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2013年8月

(25.8.31) クローズアップ現代 連鎖する異常気象 テレコネクション

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(白馬岳周辺)

 NHKのクローズアップ現代で「連鎖する異常気象」という番組を放送していたが、このところの異常気象については本当に驚いてしまう。
日本では梅雨時にほとんど雨が降らず、一方8月には日本全国で高温が続き、高知県四万十市では観測史上最高の41度を記録していたし、一方東北地方山陰地方では集中豪雨による災害が発生していた。

注)日本の異常気象については過去に何回か記事を書いている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-1927.html

 日本だけかと思っていたら、大洪水ヨーロッパ(6月)、中国(8月)、インド(6月)、アルゼンチン(4月)でも発生していたし、猛暑ヨーロッパ(7月)とアメリカ(7月)を襲っていた。
さらに中国では干ばつ(7月)だという。
一体どうしたことだと思っていたら、NASAの研究所の元所長が「地球のエネルギーバランスが崩れているからだ」と言っていた。

注)中国の大干ばつと大洪水については前に以下の記事を書いてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/5-3970.html

 
 エネルギーバランスとは初めて聞く言葉だが、地球はもともとバランスの良い生命体だが温暖化によってそのバランスが失われ異常気象が発生しているのだそうだ。
たとえば地球の温暖化に伴い海水温がこの100年間で0.5度上昇し、そのため水蒸気の発生量が増加して、それが集中的に地球に降り注いで大洪水になるという。
確かにこのところの雨の降り方は半端ではなく、日本は亜熱帯になったと思われるようなスコールに見舞われている。

 大洪水はそれで分かったが一方で猛暑の方はどうしてかというと、テレコネクション遠隔影響)のせいだという。
このテレコネクションという言葉も初めて聞いた言葉で、大西洋の温暖化により偏西風が押し上げられかつ蛇行したために、蛇行部分に高気圧と低気圧が交互にあらわれ、高気圧部分に猛暑が起こるのだという。
何とも分かりにくい概念で、番組では図で説明していたが、素人には今一つ理解しがたい。

 日本の夏の猛暑に関していえば太平洋高気圧とチベット高気圧が重なり合い(通常は太平洋高気圧だけ)、そこにフィリピン沖で温められた空気が急激に下降したので、猛烈な暑さとなって日本全国で観測史上最高の温度になったのだそうだ(927ヶ所の観測地点のうち143地点で最高気温を観測した)。

注)説明を聞いていてうまく理解できなかったのはなぜチベット高気圧と太平洋高気圧が重なり合ったかのメカニズムと、フィリピン沖であたためられた空気は当然大量の水蒸気を含んでいるので猛暑ではなく豪雨になりそうなのだが、それが猛暑になるメカニズムの説明がわからなかった。

 気象学者の間で今一番問題視しているのは海水温の上昇で、それも深海における海水温の上昇だという。
海水温がこの100年で0.5度上昇しただけでなく、深海の海水温が2000年以降急激に上昇し始めたという。
今までは表面の海水が地球温暖化のエネルギーを吸収してバランスを保とうとしていたが、表面だけではもうだめで深海の海水も温められ始めたという訳だ(反対に言うと深海まで動員しており、もう後がない)。

 
 この海水温の上昇の影響は漁業にも出ていて、今釧路沖の漁場ではクロマグロトラフグ、イシガキダイといった暖流に生息している魚が盛んに網にかかるのだそうだ。
一方サケは全く不漁でここ10年で釧路地方では収穫量が4分の1に激減しているという。
原因は暖流が押しあがっているからで、私が中学時代に勉強した地理では暖流と寒流のぶつかる地点は千葉の銚子沖だと習ったが、今では東北から北海道沖にまで上昇している。

 何とも信じられないような状況だ。
石原慎太郎氏ならば「天罰だ」と言いそうだし、一方陰陽師の安倍晴明ならば「祟りじゃ」と言いそうだが、これだけ異常気象が続けば確実に経済実態に影響を及ぼしそうだ。
干ばつや洪水は確実に農産物の収穫量に影響を与えるし、また洪水は堤防等の防災設備の強化が必要になる。
アメリカやオーストラリアでは山火事が頻発するので消防体制の整備が必要になり、中国では年がら年中干ばつが発生するので、飲料水を含めた水の確保が緊急の課題になりそうだ。

  異常気象の経済学という学問体系ができそうで、今までの経済学が自然は所与で変化がないと想定(これを外部経済と呼んでいた)していたのと全く異なる様相を示し始めた。
私はこれを自然の逆襲と呼ぶことにしているが、何度も言うように人間だけが特殊でこの地球をどんなに乱開発しても平気だというのが間違いだということが誰の目にも明らかになってきたと言える。

注)日本において自然と共生していた時代は江戸時代であり、それについては以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/2379-a891.html

 


 

 

 

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(25.8.30) ロドリゴ 北アルプス縦断記 その1 準備

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(馬場島キャンプ場のバーベキューハウス。ここで初日は寝た)

 マラカ大主教クナーカ様からひそかな密命が届いたのはキリスト歴2013年の8月の始めのことでございました。
ハポンで開かれているトランス・アルプス・ジャパンレースのコースを視察しその詳細な内容について報告せよ」というものでございましたが、クナーカ様は次回のジャパンレースのおりにはエスパニアの誇る修道士キリアン・ジョルネ殿を優勝させ、ハポンにおける布教活動の一助にする計画とのことでございました。
何しろハポネスはマラソン好きだから、この山岳レースでわがエスパニア人が優勝すればエスパニアの実力を見直し、あげて主の教えに従うはずだ

注)キリアン・ジョルネ修道士はウルトラ・トレイル・デュ・モンブランの優勝者でわが祖国エスパニアの誇りでございます。

 トランス・アルプス・ジャパン・レースとは日本海の富山湾を出発し、北アルプス・中央アルプス、南アルプスを経て駿河湾まで走り抜ける420kmのハポン有数の山岳レースで、このところ駿河の国の住人で火消しの頭、望月将悟殿が常に優勝をしている過酷なレースでございます。

クナーカ様、してこのロドリゴは一体何をすればいいのでしょうか
行け、そしてコースを下見し、その具体的コース内容を報告せよ
しかしロドリゴにはカメゴンの食事の世話をしなければならず、また齢67歳にもなって頭も禿げてしまい、旅費の工面もできません。費用はクナーカ様からいただけるのでございましょうか
ロドリゴよ、金のことを言うのは卑しい人間のすることじゃ。費用はいつものように自己調達せよ。カメゴンにはしかるべく言い聞かせよ。そうじゃ、禿隠しにはわしが使用した野球帽を送ろう。すべて主の御心と心得よ!!」

 カメゴンには何とか1週間分の食料を残すことで説得したものの、ロドリゴにとって最も困難な課題は旅費の調達でございました。
致し方なく近在の農家からスイカを安く調達し、それをおゆみ野近在の篤信の信者に販売しようやくのことで縦走費用を整えたのでございます。

 こうして私ロドリゴがこのレースの視察に出発したのはキリスト歴8月20日のことでございました。
当初は北アルプス、中央アルプス、南アルプスの全山の視察を命じられましたが、それではカメゴンが餓死してしまうことと、ようやく篤信の信者から集めた金額はせいぜい1週間程度の山行が可能な金額でございました。
クナーカ様から費用をいただけるならば全山走破も可能なのですが・・・・・
ロドリゴよ、金のことを言うのは卑しいもののいう言葉じゃ。費用が1週間分なら主も1週間で許してくれるであろう

