことで、どちらか一方の勝利は望ましくない。くたくたになるまで戦わせるのがコツでこれはやくざの組織をつぶす場合の大人の知恵だ。
周りの国家はシリア内戦から逃れてきた難民の保護をすればいいので、戦うことがジハードになっている戦士を止めても無駄だ
リビアやチュニジアやシリアの内戦を見て、世界も少しは大人になっただろう。
戦争好きの人間は自然淘汰させるのが一番のようだ!!」と。

注)黒澤明監督、三船敏郎主演の「用心棒」と言う映画を見るとこのあたりの機微がよく分かる。

 

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(25.10.25) ためしてガッテン 脳が若返る究極のワザ 魔法の呪文 

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(千葉 養老渓谷)

 記憶などと言われるとまずもってだめで、特に人の名前と場所の名前は鬼門だ。
初対面で「私は○○でございます」などと言われ、「そうですか○○さんですか」と念押ししても10秒後には忘れてしまうので、会話がひどくぎこちなくなってしまう。
もう一度名前を聞くことができないので「そうですか、おたくは・・・・、はあ、なるほど、ところでおたくは・・・・・」なんて会話になる。

 私の記憶力障害は幼児期からで、人の名前を覚えられないというのは子供のころ決定的なハンディーになる。特にかくれんぼが最悪で一度鬼になると人の名前が出てこないから「××ちゃん見つけた」なんて言葉が出ない。おかげで私は半永久的に鬼になったものだ。

  また漢字は絶対と言っていいほど覚えられず、小学校卒業時には一,二、三というような数詞と山や川と言った字画の少ない文字しか覚えてなかった。
おかげで小学校の国語の教科書は漢字にすべてひらがながふってあり、ひらがななしには何が書いてあるか全く理解できなかった。

 特に苦手だったのは作文で、書くとひらがなだらけになってしまう。あまりにみっともないので辞書で漢字を調べるのだが、この漢字を調べる時間ばかりかかるから文章を作る時間がない。
ああ、作文なんてなければいいのに」いつもそう思ったものだ。

 しかし人生は長く生きていると何が幸いするか分からない。ワープロというものができて、漢字変換を機械がやってくれるので、漢字うる覚えの私でも文章が書けるようになった。
私の場合は障害があるのは記憶領域CPU前頭葉)には障害がなかったので、それ以来文章を書くのが苦痛でなくなった。

 こうした状態だから記憶テストなんて言われると聞いただけで恐れおののいてしまう。
しかし今回のためしてガッテン脳が若返る究極のワザ」という番組を見て、もしかしたら記憶障害を克服できるのではないかとの希望がわいた。

 番組では東大のクイズ研究会のメンバーと平均年齢68歳のウクレレ老人が対抗していたが、覚える力はほとんどイーブンなことが実験で示されていた。
問題なのは思い出す力で、年齢を重ねるにしたがって、この想起する力が衰えるのだという。
したがって想起が可能な特殊なトレーニングをすればウクレレ老人と言えども東大生に負けない記憶能力を示すのだそうだ。

 人間は海馬という場所で記憶をつかさどっているのだが、この海馬の後部に場所細胞というものが存在しているという。
場所細胞などと言われても初めて聞く名前だが、本来は生物が生きていくために必要な場所を記憶し、想起がたやすくなるように仕組まれている細胞だそうだ。

 世の中には記憶の達人がいて世界選手権などが開催されているが、記憶をするときにこの場所細胞を働かせるのだそうだ。
たとえば私の家の間取りを、門、玄関ドアー、玄関、風呂、トイレ等と順番に並べておいて、そこに卵、ニンジン、スリッパ、パソコンと言った何ら関係のない品物を張り付けるのだという。

門に卵がぶつけられていて、玄関ドアーには大きな人参がぶら下がっている。玄関には当然スリッパが置いてあって、風呂にパソコンがつけてあって使えないじゃないか・・・・・」なんて具合に記憶する。
すると場所細胞がその品物の名前を憶えていて、場所を思い出すと名前が想起されるのだという。

注)本来場所細胞は自分行った場所を記憶する細胞で、その場所に行けばどちらに行くのが正しい道か思い出す細胞だ。確かに私も自転車やマラソンをしていてその場所に行くと正しい道を思い出すことに不思議な気持ちがしていた。

 もう一つ大事なことは海馬を鍛えることだそうで、海馬は有酸素運動で大きさを増すことが知られている。具体的には自転車に乗ったりジョギングをすることだそうで、これなら私は日常的に行っている。

 今回のためしてガッテンの結論は以下の通りだ。
① 心   記憶力に自信を持つて心理的にバリアーを設けない
② 技   場所細胞を積極的に使う
③ 体   有酸素運動を行って海馬を鍛える

 どうだろうか、私の場合は③だけが合格で、特に①については記憶力が駄目だとあきらめていたし記憶をしようという気持ちがなかった。
一方今回聞いた②の場所細胞の利用は初めてなのでこれは積極的に試してみることにする。
はたして鶏の記憶と言われた私の海馬も活性化してくれるだろうか。そうなってほしいがまずは実践だ。

注)ためしてガッテンのシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

また私が幼児期から記憶障害になったのは母親の強い折檻(今でいう虐待)によるのだが、それは以下のシナリオに記載しておいた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat31652294/index.html

 

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(25.10.24) NHKクロースアップ現代 わが町を身の丈に  人口減少時代の都市再編

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(フランス南部の麦畑)

   先日のクローズアップ現代で「わが町を身の丈に 人口減少時代の都市再編」という番組を放送していた。
従来日本では右肩上がりの人口増加と経済成長を前提に都市計画が立てられ、この千葉市でも人口増加を前提にモノレールの建設をしてきたが、実態は人口減少に見舞われ赤字経営に陥ってしまった。

注)千葉市は100万都市を目指したが現在96万人程度で人口は減少に転じている。
モノレールの建設では将来人口を117万人と見込んでいた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/21613-21b6.html


 国交省の2050年の人口予測では東京近辺と名古屋近辺を除きいづれも人口は大幅に減少し、政令指定都市でも▲20%、1~5万の都市では▲40%も人口が減少すると予想されている。
日本中から人がいなくなり過疎化が進むということで、特に地方都市は惨憺たる状況になりそうだ。

 地方都市は今でも過疎化が進んでいて、一方税収は低下しているため住民サービスを行うことが不可能になりつつある。
そこで自治体の約4割が都市の再編事業に乗り出し、公共施設の統廃合を始めた。
たとえばさいたま市では1700ヶ所ある公共施設の統廃合を実施しており、市の中心地区に体育館、支所、コミュニティーセンター、教育相談所、図書館を一か所に集めていた。
そうでもしなければ維持管理は全く不可能になります」というのが担当者の説明だ。

注)今後は行政サービスが良い自治体に人は集まり、そうでない自治体は過疎化するとい指摘は前にもNHKが行っていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/25225-nhk-d18a.html

 コンパクトシティーというのがその概念で、住民をできるだけ一か所に集めそこのインフラの整備は行うが、郊外や過疎地のインフラ整備はしないというコンセプトだ。
だがこの行政指導のコンパクトシティーの取り組みは問題が多いのだそうだ。
たとえば青森市の事例だが、郊外のお年寄りを市の中心の高層マンションに集め、商業施設を整備したが、都市の住民がさっぱり増えないのだという。

 最大の原因は郊外に住んでいる年寄りがその場所の住宅を売却しようとしても、ほとんどそうした場所の購入者はいないからだという。
これは当たり前で今後こうした郊外に人が住まなくなり、かつインフラ整備もなおざりになることが明確な地域に不動産を求める人はよほど物好きだ。
したがって老人は土地家屋の売却ができず、都市部のマンション購入資金が手当てできないので移住など持ってのほかということになる。

 しかし行政の立場から言うと都市部の一人当たりのインフラ費用と郊外のインフラ費用の格差は年々広がって、名古屋市周辺の事例では最大180倍の格差が出てしまうのだそうだ。
これではいくらなんでも効率が悪すぎて公共サービスは致しかねます」ということになるが、一方今まで住んでいた住民の立場になれば「俺だって市民なのになぜ差別されるのだ」ということになる。

 ゲストで登場していた都市計画の専門家が「180倍と言ってもそれはすべて行政サービスを受けるということが前提で、住民が自ら道路整備や河川整備を行い、またソーラーパネルや合併浄化槽の設置を行えばこうした費用は抑えられる」と述べていた。
自分たちで努力すれば行政サービスが低下しても従来レベルの生活水準を維持できるという指摘で、住み続けたかったら行政はあてにせず自分たちで努力しろということだ。

注)私が毎日読んでいる「ちば公園のベンチから」というブログの作者が、銚子市の都市再生の市民委員を引き受けていた。
http://midorinochiba.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-d87c.html

 ここおゆみ野は隣のちはら台を含めて毎年人口が増加しているまれな地区で、おゆみ野地区だけで現在5万人弱だが、毎年2000人程度人口が増加している。
実際いたるところで宅地開発やマンションの建設が行われているから、何か高度成長期の日本のようだが、インフラの整備ということになるとかつてのインフラを食いつぶしているような側面がある。

 たとえば公園や遊歩道に設置されているベンチやテーブルは多くが耐用年数が来て朽ちかけており、板が外れたり割れたりしている箇所が多い。
行政もそれなりに対応しているが何しろ老朽化施設が莫大でとても追いついていないのが実態だ。
おゆみ野では昨年から円卓会議が主催され、その中でベンチやテーブルの補修は住民自らが行うという案が検討されており、実際にテストケースで一度テーブルの補修を行ってみた。

 やってみるとねじ穴の位置をよくチェックしないとうまくはまらないといった小さなトラブルはあるが、けっこう上手に補修はできるものだ。
このおゆみ野地区の景観を守るためにこうした取り組みはとても大事で、私は来年はカーペンターになっておゆみ野のベンチの補修に取り組みたいと盛んに提案しているところだ。

注)この住民参加のベンチ補修でネックになるのが、事故が起きた場合の責任問題だという。以前背もたれがないベンチで遊んでいた子供がひっくり返って訴訟になっていたが、その場合責任はベンチの補修をしている住民になるのか、市になるのかといった問題だ。
住民参加の社会ではそうしたトラブルを防ぐ仕組みも重要なようだ。

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(25.10.23) NHK 病の起源 第三集 うつ病 防衛本能がもたらす宿命 その2

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(市原市 光徳寺の石仏)

 これは病の起源第3集「うつ病 防衛本能がもたらす宿命」その1の続きです。
その1は以下参照

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/nhk-30e0.html

 もともとうつ病は人類の祖先が獲得した防衛本能に基づくものであり、扁桃体から出るストレスホルモンが過剰に反応し、脳の神経細胞を痛める病気であるという。
目の前の天敵に対する反応が過剰になったり、孤独にさせられると天敵の恐怖にさらされたり、記憶で天敵の回想が想起されたりして起こるのだが、集団生活の中で言語が発達すると種族の記憶がまたストレスになるのだという。

 いわば語り部が恐ろしい種族の歴史やタブーについて語ると、聞いているものはそれを恐怖体験として記憶しストレスホルモンが出てしまうのだそうだ。
こうして人類は防衛本能のために獲得した扁桃体のストレスホルモンの副作用でうつ病になるのだが、実際はうつ病が現れたのは高々1万年前に過ぎないという。

これだけうつ病の要因があるのにどうして1万年前までうつ病はなかったのかい?」
思わず聞いてしまいそうだが、人類が狩りを始めた40万年ぐらい前から人類はうつ病対策として実に巧妙なシステムを作り上げたのだという。
平等」というシステムだが、今でもアフリカで狩猟生活をしているハッサの人々の現地調査では、ほとんどと言っていいほどストレスを感じていないという。

 ハッサの人々は狩りの結果をどんなに獲物が多くても少なくても平等にわけ隔てなく分配し、その結果完全な平等社会が築かれ、ストレス要因を完全に抑え込んでいるという
そうかい、狩の時代の40万年間はうつ病はなかったとしても、じゃーそれ以前はどうだったの」おもわずチャチを入れそうになった。

注)なお狩猟生活時代に完全にうつ病がなかったというのは怪しい。平等と言っても正常に狩りができるか、将来できることが期待できる子供たちの間の平等で、肉体的精神的に病んでいた人にまで平等だったか怪しい。当時は食料ががつがつだったからこうした落ちこぼれはすぐに死んでしまったからうつ病になることもなかったのだということではなかろうか。

 人類が発生したのはほぼ370年前だが、そこから狩りを始める40万年前までは、天敵の存在ばかりだったからうつ病だらけになるが、番組ではそのあたりの説明はなかった。
考えてみれば当時は人類と言ってもかろうじて存在していたぐらいで常に肉食動物に襲われるだったから、シマウマやヌーと同じにそもそもうつ病なんて言っていられないほど生命の危険が充満していたのだろう(うつ病になった途端すぐに捕食されてしまう)。
だから狩りを覚え、人類がライオン等の肉食動物より優位になり数を増し始めた40万年前ごろからが、本当の意味で人類の病の歴史なのだろう。

 この40万年の平和が崩れたのが、約1万年前にチグリス・ユーフラテス川流域で始まった農業文明だという。
狩猟生活では人類が生きるのに必要な最低限の獲物しか入手できなかったが、農作業が始まり穀物という形で富を蓄えることが始まると、人口も増加し(100万人程度)この時から不平等が始まった。
そしてこの不平等がうつ病の原因だという。

 現在うつ病の推定患者数は3億5千万人で日本人の患者数は100万人だというから、割合からいうと意外と少ない(日本の人口が全人口70億人の70分の1とすると計算では500万人のうつ病患者がいてよいことになる)。
へー、意外と日本人はうつ病患者が少ないのだ。これは日本社会特有の平等主義からきているのかしら・・・・・」と思ったが、統計の取り方にもよるのだろう。

 うつ病に対する対処方法で最近注目されているのが、この病の起源にさかのぼって医療行為を行う方法だという。
ドイツでは扁桃体に直接電極を差し込み扁桃体の異常を制御する方式が開発されていた。
また孤独こそがうつ病の原因という認識で、積極的に地域活動等に取り組むプログラムや、狩猟民族の生活様式を取り込んで運動と睡眠を適切にとる方法などが推奨されている。
狩猟民族と同じように暮らせばよいというのは実にユニークだが、私は意図せずこの狩猟民族の生活様式を採用しているのでうつ病にならなかったのだろう。

 従来のうつ病対策はもっぱら抗うつ剤の投与だったが、上記のような病の起源にさかのぼった対策も十分効果があるのではなかろうかと感心してしまった。

なお、病の起源シリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhknhk_1/index.html
また扁桃体の異常に関する取り組みとしてアメリカで実施されている療法は以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-5336.html

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(25.10.22) NHK病の起源 第三集 うつ病 防衛本能がもたらす宿命 その1

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(市原市 光徳寺の石仏)

