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(25.8.6) 不妊治療の助成金の年齢制限には実は問題がある。

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(トシムネさん撮影 火打山と妙高山の中間にある高谷池ヒュッテ)

 厚生労働省が不妊治療の助成金に対して年齢制限を設ける案を検討している。不妊治療は健康保険対象外でそのために助成金制度があり、一回当たり15万円で10回まで助成を受けることができる年度ごとの上限がある)。

 この助成金が膨れ上がっていることが問題になっており、2004年の制度ができた年は1万8000件の利用だったのが、2012年13万5000件に激増している。
これにかかる助成費用は約200億円だそうで、国と地方の財政の圧迫原因になっているのだそうだ。

 一方で不妊治療による妊娠率は年齢が高まるについて低下し、39歳で10%、43歳で2%、45歳で1%で加速度的に低下する。したがって妊娠の望みが2%以下の43歳以上は補助金の対象から外し助成回数も6回にするという案である。

 この案は一見とても合理的に見えるが、しかし不妊治療の実態を正しく反映したものとは言えない。
私は知り合いに不妊治療を受けた経験者がいるので話を聞いているのだが、この不妊治療ほど医者の技術の相違が明確に表れるものはないのだそうだ。

 駄目な医者は何度通っても駄目で、一方有能な医者は一回で妊娠させてくれるという。
特に年齢を重ねると卵子も精子も老化してくるのだが、その老化している中で相対的に元気な卵子を見つけ出し、一方で元気のいい精子を掛け合わせるのがコツだが、実際はそうした卵子と精子を見つけて、掛け合わせの環境を最適にするのが並大抵のことでないらしい。

注)卵子が老化することは前にNHK特集で放送して衝撃を与えていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-b241.html

 知り合いの女性はそれまで200万円近い費用をかけても全く駄目だったが、医者を変えたら一回で受精ができたという。一般的に高額の医療費を請求する医者は技術が高く、低額になるほど技術が拙い場合が多く、技術が拙い医者にかかると高齢者が妊娠することは絶望的になる。

 だから厚生労働省が示した体外受精の妊娠率とは最高の技術を持った医者と最低の技術を持った医者の平均値にすぎない。
この世界は藪医者と本物の医者が明確に分かれている世界で高齢者でも本物の医者にかかれば出産する確率は非常に高くなる。

 高齢出産者のあいだでは「あの医者は藪だから、行くのだったらAクリニックね」なんて情報をインターネット等で共有しているものの、日本では残念なことに医療機関を評価する正式な機関がなく患者はもっぱら評判だけで判断しているのが実情だ。
だが一回当たり30万円から50万円かかる不妊治療においては、その成功率を明示して正しく評価する各付け機関が必要だろう。

注)インターネットを検索するとそれなりの医者の評価表が出てくるがかなり恣意的なものでその評判を完全にあてにできない。

 金融の世界ではS&Pのような格付機関が評価を行いその格付に応じたレート設定がされているが、不妊治療においても病院(あるいは医者ごとの)格付が行われればそれに応じた助成金の配布も考えられる。

43歳以上の人がかかる病院は○○だけで、この場合は助成が受けられます」なんて感じだ。
日本の出生率は世界的に見ても最低の部類で、人口は2005年ごろをピークに減少に転じており、高齢者だからと言って妊娠をあきらめてしまったらますます人口減少に拍車がかかってしまう。
もう少し現実を見据えた対応をしてもらいたいものだが、医者を技術でランクづけする方法が確立しない限り無理のようだ。

 なお私は日本の社会保障制度が老人に偏重してることに危機感を持っている一人だ。
はっきり言えば耄碌をした老人を支えるよりは新しい生命を宿すほうがはるかに日本のためになる。
本来は不妊治療が健康保険の対象でないことのほうがおかしく、一方で70歳以上の老人が自己負担10%で無駄な医療をうけつづけることをほっておく制度に憤りを覚えている。
この国は将来より今を大事にしすぎるといえるだろう。

注)老人になってみると分かるが、老人は身体のいたるところに支障が出てくる。しかしこれは加齢によるものだからいくら病院にかかっても治らないことのほうが多い。
なお医療費の増大問題については前に以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-f696.html

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コメント

私費での不妊治療は妨げてはいないし、公費助成なんだから、年齢制限あってもいいんじゃない?税金の使い方としては合理的です。

投稿: 六 | 2013年8月31日 (土) 14時21分

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