 かくしてクナーカ様のお許しも出て、約1週間の北アルプス縦走をすることになったのでございます。
今回の視察のルートは北アルプスの北端、剣岳の登山口から登頂し、立山、薬師岳、黒部五郎岳、双六岳、槍ヶ岳を経て穂高に登り、そこから上高地に下山するルートでございました。
登山に詳しくない方はイメージがわかないと思いますが、この中で剣岳の縦走と槍から穂高にかけての大キレット越え、それに北穂高から奥穂高への小キレット越えが日本でも有数の難所なのでございます。

注)ジャパン・アルプスレースでは槍から降りるのですが、かつて孤高の登山家と言われた加藤文太郎氏が冬の北アルプス縦走を行って穂高まで行きましたので、ロドリゴもそのコースをそっとたどることにいたしました。

 こうして富山の国上市部落というところにようようたどり着いたのは午後3時頃でございました。
ここからはJRも地方鉄道もなく、かつてはここからバスで剣岳の登山口馬場島まで行けたのですが、不況の影響でバス会社が撤退してしまい、今は雲助だけしかいない場所になっておりました。

 上市部落の駅舎でうろうろしていたところさっそく雲助から目を付けられました。
禿のだんな、馬場島まで行くんなら安くしとくぜ、籠にのらねいか!!」
して,籠の費用はいかほどに?」
まあ、25Kmあるから、8500円程度だな!!」
もし他に登山客がいて費用を折半できるなら籠に乗ってもよいと思いましたが、この時期上市部落から登山する客はほとんどおらず折半をする相手はいなかったのでございます。
歩くと6時間から7時間はかかり夜の見知らぬ山道を歩くのはかなり苦痛ではありました。

 しかしロドリゴには行商でかろうじて溜めた費用しかなくとても籠代を支払う余裕はなかったので、意を決して歩くことにいたしました。
ケチな客だな、クマにでも食われてしまえ」そう雲助が悪態を付いておりました。
夜道を歩くのは薄気味悪いもので、それも山道となれば時に自動車がすれちがうものの人一人としていないのでございます。

 番場島は標高750m程度で、早月川はやつきがわ)に沿って県道剣岳公園線をひたすらさかのぼるのですが、かつてはところどころにあった集落もなくなり、学校跡や役場の支社跡が薄明りの中で往時の面影を残しているだけでございました。
夜の9時ごろにようやく馬場島のキャンプ場にたどり着き、屋根のあるバーべキューハウスの中で寝ることにいたしました。

注)剣岳の早月尾根ルートについては以下の地図を参照
http://www.town.kamiichi.toyama.jp/hp/kanko_turugi/root.htm

 この時期このキャンプ場にテントを張る人は一人としておらず、ロドリゴは疲れていたためマットを引いて寝袋で寝たのですがこれはひどい失敗でございました。
屋根があるからテントは不要と判断したのですが夜中に蚊の大群に襲われ、気が付いたら手と顔をさんざん刺されてしまいました。
たまらずテントを張ってもぐりこんだものの、馬場島の蚊はおゆみ野近在の蚊と違った種類で、抗体がなかったせいかその後2日程度かゆみが引きませんでした。

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(この日は夕方から小雨が降っており、夜中には土砂ぶりになった)

 夜中になりかなりひどい雨が降り始めましたが、ロドリゴは明日からの登山に備えてこのバーベキューハウスでひたすら寝ることにいたしました。
ロドリゴは全く知りませんでしたがこの日から富山の国の上空には前線が張り出し、山は荒れ模様になっていったのでございます。

 

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(25.8.29) 夏休みシリーズ NO10 結婚適齢期

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(舞浜の一角で見つけた朝顔)

夏休みシリーズ NO10

私は平岩弓枝氏のファンで彼女の短編を好んで読むが、「邪魔っ気」という小説を読んで江戸時代の結婚観を考えた。

(20.2.22)結婚適齢期

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
 「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード


 

Book ちっちゃなかみさん (角川文庫)

著者:平岩 弓枝
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 結婚適齢期
という懐かしい言葉が頭をよぎったのは、このところ平岩弓枝氏の短編小説を読みふけっているからである。
ちっちゃなかみさん」という題名の本だが、実際は10編の短編小説が収録されており、「ちっちゃなかみさん」はそのうちの一編の題名である。

 ただし読んでみると分かるが、この「ちっかなかみさん」の小説としての完成度が一番高い。おそらくそのためにこの名を文庫本の題名にしたのだろう。

 この短編小説のテーマは江戸時代の女性が持っていた結婚観である。
江戸時代、女性は結婚こそが人生の目的であり、ある意味で強迫観念を持って結婚を切望していた。

 すべての女性が20歳までの結婚を目指し、20歳を過ぎるとあせりを覚え、23歳を過ぎると婚期をのがしたと思い、25歳おおどしまの世界だった。

 小説の一編「邪魔っけ」の主人公「おこう」は25歳である。母親が死に、気の弱い病気がちの父親を手伝って豆腐屋を切り盛りしている。妹が二人、弟が一人いるがいづれも家の手伝いは何もせず「おこう」に悪態をつくことしかしない。
妹と弟はその性格ゆえに結婚相手に恵まれないのだが、それをすべて「おこう」のせいにする。

姉ちゃんは好きで嫁に行かなかったんだもの、25にもなって、うすみっともない娘のなりをしていようと自業自得さ

姉ちゃんがいい年して家にいるんじゃ、誰も来てがあるもんか。小姑に鬼千匹ってね

 実際はおこうの懸命な努力でようやっと家計が支えられているのだが、気の弱い父親以外は誰も感謝はしない。

 平岩弓枝氏おこうにこう言わせる。

おっ母さんがいけないのよ。4人もの子供を残して、先に死ぬなんて・・・
二十歳まで泣き泣き言った言葉を、二十歳すぎてからは笑いながら言う。おこうはそんな自分の年齢(とし)を想った。苦労が教えた諦めである。

 10編の短編小説の中の主人公でおこうの存在感がひときは光っている。この短編小説を読めばだれでもおこうに同情と愛惜と憐憫の入り混じった複雑な気持ちになるはずだ。
男だったら間違いなく嫁にしたい第一級の魅力あふれる女性である。

 ところがこの小説では「うすみっともないおおどしまなのだ。

 現在では、結婚しない女性のほうが結婚する女性を上回りそうな勢いなので、読んでいてなんとも不思議な気持になる。
しかしこうした今風の結婚観が定着したのはそんな昔のことではない。

 この小説を読んで、私は50年前の小学生の頃のある記憶を思い出した。

 私の故郷は、絹織物の名産地であり、よく内職として家庭の主婦が木製の機織機で反物を織っていた。
そうした女性をよく街で見かけたものである。
その日はたまたま子供達の遊び場の横で、かなり年配の女性が窓をあけて機(はた)を織っていた。

 私はそのしぐさが大変興味があったのでその女性に聞いた。
おばちゃん、なにやってんの

 そのときの女性の顔を今でも覚えている。目を吊り上げ阿修羅のような形相をして私を睨(にら)みつけたのだ。
何も言わずただ睨んでいるのである。

 びっくりして逃げ出したが、後で友達から
あのおばちゃん、結婚してないから 怖いんだ」と聞かされた。
おそらくは30歳を少し越えたくらいの女性だったはずだが「おばちゃん」と言われた言葉に阿修羅のような形相になってその女性は答えたのだ。

あたしゃ、生娘だよ。あんたにおばちゃんなんて言われる年じゃないの」おそらく言葉に出したらそう言うことだったのだろう。

 確かに50年前はそうした時代だったことを平岩弓枝氏の小説を読んで思い出した。
そして今、結婚観は劇的に変わっている。
たった50年だが、人の意識も行動もこうも変わるものかと驚かされる。