 NHKが放送している「病の起源」の第3集は「うつ病 防衛本能がもたらす宿命」だった。
私はこの番組のシリーズを感心して見ているのだが、人類の進化そのものが病を背負いこむという指摘は実に斬新だ。
第一集は癌、第二集が脳卒中で、この第3集がうつ病である。この番組は内容が豊富なので今回は2回に分けて記載する。

注)第一集 がん の内容は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-6717.html
  第二集 脳卒中の内容は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-3a0b.html

 うつ病のメカニズムは脳のもっとも古い部分の扁桃体(へんとうたいストレスホルモンを出しすぎてそれを制御できなくなることが原因だという。
と言えば人類の遠い祖先だが、約5億年前に魚が現れた時に初めてができ、その中に扁桃体ができた。当時魚はもっとも弱い立場で周りが天敵ばかりだった。

 扁桃体の働きは敵が近づくとここからストレスホルモンを分泌して全身の筋肉を活性化して素早く敵から逃れるのだが、これによって魚は生き延びることができ結果的に人類が発生したことになる。

ところがこの魚が一種のうつ病になるのだと聞いて驚いてしまった。
ゼブラフィッシュという魚を二組に分けて、一方は通常の状態で飼育し、一方を天敵がいる水槽の中で1か月間にわたって飼育すると、後者は最初こそ逃げ惑うがそのうちに全く動かなくなって身体が動けなくなるのだそうだ。

 この時うつ状態の魚のストレスホルモンを調べてみると異常に高くなっており、天敵がいなくなってもその状態がもとに戻らないのだという。
ストレスホルモンは適度に出されているときは、魚にとって生き残るすべになるが、過剰になると身体にダメージを与え、特に脳細胞に対するダメージは神経細胞の委縮につながるのだという。
簡単に言えば脳が働かなくなって動けなくなるのだ。

注)そういえば変質者の男性が女性を長期間閉じ込めて奴隷状態にする事件が時々起るが、なぜ女性が逃げないかというとこのうつ状態になって身体が動かなくなるからのようだ。

 これは魚類の場合で天敵の存在に対する対応がうまくいかない場合だが、約2億年前に現れた哺乳類になると天敵だけでなくさらに孤独がうつ病の原因になるという。
チンパンジーの観察で分かったことは、幼児期から集団から離されて育ったチンパンジーは全く集団になじめず、孤独の中に浸ってしまうという。

 番組ではスエーデンでの事例が紹介されていたが、感染症を患って1年半の間仲間との接触を断たれたネグラ日本語の根暗に近いので笑ってしまった)という女のチンパンジーが檻に立てこもって一切仲間と交わろうとしていなかった。
哺乳類で相対的に弱い種族人類やチンパンジーもその一種)は集団生活をすることで外敵から身を守っているが、この集団に入れないと天敵からの恐怖に常にさらされるのでひどいストレスが発生し、扁桃体からストレスホルモンが出続けるのだという。

 私は長い間会社の仲間がことあるごとに酒を飲んだり、マージャンをしたり、ゴルフをしたり群れることに不思議に思っていたが、そうして人類は生き残ってきたからだと確認した。
私はそうした群れに入らなかったが、その代わり確かに強いストレスを感じたものだ。仲間内の団らんがないから常に外部は敵になってしまい、気が滅入ることがはなはだしかった。
集団生活になじまないと扁桃体からストレスが出てうつ病になるというのは経験からよくわかる。

注)子供でも集団生活になじめないと学校に行くことを嫌がって家に閉じこもるが、これもうつ病の一種だろう。

 さらにうつ病が発生するメカニズムにもう一つの要因が加わったという。それは記憶で特に恐怖の記憶は脳の記憶領域である海馬に蓄えられ、それを思い出すたびに強いストレスにさらされるのだという。
よく映画などで極端に恐ろしい経験をした人が夜中にそれを思い出して飛び起きるシーンなどあるが、実は私もよくこの回想による恐怖を経験している。
これは毎回仮想空間で天敵に襲われているようなものだ。

 私の場合は、回想の記憶は普段は記憶の底に沈んでいて覚えていること自体忘れているのだが、何らかのきっかけで思い出されると思わず悲鳴に近い言葉が出てしまう。
あまりに恥ずかしいので人には悟られないようにしているが、この恐怖の記憶の想起は私の生活を今でも苦しめている。
よくこれで、うつ病にならないものだ」と感心するが、私の生活習慣がうつ病を抑えているようだ。

 うつ病の原因を抑える適切な方法はうつ病を持っていない人々アフリカの狩猟民族)を研究すると分かるのだそうだが、体を適当に動かし運動をし)、規則正しい生活をし太陽とともに起き、太陽とともに寝る)、食事は平等に分け合い仲間とコミュニケーションを常時とっていることだそうだ。

 私の場合は平等とコミュニケーションには問題があったが、一方で日常的に運動をし、毎日の生活習慣はほとんど変えることがなく生活していたので、紙一重でうつ病にならなかったようだ。
私は今でも古代人のような生活で自動車には乗らず、基本的には歩くか走るか自転車で移動するし(だいたい10㎞範囲内はそうする)、太陽とともに起き太陽が沈むと寝てしまい、食料はあるもので十分だが、そうした生活はうつ病に強いことをこの番組を見て知った。

(明日に続く)

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(25.10.21) BS歴史館 東京遷都 マル秘大作戦

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  今回のBS歴史館「東京遷都 マル秘大作戦もなかなか面白かった。
なんと「首都を東京に定めた詔がない」のだという。たとえば平安遷都の場合は正式な詔はあるのだが、東京遷都であるのは「京都と東京を日本の首都に定める」という詔だけだという。
谷村新司の歌に「三都物語」という歌があるが、こちらは「二都物語」なのだ。

じゃー一体なんで東京が首都になったんだ」ということになるが、明治新政府を実質的に作り上げた大久保利通、木戸孝允、岩倉具視が3人で謀議をこらし、実質的に都を京都から東京に移してしまったのだという。

 慶応3年186710月の大政奉還から戊辰戦争が終結した明治2年18695月までは、日本に実質的に二つの政体維新政府と旧幕府軍)があって、西の京都と東の江戸(その後は函館)が対立していた。
維新政府は当初京都に都をおいていたが、最初は大阪に、1968年4月の江戸無血開城以降は江戸に都を移すことが計画された。
しかしそれが一筋縄ではいかなかったのだという。

 大政奉還大久保利通はすぐさま維新政府を大阪に遷都する計画を立てた。1968年1月のことである。しかしこれは天皇や公家の大反対にあってすぐさまつぶされてしまった。
千年の都を移すなど持っての他で、長州や薩摩の下級武士が政治を公家から奪うものにそういない」という感度だったという(武士より公家の方が政治力があるとの感度)。
しかもこの1月から維新政府と旧幕府軍は戊辰戦争に突入し、以降2年以上も戦争状態になるので遷都も並大抵のことではなかった。

 大久保は大阪遷都失敗の教訓から、まず天皇を京都御所から外に行幸させる計画を立てた。時に明治天皇は15歳、京都御所以外に外に出たことがないというお坊ちゃんだったからだ。
慶応4年19683月、天皇は生まれて初めて御所を出て大阪に行幸したのだが、この時大阪城では維新政府軍の歩兵の閲兵をし、大阪湾では海軍の演習を視察している。
海外では皇帝はこのように軍隊の長として閲兵や視察をするのでございます
天皇側近になった岩倉具視が懸命に明治天皇を教育した。

注)この時期は戊辰戦争の最中でまだ江戸には将軍家があった。

 大久保、木戸、岩倉と言った維新三羽烏は因習がはびこる京都を離れ、天皇を近代的なエンペラーになってもらうために、今度は慶応4年4月に無血開城した江戸に遷都しようとしたが公家の反対を無理に押し切ることもできなかった。
よっしゃ、それならとりあえず京都と江戸を両方都としておいて、実質的に東京を首都にしてしまおう。政府も天皇も江戸にうつってしまえば公家が何を言ってもこっちのものだ

 慶応4年18687月、維新政府は京都と江戸を両方都とする詔を発し、その時江戸を東京と改名することにした。東京とは東の都という意味で江戸のままでは都合が悪かったからだ。
そうしておいて9月に天皇の東京行幸を実施させた。何しろ一度天皇に東京を見てもらって「東京もなかなかいいものだ」と思わせようとの作戦だ。

 かつて天皇が岐阜より東の東えびすが住む土地に足を踏み入れたことがなかったし、明治天皇は先の大阪行幸で初めて御所を出たという経験しかなかったので、この旅は少年明治天皇(15歳)にとって実に物珍しい旅だったに違いない。
最も大久保や岩倉には別の思惑があり、東海道を30日あまりかけて新たな君主は将軍でなく天皇になったのだということを国民(武士と町人と百姓)に知らしめるデモンストレーション効果を狙ったものだった。

 こうして何とか天皇を東京につれてくることに成功し、9月には年号を慶応から明治に改元した。
江戸を東京に変え、年号を変え、天皇を東京に連れ出したまでは成功したが、しかしこの年の12月には天皇は京都に帰っている。
理由は婚姻の儀式のためだが、もう一つは京都と東京がこの時は首都だったからである。
天皇はんがお江戸ばかりにおられてはあきまへん。京都もみやこどすえこれは京都言葉になってるだろうか?)」

 しかしまだこの時期は戊辰戦争のさなかで、特に函館には幕府海軍を引き連れた榎本 武揚が頑強に抵抗していた時期だから、何としても天皇を東京に連れ戻して天皇の権威で維新政府の政策を実行させなければならない時期だった。
当時大久保達が考えていたのは版籍奉還で土地と農民を藩主から取り上げて年貢を維新政府に集めるようにしようとした。
何しろ維新政府と言っても財政的には全くの金欠状態で、当時の資金の8割は紙幣の印刷、残りの2割は商人等からの借金だというから、今でいえば国家予算の8割が国債発行で残りの2割が金融機関の借り入れということになる。

何としてもふたたび天皇を東京に戻し、その権威で版籍奉還を実施しなければ維新政府が崩壊する
大久保の懸命な説得で天皇が東京に戻ってきたのは明治2年19693月で、その日以来天皇は京都に戻ることはなかった。
京都の公家や町衆からしたらまんまと騙されたようなもので、「大久保、木戸、岩倉は三悪人でごじゃりまするこれも京都言葉になっているだろうか?)」ということになる。

 今回のBS歴史館を見て正直言って感心してしまった。今でも遷都論など出れば上を下への大騒ぎになるが、この時戊辰戦争を戦いながら獲得した領地(江戸)に首都を移転させてしまった大久保らの手腕は大したものだ。
最もその手段は、日本人が得意とする「形式はそのままで実質を変える」というもので、現在の日本国憲法をそのままに自衛隊という軍隊を作り上げた手法と同じだ。

 私は維新政府を作った三羽カラスは大したものだと思うが、一方形式だけ残されて実質的に首都を移された京都の人々の恨みは「こりゃ、根が深そうだ」と思わざる得なかった。

注)なお日本の歴史については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

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(25.10.20) 安倍内閣の国家戦略特別区 これじゃ成長はおぼつかない

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  私は安倍首相が目指す成長戦略を支持し期待しているのだが、今回出された規制改革メニューにははっきり言って落胆してしまった。
まずこれじゃー、日本の再生戦略はおぼつかないな」そう思ったからだ。
再生戦略の骨子は「国家戦略特別区」を指定して、その特別区内では従来の規制を排除した自由な経済活動や医療活動を目指そうというものだが、省庁の反対が激しく、なんとも中途半端な弥縫策になっている。

 今回発表された中で成長戦略といえるものはたったつしかない。
一つは都市再生のために建物の容積率と利用規制を見直すというものだ。
これはもっとも簡単な規制緩和で日本の建物の耐震技術は非常に高度なのだが、一方建築基準法では昔から都市部の建築の高さをほぼ30m程度に制限してきた。日本の都市が外国の都市に比べて低いのはこのせいだ。
もっともこれには多くの特例がすでに存在し、丸の内周辺の容積率は大幅に緩和されているから、いわば実態が先行したことの後追いに過ぎない。

注)従来の容積率緩和の方式は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-1e26.html

 また道路でヨーロッパによくあるようなカフェを出店することを認めようということだが、歩道が整備されている場所では道路の有効利用になることは間違いない。銀座などでは昼間交通を遮断して道路を解放しているがその拡大版みたいなものだ。だがこれの経済効果は容積率の拡大に比較したらあまり高いとは言えない。

 もう一つの成長戦略は雇用規制の緩和で、従来労働契約法で5年を過ぎて同一業務に従事していた契約社員は本人が希望すれば本社員として採用しなけれなならないという規定があった。
これを5年でなく10年に延ばそうということだ。
世の中の実態は本契約にしたくない会社は(ほとんどの会社がそうだ)5年前に契約を打ち切るか、仕事の内容を変えさせてこの5年規定をクリアーしていた。

 私がシステムの担当者だった頃、契約会社から「3年(当時は3年だった)同じ業務についていたので、派遣職員を他の会社に変えます」と言われて困惑したものだ。
せっかく業務を覚えたのに移動かい!!!」企業にとっては何とも扱いずらい規定だったが、本採用はできないので致し方がない方式だった。
5年を10年に延ばすことは、派遣労働者は半永久的に派遣労働者のままというのと等しいが、従来から企業は本採用にするくらいなら解雇していたのだから、実態追認という側面が強い。
これで企業の派遣社員採用がよりしやすくなることは間違いない。

 しかしそれ以外の規制緩和は何としても中途半端だ。
特に医療については私は期待しており、日本は世界最速の老人大国で老人医療の先進国なのだが、その対応が十分といえない。
世界各国から老人を受け入れて世界の老人医療のメッカを目指すべきだと私は考えているが、厚労省の反対は根強い。

注)老人医療を成長戦略の柱に据えるべきだとの記事は何回も書いてある。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-03c8.html

 また高度医療を特に新興国の患者に開放すべきだと私は思っているが、こうした取り組みをしているのは千葉の亀田メディカルセンターと隅田川沿いに建っている聖路加病院ぐらいだ。
アメリカの医療機関認証制度JCI)の認証を得て、さらに医療通訳の拡充を図っているが、日本には多くの先端医療病院があるにかかわらず取り組みが行われていない。

注)高度医療についても日本が十分なレベルに達していることは明白だ。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48360072/index.html

 高度医療現場で問題になっているのが混合診療の問題で、日本では保険診療と自由診療の組み合わせが原則認められない。
もし自由診療を行うと保険診療部分を含めてすべて患者の自己負担になってしまう。
通常高度医療に使用する薬や器具は自由診療だから、患者がもし高度医療を求めるとその費用は途轍もなく高くなってしまうから、誰もがこの治療を受けることができない。

 私は今回の規制緩和で医療特区にはこの混合診療を認めるのかと思っていたが、厚労省の反対で実現しなかった。
実現したのは海外でその有効性が確認されている新薬については厚労省ができるだけ早期に日本での使用を認めるという、何とも微温的な措置にとどまった。

