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(25.9.20) NHK アメリカ 冬の時代 転落する中産階級

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(鬼怒川渓谷)

 恐ろしいまでのアメリカの現実を反映した番組だ。NHKの海外ドキュメンタリーシリーズで「アメリカ 冬の時代 転落する中産階級」という番組を放送していた。
アメリカでは現在中産階級が雪崩を打ったように貧困階級に転落しているという。貧困階級全体の数は4850万人で、およそ6人に一人は貧困階級なってしまった。

 アメリカの中産階級の典型は高卒で工場労働者になり、一軒家を郊外に構えて自動車が数台あるというイメージだが、アメリカから工場が新興国に移転した結果、工場労働者としての職場が激減してしまった(日本もその傾向がある)。
残ったのは大学や大学院を卒業して医者や法律事務所や投資会社や会計士になる高所得職業とファーストフード店で最低賃金8ドル80セント)で働くパートタイマーの仕事だけになりつつある。

 この番組ではオレゴン州ポートランドアメリカ大陸の太平洋側の町で今までは豊かな町と思われていた)に住んでいる元中産階級の家族で、現在州の社会福祉ホットラインに助けを求めていた人々を追っていた。
私が驚いたのはその中にアメリカ白人が多かったことだ(黒人やヒスパニックではない)。

 アメリカの白人と言えば、私が小さかった頃は世界で最も金持ちの人々と思っていた。
近くに立川基地があった関係でアメリカ兵白人も黒人もいた)が近所に家を借りて住んでいたのだが、いつも袋いっぱいに食料を買い込んで戻ってきたものだ。
しかも思いっきり気前がよく、私などは待ち構えて「ギブ・ミー・チョコレート」というと信じられないような甘いチョコレートをくれた。

 あの豊かだったアメリカの中産階級がいま、家のローンが払えなくなり、電気もガスも止められて州の支援でかろうじて生活を維持しているという。
食べ物がなくなるとフードバンクで食料をめぐんでもらい、本当に家を追い出されるとシェルターと称する雑魚寝の場所(震災時の学校の避難所のような場所)で寝泊まりを余儀なくされる。
もっとも州の予算も限られ毎年のように縮小されているため、この支援事業も十分にいきわたらなくなりつつある様だった。
番組に出ていたある家族は「子供に1ドルの映画を見ようと誘われても親はその1ドルさえ捻出することもできない」と涙をためていた。

 電気とガスを滞納(15万円程度)したある白人のカップルは州の支援金約10万円程度受けられて電気とガスが再び使えるようになって泣いて喜んでいた。
白人のアメリカ人の生活としては信じられないような光景だ。

 どうしてそうなったかは5年前のリーマンショックに起因する。
アメリカではそれまでの金融緩和で住宅価格も株式も上昇の一途をたどっていたため、ほとんどの人々がローンを組んで住宅購入を行っていた。
しかし金融緩和は必ず行き過ぎバブルが発生すると崩壊せざる得ない。
住宅価格も株式も暴落して特に耐性のない中産階級の下の階層がひどい被害を受けた。

注)なお完全な下層階級はそもそも住宅や株式を購入する資金などはないし、誰もローンを組めないのでリーマンショックの影響は少ない。

 リーマンショック後アメリカを始め各国政府は再び金融緩和策をとってバブル崩壊から立ち治らせようとした(これをバブルをもってバブルをつぶす政策という)。
だがそうした資金の調達ができるのは上流階級と中産階級の上位までで、中産階級下位の人々にはもはや融資をしてくれない
それは当然で金融機関としたらサブプライムローン低所得者向け住宅ローン)でてひどい目にあったのだから、こんどの融資先は確実に回収が可能な先を狙う。

 現在アメリカでは再び不動産ブームと株式ブームが起こっているが、こうしたゲームに参加できる人々は所得の高い人に限られる。
一方中産階級下位の人々は、FRBが用意した資産拡大策の恩恵は受けられず、いまだに借金に追われて一直線に下層階級に堕ちて言っているのが実情だ

 金融緩和策インフレ政策)は富める者にとってのみ有利で、こうしてバブルが崩壊するたびに富の偏在化を繰り返し、富める者と貧しい者への容赦のない振り分けがおこなわれる
私がどうしてもアベノミクスのようなインフレ政策を嫌うのは一時的には全員が恩恵を受けているように見えるが、必ずバブル崩壊が起こり(日本は1990年代始めと、5年前のリーマンショックによる二回のバブル崩壊を経験している)、結果的にさらに豊かになるものと貧乏人の二極化が進むからだ。

 アメリカの現実がそのことを示していて、中産階級下位の人々の夢を奪ってしまった。
そして次のバブル崩壊では中産階級中位の人々が、アメリカンドリームから落ちこぼれるだろう。
資本主義体制を維持するためには金融緩和策(インフレ政策)が特効薬だが、その結果は富める者はさらに富み、貧しいものはさらに貧しくなって社会を不安定化させる。
このポートランドの現実が明日の日本を予測しているようだ。

注)資本主義体制がインフレでないと生き残れないことは前にも何回か記事を書いてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-e932.html

 

(別件)ちはら台・おゆみ野ハーフ・フルマラソン開催のお知らせ。

以下の日程でハーフ・フルマラソンを開催します。

・日程 10月6日(日) 10時スタート
・集合場所 ちはら台かずさの道 ちはら台走友会集合場所(地図添付)
・コース  ちはら台のかずさの道とおゆみ野の四季の道を使用(地図参照)

https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl

・参加費用 300円(ゼッケン代と飲み物代)
・参加資格 高校生以上ならだれでも可
・ルール 1か所信号があります。交通規則を守って赤信号では停止(この間の時間はネットタイムに含めませんので、各自時計を止めて調整)
・結果はこのブログに掲載します。
・その他 雨天決行ですので走る人は各自雨具等を用意して走ってください。

 

 *人数確認のため参加予定者はこのブログのメールかコメントを使用して、氏名、年齢、住所を連絡していただけると幸いです(ちはら台走友会のメンバーはその必要はありません)

 

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