男で苦労するなんて真っ平よ」よく娘が言っている台詞だ。

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(25.8.28) 夏休みシリーズ NO9 奇特な人

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(パリ セーヌ川にかかるナポレオン3世橋)

夏休みシリーズ NO9
私は冗談話を書くのが本当に好きなのだ。この話もそうした類の話なのだが、時に生真面目な人が読んで注意をしてくれることがある。

(20.2.17)奇特な人

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 世の中には奇特な人がいるものだと思う。Kさんという。
私が四季の道の清掃をしている途中で氷雨に濡れ、もう少しで肺炎になりそうな時に傘を貸してくれたのはこのKさんだ。

拙僧は修行の身、たとえ雨に濡れようとも傘をさすわけには・・
辞退しようとしたが
お坊様の身に何かあれば、この地区の老若男女が生きて生活することができません。是非、是非、お持ちください
今でもこのときの傘を大事に使わせてもらっている。

 都川源流の里山のゴミを清掃していた時も、ペットボトルや果物の差し入れをしてくれた。
せめて水を飲まなければお身体にさしさわります

 この日はとても暑い夏の日で、私をはじめ修行僧は全員脱水状態だったから、このときもKさんのおかげで救われたようなものだ。

 そして今回、Kさんは私を食事に誘ってくれた。
何もございませんが、おむすびけんちん汁を召し上げってくださいませ。せめてもの功徳を施しとうございます

 実は最近私はやせ細っている。毎日の食事はジャスコのトップバリューの食パンだが、かつて70kgほどあった体重は60kgに落ちてしまい、腹と背中がくっつきそうだ。

 また私の妻は天女のような女性であり、お布施のほとんどを貧しき子らに分け与え、残ったわずかなたくわえも亀ゴンのレタスとキャベツにまわしている。
私と妻に残された食料は切干大根だけだ。

 Kさんは見かねたらしい。
せめてお坊様に人並みの食事をしていただきとうございます
妻と私を誘ってくれた。

 さらにKさんは私と一緒に修行している I さんも誘ってくれた。
 I さんはかつてある著名な航空会社のチーフパーサーをしていたのだが、乗客の残したパンくずを食べて飢えをしのいでいた人である。

 三人は嬉々としてKさんの家を訪問した。四季の道の近くの瀟洒な住宅が立ち並ぶ一角の、植栽がことのほか美しい家がKさんのお宅だ。
Kさんはおむすびけんちん汁を用意してくれていたのだが、私の目からは豪華なお刺身や、京料理栗ご飯に見えた。

 いつもは「飢餓線上のアリア」を奏でていた身であったが、この日は実に楽しいひと時を過ごさせてもらった。
お坊様には、日夜四季の道を掃き清めてもらい、仏の心を教えていただいております。そのせめてものお礼でございます
Kさんはあくまでも奇特な人だ。

 私はお礼にKさんが、市原の宿で行なわれている素走りの術の大会で、上位入賞が可能な秘伝を伝授した。
幸いにもKさんは、2位に入賞したが、これは秘伝の祈祷人払いの術」により3人以上の出場を出来なくしたからである。

 この日はまことに得がたい一日だった。ふたたびこのような仏の日が来ることを願ってやまない。

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(25.8.27) 夏休みシリーズ NO8 やはり笑ってしまった e-Tax

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(近くの泉谷公園の菖蒲園)

夏休みシリーズ NO8 
e-Tax というシステムをご存じだろうか。確定申告を申請するときに使用するのだが、このシステムほど出来の悪いシステムはちょっと他に見当たらない。私はあきれ返って以下の記事を書いた。

(20.2.13)やはり笑ってしまった eーTax

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 やはり笑ってしまった。e-Taxによる確定申告についてである。
e-Taxとは国税庁が鳴り物入りで作った電子納税システムのことだ。

国税庁のHP(ホームページ)を開くと、「確定申告書作成コーナー」というページが現れ、クリックすると「19年度の確定申告書作成コーナー」に移る。

 この画面を見られたことがあるだろうか。誰が見てもe-Taxによる納税画面と思ってしまうほどe-Taxが強調されている実に不思議な画面だ。
e-Taxを利用すれば5000円税額控除される」とか「これからe-Taxを始める」等の言葉が強調されてe-Taxオンパレードだから、e-Taxの作成画面と思わないほうが不思議だ。

困ったなあ、e-Taxでない単なる確定申告書の作成画面を探しているのに
 
 私は定年退職者だから確定申告をしなければならない。確定申告はパソコン上で出来るので、今年もそうしようとして国税庁のHPを開いた。
自分のつもりとしては、確定申告書をパソコンで作成して印刷し、必要書類を添付して税務署に送るつもりだったので、その画面を探したのだがちっとも分からない。

 何回も画面を行き来してようやく「19年度の確定申告書作成コーナー」が、e-Taxe-Taxを使用しない場合分岐画面であることが分かった。
確かに下の方にe-Taxを使用しない場合」と書いてある。

 ようやく見つけたと思ってクリックすると、通常のシステムでは絶対に表示されない魔か不可思議な画面が出てくる。
この画面を見て通常の感覚でいられる人がいたら不思議なくらいだ。
ウィンドウは表示中のWebページにより、閉じられようとしています。このウィンドウを閉じますか

 何を言っているのか分かるだろうか。通常の感覚ではせっかく見つけた画面が閉じられたら大変なので「いいえ」と答える。
そうする画面は動かない隠れた画面で「e-Taxを使用しない場合」の操作画面が出ている。
普通の感覚の人は隠れた裏画面に気づかず、画面が動かないと思ってしまう

 一方「はい」と答えると「e-Taxを使用しない場合」の画面が表面に出てくる。ここでは普通の感覚の人は、「はい」とは選択しないので「e-Taxを使用しない場合」の画面に移ることはない。

 笑ってしまったe-Taxの画面から一歩も動けないのだ。

 実際は「はい」だろうが「いいえ」だろうが、「e-Taxを使用しない場合」の操作画面に移れるのだが、ほとんどの人が分からない。
どうしてe-Taxを使用しない確定申告書作成画面にいけないのだろう
頭を抱えてしまう。

 実に信じられないようなシステムフローだが、これは国税庁がわざわざそのように誘導しているのだ。
絶対にe-Taxをつかわせる。印刷による確定申告書など作成させてなるものか


 実は昨年e-Taxでの確定申告をしようとして、その手続きの煩雑さにあきれて断念した。

 国税庁のシステム開発には実に問題が多い。このe-Taxは約500億円をかけて構築したのだが、利用率は個人の利用はほとんどなく、法人は1%程度だ。
実際に利用しようとするとわかるが、電子証明書の取得がなんともややこしい。

 区役所に行って申請すれば発行してくれるのだが、電子証明書を読むためのICカードリーダー家電店で別途3000円程度で購入しなければならない。
その後で、ソフトのインストールが必要になる。
こうまでしてがんばっても添付書類は別途税務署に送付しなければならないので、システムマニア以外はばかばかしくなってしまう。

 利用率がさっぱり上がらないので国税庁は躍起となって「19年度の確定申告書作成コーナー」を見た人をe-Taxに無理やり導こうと、こんなに不思議な画面を作っているのだ。

 それにしても国税庁とは不思議なところだ。とても利用できそうもないシステムを500億円もかけて作り、そのシステムを利用させるために納税者をペテンにかけるようなシステムフローを作って困惑させている。

 あまりのばかばかしさに私は笑ってしまった

 これは国税庁のガダルカナルだ。敗戦明白な戦場に納税者を次々に送り込んで、さらに死傷者を増やしている。
目的はただ一つe-Tax無能なシステムだと知られたくないためだけだ。