 前にも記載したが厚労省は日本での新薬開発も、また海外で使用されている新薬についてもその安全性が確認できたと判断されるまで、承認を延期してきている。
これはサリドマイド等で何度も失敗した経験から医療事故などが起こることを極度に警戒し、新薬の承認をできる限りしないことにしたからだ。
もし副作用が出たら大変だ。すぐに裁判を起こされるからそんなことなら最初から承認しないのが厚労省にとって最も安全な戦略になる

注)日本の医薬品の認証制度が実際は認証させない制度であったことは何回も書いてきた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-b386.html

 だが、日本の再生のためには相応のリスクをとらなければ再生は不可能だ。官僚はリスクをとらないから政治家がとるのかと思ったら、今回もまた混合診療は先送りになってしまった。
これじゃ、日本再生も夢のまた夢だな」ため息が出そうだ。

 他に農民が農民が農地内でレストランが経営できるようにするとかあるが、本命は農地を株式会社が購入して企業経営をできるかどうかで、これは農水省の大反対でつぶれている。

 また公立学校を民間が経営するという案は栄光ゼミナールが積極的で、小・中・高の一貫教育を行うという案だが、当然文部省は大反対だ。
そんなことをすれば小学校のうちから東大の受験勉強をさせるものじゃないか。日本では中ぐらいの人間を多数育てるのが日本社会の安定に資するのだ
今からどうしたら足をすくえるか虎視眈々と狙っている。

 安倍首相の目指す国家戦略特別区の構想は上記のように前途多難で今回はがっくりしたが、それしか日本再生の方法はないのだから私は安倍首相を応援し続けることにしている。

 

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(25.9.19) アメリカの時代の終わり 「債務上限問題」の桎梏

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(市原市 光徳寺の石仏)

  もういい加減にいてほしいというのが世界の偽らざる気持ちだが、アメリカの「債務上限問題」は今後ともアメリカの政治と経済を脅かし続けるだろう。
アメリカでは連邦政府の債務上限について上下両院での承認が必要で、アメリカ上院は民主党が、そして下院は共和党が抑えているため、いわゆるねじれ現象によって予算も債務上限額もオバマ大統領の意志のままに動かなくなってしまった

注)上記は政治の混乱だが、一方アメリカの中産階級が崩壊し、貧困階級が増大していることは前に記しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-bb1d.html

 日本でもつい最近まで衆参のねじれ現象で予算案は成立しても赤字国債発行法案が成立せず、政府は予算執行を遅らせたりしていたが、アメリカでは連邦職員数十万人が自宅待機になってしまった。
私はアメリカは大統領権限が強く(拒否権がある)、予算でも法律でも次々に通すことができるとばかり思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。

 このところ債務上限問題が常に政争の道具になるのは、債務上限そのものの問題ではなく、オバマ政権が推し進めているオバマケア医療保険改革)を共和党のティー・パーティーが阻止しようとしているからだ。
予算と債務の上限幅の変更を認めてほしければオバマケアを撤回しろ

 オバマ大統領としたら先進国中最悪と言われている医療保険制度を何とか日本のように皆保険制度にするのが悲願だが、一方ティー・パーティーを中心とする共和党保守派はこのオバマケアに大反対している。
俺たちの税金で貧乏人の医療費を賄うなんて絶対だめだ

)オバマ大統領の医療保険改革については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/22324-2b00.html

 実際はアメリカも日本もこうした費用は国債を発行して賄っており、必ずしも税金を投与しているわけではないが、国債は未来の費用だからティー・パーティーとしたらすぐに引っこまない。
いずれ増税になるのだから駄目だ」強硬に反対している。

注)ティー・パーティーに所属している議員は下院で50名、上院で数名だが、このグループがオバマケアに絶対反対集団。

 今回は妥協案として来年の2月7日まで債務を引き上げることに同意したが、この2月7日が次のデッドロックになってくる。
再び世界を巻き込んだ大騒動になるのかと思うと、「やれやれこれが世界の超大国のとる態度か、まるで日本なみだ」と思うが、今やアメリカも世界政治より国内政治だ。
私は個人的にはこのティー・パーティが主張する野放図な財政拡大に反対する態度には賛成なのだが、一方でこの資本主義と民主主義の組み合わせの社会は野放図な財政出動でかろうじて回っているという側面がある

 日本が典型的で一般会計予算の約半分は国債で賄っており、毎年1兆円規模で増大している社会保障関連費用を赤字国債を発行してはつじつまを合わせてきた。
アメリカも同じで増税は国民の総反発を食うので、致し方なく赤字国債を発行しており、国債依存度は35%前後だ(日本は50%前後)。

 国民が清く貧しく美しく生活することに同意すればこれほどまでの赤字国債の発行はしないで済むが、どこの国民も政府からの支援は最大で税金の支払いは最低にしようとする。選挙で国民の支持を得なければならない政治家はどうしても増税に消極的になり、結果として政府は借金だらけになる。
君たちにパンとサーカスを保障しよう。だから国債発行を無限に認めてほしい

注)古代ローマではローマ市民の生活保護費捻出のために、金貨の金の分量を下げ続けた。

 もはやどこの国もまともな手段では借金の返済ができない状況に追い込まれている。
残された手段はインフレーションでアベノミクスの年率2%のインフレなども、その手段の一つだ。
もっとも2%程度ではどうやっても追いつかないから、狙いは10%以上のハイパーインフレだがこれはこれで政権が持たないからおいそれと導入するわけにはいかない。

注)日本は戦時国債(太平洋戦争を行うための費用)を戦後のハイパーインフレーションで帳消しにした。

 この民主主義と資本主義のミックスは現在まで現れた政治・経済体制としてはもっとも生きながらえている体制だが、しかし完全というのからは程遠く、ポピュリズムに流れて国家や地方自治体の債務が無制限に増大してしまっている。
何かどうしようもないような状況で、「こんなシステム誰がした」と言いたいが、残念ながらこれに変わる有効な政治・経済体制を見つけることは不可能だろう。

なお、アメリカ経済に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43809971/index.html



 
 

 

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(25.10.18) 川島大島町長の大チョンボ 危機管理意識ゼロの悲劇

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(花火を画像処理した写真)

 政治は結果責任だから、川島大島町長が「夜中の3時前後は真っ暗で避難勧告を出すのは被害の拡大につながるとの認識だった」と釈明しても、60名もの死者と行方不明者(人数は発表のたびに変化している)を出しては責任を逃れることはできない。
川島町長の認識が正しければ、もし避難したら60名以上の死者が出ると予想したので60名で済んでよかったとなるが、そんなことはあり得ないからだ。

 今回の川島町長の判断ミスにはいくつかのミスが積み重なっている。
一番大きなミス過去10年で最大級の台風が接近していた時に、町長と副町長がそろって出張しており、判断は総務課長に任せられていたことだ。
町長や副町長は第一に住民に対して責任を持つ立場だが、総務課長はそうした立場になく町役場の事務の責任者に過ぎない。事務の責任者が住民保護の判断を任せられてはたまらない。

 
 町長は島根県隠岐の島で開催されていたジオパーク全国大会に出席しており、15日の夜は懇親会が行われていた。
災害が発生したのは16日未明の午前3時ごろで、この前後に警察から避難勧告を出すように大島町は要請されていたが(大島署は土石流が発生し始めたのを見て大島町に避難勧告を出すように2回要請した)、真っ暗闇で逃げるとさらに被害が拡大するとの判断で大島町は避難勧告を出さなかったという。

 しかしこのあたりの川島町長の説明をそのまま信じることは難しい。実際は総務課長から電話があった時間帯には酔っぱらって判断ができない状態だった可能性が高い。
総務課長がおたおたして対応ができなかった間に被害が拡大し、そもそも避難勧告の段階でなくなってしまったというのが実態だろう。

 だから川島町長が「なぜ10年に一度の台風」が接近しているときに、危機感が全くなくジオパークの懇親会などに出ていたかが最大の問題になる。
もし少しでも危機感があれば、副町長を東京都の篠原村(ここに出張していた)から呼び戻すか、最初から出張を取りやめさせたはずだが、そうした措置は一切取っていない。
危機管理意識がゼロであったことは明白で、不作為の責任が問われても仕方がない。

 第二のミスは、気象庁が15日の午後6時5分に大島町に対して「土砂災害警戒情報を出した時点で何の対応もとらなかったことだ。
注意深い市町村なら住民に避難勧告を出すはずだが、この重要な情報を無視している。
最近の災害はほとんどが想定外のことが多いので、避難勧告を出そう」と判断してほしかったが、この時点で町民が避難していたらこれほどひどい災害にはならなかった。
16日の真夜中の3時と違って15日の午後6時頃はまだ雨脚も強くなく、避難するのにさして支障がなかったからだ

注)「土砂災害警戒情報」が出たからと言ってすぐさま「避難勧告」に結びつくものでなく、市町村の長の判断にゆだねられるのだが、そもそも町長は判断すらしていない。

 やはり川島町長は油断していたのだ。
10年に一度といっても、大島に台風がやってくることはしょっちゅうだ。だが今まで一度も大被害になったことはない。だいたい元町は地盤がしっかりしているから土石流など発生するはずはない

 しかしその想定外の予想をうわまった雨量によって三原山の斜面が大きく崩れてしまった。
時間に122mm、24時間で800mmは観測史上最高の雨量だが、最近の気象は常に観測史上最高の記録のオンパレードだ。
繰り返すが、川島町長に危機管理のセンスがあったら、すぐさま隠岐の島から引き返すか、最初から出張をキャンセルしただろう。

 なお気象庁は13年8月より「特別警報」という制度を設けている。これは50年に1度の大災害が発生すると予想されるときに出す警報だが、大島町の場合の基準は48時間に419mm以上の雨が降った場合だった。
今回は24時間で800mmだが、この制度は都道府県単位に出す警報であったため、出されていない。
これは気象庁の特別警報制度の欠陥と言えるだろう


 だからすべてが町長の責任というのも気の毒だが、政治は常に結果責任だ。60名もの死者・行方不明者を出した大災害は、川島町長の油断から発生したと指弾されても致し方がないと私は思っている。

注)福島原発事故の危機管理で菅首相は失敗し、原発のメルトダウンを引き起こしたがその時のドタバタ劇とよく似ている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-c0f8.html

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(25.10.17) 韓国中小財閥の倒産が始まった。 東洋グループの倒産

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 韓国経済と言えばひところまで破竹の勢いで、李明博前大統領などは「日本は弱くなったので日本に対し何をしてもいいのだ」と豪語していたが、ここにきて急ブレーキがかかってきた。
韓国には30余りの財閥企業があるのだがその中堅クラスの財閥企業が次々に倒産し始めたのだ。

注)李明博大統領の弱い者いじめについては以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-2afd.html

 12年3月に熊津グループ、13年5月にSTXグループ、そしてこの10月に入って東洋グループが倒産した。
もっとも韓国はサムスン、現代、SK、LGと言った大財閥が経済のほとんどを占めていて、その他の中小財閥とは横綱と幕下程度の差があるから、「だからどうしたの」という程度の感度だが、実際はそうは言っていられない深い理由がある。

注)韓国10大財閥のGDPに占めるウェートは約75%でサムスンだけでも2割を占めている。

 韓国の貿易依存度は輸出入合わせて100%を越す貿易立国で日本の30%に比較してもダントツなため、中国やヨーロッパの経済失速がもろに韓国経済を直撃し始めた。
9月に入って輸出入ともにマイナスに陥り、特に中小財閥の経営が悪化している。
東洋グループの倒産が典型的なのだが、輸出が不振になって資金繰りが悪化し、仕方なしに8%という高利で1800億円の資金を集めたが、それでも持ちこたえられず裁判所に法的整理を申請した。
資産規模約700億円の会社が、1800億円の資金を食い逃げして倒産したという構図だ(日本的イメージでいえばホリエモンという感じ)。
東洋グループ以外でもSKグループの会長と副会長の資金横領事件が発生したりして、なにか韓国経済がきな臭くなってきた。

 元々韓国経済はヘッジファンド等から短期資金を導入し、好調な輸出に支えられてそうした資金の償還をたやすくやってきたのだが、海外のヘッジファンドが韓国経済を危ぶむようになると借り換えという訳にはいかない。
仕方なしに中国の地方政府のように理財商品を売って高利回りでひきつけても、もともと償還財源がないのだからこうした商品が紙くずになるのは致し方ない。

注)韓国経済の基本構造の分析は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-03c8.html

 
 パク・クネ大統領は日本憎しのあまり、アメリカの国会議事堂で日本非難の演説をしたり、日本でのオリンピックの開催を何とか阻止しようとして、日本の水産物の輸入を禁止して福島原発の汚染水問題をことさらアピールしていたが、本当はそんなことをしていられないほど韓国経済の足元はふらついてきた。
しかしパク・クネ氏は全く経済状況には関心がない。
いいの、あたしゃ日本を貶めさえできれば、韓国経済なんてどうでもいいの」という状況だ。

注)パク・クネ氏の歴史認識については前にブラック・ユーモアの記事を書いてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-d57a.html

 韓国は財閥経済で持ってきたところがあるが、その尻尾の部分がはげ落ち始めている。
大学生の就職先はますます狭められ「大学は出たけれど」という状況になり、一方で韓国女性は高学歴・偉丈夫な男性しか目がないからますます結婚は難しくなり、出生率は世界でも最低部類で日本より低くなってしまった。
経済だけでなく社会情勢も逼迫しているが、パク・クネ大統領は全く意にかえさないみたいだ。
いいのよ、そんなこと。従軍慰安婦の像を世界各地に建設するのが大統領の仕事なの

 韓国の大統領は世界的標準から見ると近視眼的な人が多いが、特にパク・クネ大統領はその傾向が強い。
日本でいえば鳩山由紀夫氏レベルだと言えばイメージがわくだろう。

 民主主義を共有する国家としてアメリカや日本と共同歩調をとるべきなのだが、もっぱら頼るべきは中国になっていて、これでは共産主義国家の衛星国と何ら変わりがない。
朝鮮は昔から中国の属国だったからその状態が一番心地がいいの、とやかく言わないで!!」
その中国もここにきて経済失速を始めたので、韓国は中国と集団自殺をしようとしているみたいだ。しかしパク・クネ大統領にそのことを気づかせるのはどうやっても不可能だろう。

注)韓国が中国と集団自殺を遂げようとしている現状については以下に詳述しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/2571-historic-m.html

 

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(25.10.16) NHKが報じだした中国中枢の権力闘争 習近平 VS 江沢民

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(ひたち海浜公園のコキア)

 海外のメディアではさかんに報じられ毎日新聞でも採りあげられていたが、ようやくNHKのワールド・ウェーブ・トゥナイトでも中国権力闘争の特集を組んでいた(10月11日)。
習近平政権が誕生してからほぼ一年が経ち、この政権が目指している方向が見えてきたという。
習近平氏胡錦濤氏と組んで既得権益集団の長老、江沢民氏の追い落としを図る死闘が行われていると報じた。
元々習近平氏は上海閥の江沢民氏に擁立されたので、私は江沢民氏の傀儡かと思っていたが、どうしてどうしてそんな玉でなかった。

注1)習近平と江沢民が闘争に入ったことは前に以下の記事で記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-0008.html

注2)なお私は中国中枢部での死闘についてなぜNHKが沈黙を守っていたのか不思議だった。私でさえすでに認識していたことをなぜNHKは報道しなかったのだろうか?

