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(25.8.8) スノーデン容疑者の暴露を予見したアメリカ映画 The Bourne Ultimatum

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(北海道のひまわり畑)

 NHKも相当の皮肉屋だと思った。先日BSのプレミアムシネマで放送された「The Boune Ultimatum(ボーンの最後通告)」という映画は、現在アメリカが呻吟しているスノーデン容疑者が暴いているアメリカの諜報活動を余すところなく描いていたからだ。
映画そのものは2007年の作品だから、映画の持つ先見性には驚かされる。

注)スノーデン容疑者に関する記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-03a6.html

 映画の筋は目新しいものではない。CIAが極秘に進めた行動修正療法という実験(ブラックブライヤー作戦と命名された)を開始したが、それはCIAの誇るエリートスパイをさらに徹底的に訓練し(極限状態にまで置いて)完全な殺人マシーンに仕立て上げる実験だった。
いわばゴルゴ13を量産するプログラムだと思えばいい。

 この実験の第一号ジェイソン・ボーンというスパイだったが、これは行動修正療法としては失敗作で、良心が残ってしまい自分が実行する殺人行動に疑問を持つようになってしまった。そしてボーンは自身がなぜ殺人マシーンになったのか調査を始める。
これに危機感を持ったのがCIAでブラックブライヤー作戦を指揮しているノアで、この作戦が外部に漏れることを恐れてCIAの総力を挙げてボーンを抹殺しようとする。

 映画そのものはアメリカ映画特有のオーバーアクションの連続だが、興味があったのはCIAがボーンを追い詰める方法の中に、エシュロンNSA(アメリカ国家安全保障局)が盛んに登場するからだ。
物語の初めはイギリスのガーディアン紙の記者サイモン・ロスブラックブライヤー作戦をかぎつけたことから始まる。

 信じられるだろうか。スノーデン容疑者がNSAの資料を提供した先もこのガーディアン紙だ。ガーディアン紙は発行部数20万部の中規模の新聞社だが、左派系の気骨ある新聞社として知られていたから、この映画でも登場したのだろう。
映画の先見性にはここでも驚かされる。
サイモン・ロスが電話で「ブラックブライヤー作戦についての特ダネを入手した」と編集長に電話したが、この「ブラック・ブライヤー」という言葉がエシュロンの危険用語に引っかかった。

 これがCIAのブラックブライヤー作戦の責任者ノアに通知された時から、CIA対テロ極秘調査が始まる(建前は対テロ作戦ということになっている)。作戦本部は投資会社としてカモフラージュされており、CIAとは一見無関係を装っているが実際はCIA長官直轄の秘密組織でアメリカ大統領も知らない
作戦本部には多くの端末が設置されていて多くの専属オペレーターがノアの指示に従って検索を行うが、端末がアクセスする先は今問題になっているNSAである。

 その探索能力はすさまじく、サイモン・ロス記者の電子メール、住所、車のナンバー、銀行口座、クレジットカード、行動パターンまですぐに把握できる(プライバシーは100%はがされる)。
もちろん携帯電話は捕捉されており、話している内容はすべてわかる。

注)映画ではボーンがサイモンと連絡を取るため電話番号が特定されないプリペードホーンを使用して連絡を取っていた。

 サイモン・ロスの監視は衛星と監視カメラと諜報部員のカメラでとらえられ、CIAのノアはリアルタイムですべての状況を把握できる。
ボーンは優れたスパイだからこうした監視体制を知悉しており、その間を縫ってサイモンに接触したり、ノアの本部に潜入して最後は自身が受けたブラックブライアー作戦の全容を知るという筋立てだ。

 だがこの映画で本当に興味があったのは、たとえば銀行口座を把握すると銀行に指示して金の引き出しや送金を遅らせたり(こんなことがシステム的に可能になっているのだろうか)、あらゆる場所にある監視カメラの映像がCIAでも直ちに検索できるというネットワークの存在だった。
原作はロバート・ランダムの「最後の暗殺者」で、もちろんこれはフィクションだからかなりの脚色はあるだろうが、NSAの実際の利用方法がよくわかって面白かった。

 現在アメリカはスノーデン容疑者に振り回されて顔色なしだが、一方でNSAのような諜報組織を築き上げることができた実力は大したものだ。
アメリカのスパイ映画もなかなか為になるという事例で、またNHKがこの時期にわざわざ放送したのも何とも皮肉が効いている。

なおサイバー戦争に関する記事は以下にまとめて掲載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46749968/index.html

 

 

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