 大本営発表
わが軍はe-Taxを投入することによって、納税者の利便性を大いに高め、業務の合理化を大いに進めた。納税者は嬉々としてこのシステムを利用している

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(25.8.26) 夏休みシリーズ NO7 毒入り餃子がこわい

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(フランス南部の町 ル・ピュイ サンチャゴ巡礼の途中)

夏休みシリーズ
このころ中国産の餃子に毒が入っていて日本中が大騒ぎになっていた。その犯人を推理したのだが、完全に推理は当たっていた。自分でも驚くほどだ。

(20.2.9)毒入り餃子がこわい

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 例の毒入り餃子事件以来、中国製の食品に対し非常にナーバスになってしまった。

 先日かみさん冷凍のたこ焼きを解凍してくれたのだが、最初は何気なく食べていたのに「もしかしたらこれは中国製」と思ったとたん、吐き気がしてきた。

 あわててかみさんに「このたこ焼きはどこで作られらの」と聞いたが要領を得ない。
たこ焼きの入っていた袋を持ってこさせ、原産地がどこかくまなく探した。
よかった、タイだ。それなら大丈夫だ
急に食欲がわいてきたのだから現金なものだ。吐き気もすっかりすっ飛んでしまった。

 実はこれは私だけでなくも同じような経験をしている。
娘はどこかの料亭で宴会のから揚げを食べたのだそうだが、「あれは安かったから中国製では?」と思ったとたん吐き気を催したらしい。
寝込んでしまった。
から揚げを全部食べずに残して、保健所に持っていけばよかった」悔やむことしきりだ。

 娘の場合も単なる食いすぎで、胃のもたれに過ぎなかったようで、次の日は元気に会社に出かけていった。

 しかし困ったものだ。中国製と聞くとそれだけで毒が入っていると身体が反応してしまう。
これでは中国製食品に対する精神的やまいみたいなものだ。

 実を言うと私は物理的やまいより精神的やまいのほうが多い。
昔会社に入った当初の頃、会社の門をくぐると急に頭痛がし、門から出るとすっかり直るのには閉口した。
中国製食品でまたそれが始まってしまった。

 このまま原因が判明せずに時間が立つと、私のような中国製食品に対する精神的やまいを持った患者が増大しそうだ。

 ホームズワトソン君に今回の事件の謎解きをしてもらわないと安心して暮らせない。

ホームズ、今回の毒の混入場所はほぼ確定されてきたようだね
中国政府も日本政府も正式には認めていないが、天洋食品の包装過程で毒が混入されたとターゲットを絞ったようだ。
神戸と福島の毒の接点はそこしかないのと、毒が袋の中に入っていたのが決めてだね

しかし誰がいったい何の目的でそのようなことをしたのだろう
中国政府は『日中両国の親善を望まない分子の破壊活動の可能性を否定できない』といっているようだが
破壊活動の可能性は少ないと思われる。もし破壊活動ならもっと多くの毒を使用するだろう。そのほうがインパクトが大きいからね。

 それにこうした活動をするグループは必ず犯行声明を出すものだ。
自分たちの行動が正しいと大衆にアピールしないと、何のために行動したのか分からないからね。
いまのところ犯行声明はない。だからこの可能性は小さいと思う

ではいったい誰が毒をいれたのだろうか
可能性が一番高いのは、天洋食品に何らかの不満を持つ従業員が会社を困らすためにやったと言う可能性だ。

 おそらくこの人は個人で、かつ農民か農民出身者だ。農薬の扱いに相当慣れている。致死量までは入れていないところが味噌だ。

 また特定の日に混入されているので、その日に作業をした人で、その後会社を辞めているか、辞めさせられた人を対象に捜査するのが一番だね

この事件は解決するだろうか
中国政府は威信をかけて捜査するはずだから、そのうちに犯人は捕まるだろう。中国の捜査方法は何でもありだから、解決は意外と早いかも知れないよ

早く事件が解決してくれないと、私の精神的やまいは治りそうにない。

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(25.8.25) 夏休みシリーズ NO6 ミッション・インポッシブル

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(ルーブル美術館)

夏休みシリーズ
私は本当は冗談話を書くのが好きなのだ。あまりまじめな話は肩がこるからだが、最近は肩がこる話ばかりになっていることを思い出した。

(20.1.31)ミッション・インポッシブル

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 これは第一級の秘密情報である。したがって本件ブログを見たあとこの画面を閉じると、10秒以内に記事は抹消される。

 市民ネット福谷議員から実に興味深い情報が寄せられた。
福谷議員の家では毎週一回、決まった時間に生協の荷物が届くのだが、なぜか卵だけがなくなってしまうのだそうだ。
あまりにしばしば卵がなくなるので、調査の必要を感じた。

 よくよく見ると生協の日に限って、近くにカラスが止まっており、そのあとで卵の殻の破片と黄身や白身の残骸が落ちていたのだと言う。
どうやら犯人はこのカラスのようだと思ったが証拠がない。

 一計を案じて、生協の日に網を持って隠れていると、件のカラスが卵を食べだした。すかさずカラスを網で捕らえカラスを尋問したところ、実に驚くべき陰謀が隠されていたのだそうだ。

 このカラス生協ガラスと言って、特別に訓練された特殊能力を持ったカラスだった。
訓練したのは生協職員に化けたアメリカCIAのエージェントである。
ここから先はホームズワトソン君に登場してもらう。

ホームズ、福谷議員はカラスの言葉を理解できるのかい
実は出来るのだ。彼女は昔、マリア・カラスの大ファンで、マリア・カラスからカラス言葉を習っている

ところで、この生協ガラスはいったい何の訓練をされていたのかい
生協の配達日を覚えて、配達された卵を即座に食べる訓練だね

CIAが何でそんなことをするのだろう
日本産の卵を市場から駆逐して、アメリカ産の卵を日本国内で販売するためさ。アメリカ農務省の秘密戦略だよ

しかし、福谷議員の卵を食べても、何の影響もないじゃないか
そこがCIAの奥の深いところだ。この陰謀を見抜く人間がいるかどうか調査をしたのさ。
福谷議員はおゆみ野の知性と言われるぐらいの人だから、福谷議員が気がつかなければ他は推して知るべしと読んだのだ。
特に山崎次郎なんてのはぼんくらだからテスト対象からは、最初からはずされていたようだ

福谷議員はすぐにカラスの仕業と気がついたわけだ
それだけに留まらず、調査をしてCIAの動きまで察知し、市議会の秘密会議で報告をしている。このまま放置すると日本産の卵はすべて生協ガラスに食べられてしまい、鶏卵業界は崩壊してしまう。
したがってすぐにアメリカに抗議をして日本の鶏卵業界を救わなければならない

そうすると福谷議員は日本の鶏卵産業が崩壊するのをすんでのところで救ったと言うことになるね
まったくその通りだが、これはすべて秘密裏に行なわれたことだから、福谷章子の日記にも記されていない。
ワトソン君もこの話はまったく聞かなかったこととして忘れてくれ


 上記内容は第一級の秘密事項なので、このブログを読んだ人もすぐさま記憶から抹消されたい。

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(25.8.24) 夏休みシリーズ NO5 詩を書いたことがあった。

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(ルーブル美術館で写した写真。ここでは自由に写真が撮れる)

 夏休みシリーズ
かつて私も詩を書いたことがあったのだ。すっかり忘れていたが再掲してみた。

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 詩を作ってみた。記憶を遡ってみると、私が以前に詩を作ったのは学生時代だったから40年ぶりの詩作となる。
詩を作ることも読むこともなかったものが、急に詩作をしようとしたのは、「アース」という映画を観たからである。