 現在の習近平政権は李克強首相との二人三脚だが、李克強氏共青団出身で前主席胡錦濤氏の懐刀だ。
中国では既得権益層を代表する江沢民氏と既得権益を国家管理にして国民の利益の拡大を図りたい共青団出身政治家との暗闘が繰り返されている。

注)共青団とは中国共産主義青年団のことで、中国共産党の政治教育学校。ここを出て共産党に入党し党の役職を登っていく。日本的な感度でいえば東大法学部出身者と言ったところ。

 元重慶市書記薄熙来氏が汚職容疑で裁判にかけられたのは、薄熙来氏が江沢民氏の庇護にあった政治家で、かつ大衆動員運動という手法で権力の奪取を目指したのを、当時の中国首脳だった共青団出身の胡錦濤主席と温家宝首相が叩き潰したものだ。
あいつは江沢民の家来だからいい機会だから叩き潰そう!!」

 現在行われている汚職追放運動はその第2弾で、ターゲットは石油閥のドンでこれも江沢民氏の子分である、周永康氏の追い落としにある。
中国では国有企業ごとに派閥があり、金融、エネルギー、鉄道等を誰が抑えているかによって、一種の国家内国家を形成している。
日本でも「省益あって国家なし」と言われているが中国では「派閥益あって国益なし」なのだ。

 特に石油企業は独占企業として品質の悪いガソリンをバカ高い価格で販売して膨大な利益を上げているが、そうした利益は派閥内部でストックされて国家の利益にはほとんどならない。独占利益はそっと国外に持ち出すか、江沢民氏のようなボスに対する献金として使用されるので、共青団の政治家は苦々しく思っていた。

 李克強首相が始めた汚職撲滅運動とはこの石油閥の解体で、たたけばいくらでも埃は出てくる。
現在この粛清の矢面に立っているのは国営石油会社の利権を牛耳ってきた石油派のボス蒋潔敏氏(周永康の子分。中国政治はやくざ組織と同じ親分子分の関係で成り立っているとその取り巻きで、すでに200人以上が逮捕拘束されている。
李克強首相としては治安警察の常套手段である拷問で蒋潔敏氏から周永康氏の汚職をあぶりだして一網打尽にしようとしているが、周永康氏はこの日のために江沢民氏に取り入っていたので、おいそれと逮捕されることはないだろう。

 共青団派の政治家は既得権益派の政治家のように自己利益の実現を目標にはしていないが、しかし実際に石油閥を切り崩した後は共青団派の人材を石油会社のボスとして送り込み、既得権益の横滑りになってしまう。
主観的にはともかく客観的には派閥間の権益の奪い合いになる。

 この辺がロシアのプーチン氏と異なるところで、プーチン氏はそれまでロシアの石油と天然ガスを一手に握っていた新興財閥を無理やり汚職容疑で捕まえて裁判にかけているが、ロシアは中国と異なって選挙が行われるから民衆を全く無視した政策はとれない。
一方中国では中国共産党の一党独裁だからはっきり言えば好き勝手だ。

注)プーチン氏の新興財閥の切り崩し手法については以下に詳しく記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-0d45.html


 習近平国家主席が当初の想定とは異なり共青団派に擦り寄り始めたので、既得権益層の焦りは相当なものだ。
「あの野郎、裏切りやがってただじゃおかねえぞ!!」
このままでは江沢民氏の院政は崩壊してしまい、胡錦濤氏の院政に変わってしまうので江沢民派は懸命な巻き返しを図るだろう。
後1か月後には中国共産党全体会議が開催されるので、その時江沢民氏の巻き返しがどうなるか大いに興味が惹かれる。

注)中国の政治・社会情勢については以下に記事をまとめてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html

 

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(25.10.15) NHK 激動中国 「さまよえる人民のこころ」 宗教の時代

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(北海道 根室市の明治公園のサイロ)

 NHKが放送している「激動中国」の二回目は「さまよえる人民のこころ」だった。
共産主義国家は基本的に心の問題を扱わない。「宗教は阿片だ」というのが共産主義諸国の国是で、崩壊したソビエトロシアではロシア正教が徹底的に弾圧されたし、中国では儒教キリスト教、そして法輪功のような新興宗教がこれも弾圧されてきた。

 しかし中国においては2007年胡錦濤国家主席当時)が、儒教を解禁し政府指導で大々的に普及活動を実施することにした。
なるほど儒教ね!!」と思ったのは儒教は宗教の中で最も宗教らしからぬ宗教で、一種の道徳律のようなものだからだ。
儒教の開祖孔子自らが「鬼神を信じぬ」と公言しているのだから、これは現世利益と妥協を図った道徳律と言えるだろう。

 私も高校生時代に漢文を習い、孔子の教えに接したが五輪の教えには面食らった。
五輪とは(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)関係を維持することを教える教義だが、第一に父子の関係が重視され、次に君臣の関係が続いているのだが、これでは皇帝と言えども父子関係に逆らえず、たとえば戦争中に父親が死亡すると子供は喪に服して戦線を離脱したりするので、戦争の遂行に支障をきたす。
さらに兵士がみんな喪に服すことを理由に戦線を離脱することも考えられる。

 最も実際的な中国人が孔子の教えをそのまま実行するはずはなく、適当にいいとこどりをして儒学を利用してきたのだが、現在中国政府が行っている官制の儒学復興運動もその一種だ。
現在の共産党が行っている儒学復興運動はそうでもしないと人民のこころの荒廃が進み、このままでは共産党支配が危うくなるほど危険な状況になってきたからといえる。

 改革開放以来富める人は徹底的に富んできたが、一方貧しいものは半永久的に貧困に落とされてしまった。
特に約3億人といわれる農村戸籍を持つ農民工は都市住民の農奴的存在で、スラムに住みひたすら最低賃金で働いても生活は一向に向上しない。
農民工の子供が貧困から抜け出す唯一の方法は著名大学を卒業し、国営企業に勤め、共産党員の資格を持つことだが、すべてがコネ社会リベートがいるということ)の中国では貧しい農民工にそうした機会を与えない。
都市の裕福で十分にコネを持っている層の子弟だけが、再び中国のエリートとして再生産される。

注)中国経済が行き詰りに陥っていることは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-1cbe.html

俺たちはどうしたらいいんだ!!!!」中国全土で怨嗟の声が渦巻いている。
中国共産党がこうした声を抑える方式で採用したのが公式には儒教教育であり、非公式にはキリスト教の解禁である。
前者はいたるところに孔子廟が建設され、地方政府主体の行事が行われ、学校では儒教教育がされて道徳が教え込まれている。
父母を敬愛しなさい、年長者を敬いそして間違っても共産党幹部を指弾してはいけません
後者は一部の公認された教会以外に非公認の家庭教会というものがあり、今爆発的に普及しているのがこの家庭教会だという。
推定信者数は約1億人というから半端な数ではない。

 中国では宗教が公認と非公認に分かられるのは、共産党が宗教を管理しようとしているからだ。公認教会では信者の名簿の提出が求められる等、何かと共産党による横やりが入る。
家庭教会はこうした共産党の横やりを嫌って自由に活動を行っている教会だが、政府も黙認せざる得ないようだ。
特に政府にたてつかなければ良しとしよう

 何か古代ローマのキリスト教解禁のような様相になっていた。当時と言っても4世紀の初めだがコンスタンチヌス皇帝がキリスト教を公認したが、私はなぜローマのような物質文明に優れ、当時の世界各地にローマ式都市を建設し、軍事力では蛮族を圧倒していたローマがキリスト教という宗教を公認したのか理由が分からなかった。
GDPは毎年のように向上し生活が豊かになっているのに宗教なんか不要だろう」そう思っていたからだ。
だが現在の中国を見ると、なぜローマがキリスト教を解禁せざる得なかったかがよく理解できる。

 古代ローマも今の中国と同じで、裕福なのは都市市民だけで奴隷は当然としても市民になれない貧しい多くの下層階級が存在していた。中国の農民工と同じだと言えばイメージがわくだろう。
こうしたどうしてもローマ市民になれない下層階級を中心にキリスト教が浸透していったのだが、今の中国もこれと同じ状況だ。
俺たちは永遠に貧しいままだ。ローマも中国もくそくらえ

 裕福な人には更なる富を与え、貧しい人には宗教を与えなければ社会が安定しない。
共産党中国の苦渋の決断だといえる。
君たちには富を与えられないが心の自由は保障してあげよう
これで中国は「さまよえる人民のこころ」を救えるだろうか。それとも古代ローマがそうであったように残るのはキリスト教会だけになるのだろうか。

なお「激動中国」その1「空前の農民大移動」は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html



 

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(25.10.14) 芝生再生作戦成功 おゆみ野四季の道の芝生が再生した

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(NASの前の遊歩道。ここは完全に芝生が再生した)

 人間努力すれば何とかなるものだと思う。芝生が劇的に再生している。
ここおゆみ野には四季の道というとても美しい遊歩道があるのだが、昨年まで残念なことに芝生が雑草にやられてしまって息絶え絶えになっていた。
ここの遊歩道を管理している市役所は年に3回程度草刈りを実施してくれているが、その程度では雑草の生育を抑えられない。

 特に夏場にかけてはいいように雑草が伸びてしまい、そのため日陰になった芝生が死に絶えてしまう。
私は昨年からこの四季の道の芝生の再生運動を始めた。雑草が伸びるたびに草刈機で雑草の草刈りをしていたのだが、私が実施できる範囲は限られている。
業者のはだいたい10人ぐらいのクルーで一日草刈りをすると500m程度の遊歩道の草をきれいに刈り取っている。

 一方私の場合は一日2時間程度が限度で、その場合はどんなに努力しても100m程度の草を刈れば体力的にフラフラになる。
夏場は特にひどく水を常時飲まなければ熱射病で倒れそうだ。
しかし今年は歯を食いしばって頑張った。ほぼ毎日のように草刈りをしていたおかげで、芝生がいたるところでよみがえり始めた。

 10月になると業者の草刈りが始まって(通常5月、7月、10月頃に業者の草刈りが入る)、私が対応しなくても済むのだが、私が夏場に草刈りをした場所は芝生が青々と成長している。
一方対応できなかった場所は雑草しか生えていないから草刈りの後は私の頭と同じで、雑草の茎だけが残って禿茶瓶だ。見ると真っ白になっていてどこにも芝生が存在しない。
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(秋の道公園前の遊歩道。ここの芝生はことのほか美しい)

 今年私が懸命に努力した場所は夏の道のNASの前の遊歩道と、秋の道公園前の遊歩道、それと夏の道のジャスコから小谷小学校に向かうケヤキ並木の遊歩道だが、NASの前と秋の道公園前の遊歩道は実に美しい芝生によみがえった。
子供たちが芝生の上を好んで歩いていたり、先日は芝刈り作業員の方が芝の上で気持ちよさそうに睡眠をとっていた。
見よ、何と美しい芝だ」毎日私はひそかに自慢している。

注)なお春の道公園の芝生は私ではなく私の友達が再生運動を行っている。

 夏の道のケヤキ並木については今年から草刈りを始めたが、芝の再生がまだ十分といえず一部に地面が露出している。こうした場所も来年には芝生でおおわれるだろう。
先日ここ四季の道とちはら台のかずさの道を使用したハーフマラソン大会を開催したのだが、ランナーの感想のなかに、「おゆみ野の遊歩道が美しく整備されていたので走っていて気持ちよかった」という言葉があった。
苦労したかいがあったというものだ。
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(金沢小学校前の芝生。私が1回しか草刈をしなかったため雑草が生えてしまった。白い場所が雑草に覆われていた場所)

 このブログのキャッチフレーズが「おゆみ野四季の道を世界一美しい遊歩道にするために残りの人生をささげよう」だが、この約束がうそでない事が証明されつつある。
今年はずいぶんがんばった。来年もこの調子で行けば芝生再生作戦は目的を達成できそうだ。

注)草刈の奮闘記は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-eb79.html

おゆみ野四季の道を世界で一番美しい遊歩道にするために、残りの人生をささげよう

おゆみ野四季の道を世界で一番美しい遊歩道にするために、残りの人生をささげよう

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(25.10.13) NHK クローズアップ現代 日本の高齢者は世界最速ランナー 

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(北海道 トムラウシ岳の近く。タムさん撮影)

 日本の老人が世界で一番元気なのではなかろうかと思ってしまった。
京都で開催されていたマスターズ陸上の世界大会で日本の老人が世界新記録やアジア新記録、そして日本新記録を連発していたからだ。

 圧巻は90歳森田満さんで、女子90歳代の陸上100mと200mの世界新記録保持者になっていた(マスターズの競技は5歳刻みで行われる)。
90歳とは思われないかくしゃくとした言葉づかいで声だけを聞いていれば私とさして変わりがない若やいだ声をしている。

 毎週3日、近くの子供陸上クラブの練習に参加しており、小学生と一緒になってスタートダッシュや、タイヤを引っ張りながらの走力のアップを図っていた。
食事は毎回タンパク質とビタミン類が豊富にある食事を食べ、朝はんは豚肉5枚と生卵を飲み込んでいたが、私などそんなことをしたら胃がもたれて1日中苦しみそうだ。
しかも3時間後には店でうな重を頼んでいたからとても老人の食事とは思われない。

 老人医学の専門家が、「老人にはタンパク質が必要で特に75歳を過ぎたならば栄養価のある食べ物をたっぷり食べることが大事だ」と言っていたが、世界新記録保持者になるのにはそうした食事が必要なようだ。

 森田さん以外で宮崎秀吉さんという103歳の男性がいて、100歳以上の陸上の世界新記録保持者だった。こちらの方はそもそも走る人が世界的に見てもほとんどいないのだから走りさえすれば世界チャンピオンになってしまう。
足がややもつれた感じはあったが、それでも立派に走り切っていた。
私も100歳まで生きて身体が動けば世界新記録も夢でないな!!」嬉しくなってしまった。

 日本の老人は走ることが実に好きだ。日本人は暇さえあれば走っており、皇居の周回コースが特に有名だが、ここおゆみ野の四季の道も隣のちはら台のかずさの道もランナーで溢れかえっている。
そして何より老人が走ることは健康的にも精神的にも若返る秘訣だ。

 見ていると老人ランナーは実に若い。自分のことを言うのはいささか気恥ずかしいが私などは帽子をかぶっていさえいれば40代後半と言っても信じてもらえる。
ランナーは顔と身体に脂肪が着いていないからで、特に顔に脂肪が着いていなければ昔ながらの顔の形を保っている。

