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(25.8.17) 子供の貧困化と学力の低下

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(白馬岳登山 花が美しい山だ)

 「日経プラス10」という番組で子供の貧困化を扱っていた。
それによると子供の貧困化率は上昇傾向にあり、6人に1人は貧困家庭に育っているのだという。
この場合の貧困家庭とは日本人の所得の中央値の半分の所得しか得られない家庭で、大雑把な言い方をすると平均の半分以下の所得の家庭ということになる。

 あくまでも相対的な貧困率だから日本における貧困家庭と、たとえばインドにおける貧困家庭は全く内容が異なる(絶対的な貧困化はインドの方が激しい)。
現在の日本の貧困家庭とは可処分所得税金や社会保障費を控除後の手取り)で125万円程度のレベルだから、月に10万円程度で暮らしている家庭ということになる。
これは生活保護費とさして変わらないレベルだから、実際は生活保護を受けているかあるいは最低限の所得で生活しているということだろう。

注)貧困率については厚労省の以下の説明を参照
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html

 確かにこのレベルでは食べるだけで精いっぱいで、とても子供の教育費など支出できない。
たとえば塾の費用など月に3万円程度はかかり、夏休みの集中講義を受けると20万程度だというから、子供を熟に通わせたら生活が破たんする。

 
 問題なのは母子家庭が急増しており、その大半が貧困家庭ということだそうだ。
たとえば平成17年に526万世帯だった母子家庭が、平成22年には615万世帯になっているから、この5年間で17%程度増加したことになる(この数字には父子家庭も含まれている)。
母子家庭になった原因のほぼ8割は離婚だそうで、特に離婚後の母子家庭の家計は苦しい。

 日本は1990年代から成長の止まった社会になり、この間企業は収益確保のために正社員を減らしてパート職員の増大を図ってきた。
労働費を圧縮するためだが、母子家庭の母親はほとんどがそのパート職員の担い手になっている。
番組に出ていたあしなが育英会の会長が「母親は昼も夜も働いて家に帰ったらただ寝るだけの生活になっており、子供を構っている時間はほとんどない。こうした家庭の子女は塾にもいけずたいていの場合は学力が低い」と言っていた。

 私の個人的な経験でも母親が教育に熱心でないと子供の学力は向上しない。父親はたいていの場合仕事でくたくたになっているので子供の教育にはタッチすることができす、母親が塾の送り迎えをして支援している。
そして小さいころから受験勉強に励み、受験テクニックを身に着けた子供だけが著名大学に入学することができ、医者や大企業や公官庁に務めることが可能で、それ以外の人は正社員にもなれず社会から落ちこぼれてしまう。
所得の低さが勉強レベルにそのまま反映し、その結果成人後も所得の高い職業にはつけないという悪循環だ。

 
 私が大学を卒業した昭和45頃は日本の経済成長の真っただ中で、就職できないなどということはなく誰でも正社員として安定した生活が保障されていた。
私などもあまりに内定が多いので断るのに苦労したが、今はその正反対の状況だ。

 あれから45年近くたち、日本経済は失速しそして子供の貧困問題が表面化している。
貧困家庭の子供でも高学歴を身に付け、高収入の職業に付けるようにあしなが育英会は支援しているのだそうだが、貧困家庭の増大に育英資金が追いつかないのだそうだ。

 私の提案は定年退職した老人がボランティアで児童の学業を見てサポートすることで、高額な塾費用を捻出できない家庭にはこうした取り組みは有効だ。
何度も同じことを言うが、老人はそれまで社会から多くの恩恵を得てきたのだからその返済をする義務があり、単に自分だけの趣味や喜びだけに生きるべきではない(特に高学歴の人ほどその恩恵を受けてきた)。

 日本の学生の学力低下はそれだけで国力をそぐのだから、子供たちのために老人はひと肌脱ぐことを勧める。

注)なお実際にボランティア教師を始めてみると、教育熱心な母親から頼まれることの方が多い。

ボランティア教師の勧めについては過去に以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/24111-898b.html

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