アース」はNHKが放送した「プラネットアース」のいわばダイジェスト版のようなもので、「プラネットアース」の中で特に印象深い映像を、再編集して映画化したものだ。

 私は「プラネットアース」の大ファンだから、「アース」に出てくる映像はすべて何回も見ているのだが、映画館で見ると音響効果がまったく違っていたのにはびっくりした。
動物の息づかいの生々しさが実に効果的で、人は音響効果でこんなにも違った印象を得るものかとあらためて驚いた。

 詩作をしようとしたのは、前におゆみ野WALKERSのブログを見ていたら、「映画アースを見に行こう」と言う記事が掲載され、その中に茨木のり子さんの「」という詩が紹介されていたからである。

 アネハズルがヒマラヤ山脈を越えてインドとモンゴル高原の間を季節ごとに移動する様を歌った詩である。プラネットアースの一場面のあのヒマラヤを越える鶴だ。

 この詩に触発され、「アース」のなかで最も印象的な白熊の死について詩作をしてみることにした。
地球温暖化の影響で年々北極海の氷が薄くなり、白熊が狩ができなくなって死滅に瀕しているあの映像である。

 最も詩を作るのは「神からの啓示」が必要だとある人から教わったが、とても啓示を期待するのは無理そうだったので、かなり散文的な詩になったのは止む終えない。

 静かな死 白きカムイ

静かな死が極北の大地におとづれている
かつて極北の王者といわれ 沈まぬ太陽のように 決して死ぬことがないとおもわれていたあの白熊に

何がおこったのだろうか なぜ白熊はやせ衰え 極北の大地に動くことなく たちどまっているのだろうか
そしてなぜその目はうつろなのだろうか

かつてこの湾は一面の氷で覆われ、氷の厚さが白熊の身体を支えられるようになると 遠き旅立ちをしたものだ
白熊のオットセイ狩の始まりだった

今この湾は青き海原になり、氷のかけらもなく、飢えた白熊はシャケの皮やオットセイの骨をなめているだけだ
あのどこまでもどこまでも続いていた氷の氷原が消えてから、数ヶ月がたった

白熊は何も食べるものがなく、青き海原に向かって問いかける
われらの氷はなぜ消えてしまったのか
ふたたび氷の海に戻ることはないのだろうかと

静かに しかし確実に白熊に死が訪れている
あるものは果敢にセイウチに襲い掛かり、セイウチの牙で逆襲を受け、あるものは青き海原に泳ぎだしておぼれ あるものはただ海岸にたたずみ餓死している

この累々とした白熊の屍を見てほしい
今はただ海鳥に体中をついばまれ、毛皮だけが純白の影を海岸にのこしている
この地平線まで続く白い帯は地球の鎮魂歌のようだ

いつのころからか 静かに、しかし確実に極北から白熊が消えた
人々はかつてここに、白きカムイがいたと古老から聞くだけだ

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(25.8.23) 夏休みシリーズ NO4 天才論

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(我が家のカメゴン。呼ぶと飛んでやってくる。犬と同じだ)

夏休みシリーズ
昔、天才論を書いていたので再掲してみた。

(20.1.15)天才について

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
 「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード 

 おゆみ野walkersのブログを見ていたら、Tさんが「天才は勝手に天才になる」(20.1.8)という天才論を掲載していた。
昨年末の金坂邸におけるクリスマスコンサート河合隼雄の「あなたが子供だったころ」に触発されて記載したという。

天才は教育で育てられるのか、それとも生まれつきか」というテーマだ。
私も金坂邸でのクリスマスコンサートに出席し、感動した一人なので「天才論」を書いてみることにした。

 おそらく天才について本格的な学問的アプローチを最初にしたのは、ドイツの心理学者クレッチマーだと思う。
彼の体格による性格3分類は有名だが、天才論の立場からすると「天才は有能な人の最もすぐれた人ではなく、まったく別種の人間で、その多くは性格破綻者だ」という認識の方が重要だ。

 クレッチマーは古今の天才といわれた人を体格により分類し、その生涯を調べることによって上記の命題を証明しようとした。

 確かに天才がいわゆる性格破綻者だった例は多い。
アマデウス」という映画を見た人は、モーツアルトが悪ガキで、酒癖が悪く、最後は名もない共同墓地に葬られたことを知っている。

 ゴッホは自らの耳を切り、最後は銃で自殺した。ダリの奇行も有名だ。

 現代数学の基礎の一つである群論の創始者ガロアは、ほとんど理由が分からない理由で決闘をし、21歳の生涯を閉じた。

 アインシュタインは一種の学習障害があり、幼児期には言葉を自由にしゃべれなかったし、簡単な数式の記憶がほとんどできなかった。
最初の妻との離婚は家庭内暴力だといわれている。

 夏目漱石斉藤茂吉は奥さんの目からはアホ扱いだ。

 調べてみると天才といわれる人が、性格破綻者かよく言って変わり者である例は枚挙にいとまがない。
クレッチマーは性格が破綻していない天才はダーウィンだけだと述べている。

 実は私は天才といわれる人は遺伝学でいう「突然変異した人間」だと思っている。ある特定の分野(音楽、スポーツ、芸能、学問)で突出した能力を示すが、他の分野では普通か、あるいは普通以下の能力のため、社会生活に支障が出ている場合が多い。

 野球選手の中では、イチローは天才だが、松井は有能な正常人だと思う。
なぜイチロー野茂が天才かというと、他に追随できる人がいないからだ。

 イチローのバットコントロールと守備は彼以外の人ではできないし、野茂のトルネードは野茂以外にできない。
そして二人ともマスコミからは毛嫌いされている。マスコミ向けのお愛想をまったくしないからだ。
社会性が極端に欠如している。

 一方松井は違う。松井はとてもすばらしいバッターだが、この程度の人はヤンキースの同僚にいくらでもいる。そして松井は信じられないくらい誠実にマスコミに対応する。社会性抜群だ
おそらく松井は大会社の社長になっても成功するはずだが、有能な人の最もハイクラスの人だと思えばよい。

 イチロー野茂は日本球界では相応のバッターやピッチャーだったが、それ以上の評価はなかった。
彼らが認められたのは、能力さえあれば評価するアメリカという環境があったからである。

 これは重要なことだが、天才は発見される環境が必要だ
特殊能力者をそれだけで評価する社会がないと、天才は埋もれるか、単なる変わり者扱いだ。
その点で、アメリカは天才に優しく、日本は天才に厳しい国柄だ。

 日本では能力以上に性格が重要視される。朝青龍の悲劇もそこにあり、横綱審議会から目の敵にされているが、朝青龍に言わせれば「俺は強いから横綱になったので、品性がいいから横綱になったのではない」というところだろう。

 これを幼児の英才教育に応用すると以下のようになる。

 ある特定分野(音楽、スポーツ等)で才能が感じられ、他の分野がまったくだめで、どうしょうもない悪がきか性格に問題がある場合は、天才性が認められるので、その分野の英才教育を施すことを進める。
ただし日本においては社会的評価は期待できないので、将来はアメリカ等で暮らさせる覚悟もいる。

 一方、たいていのことに能力を発揮するか、またはまったく発揮せず、性格的にいい子か特に問題のない子の場合は、天才性はない
だから通常の学校教育を行い、足らないと判断されれば予備校等の教育を加えるのがよい。
間違っても特殊な英才教育などしてはいけない。かえって性格が破綻し問題児になってしまう。

 このクラスの上質の人は、有名大学を卒業して、日本の指導者の一員になることが期待できるし、そうでなくても誠実な人生を送ることができる。

 だから英才教育はほとんどの人には必要なく、ある特定の性格破綻者だけに必要だと私は思っている。

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(25.8.22) 夏休みシリーズ NO3 風にふかれて

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(奥穂高岳)