注)いわゆる年寄り顔とは顔に脂肪が着いてしまうから全体にのっぺりして、さらに小鼻に脂肪がたまると鼻の穴が開いてしまう。どんな美形でも年齢を重ねると顔が崩れて見えるのはそのせいだ。

 何度も同じことを言って恐縮だが、日本の最大の資源は老人だ。いままで老人は病院通いばかりする厄介者に見られていたが、それは病院以外に行く場所がなかったため仕方なしに病院に遊びに行っていたのだ。
私も老人だからよくわかっているが坐骨神経痛や膝関節の痛みや腰の痛みなどどんなに病院に通っても治らない(近い将来パーツを取り換える再生医療が普及すれば坐骨神経痛の苦役から逃れられるかもしれない)。
いわゆる加齢からくる病変は今はあきらめる以外に対処方法はない。
だから病院など行っても無駄で、それよりも森田満さんのように子供とスタートダッシュの練習をしている方が病気のことを忘れてしまうだけはるかに健康的だ。

 運動をしたり、シングルファーザーの孫の面倒を見たり、子供に勉強を教えたりしていると注意がすっかりその方に向くので、病気のことを忘れられる。
老人は保護の対象ではなく埋もれた人的資源だと認識すれば、日本ほど元気印の老人はいないのだから、これほど素晴らしい資源はないことに気付くべきだ。
そのことをマスターズ陸上大会の元気印の老人が教えてくれている。

注)なお「老人は荒野を目指すべきだ」という記事は前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/24111-898b.html

 

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(25.10.12) クローズアップ現代 「父子家庭急増の陰で」 「虐待死事件の波紋」

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(おゆみ野の朝焼け)

 NHKの番組を見て思わず泣いてしまった「これじゃ、どうしようもないじゃないか・・・・」そう思ったからだ。
先月の6日に江東区のアパートで5歳の男子児童が父親から虐待を受けて死亡した。
子供が下着のまま幼稚園に行こうとしたため折檻したのだという。
こうした場合常に子供に同情が集まるのだが、今回私はそれ以上に父親に同情してしまった。

 この父親は45歳で4年前に働いていた建設会社が倒産し、さらに昨年妻と離婚した後残された4人の子供を男手一人で育てていたという。
収入はなく生活保護をうけていたが、この父親は子供のために精いっぱい努力してきた様子がうかがわれる。
この5歳児童の好きなミートボールと卵焼きの弁当を毎日作り、保護者会には必ず出席し、忘れ物があると懸命に幼稚園に届けていた。

 幼稚園の園長がインタビューに答えて「お父さん、本当に頑張っているね。ありがとう」といつも思っていたといっていたが、こうした父親が起こした事件を虐待というのだろうか。
父親は明らかに子供を愛していたとしか思われず、折檻したのは「男だから強くあってほしかった」と供述していたが本心だろう。
子供を愛していながらなぜ父子家庭で虐待が起こるのか、私には構造的な問題に見える。

注)他の子供は女子でこの5歳の児童が一番下の子供のようだった。

 調査によると父子家庭は全国で約22万世帯あり、ここ10年間で28%増加したのだそうだ。結婚したカップルの3組に1組は離婚するのだそうだから母子家庭も父子家庭も増えるのは致し方ないところはあるが、父子家庭には特有の問題がある

 それはDNAに刻まれている一種の本能のようなもので、通常哺乳類の雄は子育てをしない。それはあたりまえで雄は母乳がでないのだから乳幼児を育てる能力がそもそも存在しない。
ライオンやオットセイやセイウチを見ても分かるようにオスはメスより一回り身体が大きく運動能力にすぐれ、その役割は集団を守ることと子孫を残すことだけだ
それは人間であっても同じで、家庭を守るために外で働いて収入を得、そして強くたくましくかつ頭のいい子を作るのが男の役割だ。

 そうした雄としての男性が子育てを始めるとどうなるかはすぐに予測できる。
なれない子育てにイライラが嵩じ、シングルファーザーの一人が言っていたように「一旦イラとスイッチが入ってしまうと抑えが効かない」状況になる。
当初はしつけのつもりでも、折檻としつけの差はほとんどない
しかも男には戦う本能が備わっているから、これにスイッチが入るとどうしようもない暴力になってしまう。

 通常の家庭であれば母親がいて子供を守り、父親の暴力の防波堤になるのだが父子家庭では止める人がいない。そうして今回のような事件に発展してしまう。
男は動物の種として子育てに向かないのだ。
番組では父子家庭の父親が他に助けを求めることなく、男の意地で子育てをしているが、行政やNPO法人の助けを求めるべきだと言っていた。

注)現在は父子家庭でも児童扶養手当がもらえる。

 だが行政やNPOに相談する前に、もっとも身近な存在である父母に依頼するのが普通だろう。通常日本には多くの元気な老人がいる。しかも多くの老人は生活が安定し年金生活で余裕がある。
すべての父子家庭や母子家庭に頼れる親がいるとは限らないが、日本には世界的に見ても飛び切り元気で収入の多い老人が多い。
この老人層こそは父子家庭の問題を解決する切り札ではなかろうか。

 今回の事件で「容疑者はなぜ親に頼らなかったのだろうか」ととても不思議な気がした。
老人は孫には優しい。男であっても老人になれば闘争心はまるでなくなって好々爺になっているのが普通で間違っても虐待死など起こさない。

 私はこうした父子家庭母子家庭もだが)の問題は老人が立ち上がらなければ解決しないのではないかと思っている。父親にすべての子育てを任せるのは、動物の本性からして危険すぎるからだ。
老人がこうした子育てに参加して父子家庭の問題の軽減を図ることが最も大切で、老人に頼れない場合のみ行政やNPOに頼るのが順序ではなかろうか。

注1)大津市で発生した中学二年生の自殺事件は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-23d7.html

注2)桜子ちゃんと楓ちゃんの餓死事件は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/2282-naze.html

 
 

 

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(25.10.11) 文学入門 南木 佳士 「ダイヤモンドダスト」

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(ネパールの4000mクラスの山。日本のイメージでは2000mクラスに見える)

  今回の読書会のテーマ本は南木 佳士なぎ けいし)氏の「ダイヤモンドダスト」だった。
私は小説というもの30歳ごろからはほとんど読むことがなくなっていたので、この読書会のテーマ本を読むのが唯一の小説との触れ合いになっている。
南木 佳士氏と言われても、また「ダイヤモンドダスト」と言われてもさっぱりだったが、この小説は第100回の芥川賞を受賞した作品だった。

 南木 佳士氏秋田大学医学部を卒業した後長野県の佐久総業病院農村医療問題で著名な若槻俊一氏がいた)で勤務をしながら、1981年に難民医療日本チームに加わりタイ・カンボジア国境で医療事業に従事している。
氏の小説は私小説に近い内容が多く、このダイヤモンドダストは主人公が医者ではなく看護師であり、妻に死なれて父親と息子の3人暮らしをしていることなどは実際と異なるが、主人公の精神の軌跡はほぼ作者の精神の軌跡と言っていい
私が読んだ文春文庫本には他に3編が収められているが、すべて氏が佐久総合病院で経験してきた事実に基づいて小説が構成されている。

 ダイヤモンドダストの内容は導入部にかなりの無理がある。本人はとても優秀で医学部の進学を目指したかったが父親が脳溢血で倒れ看病する人がいなかったため(母親は死別している)、医大入学をあきらめ近くの看護学校に進学した。
その後佐久総合病院と思われる病院に勤務していた時、大学生だった妻(足をくじいて入院してきた)とであうが妻は4年間の闘病生活の後子供を残して死別する。
すでに主人公とあった時には悪性腫瘍であと数年の命だということは分かっていたが主人公には告げず結婚をしたことになっている。

 この導入部分は「やはり無理だな・・・・」と思う。第一に医学部はどこの都道府県にもあり看護学校に通うのとさして変わりはしないから、看護学校に行かねばならない必然性が弱い。
さらに末期がんと宣告されていた女性が結婚をし、さらに子供まで設けるというのはやはりやりすぎだ。これでは最初から子供の面倒は主人公に任せることを想定していることになるし、末期がんの患者が妊娠して子供を産めるかどうかも怪しい。
南木 佳士氏は無理やりこうした状況設定をしたが、これは主人公が持つ人生に対するあきらめをどうしても表現したかったからだろう。

 南木氏の小説には何かどうしようもない人生に対する挫折感が漂っている。本人は秋田大学医学部を卒業しているのだから現在の日本人としてはエリートの一人だが、秋田大学という新設の二期校の医学部にしか入れなかったことを心の底では悔やんでいる。
また本人が就職した佐久総合病院は今でこそ若槻俊一氏の努力で日本でも有数の農村医療のメッカだが、1970年代はまだそうした名声からは程遠い病院だった。
南木氏が長野の田舎のこの総合病院に就職し、また途中で難民医療日本チームに加わりタイとカンボジア国境で医療業務に従事したのも、南木氏のもつ人生に対する何かあきらめのような気持ちがそうさせたのだろう。
俺は出世とは無関係の人生を選択するのだ
こうした状況は結果的になることが多いのだが、南木氏は意図的に自分をそうした人生に追い込んでいる。

 私はこのダイヤモンドダストという小説をとても気に入ったし、この小説の持つ諦観と言ってもいい静かな調べは好きだ。
実は私も南木氏が持つメランコリーと言っていい感情にしばしば襲われてきた。
私は南木氏とは異なりある金融機関に就職したのだが、つねにそこでの生活に違和感を感じていた。
今思えば同僚はほとんどの人が紳士で聡明な人が多く、かつ会社も従業員の面倒をよく見るとてもフレンドリーな職場だったが、私はいつも逃げ出したいような衝動に駆られたものだ。
結果的には37年間もその職場に勤務したが、常に異邦人だった自分は出世とは無関係だったし、人からほめられるような足跡も残していない。

 南木氏の持つこの社会に対する不適応症は深くDNAに刻まれたもので、本人にはどうしようもないものなのが私にはよくわかる。
南木氏に対し非常な共感を覚えたが、「互いに人生に対する不適応症だが、それでも何とか歯を食い絞って生きようじゃないか」という人生の挽歌ばんか)のような調べを共有しているからだろう。

なお文学入門のシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43898465/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat31264874/index.html

 

 

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(25.10.10) トラブル続きのみずほ銀行 経営者不在体質が続いている!!

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(パリ ベルサイユ宮殿)

 ふたたびみずほ銀行が火を噴き始めた。2002年3行第一勧銀、富士、興銀)のシステムのつなぎシステムを稼働させようとして大規模システム障害を発生させ、こっぴどく金融庁からお叱りを被ったが、東日本大震災時に再びシステムトラブルを発生させた。
そして今度は暴力団員への融資を放置し金融庁には「そうした融資はない」と報告していたのだから、経営トップの責任は逃れられない。
事実と異なる報告を行っていたことは極めて遺憾」と金融庁に言われてしまえばあとはない。
再び業務改善命令が出され、これで合併後7件目だから業務改善命令のオンパレードだ。

注)過去のシステムトラブルがなぜ発生したのかの分析は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/23522fg-17e1.html

 今回の暴力団員への融資の内容は、信販会社オリエント・コーポレーションで行っていた自動車関連の提携融資で、審査と保障をオリコが行いみずほBKが融資をするという仕組みである。
みずほBKはオリコが保証してくれているので安全確実な融資という位置づけであり、一方オリコは顧客から保証料を徴収できる。
信販会社は業績向上が第一だから審査はあまく、はっきり言えば返済さえ可能ならば誰にでも融資審査をパスさせてしまう。

 オリコがみずほBKと全く資本関係がなければ問題はなかったが、オリコが10年7月にみずほグループの傘下に入った為、シラを着ることができなくなってしまった。
少なくともみずほFGファイナンシャルグループ)の社長が知らないということは言えず、現在の佐藤社長は同時にみずほBKの頭取でもあるから、みずほ銀行も知らないと逃げることができない。

注)正確に言うと当時はまだみずほ銀行とみずほコーポレート銀行に分かれていて、オリコの検討をしたのはみずほコーポレート銀行。現在は合併してみずほ銀行になっている。

 当初はコンプライアンス担当役員までのミスとして逃げようとしたが、10年7月のオリコの子会社化の時点で、問題融資があることが分かり、みずほ銀行はこれを引き継ぐかどうかを役員会で検討している(議事録がある)。
君、暴力団関連の融資はやはりまずいよ、何とか解消できないかね・・・
頭取、そうしたいのはやまやまですが○○組の説得はかなり危険で難しいです。関西の地銀では担当役員が刺殺された例もありますので、へたに行うと死傷者がでます

 結局総額2億、230件余りの案件を長期的に減額させるということで(新規貸し出しをしないということ)で何とか収めることにしたようだ。
君、これは金融庁には厳秘ということにしよう。担当者にかん口令を引いておくように
しかし、こうした超内密な案件は内密なほど情報価値が高い。
出世や処遇に不満を持った担当者や役員は、「俺は頭にきた」時は情報をリークする。

 今回の案件は金融庁の検査で発覚したことになっているが、通常はそんなことはあり得ない。金融機関は隠すときは徹底的に隠すので検査で漏れるようなへまはしない。
事前にリークされた情報があり、かつ証拠書類のコピー(役員会の議事録等)などが入手できた場合にのみ、こうした問題案件が発覚するのだ。

 みずほ銀行がとくに問題含みなのは、第一勧銀、富士、興銀と言った日本が高度成長期には日本をリードしていた金融機関同士の合併だったからだ。
これが強者が弱者を飲み込む吸収合併だったら、システムも人事制度も経営方針もすべて押し付けることができる。
しかしみずほのように三行がイーブンな場合は3行の立場をそれぞれ立てなければならない。
2002年のシステム障害は各行の勘定系をそのまま残してつなぎシステムを作るという、何とも合併らしからぬ措置のために発生したトラブルであり、2011年の東日本大震災時のトラブルは取扱量の最大値の見込みを誤ったためだ。

注)つなぎシステム失敗後、一勧の勘定系システムをみずほのシステムにしたが、一勧のもつシステムの脆弱性を一勧のシステム担当者以外は把握していなかった。

 そして今回の暴力団への融資をしていたのが旧第一勧銀でオリコも旧第一勧銀の傘下にあったためみずほ全体での問題でなく、旧第一勧銀の問題に矮小化されてしまった。
この案件は一勧さん、あんたの所でなんとか裁いてほしいね。これはあんたの所で発生した問題だよ
2000年の大合併から早13年たったが、相も変わらない3行による確執がみずほ銀行全体の問題としてとらえる姿勢を弱めている。
経営者はいてもその威令は自分の出身母体の金融機関にしか及ばない。みずほ銀行と言っても内部は3行体制なのだ。

 力が拮抗している同士の合併は、なかなか合併効果が出ず、かえってトラブル続きなのは互いに人事で足の引っ張り合いをしているからだ。
このままではみずほ銀行は業務改善命令ばかりだされて、メガバンクの地位から滑り落ちそうだ。

注)東日本大震災時のシステムトラブルについては以下に詳細に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/23321.html

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(25.10.9) NHK Bis + 広がる再生医療ビジネス 膝の軟骨が再生する!!

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(トシムネさん撮影 千葉 九十九里海岸)

 年をとるとどうしようもないことが起こる。身体のあちこちにガタがきて身体がまともに動かない。
私の場合はが剥げてしまい、は遠くなり、左の膝は軟骨がすり減ってしまったのだろうか、走るととても痛い。そして右の膝は坐骨神経痛だ。

 加齢からくる老衰の一種だからあきらめていたら、最近Bis +という番組で再生医療のビジネスの現状をレポートしていて、その中で頭髪の再生膝の軟骨の再生が可能になっていることを報じていた。

 もっとも頭髪の再生はまだ動物実験段階で、マウスの頭頂に黒々とした毛が生えているのには笑ってしまった。研究者の話ではこの再生医療技術はとても有望で近い将来に一般化すると言っていた。
なら人体試験が必要なら私が名乗りを上げよう。だが頭頂部だけだと何か漫画の主人公みたいだからかえっておかしいかしら・・・」今から心配になってきた。

 一方膝の軟骨の再生医療についてはベンチャー企業J-TECが再生技術を確立していて、厚労省の承認を得ており、しかも保険適用になっているという。
この技術は元々は広島大学医学部で開発した技術で、病院を訪れていた女性は膝の痛みが激しくて歩くこともままならなかったのに、移植された軟骨が効果を発揮して痛みが消えていた。
元々はバレーの国体選手だったそうで、あと2年もすればバレーが再開できると喜んでいた(すぐには軟骨は復活しないらしい)。

 私の場合は長距離走をやりすぎたのが原因で250㎞レースや1000kmレースに好んで出ていたのだから軟骨がすり減るのも致し方ない点がある。
すっかりあきらめていたが、しかし再生医療で復活するならぜひとも手術を受けてみたいものだ。まだ一般化した技術ではなく特定の整形外科医しか対応ができていないが、近い将来はどこの病院でも受けられる手術になると広島大学の教授が言っていた。

 日本は世界でも有数な高齢化社会で年寄りばかりだが、もし年寄りが再生医療の恩恵で若者と同じような運動能力を持ったらこれはすごいことになる。
何しろ経験は豊かなのだからオリンピックなどでも相応の結果も出せるかもしれない。
きっと再生医療ドーピング問題などが発生し、本来の能力を上回る再生医療選手はオリンピック出場資格を停止するなんてことになりそうだ。

 最近安倍首相から日本復活の切り札として再生医療の先進国を目指す戦略が打ち出された。日本にはiPS細胞のエース、山中 伸弥教授がいる
この戦略のために厚生労働省薬事法を改正し最短で再生医療の承認を与える方式に変えるという。今までは承認をできる限り伸ばすことが目的だった薬事法を、できるだけ早期に承認する制度に改正するのだという。

 なぜ厚労省が再生医療の承認を渋ったかというと、責任問題を恐れたからである。
かつてサリドマイド、スモン、クロロキシンと言った薬害で大失敗をしてきたことから、厚労省は日本で真っ先に新技術や新薬を承認することをできるだけ避けてきた。
アメリカやドイツで承認されるのを見ておもむろに、「では我が国も承認しましょう。何しろアメリカやドイツでも認められているのですから」と言ったものだ。

注)厚労省がいかに承認を嫌がってきたかは、以前以下のブログで詳細に記述しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-b386.html

 だがこれでは成長戦略にはならない。安倍首相にお尻をひっぱたかれて厚労省が採用した方式は、条件・期限付き承認制度というもので、今までの半分程度の年数でいったん承認し実際に市販をしてみて問題がなければ承認を継続し、もし問題が発生すれば承認を取り消すという制度だ。仮免みたいなものだと言えばイメージがわくだろう。

注)ゲストで出ていたJ-TECの社長は軟骨の再生医療技術の承認に13年かかったが、今後はその半分程度の年月で承認されるだろうと述べていた。

 こうしてようやく厚労省が重い腰を上げて日本が再生医療の先進国になれる環境を整えることになった。
将来老人の肉体が再生医療だらけになると何かサイボーグ009みたいだが、再び若い時代の力を復活できるのであればそれもまた楽しいのではなかろうかと思っている(ただし再生医療老人は若者と同じ肉体だから年金は停止して働けということになるかもしれない)。

 なお日本が医療分野、それも老人医療に関する分野で最先端国家になれるはずというということは以下にまとめて記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48360072/index.html

 

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(25.10.8) NHK 激動中国 「空前の農民大移動」 素晴らしい番組が始まった!

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(バリ島の海岸)

 NHKが放送を開始した「中国激動」シリーズは期待がもてる。最近のNHKの中国報道は中国ベッタリズムから抜けて非常に公平な視点で報道するようになったからだ。
それまでの報道は中国は破竹の勢いで拡大し世界の超大国になるというものだったが、最近はとても冷静だ。ちょっとやそっとでは超大国になれないことが分かってきたからだろう。

 第一回目は現在重慶市で行われている「空前の農民大移動」の実験を取り上げていた。
中国の抱えている問題の中で最大の問題の一つが都市と農村の所得格差で、都市住民は先進国の市民とさして変わらない生活水準だが、一方農民はかつての農奴とさして変わらない。

 なぜこのようなひどい格差が発生したかというと農村と都市が実質的に別の国家で、農民はいつまでたっても都市市民になれないことが根本的な原因だった。
いわゆる都市戸籍と農村戸籍の問題で同じ中国人でも戸籍によって国家が異なっている。
その結果都市が改革開放の波に乗ってGDPが急拡大したが、農村は清朝の時代からの停滞そのままだった。

 最も農民は農民、都市住民は都市住民として相手のことを知らず暮らしていた間はさして問題は起こらなかったが、1990年ごろから始まった移動の一部自由化(出稼ぎの場合のみ農村を離れられる)によって、農民が都市住民の生活を知ってしまった。
俺たちは同じ中国人なのに都市住民だけが裕福な生活をしている。これは毛主席が唱えた平等主義に反するのではないか

注)農村と都市の住民の間で一種の階級闘争が始まっていることは前に記した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-1cbe.html

 各地で農民暴動が発生(年間100万件規模)してきたので習近平政権は危機感を抱き、農民の都市住民化政策を強力に進めることにした。
君たちも都市住民になれれば文句はないだろう!!」
その実験が重慶で行われている農民大移動だ。
重慶特別市は人口3000万人、内農村戸籍を持った住民は2000万人だという。このうち1000万人を都市住民に変えてしまおうという計画だ。

 農村戸籍を持っている農民は国家から土地の耕作権を付与される。耕作権は30年程度認められ問題がなければ更新される。いわば所有権とさして変わりがなく農民はこの権利によって自給自足の生活が保障されてきた。
一方で土地があるという理由で都市住民が受け取っている年金や医療保険は無きに等しい状況にある。
政府は君たちに土地の耕作権を与えた。後は政府を頼らずに自給自足してくれたまえ

注)中国には13億の国民がいるが、このうち9億人が農村戸籍。この人たちには政府は何ら保護を与えず自給自足の生活を強いた。残りの4億の都市戸籍の住民だけが中国政府が年金や医療措置を講ずる市民という位置づけになっている。

 番組では農民から土地の使用権耕作権)を取り上げる代わりに安置房と称する32階建ての高層マンションを与え、さらに老人には1万6000円の年金が支給されていた。
安置房は日本的感度では間違いなく高層マンションで、都内だったら1億円程度はしてもおかしくない立派な建物だった(地方でも3000万円から5000万円はしそうだ)。
さらに老人には今まで与えていなかった年金までもらえるのだから、ほとんどの農民はこの政策に大賛成で、どのマンションが抽選で当たるかだけが何か人生のすべてと言った大騒ぎをしていた。
俺たちは農業を止めた。高級マンションをただでもらってあとは年金暮らしだ!!!」

 確かに驚くべき政策だが経済などというものは日本であれ中国であれ同じメカニズムが働くもので、こうした高層マンションや年金支給の財源は、すべては土地の値上り益にかかっている。
重慶市は農民から取り上げた農地を今度は工場団地に変えて、沿岸部の企業家や外国資本に使用権を高く売りつけ、さらに進出した企業に重税を課して年金の財源にしようとしていた。

 しかし問題はこうして再開発した工業団地が予定価格で販売できるかにかかっている。
沿岸部から来た企業家に重慶市が説明会を開いていたが、企業家の感度は「これじゃ沿岸部の土地の値段とさして変わらないじゃないか・・・・」というものだった。
重慶市は沿岸部で成功した土地開発方式を内陸部の重慶でも可能と考えているが、これは遅れて出てきた英雄のようなもので、はっきり言えば時期を失している。

 日本では地方自治体が農民や漁民から土地を地上げし、そこに大々的な工場団地を造ったが、日本経済の失速によってそうした場所はぺんぺん草が生え自治体の財政をひどく圧迫した。
現在重慶市が行っている農民大移動はその中国版で、土地を収用したまではよかったが工場は進出してこず重慶市には借金だけが重くのしかかるだろう。
重慶の農民はマンションをただでもらって得をしたように見えるがそれは短期的な見方で、工場団地に工場が建設されない以上かつての農民には職場がない。

 仕方なく昔のように出稼ぎに行くか、まだ残されている農地で無断で農作業をするしか方法はない。しかも安置房を建設した資金は中国中央銀行が通貨元を印刷して銀行を通じてばらまいただけだから、当然のこととしてインフレが起こってくる。現在の16000円の年金も瞬く間に輝きを失うだろう。
すべては土地の値段が上昇することを想定して計画が立てられており、バブル経済そのものだが、反対にリーマン・ショックのように値下がりでもしたらすべての計画は逆回転する。

 習近平政権の農民の都市住民に変える政策は、中国が世界の工場として外国資本が雪崩を打って進出していた時期ならともかく、現在のように反対に逃げ出そうと懸命になっている時期には全く有効とは言えない政策だ。
だから重慶市の大実験は市に膨大な借金を残して失敗するだろうと私は思っている。

注)中国の社会問題全体については以下にまとめて入っております
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html

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(25.10.7) ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン大会が実施された

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 この日曜日、ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン大会がここちはら台かずさの道とおゆみ野四季の道を使用して実施された。
この大会は私がおゆみ野とちはら台の遊歩道を使用した正式なハーフマラソンをいつか実現させるために、試行的に実施しているものだ。

 地区の活性化のためには何といってもマラソン大会が一番だ。これは石原前都知事が成功させた東京マラソンを見ればわかる。
東京マラソンは今では日本最大の行事の一つにまでなったが、日本人のマラソン好きは何かDNAに刷り込まれた資質のようで、縄文時代から日本人は野山を走り回っていたのだろう。

 ハーフマラソンを日本でも有数の美しい遊歩道の四季の道とかずさの道を使用して実施するのが私の秘かな計画で、そのために懸命に芝生の再生作業を昨年来より実施してきた。
嬉しいことに四季の道の芝生は昨年より見違えるほど美しくなり準備は着々と進んでいる。

 マラソン大会はこの春はハーフだけだったが、今回はフルも種目に加えた。フルはハーフのコースを2回走るといういたって単純明快なコース設定にしてある。
参加者は私が所属しているちはら台走友会のメンバーがもっとも多いのだが、それ以外に四季の道ランナーズ帝京市原接骨院の先生方や、その他私のブログを見て応募された方や、四季の道で撒いたビラを見て参加された方たちだ。

 総勢で35名になって、私は驚いてしまった。せいぜい20名から30名の間でどちらかというと20名に近いのではないかと予想していたからだ。
しかしふたを開けてみるとハーフに30名、フルに5名の応募があった。
この春のハーフマラソン大会では14名の参加だったから2倍強の参加人員になっている。

注)春の大会の模様は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e6df.html

 個人が主催するマラソン大会では公道は占有できないから、一般のジョガーと同様の条件で遊歩道を走り、信号では交通規則を守る
折り返し地点には三角コーンを設置するが大会が終われば撤去するし、コースを示すためのチョークの矢印は早急に洗い流すつもりだ。

 今回のハーフ・フルマラソンではちはら台走友会のメンバーが全面協力をしてくれて3か所にエイドステーションを設置することができた。
この日は特に暑くはなかったが、それでもエイドがあるとないとでは全く条件が異なる。
いわゆる脱水症状なんかで病院に運ばれたら大変だから、水分は必須だ。
また会長のSさんが1kmごとの表示を設置してくれたので、本格的なレースのようだった。

 私は今回フルを走ったのだが、30kmを超した地点から足がけいれんし始めた。1kmごとに立ち止って足を延ばさないと、今にもつりそうだった。
未だフルを走る足になっていなかったようで、ようやくゴールにたどり着いたときは実にほっとしたものだ。

 今回のような遊歩道を使用した大会は年2回実施するつもりだ。春はおゆみ野四季の道がスタート、秋はちはら台かずさの道がスタートとする。
現在は試行の段階だが、いずれこの四季の道とかずさの道を使用した本格的なマラソン大会を私が生きているうちに開催にこぎつけたいものだと思っている。

(ハーフマラソン結果) 敬称略 また一部漢字が読み取れないところがあります。

1. 高橋 秀明     1:33:44
2. 望月 和美     1:38:00
3. 小倉 文夫     1:38:22
4. 谷本 文       1:40:12
5. 山口 紀人     1:47:04
6. 田中 俊一郎    1:48:47
7. 岩瀬         1:51:35(名前が読み取れません。ごめんなさい)
8. 陣野 正美     1:52:27
9. 井上 貴博     1:56:00
10.山口 夏帆     1:56:28
11.清水 雅夫     1:57:00
12.野口 真司     1:58:46
13.江波戸 成禎    1:59:41
14.山口 謙太郎    1:59:57
15.佐藤 仁俊     2:00:01
16.田中 敬子     2:00:55
17.荒木 富士男    2:00:56
18.三浦 博隆     2:02:58
19.渡辺 晋       2:04:00
20.平田 雅       2:07:58
21.寺崎         2:10:00(名前の漢字変換ができません。ごめんなさい)
22.安富 ひろ子    2:12:00
23.安富 淳       2:20:19
24.池田 三郎     2:21:14
25.吉永 静子     2:24:05
26.石山 洋亮     2:25:20
27.斉藤 誠       2:34:18
28.金子 みどり    2:35:15
29.貫井 文子     2:43:29
30.出山 和彦     記録なし

(フルマラソン結果)
1.小堀 育男      3:50:19
2.島田 弘幸      4:09:39      
3.山崎 次郎      4:35:30
4.嶋田 克三      記録なし
5.村上 和彦      記録なし(33kmで棄権)