 夏休みシリーズです。
このころ左足に肉離れが発生した。リハビリのため近くのNASでランニングマシーンでトレーニングをしていた時期があった。

(20.1.14)風にふかれて

 おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
 「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード

 つくづくマラソンは屋外でやるものだと思う。
12月いっぱい左足の肉離れがあったため、NASおゆみ野で自転車をこいだり、ランニングマシーンで走ったりしていたが、屋内でのトレーニングに飽いてしまった。

 自転車こぎなどはほとんどラットの輪こぎ運動と同じで、1時間もすると飽き飽きしてしまう。周りを見てみると本を読みながらの人が多い。
私も小説を読みながら自転車こぎを行なったたが、本を読むとどうしてもスピードが落ちた。
これでは運動をしているのだか本をよんでいるのだか分からない。

 ランニングマシーンも好きになれない。同じ場所を走るのは外を走るのと違って景色はかわらないし、風が頬に刺激を与えることもない。
昔は隣の人とスピード競争をしたりしていたが、リハビリ中なのでそれもままにならない。

 数年前だったが、冬場に江戸川をさかのぼり、関宿利根川に入って銚子まで3日間かけて走ったことがあった。
冬の北風はことのほか強い。特に川べりはさえぎるものがないので台風並だ。
江戸川をさかのぼる時は向かい風で自転車を押して坂を上るみたいにきつかった。

 一方利根川を下る時は、たこのように後ろから押され何もしないでも走れるし、川がまわりくねっている場所では横風で堤から落ちそうになった。

 しかしあの風は実によかった。生きている実感のようなものを感じた。走っているときの風は最高だ。

 それに比べてランニングマシーンでは、まったく風がない。
ようやく身体が回復して四季の道を走れるようになったときは本当にうれしかった。
ふたたび風が頬をつかんでくれた。

 ランニングは風にふかれてするものだ。しみじみそう思った。

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(25.8.21) 夏休みシリーズ NO2 美しい日本語

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 夏休みシリーズになっています。
古い記事を読み直してみるのは楽しいことだ。「美しい日本語」をアメリカ人のお嬢さんから教えてもらった時の記事だ。

(20.1.3)美しい日本語

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
 「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード 

 実に美しい日本語を聞いた。ただし日本人からではない。アメリカ人からである。
おゆみ野キリスト協会の牧師、アイバーソンさんの大学生のお嬢さんのことだ。

 アイバーソンさんはこのあたりでは著名人であり、クリスマスが近づくとその9人の子供たちと一緒にテレビに出演し、サウンド・オブ・ミュージックの「さようなら、ごきげんよう(So Long, Farewell)」を歌って拍手喝采をあびた。

 すでに20年以上に渡って日本で伝道活動を続けており、お嬢さんは日本育ちだから日本語を流暢にしゃべるのは分かるが、流暢というだけでなくことのほか美しいのだ。

 電車の中で少し問題のありそうな女学生がしゃべる悪質な男言葉になれていただけに、はっとしてしまった。
その対極に位置するような正統派日本語で、言葉だけ聴いているとひと昔前の躾のよいお嬢様という感じである。
ほとんど小津安二郎原節子の世界だ。

 私がアイバーソン一家と知り合ったのは、隣家のクリスマスパーティーに呼ばれたからであるが、ここ数年クリスマスになると、隣家とアイバーソンさんの家族と、我が家の家族でパーティーをするのが恒例になっている。

 娘が「本当に美しい日本語ですね」と感嘆していたが、そこにいた日本人の誰よりも正しく美しい言葉遣いだった。
私もかなり丁寧な日本語をしゃべるのだが、このお嬢さんには負ける。
どちらが日本人なのか分からないくらいだ。

 しかし日本語の美しさを外国人に教えられるとは情けない。大相撲の横綱が二人ともモンゴル人で、モンゴル人に相撲を教えてもららっているのとにている。

 深く反省をして、このお嬢さんに負けない美しい日本語を話そうと決心した。

亀ゴン、絶対に正しい日本語をしゃべることにしたぞ
先生の話し方はすでに崩れてます。私に対してぞんざいな口の聞き方をしてます。言い直してください

亀ゴン君、私は正しい日本語を話す決心をしました
亀ゴン君ではなく、亀ゴン先生です

 美しい日本語を習得するのは大変そうだ。


写真は本文と直接関係しませんが、おゆみ野の富士見が丘から見た富士山です。元旦、2日と見えましたが、この写真は2日に撮ったものです。意外と近くに見えたのでびっくりしました。

http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/201202/photo?authkey=9OHcWAVCkx4#s5150988159121956626

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(25.8.20) 夏休みシリーズ NO1 夢判断

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 しばらく夏休みシリーズになります。
古い記事を見ていたら「夢判断」という面白い記事が出てきた。当時私は朗読会で朗読をしたり、テーマソングの作詞をしたりしていて、新たなことにチャレンジしていたが、そのことが夢に出てしまった。

(19.12.29) 夢判断

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
「guitar.mid」をダウンロード 

 夢を見てしまった。音楽会の夢である。3人の演奏者がいて私もそのうちの一人である。パーカッションの奏者らしく、フライパンのようなものをたたいている。
先日金坂さんのお宅でクリスマスコンサートが開催され、私も参列した時の情景だ

 どこかの自宅か公民館のような場所だが、はっきりしない。演奏が始まるとそれにあわせて、私がフライパンをたたかなければならないのだが、練習をしたこともないし、今演奏されている曲も聴いたこともない。

 仕方がないので黙ってたっていると、観客席からひどいブーイングだ。曲を演奏している二人が怖い顔で私をにらんでいる。
一人はちはら台の鬼軍曹みたいで、もう一人は誰か分からないが怖そうな女性だ。
鬼軍曹からは朗読会の練習で散々絞られたのがトラウマになっていたらしい。普段はとても優しい人だが朗読会になると容赦がない

お前のおかげで演奏がめちゃめちゃではないか。楽譜も読めないのか」という雰囲気だ。
前に座っていた人が、つかつかと出てきて感想文を手渡した。
お前はあほだ」と書いてある。

先日、ともすけさんと歌姫で四季の道の歌を作って、みんなで歌ったが、私はひどく音をはずして歌ってしまった。気にかけていたことが夢に出た

 ようやく私が知っている旋律が出てきた。そこだけはフライパンをたたけるが、それが終わるとまた黙って立っていなければならない。
ヒア汗が出てくるがどうにもならない。

 前に座っている人たちが、こそこそとささやきあっている。
今日の演奏会は最悪だ。練習もしてないのか

 鬼軍曹と怖そうなお姉さんがふたたび怖い顔で睨むのだが、どうにもならない。
ようやく休憩時間になったので、逃げ出すことにした。
身体の調子が悪いので、失礼します

 自転車で逃げ出すと、鬼軍曹怖いお姉さんが追っかけて来て大声で叫んでいる。
卑怯者。楽譜を読めないのに逃げるのか

 なんといわれようとも逃げることにした。雪の降り積もっている山まで逃げたのだが、まだ追いかけてくる。
そこで目が覚めた

うぅーん、この夢は何の夢なのだ
ユングフロイトがはじめた精神分析のトレーニングはしたことはないが、私なりに解釈すると以下のようになる。

夢判断

山崎氏は最近挑戦と称して今までしたこともないようなことをしている。歌詞をつくったり、朗読会をしたり、グリーティングカードで年賀状を作ったりしている。
しかしこうした行為は十分な準備なしに行なうと、世の中の物笑いの種になることがある。

どうしようもなくなって山に逃げ込むことがない様、自重して生きなさい

どうだろうか

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(25.8.19) 鳥越俊太郎レポート 「原発と原爆 日本の原子力と米国の影」 その2