注)なおタイム等が間違っていた場合は修正をいたしますので申し出てください。

 

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(25.10.6) プーチンさん ありがとう。 「オリンピックは東京で開催しよう!!」

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(長野県 美ヶ原頂上からの景色)
 

  最近になって政府高官からの話として、ロシアのプーチン大統領がオリンピックの東京開催を積極的に応援してくれていたことが分かった。
先のG20サミットの席上で安倍首相の東京誘致依頼に対し、プーチン大統領は「ロシアの3名のIOC委員には東京開催を指示した。また私の知り合いのIOC委員にも働きかけを行っており、おそらく東京開催に賛成票を投ずるだろう」と答えたという。

 この政府高官の話によると、「これは大きな東京開催の勝因になった」のだそうだ。
当時日本は福島原発の汚染水漏れが発覚し、日本誘致を何としても阻止しようとしていた韓国のパク・クネ大統領が、日本からの水産物の輸入を禁止して、「如何に日本での開催が危険か」必死になってアピールしていた時期だ。
またニューヨーク・タイムズのようなアンチ日本の新聞社が反東京開催キャンペーンを繰り広げていた時期だったから、このプーチン大統領の支持は実にうれしかったに違いない。

注)パク・クネ大統領の妨害工作やニューヨーク・タイムズのアンチ日本キャンペーンは以下の記事に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/2598-70b8.html

 プーチン大統領は個人的にも日本が好きなのだが、それは自身が柔道愛好家だからである。柔道を通じて日本を理解しており精神の深いところで日本に対し強いシンパシーを持ち続けている。
もっともそれだけで日本を支持をするのは政治家としてはあり得ず、ロシアにとっての最強のパートナーが日本だとの認識からきている。

 プーチン大統領にとって悩みの一つは極東ロシアが中国によって席巻されており、農村地帯は中国人の請負耕作ばかりになり、また中国からの安い商品で極東は溢れかえっている。
まずい、このままでは実質的に極東ロシアは中国領土になってしまう。何とかしなければ・・・・・
政治の世界では敵の敵は味方だ。ロシアも日本も仮想敵は中国だからプーチン大統領にとり日本は戦略的パートナーとなる。

注)極東ロシアが中国人によって蚕食されている現状は以下に記載した。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-fe78.html

 さらに問題はロシアの最大の輸出品である天然ガスがヨーロッパでさっぱり売れなくなってきたことだ。ヨーロッパはドイツを除けば経済が停滞ないし縮小しつつある。当然天然ガスの輸入量は減少するので、この代替輸出先を開拓しなければロシアの将来はない。
中国も景気減速で輸入を増やしそうにないが、唯一日本は福島原発事故のあおりで天然ガスの輸入に積極的だ。
よっしゃ、俺は日本が好きだ。日本と戦略的互恵関係を結ぼう

注)ロシアの悩みについては以下の記事にまとめて置いた
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-babf.html

 日本は今中国と・韓国の包囲網に悩まされていて、一方アメリカ政府は日本を支援してはいるが、議会の中には強固な中国ロビーが存在する
そしていわゆる民主党系のニューヨーク・タイムズのようなマスコミは中国と韓国のプロパガンダを垂れ流している。

 政治の世界では敵の敵は味方なのだ。プーチン大統領が盛んに日本との提携を模索しているのだから、私はロシアとの協力関係を強化すべきだと思っている。
かつて日本とロシアは何回も敵対したが、それは中国領土を互いに狙っていたからで、今のように中国から領土を脅かされている場合は反対にスクラムを組むことができる。
ロシアはアメリカと並ぶ軍事大国だし、日本は衰えたとはいえ経済大国でその持っている技術水準は世界屈指だ。こんな相性のいい相手はいない。

 一般の人はロシア人を知らないだろうが、私はバイカル湖の近くのアンガルスクという町にロシア人の友達がいる。
過去4回ロシアを訪問したことはあるが、ロシア人の友人に対するフレンドリーな対応にはすっかり淡泊になってしまった日本人はびっくりするほどだ。
非常に朴訥で誠実なところがあって全く商売人とは言えず、日本人向きと言ってよい。

 私はプーチン大統領のオリンピック日本開催支持については政治的経済的損得を除いても、非常な好意を感じた。
それは韓国のパク・クネ大統領悪意丸出しで日本を貶めようとしているのとは好対照と言えるだろう。
だからもう一度言おう。「プーチンさんありがとう


(別件) ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ

いよいよ本日になりました。雨天決行

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
(おゆみ野のさくら公園でないので注意してください)

・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

http://goo.gl/maps/B3T89

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 *人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)。

 

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(25.10.5) JR北海道についてのクローズアップ現代の指摘は正しいか?

22109_016 
(おゆみ野四季の道)

 NHKのクローズアップ現代で放送されたJR北海道の「失われた安全」という番組は、その限りでは正しいのだが、しかし本質的な問題を指摘してないなと思った。

 JR北海道の輸送障害件数が他のJR各社に比べて2〜3倍と際立って多い。
JR北海道では2年前にトンネルでの列車火災事故を受け、国交省から業務改善命令を受けていたがその後も事故は続き、特に今年の4月以降、4回も特急列車の火災事故が発生している。
何とも異常な増加でNHKのレポーターはJR北海道に旧型の車両が多く、特に列車の配電盤からの火災は旧国鉄時代のおんぼろ車両だったと指摘していた。

注)なおこの列車火災事故の責任を感じて当時の社長の中島尚俊氏が自殺している。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23921.html

 JR各社が民営化されたのは今から26年前だが、このとき各社ごとの経営基盤を調整するために経営安定化基金が創設されている。
これは特に経営基盤が弱かったJR北海道6800億円)、JR九州3900億円)、JR四国2100億円)への支援金で、この基金の運用益を収入として計上することが許された。

 JR北海道は特に多額の基金を配分されたが当初からもっとも経営基盤が弱いと想定されていたからで、この運用益はピーク時は500億円規模に達していた。
JR北海道はこの支援金を元に特急の高速化を図り都市間バスとの競争に打ち勝とうとした。
しかし21世紀に入り日本経済がデフレモードになると運用益が急減し250億円規模まで縮小して目算が狂ってしまったという。

 当初想定の半分では十分な設備投資ができない。仕方なしに古い車両を更新せずに使用し続けたり、線路の補修費用を圧縮したりして何とか経営を維持してきたが、とうとうここにきて弥縫策が限界に来てしまった。
特急電車が次々に火を噴き始め、貨物列車が脱線をし始めたからだ。
また本来補修が必要な個所は260か所だが保線員は保線をほっぽり出していたことも分かった。
さらに問題を悪化させているのは運転手のモラル低下で、覚せい剤を使用したり、列車の安全装置のATSをハンマーで打ち壊す事件まで起きている。

注)列車や線路は耐用年数を過ぎるころから急激にトラブルが発生する。JR北海道の事故はこの耐用年数限界問題だ。

 クローズアップ現代ではこうした事象をとらえて本部と現場の意思疎通が十分に図られていないのが問題だと指摘していたが、本当は意思疎通と言ったような生易しい問題ではない。
根本のところでどうしようもない経営問題がJR北海道にはあるからだ。

 私は北海道ファンで夏場になると北海道旅行をしたが、なにげなくローカル列車に乗ったりするとトンでもないことが起こる。とても気に入った場所があって駅を降りたりしたら次の列車が来るまで5時間程度は待たなければならない。
歩いて隣町に行った方が早いぐらいで徒歩より遅い列車では誰も乗る気にはならない

 実際北海道は札幌周辺のような大都市を除くと完全な自動車社会で、土地の住民はほとんどJRを使用しない。JRの利用者は暇な旅行者か朝晩の通学に利用する学生くらいだ。
それでも特急にはそこそこ人が乗車しているが、ローカル列車に乗る人はほとんどいないので駅は無人駅になり列車の本数は朝晩だけになっている場所が多い
しかも朽ちた駅舎がいたるところに存在する。

 今回の函館線の貨物脱線事故について、私はかなり同情している。副線から本線に入る場所で脱線したのだが、原因はその副線の補修が1年余りにわたって放置されていたからだという。
だがこの副線を利用する貨物列車は日に1本だそうだ。
たとえ1本でも補修するのがポッポやの精神だが、一方で合理化の嵐に追い込まれている保線担当者がほとんど使用されない副線の補修をする気にならないのも分かる。

 
 NHKレポーターがJR各社の職員の意識調査の結果を報告していたが、JR北海道では「自分が行動を起こせば会社が変わる」という項目と「会社の変革を実感している」という項目の評価が際立って低かった。
職員は上から言われたことを最低限こなせばいいという冷めた気持ちで勤務していることが分かる。

 それは当然でもし積極的な提案を行おうとすれば不要な路線からの撤退と職員の馘首しかないのだから、なまじ何かを言えば自分の職場がなくなってしまう。
本社もそうした機微を心得ていてできるだけ変革をせずに今ある資源で細々と経営を維持しようとしている。
後は国の支援をまとうという気持ちだから誰も変革など取り組むはずがない
これは旧国鉄の親方日の丸精神と全く同じだが、JR東日本やJR東海やJR西日本が新幹線や都市部の路線を持って日本有数の優良会社になったのと好対照だ。

 かつて国鉄は日本全国にくまなく路線を引き採算は全国でプールして不採算部門を支え続けた。今そのJRは分割され好決算会社と赤字会社が明確に分かれてしまった。
北海道は今も昔も赤字路線で、政府からの支援金があっても200億から300億の赤字が毎年出てしまう。
はっきり言えば旧国鉄を黒字部門と赤字部門に分け、赤字部門は支援金を与えながら長期的には都市部の路線を除き消滅させようとしたのだ

 そこに勤めている職員がどんな気持ちになるか分かる。役員も職員も何か首を洗って待っているのと同じだから、モラルが向上するはずはないし役員も投げやりになる。
保線情報などまともに見させられたら責任問題になるので本部はそうした情報を見ようとしない。

 私が今回のクローズアップ現代に不満だったのはそうした社会的使命を追えてしまった企業がなお生き続けている現状についてのレポートがなかったからだ。
簡単に言ってしまえば会社を消滅せざる得ないのだが、一方で北海道にはまともな職場が少ないから合理化などしたら北海道経済に甚大な影響が発生する。
だからそうした企業をなお支えていくのはなぜかの提言があってしかるべきで、本質的な部分を避けたクローズアップ現代の番組に不満を感じたのだ。

なお、JR北海道の経営問題については最近以下の記事を書いてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/jr-7011.html


(別件) ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ

いよいよ明日になりました

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
(おゆみ野のさくら公園でないので注意してください)

・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

http://goo.gl/maps/B3T89

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 *人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)。

 

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(25.10.3) ためしてガッテン 第二の認知症 レビー小体型認知症

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(ひたち海浜公園のコスモス)
 
  私は「ためしてガッテン」のファンなのだが、特に認知症関連の番組にはいつも驚かされる。
今回の第二の認知症と言われている推定患者数80万人レビー小体型認知症には驚いてしまった。
この認知症はアルツハイマー型認知症に酷似しているため、アルツハイマー病だと思われて治療を受けているのだが、実際はパーキンソン病に近いのだという。

 パーキンソン病とは脳にレビー小体という老廃物質が溜まり、それが主として脳の運動野に溜まると手足の運動障害を起こすのだが、このレビー小体型認知症では視覚野と側頭部にレビー小体がたまるのだそうだ。
視覚野にたまると正常な像が見えなくなり、その像を側頭部で判断しているのだがその判断が怪しくなる。

 レビー小体型認知症の患者はごみを見ると虫だと思い、赤い花を見ると女性の唇に見えてしまう。あらゆるものを誤認するので周りの人は「ひどい認知症」だと愕然とするようだ。
番組に出ておられた男性は、しばしば奥さんのところに男が出入りしていると言って警察に電話していたが、患者本人には確かに男性が見えるのだそうだ。
こうした現象を幻視というのだが、本人だけには見えて他人には見えないから厄介だ。

 私もこの幻視現象を何回か経験している。もっとも私の場合はある特殊な条件下で起きるので、それは2日間にわたって寝ないで走っているときだ。
たとえば川の道270kmレースでは私のような遅いランナーは寝ているとゴールできないので2日間全く寝ないで体を動かし続ける。
そうすると2日目の夜になるとこの幻視があらわれて、いたるところで人々が盆踊りのようなダンスを始めるのだ。
イメージは松健サンバで実に賑やかなのだが、はじめてこの幻視を見た時には驚いた。

注)この時の経験は「魔境」という題名でブログに記載してある。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/22817-no-09cb.html

 私の場合は脳がすっかり疲れて見えているものの判断が鈍ったから起こるのだが、この患者は脳に老廃物がたまったために起こっている。その特徴は以下の通りだそうだ。

① 人や虫がいると訴える。
② 症状は急にあらわれ、そしてすぐに消える。
③ 筋肉がこわばってパーキンソン病のような状態になる(原因がパーキンソン病と同じ)
④ うつ病や大声で寝言を言うようになる(この大声の寝言が最初の症状)

 これに対する周りの家族の対処方法は以下の通りだそうだ。まず幻視は本人には間違いなく見えているので、それを否定すると怒りが爆発するらしい。したがって以下のような対処を勧めていた。

① 幻視を否定しない。
② 本人以外には何も見えないことを説明する。
③ 花瓶や壁掛けやその他本人が誤認しやすいものを家に置かない。
④ おまじないのようなもので幻視が消えることを学習させる。

 
この病気は視覚野や側頭部の脳には支障があるが前頭葉は正常である場合が多いので、説明をすれば本人は納得するそうだ。
こうした認知症があることを知らないと周囲の人は患者に振り回されて精神的に追い込まれてしまう。

 ところで私の近所のおばあちゃんが人に会うたびに「がなくなったのだが娘(その他家に入った人)が取ったのではないか」といつも言うので、誰も家に近づかなくなっていたがこの場合はアルツハイマー型認知症なのか、レビー小体型認知症なのかとても興味がある。

なお認知症関連の記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_4/index.html

 

(別件) ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせとおわび

地図にリンクが張れておりませんでした。申し訳ありません。リンクを張りなおしてあります。


以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
(おゆみ野のさくら公園でないので注意してください)

・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

http://goo.gl/maps/B3T89

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 

*人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)。

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(25.10.3) 再びシナリオ作成に挑戦する!!