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(北アルプス白馬岳 トシムネさん撮影)

 この記事は昨日の続きなのでその1を読んでいない方はそちらから読んでください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-bb0e.html



 私は全く知らなかったが、鳥越氏のレポートによると原爆投下後の残留放射能被害についてアメリカ政府は全く認めてこなかったという。
今では放射能が残留していることは常識で、たとえばセシウム137は30年の半減期だから、ほぼ半永久的に残留していることになる。

 このため今回の福島原発事故周辺ではこの残留放射能の除去が最大の課題となっているが、広島と長崎に投下された原爆では残留放射能被害はないことになっていた。
実際は爆心地から離れていた人でも、急遽家族や親類を助けようとして被災地に入り、黒い雨を浴びたため放射能被害を発症している。

注)映画「黒い雨」でその状況を克明に描いていたが、直接の被ばくをしていない少女が黒い雨を浴びて毛が抜けるシーンが衝撃的だった

 アメリカがどうしても残留放射能の被害を認めなかったのは、原爆が非人道的兵器だと世界に知られることを恐れたからだという。
第二次世界大戦終了後アメリカとソ連は核開発にしのぎを削っていたが、1953年8月にソ連がアメリカに先駆けて水爆実験に成功したことが、アメリカに危機感をもたらせた。
何としても水爆実験を成功させてソ連に対抗できるようにしろ。そのためには被爆国日本の核アレルギーを取り去って、水爆実験を容易にする環境を整えよ

 この戦略のもとにアイゼンハワー大統領1953年12月に国連で衝撃的な演説を行った。
核分裂物資の平時における最も有効な利用法に関する世界的調査を促進するとともに、その目 的のために妥当であるすべての実験の実施に必要な材料がすべて確実に準備できるようにする
従来核技術は秘密のベールに包まれていたが、核兵器の技術を平和利用に使用するためにアメリカが支援を行うとの内容だった。
原子力は戦争目的だけでなく、平和目的にも使用できる人類の資産だという。

 しかしこの戦略は日本に対してはあまり有効でなかったようだ。1954年10月にビキニ環礁でのアメリカの水爆実験で、近くで操業していた第五福留丸の船員23名が死の灰をかぶり、放射線障害が発生したからだ。
当時私は小学生だったが、何か日本中で大騒ぎになっていたことを覚えている。

 しかしこの時もアメリカ政府は残留放射能による放射線障害を認めず、核爆発で粉砕されたサンゴを吸い込んだからだと説明した。
アメリカとしてはソ連との水爆開発で後れを取ることは許されず、何があってもその非を認めることはできなかった(それに日本は敗戦国でアメリカの意向に逆らうことはそもそもできなかった)。

注)残留放射能を認めると実験場所が半永久的に人類が生存できない場所になってしまうため、実験場の確保が難しくなる。ソ連のような国では反対者を投獄できるがアメリカではそれをプロパガンダで行った。

 その後1960年に日本では東海村で日本初の原子力発電所が建設されてることになったが、この時の原子炉は英国から輸入している。
私は不覚にも最初から日本に原子力発電所建設技術があったと思っていたが、それはアメリカの同意のもとにイギリスから導入されたものだった。

 鳥越氏によれば原子力の平和利用と核開発は楯の表と裏で、平和利用を強調することで核開発を容認する世論を誘導するためのものだったという。
そういえば福島原発事故が起こる前までは、原子力は二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーで日本の温暖化対策の切り札だと言われたのも、この原子力の持つ負の側面(メルトダウンによる放射能の拡散は核兵器の投下と同じ)を隠蔽するためのプロパガンダだったと言えそうだ。

 鳥越氏の2部にわたるレポートの中で、一部より二部の方がはるかに興味深かったが、平和利用とは所詮イチジクの葉だという指摘は示唆に富んでいた。

なお東日本大震災に関する記事は以下にまとめて入っております。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43206851/index.html

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(25.8.18) 鳥越俊太郎レポート 「原発と原爆 日本の原子力と米国の影」 その1

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(四季の道に隣接する家屋の庭に咲いていた。名前は知らない)

 民放で鳥越俊太郎氏がキャスターになって「原発と原爆 日本の原子力と米国の影」という放送を行っていた。
8月に入ると報道番組ではNHKだけでなく民放も戦争関連の放送が多くなる。

 番組は二部構成になっていて第一部福島原発事故について当時の当事者(菅総理、北沢防衛大臣、細野補佐官、それにアメリカのNRC等)の証言をもとに、主として「なぜ自衛隊のヘリコプターによる放水が行われたのか」を追っていた。
あの自衛隊による放水場面は私もよく記憶しており、見ていたら全く効果がなくがっかりしたが、それが実行された経緯である。

 第二部はアメリカは戦後なぜ原子力に関する技術を公開し、原子力の平和利用を日本を始め同盟諸国に働きかけたかの理由について追及していた。
原子力技術はもっぱらアメリカとソ連が独占していたが、1953年アメリカのアイゼンハワー大統領は突如原子力の平和利用について同盟国に技術供与を始めたのである。
そこに深謀遠慮があったというのが、鳥越氏のレポートの内容になっていた。

 3月11日から始まった福島第一原発事故についてはいろいろな側面からアプローチが可能だが、この報道では日本政府がアメリカ政府にせっつかれて何とか自主的な災害救助活動の実績を残そうとしたのがヘリによる放水だったという。
事故直後からアメリカはNRC(アメリカ原子力規制委員会)を中心に情報収集に努めたが、アメリカにとっての最大の課題は在日米軍の兵士と家族を放射能災害から守ることだった

 日本では日本人のことしか頭になかったが、日本には家族を含めると約10万人の在日米軍が駐留しており、そのうち半分は沖縄で残り5万横田や横須賀や三沢や岩国等に駐留している。
アメリカにとって特に東京周辺に展開している米軍とその家族の安全を守ることが最優先の課題だった。

 一方日本では菅総理をトップとする緊急災害対策本部があったが、地震と津波対応が主体で福島第一原発の事故処理については当初は東電任せだった
これをオンサイトの原則というのだが、それまで日本全体を揺るがすような原子力災害はなく(東海村で被ばく被害があったが限定的なものだった)、日本全体での問題として取り組む姿勢はなかった。

 一方アメリカではスリーマイル島の事故を受けて、原子力災害は国家を上げて取り組むものとの姿勢が確立していたため、アメリカから見ると日本政府の原発事故の対応は何とも鈍重で事故の重大性を全く理解していないものに見えた。
アメリカは日本政府に対し情報収集のためのスタッフを官邸の災害対策本部に常駐させるように要請し、このことが菅総理のいつものヒステリーに火をつけた。
俺だって状況を把握し切れてないのに、アメリカ政府がでしゃばって来てあれこれ指示されたら、日本の総理としての面目がたたない

注)菅総理は地震・津波被害対策が日本政府が行うミッションと思っていたところ、アメリカから福島原発対策が最優先の課題だと指示されてパニックに陥ったのだと思う。

 アメリカからは「英雄的な犠牲を払え」とのメッセージが発せられていたため、3月15日菅総理は急遽東電本店に乗り込み「このままではアメリカが災害対策の指揮権を握って指図することになるので、決死の覚悟で対処せよ」と怒鳴りまくった。
当時の最大の課題はメルトダウンを防ぐための水の注入だったが、高圧放水車による注入とヘリによる放水が検討されていたという。

注)3月14日に3号機が水素爆発を起こし、2号機も危機的状況にあった。

 対策本部の順番ではまず高圧放水車の放水で放射線量を下げてから、ヘリによる水の散布をする予定だったが、オバマ大統領との電話会談の直前にこの順序が入れ替わった。
世界に日本政府が英雄的な犠牲をしているところを見せるためだったが、当初からその効果は疑問視されていたという。