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(真夜中の江戸川の遊歩道。夜走っていると幻想的な光景が見られる)

 正直に言うと私は何か新しいことを始めるときは非常なエネルギーを必要とする。
毎日のルーチン・ワークにはとても強く、ブログ作成も、清掃作業も、草刈りも、ランニングも、そして子供の家庭教師も毎日何気なく行っているのに、スポットで現れる作業は本当に気苦労だ。
「面倒なことは一切いやだ、静かな老後をおくりたい・・・・・・・・・・

 今私が懸命に悩んでいるのはシナリオの作成作業をするか否かだ。
かつてと言っても私が45歳前後に東京赤坂にあったシナリオ教室に通っていた。
ここでは年に1回新人のコンテストがあり、私はそこで最優秀賞を獲得したことがある。このシナリオを日本テレビで放映化する話があって、私はすっかり有頂天になり銀行員を止めてシナリオ作家になる決心までしていたのに、その話は悲しいことに沙汰やみになった。
私はすっかり気落ちして仕方なしに定年まで銀行員を続けたのだが、今回あるシナリオの募集が目に入り私の心を揺さぶっている。

注)私がシナリオ作家になろうとして奮闘していた時代の話は以下に記してある。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/oyuminoshikinomichi/2011/02/1948-8609.html

 それはビック・コミックに連載されている「ゴルゴ13」のシナリオ募集で、数年に1回の割でシナリオの募集を行っている。
私はこの「ゴルゴ13」のファンで、私もこのようなストーリー漫画のシナリオが書けたらどんなに幸せかといつも思っていた。

 この漫画のことを全く知らない人のために説明すると「ゴルゴ13」は国籍不明のスナイパーで、殺人の依頼はどんなに状況が厳しくとも実行しその成功確率はほぼ100%というハイレベルだ。
依頼者が誰であっても、また正義や不正義とは無関係に仕事は引き受けるが、もし依頼者が偽りの依頼をしたり裏切ったりすると「ゴルゴ13」は容赦なくその裏切り者を射殺する。

 それだけなら単なるハードボイルド調の劇画に過ぎないが、国際政治の闇の部分をシナリオ作家が実によく研究しており、国際情勢の分析に役立つのだ
たとえば目の前にあるシリーズをめくると「沖縄シンドローム」という作品があり1996年に制作しているが、自衛隊沖縄駐屯部隊の空軍が沖縄独立を求めてクーデターを画策し、それをゴルゴ13が阻止するという筋書きだ。
沖縄に独立運動があることをこの記事を読むまで、私は全く知らなかった
沖縄がアメリカから返還されたのを沖縄人は心から喜んでいたとばかり思っていたが、一部には沖縄の完全独立を希求してやまない人々がいることを初めて知った。

 政治は表だけあるのではなく必ずその裏面がある。その裏面史がこのゴルゴ13シリーズに描かれているのでとても興味がわくのだ。
「私も政治の裏面史を描けないものだろうか・・・・・・・
先日から悶々としていたが、締め切りがこの10月31日に迫ってきた。

最後の手段だ。このブログで公言すればやらないわけにはいかなくなる。言ったことは必ず実行するタイプだから、そうして自分を追い詰めよう!!」
なんとかシナリオを完成させて応募することにした。何もせず悶々と過ごすよりはやはりチャレンジする方が大事だ。
がんばれ、ヤマチャン。シナリオを書いてシナリオ作家を目指せ」気合を入れている。

(別件) ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせとおわび

地図にリンクが張れておりませんでした。申し訳ありません。リンクを張りなおしてあります。


以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
(おゆみ野のさくら公園でないので注意してください)

・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

http://goo.gl/maps/B3T89

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

*人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)。

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(25.10.2) NHK マネーの氾濫 世界経済に異変  その2

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(私の大好きな江戸川の自転車兼ランニングロード。約60km続いており利根川との合流地点で折り返す)

マネーの氾濫 世界経済に異変 その1は以下参照

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/25101-nhk-2d4a.html

 FRBのバーナンキ議長が13年5月に発した量的緩和の縮小発言以降、世界の金融市場は大荒れになっている。
それを素描すると以下の通りだ。

 アメリカはドルが雪崩を打ったように回帰したため国内に資金が溢れかえり、それが住宅や株式投資に向かっている。住宅価格はリーマン以前のバブル期に匹敵する水準に回復し、投資会社が短期で売りぬこうと資金をシフトさせている。
また株式も過去最高の高値になり、アメリカ人はリーマンショック前と同じように浮かれ始めた。

注)ただし今回のバブルに参加している個人は中級以上の資産を持つ個人で、前回のような中の下の階層はふるい落とされている。詳細は以下の記事参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-bb1d.html

 新興国と言われたブラジル、インド、インドネシア、トルコと言った国々からはドルが急速にアメリカに回帰したため、自国の通過安に悩まされている。輸入物価があがり特に貧困階級の生活を直撃しているため、いたるところでデモや騒乱が発生し、経済はますます減速傾向にある。

注)ブラジル経済の実態については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-5760.html

 中国は地方都市のシャドー・バンキングからの借り入れが350兆円規模まで膨らみ返済ができなくなっている。更なる新手の借り入れを行うか、中央政府の支援を仰ぐか、倒産するしか選択肢はない。
丁度日本のバブル崩壊直後と同じで、開発した工場団地に企業はやってこず、高層住宅団地は途中で建設を止めて朽ちるに任せてある
日本のバブル処理がそうであったように、第3セクターを倒産させ弱い基盤の金融機関を倒産させるより外に残された手段はない(地方自治体の倒産もありうる)。
かつて日本で長銀や日債銀や拓銀が倒産したがその再来を待っているばかりだ。

注)シャドー・バンキングについては以前にも記事を記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-f658.html

 ヨーロッパはドイツの一人勝ちで他のEU諸国はドイツの植民地のような状態になり、特にギリシャやスペインやイタリアと言った南欧諸国はドイツに物乞いをして生きている。
ヨーロッパ経済は全体としては低迷だが、ドイツはEUと言う国内市場を押さえているので、停滞の中の繁栄を享受している。

注)ドイツ経済についての分析は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-edc0.html

  ロシアはその資源政策に生きづまりを感じている。特に天然ガスの主要輸出先だったヨーロッパ経済が低迷し、算出した天然ガスが有り余ってしまった。
これを中国と日本に販売する計画だが、中国は景気失速で需要は無く有望な販売先は日本一国に限られそうだ。
資源だけの大国は世界経済の浮沈をもろに受けており、成長率も鈍化している。

注)プーチンの戦略は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-babf.html

  日本は遅れてきた金融緩和アベノミクス)の効果が出て株価も地価も上がり企業マインドも好転してきた。
アジア経済はどこも不調だがその中で日本だけが繁栄をしそうなのはヨーロッパの中のドイツと同じような立場だ。
中国も東南アジアも輸出先としては低迷しているが、日本には豊かな国内市場があるので輸出先低迷の影響を最小限に抑えられそうだ。

 上記が素描だがバーナンキ議長の一言でこれだけの影響が出てしまった。
現在の資本主義は金融資本主義で、簡単に言えば資金を市中にばらまくことで景気を維持している。先進国はモノやサービスが溢れかえりこれ以上経済活動をしても無駄なのだが、自転車と同じで止まれば経済がひっくり返る。
金はばらまいた。後は何でもいいから走り続けろ」

 資金が株や不動産に向かうのは他に先進国では資金を使用する場所がないからだ。株や不動産ならいくら高くなってもものが増えるわけでない。評価額が上昇するだけだから資金の使用先としては最適だ。
価格上昇が株と不動産だけであったら単なるマネーゲームで済むが、こうした資金が他の生活物資の価格を押し上げ始めたら国民が納得しない。
生活ができない。金融緩和は金持ち優遇策だ!!」という大合唱が始まれば金融緩和もおしまいだ。
FRBや日銀が供給資金を絞れば自転車は転びバブルが崩壊する。

 今第二のリーマンショックがアメリカと中国で始まろうとしている。一旦はバブルの清算をし、再び資本主義が生き残るために資金緩和が行われるだろう。
前にも書いたがこのシステムは貨幣の価値を永遠に低下させ続けることで生き延びるシステムと言える。
何ともひどいシステムだが、これ以外に有効なシステムがないのも事実だ。

注)反対に金融緩和を行わないとどうなるかは、日本の経済低迷がその好例だ。日銀の白川前総裁の金融政策がそれで、バブルを二度と起こさないために資金の供給を中立に保ったため日本経済はデフレに悩んだ。
金融緩和はバブルを引き起こし、金融の中立的運用はデフレを引き起こす。
私は個人的にはデフレが好きだが、多くの人々はインフレという経済成長を望みその結果バブル崩壊のスパイラルを繰り返す。

(別件1) 従来このブログのカウンターはパソコンのみの数字でしたが、最近ココログがココログフリー(無料ブログ)のユーザにも携帯でのアクセス数を開放してくれましたのでその数が分かりました。数えてみると43万アクセスに達していましたので、今月より携帯ユーザを含めたアクセス数になっております。

(別件その2)ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせとおわび

地図がリンクが張れておりませんでした。申し訳ありません。本日よりリンクを張りなおしてあります。


以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
(おゆみ野のさくら公園でないので注意してください)

・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

http://goo.gl/maps/B3T89

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

*人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません

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(25.10.1) NHK マネーの氾濫 世界経済に異変 その1

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(ひたち海浜公園のコキア)

  NHKが先日放映した「マネーの氾濫 世界経済に異変」はとてもいい番組だった。
理由は二つあって一つは時期を失せずタイミングよく放送したことと(事後では警告にならない)、もう一つは中国経済について適切な取材をしていたことだ。
従来大手の放送局や新聞は(産経を除いて中国報道にはバイアスがかかっていた。
理由は発表される統計数字に政治的粉飾が施されていることと、取材に制限があって中国政府にとって不都合な報道をした報道機関はその後中国政府から陰湿な報道拒否がされたからだ。
そのため中国の政治・経済報道は何かいつもお化粧をしているか不都合な場面は意図的に省かれていた(だから大手メディアの中国報道はほとんど役に立たなかった)。

 その結果アメリカやヨーロッパが塗炭の苦しみをしていたことはすぐに報道されたが、同時に中国においても同様の問題点があったことが隠蔽されてきた。
問題点とはシャドー・バンキングという理財商品を扱う投資会社のことだが、実態はサブプライムローンに踊ったアメリカの投資会社と全くうり二つだと言ってよい。

 今回の「マネーの氾濫 世界経済に異変」は従来の中国報道の枠を破って中国経済の実態によく迫っており、各国とのバランスもよく取れている。
とても内容が濃いので2回にわたってブログを掲載することにした。

 現在FRBのバーナンキ議長の言葉で市場は大荒れだが、経済、特に金融関連の知識の少ない人はなぜ世界の金融市場がバーナンキ議長の一言に過剰に反応するかきっと理解できないと思う。
この5月にバーナンキ議長がアメリカが行ってきた量的緩和の縮小について、その可能性を示唆しただけで世界の資金が新興国から雪崩を打ってアメリカに回帰してしまった。

 それまでアメリカは約300兆円に上る資金をばらまいていたが(これは本当にバラマキで不良債権を担保に資金を供給したのだから紙幣を印刷したのと何ら変わらない)、その緩和を止めると言ったので金融機関のディーラーがパニックに陥った。
まずいじゃないか。新興国の経済はアメリカの投資マネーだけで支えられているのに、それがなくなればブラジルもインドもインドネシアもトルコも経済が失速し通貨安になる。安い通貨を持っていたら大損だ。今のうちに回収しないと大変なことになる

注)中国については為替が自由化されていない分アメリカの金融政策に直接影響されないため、バーナンキ議長の発言に反応しない。

 ブラジル(中国も)はユーロ危機の真っ最中のころは「ユーロを救えるのはわが国だけだ」と大見得を切っていたが、今や足元に火が付いた。
ブラジルレアルは瞬く間に売られ、20%も値下がりしおかげで輸入物価が20%程度跳ね上がった。ブラジル国民は中産階級が増えたとはいえなお貧しい。
たちまち物価高で生活が困窮しサンパウロや他の主要な都市でデモが連日のように行われている。
物価を下げろ。バーナンキをやっつけろ

注)ブラジル経済の実態については以下の記事を参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-5760.html

 インド経済も同様に急ブレーキがかかりインドルピーも22%値下がりしてしまった。インドは日本と同様に原油をほぼ100%輸入しているのでガソリン代の高騰が生活を直撃した。
あれほど好調だった自動車販売に急ブレーキがかかり、さらに海外からの投資資金がまったく集まらなくなっている。

注)インド経済におけるマルチスズキについては以下の記事がある
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-0060.html

 そして真打が中国で、中国はリーマンショック後約64兆円の財政出動と150兆円に登る金融の量的緩和を行った。
これはアメリカが行った量的緩和の約3分の2経済規模は約半分だからその効果は絶大だった。
中国の場合は金融市場が閉鎖的だから資金が海外に逃げない(実際は貿易を装って資金の持ち出しができるがここではその問題は扱わない)。
その結果この財政・金融政策がケインズ経済学この経済学は経済が一国に閉じている場合の経済学と言ってよい)の教科書通りの効果を発揮して10年まで急回復したのだが、一方で物価の急激な上昇に悩まされた。
これを見た中国政府は緩和策を止めて緊縮策に切り替えた。何しろ豚肉が30%も上昇しては中国人が黙っているわけがないからだ。

 しかしここからがいかにも中国という状況になってしまった。
中国では「政府に政策あれば地方に対策あり」と言われる国柄だから、黙って地方政府が引っ込むはずがない。
何しろ地方政府の幹部の評価は如何に経済成長を成し遂げたからだから、建設途中の港湾や工場団地や高層住宅地の建設を止めるはずがない。
よっしゃ、なら俺たちが独自に資金を調達しよう

 地方政府中国は市がもっとも重要な経済主体になっている)が第3セクターとして投資会社を作り、いわゆる理財商品を販売しまくった。
理財商品とはサブプライムローンの中国版で、建設途中の不動産や不動産会社の債権を担保に高金利(10%から20%)を歌って一般庶民のへそくりを集めたものだ。

 しかし担保が売れない不動産ではいづれ行き詰る。理財商品が売れて自転車操業をしている間はいいが、約350兆円と言われる理財商品に驚いた党中央が投資会社の実態究明に乗り出したため市場はパニックになってしまった。
まずい、党中央にこんなことがばれたら出世ができない。投資会社を閉鎖しろ
次々に投資会社は倒産し、へそくりを預けた庶民の怒号が響いている。
あたしたちのお金を返してよ。あんたら地方幹部がくすねたんじゃない!!」

 中国経済の急ストップは他の新興国とは異なり内在的な要因だが、工場団地に閑古鳥が鳴き、高層マンションがゴーストタウン(鬼城)になっているのは他の新興国と同じだ。
中国では不動産市場が崩壊したため、今鉄鋼業のような資材産業に倒産の危機が訪れている。

注)中国経済を支えてきた鉄鋼業界の苦境については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-ce0e.html

(ここからは明日に続く)

(別件その1)

従来ココログフリー(無料のブログ)のアクセス解析ではパソコンユーザのアクセス数だけしか捉えられていませんでしたが、最近になり携帯ユーザのアクセス数が過去にさかのぼってとらえられることになりました。
今回カウントしてみると40万アクセスを超えていることが分かりました。
今月からアクセス数を携帯を含めたアクセス数に変更してあります。

(別件その2)ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ。

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 

 *人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません

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