 アメリカ政府は災害発生当初からの日本政府の対応に疑念を持ち、3月16日には在日米軍とその家族を原発から80㎞範囲外日本政府は20km)への避難勧告を出した。
日本政府とアメリカ政府の非難範囲が異なって諸外国に奇異な感じを与えたが、アメリカとしては「とても日本政府に付き合っていられない」という状況だったようだ。

 結局自衛隊のヘリによる放水は17日に実行されたが、これは全くのパフォーマンスで実際の災害対策としては何の役にも立たなかった。
鳥越氏はこうした無駄な対応がアメリカからの圧力を回避するために実施されたことの疑問を呈していた。

 確かに原発事故対応としてはお粗末極まりないものと言えるが、私は菅総理がアメリカから圧力を加えられるたびにヒステリーを起こし、東電幹部を怒鳴りまくっていたことが事故を拡大させたと思っているので、ヘリコプター散布はその中の一部だと思っている。
鳥越氏のレポートはそれなりに興味があったが、菅総理の責任の追及に弱さがあり、「ヘリコプター散布だけじゃないだろうというのが私の放送を見た感想だった。

なお第二部、「原子力の平和利用とは何だったか」は明日記載する。


注)震災直後(3月12日)の海水注入にかかるドタバタ劇については以下に記事をまとめておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-c0f8.html

 

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(25.8.17) 子供の貧困化と学力の低下

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(白馬岳登山 花が美しい山だ)

 「日経プラス10」という番組で子供の貧困化を扱っていた。
それによると子供の貧困化率は上昇傾向にあり、6人に1人は貧困家庭に育っているのだという。
この場合の貧困家庭とは日本人の所得の中央値の半分の所得しか得られない家庭で、大雑把な言い方をすると平均の半分以下の所得の家庭ということになる。

 あくまでも相対的な貧困率だから日本における貧困家庭と、たとえばインドにおける貧困家庭は全く内容が異なる(絶対的な貧困化はインドの方が激しい)。
現在の日本の貧困家庭とは可処分所得税金や社会保障費を控除後の手取り)で125万円程度のレベルだから、月に10万円程度で暮らしている家庭ということになる。
これは生活保護費とさして変わらないレベルだから、実際は生活保護を受けているかあるいは最低限の所得で生活しているということだろう。

注)貧困率については厚労省の以下の説明を参照
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html

 確かにこのレベルでは食べるだけで精いっぱいで、とても子供の教育費など支出できない。
たとえば塾の費用など月に3万円程度はかかり、夏休みの集中講義を受けると20万程度だというから、子供を熟に通わせたら生活が破たんする。

 
 問題なのは母子家庭が急増しており、その大半が貧困家庭ということだそうだ。
たとえば平成17年に526万世帯だった母子家庭が、平成22年には615万世帯になっているから、この5年間で17%程度増加したことになる(この数字には父子家庭も含まれている)。
母子家庭になった原因のほぼ8割は離婚だそうで、特に離婚後の母子家庭の家計は苦しい。

 日本は1990年代から成長の止まった社会になり、この間企業は収益確保のために正社員を減らしてパート職員の増大を図ってきた。
労働費を圧縮するためだが、母子家庭の母親はほとんどがそのパート職員の担い手になっている。
番組に出ていたあしなが育英会の会長が「母親は昼も夜も働いて家に帰ったらただ寝るだけの生活になっており、子供を構っている時間はほとんどない。こうした家庭の子女は塾にもいけずたいていの場合は学力が低い」と言っていた。

 私の個人的な経験でも母親が教育に熱心でないと子供の学力は向上しない。父親はたいていの場合仕事でくたくたになっているので子供の教育にはタッチすることができす、母親が塾の送り迎えをして支援している。
そして小さいころから受験勉強に励み、受験テクニックを身に着けた子供だけが著名大学に入学することができ、医者や大企業や公官庁に務めることが可能で、それ以外の人は正社員にもなれず社会から落ちこぼれてしまう。
所得の低さが勉強レベルにそのまま反映し、その結果成人後も所得の高い職業にはつけないという悪循環だ。

 
 私が大学を卒業した昭和45頃は日本の経済成長の真っただ中で、就職できないなどということはなく誰でも正社員として安定した生活が保障されていた。
私などもあまりに内定が多いので断るのに苦労したが、今はその正反対の状況だ。

 あれから45年近くたち、日本経済は失速しそして子供の貧困問題が表面化している。
貧困家庭の子供でも高学歴を身に付け、高収入の職業に付けるようにあしなが育英会は支援しているのだそうだが、貧困家庭の増大に育英資金が追いつかないのだそうだ。

 私の提案は定年退職した老人がボランティアで児童の学業を見てサポートすることで、高額な塾費用を捻出できない家庭にはこうした取り組みは有効だ。
何度も同じことを言うが、老人はそれまで社会から多くの恩恵を得てきたのだからその返済をする義務があり、単に自分だけの趣味や喜びだけに生きるべきではない(特に高学歴の人ほどその恩恵を受けてきた)。

 日本の学生の学力低下はそれだけで国力をそぐのだから、子供たちのために老人はひと肌脱ぐことを勧める。

注)なお実際にボランティア教師を始めてみると、教育熱心な母親から頼まれることの方が多い。

ボランティア教師の勧めについては過去に以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/24111-898b.html

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(25.8.16) ムスリム同胞団の弾圧を決めたエジプト軍 内戦に突入した。

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(私はタチアオイがとても好きで、見つけると必ず写真を撮ってしまう)
 
 エジプトでは軍とムスリム同胞団の衝突が繰り返されており、昨日(14日)は568人の死者が出たと報じられている。7月8日の衝突で50人以上、7月27日の衝突で80人以上が死者がでたが、衝突が起こるたびに死者の数が増加している。

568人の死者はほぼ内戦と言っていい。

 軍は「ムスリム同胞団が集会場に武器を集積し、反対派をとらえては拷問をしているので排除に乗り出した」と衝突の責任を同胞団に向けているが、一方ムスリム同胞団は「軍が催涙弾だけでなく実弾を使用している」と非難している。

 民主主義の原理原則から言えば「選挙で選ばれた大統領を軍事力で解任するなどとんでもない」ということで西欧のメディアはエジプト軍に批判的だが、当のエジプト人はそうは思っていない。
エジプト人にとって軍はなにか公正な裁判官みたいな存在で、現政府が国民の支持を失ったまま政権に居座れば、軍がこの政権を引きづり下ろすことはまさに正義の行為だと思われている。
日本人に分かりやすいイメージでいえば大岡裁判みたいなもので、法理論より情理を重んじ「さすがお奉行様の御沙汰は違う」というところだ。

注)世論調査を行うとエジプト軍への支持率は90%を超える。エジプトで最も信頼された組織と言える。

 先進国では軍は政府によって統率されており、立場は国家公務員であり給与は国が支払っているが、先進国以外では給与の支払いがないか非常に低い給与のため軍は独自に経済行為を行い軍人の生活を支えているのが普通だ
エジプトでも例外でなく軍は軍人のためのあらゆる経済行為を行っており、観光業や土木建築業や食料の生産活動まで実施しており、エジプトのGDPの30%稼ぎ出している

注)低開発国の軍隊で多いのは麻薬と武器の密売である。アフガニスタンなどはこうした軍隊の典型例。また中国の人民解放軍も多くの経済活動をしている。

 昔日本でも鉄道一家というものがあって、鉄道員であれば交通費は無料でしかも生活組合で安価な物資を供給していた。
私の母親は私に「お前、国鉄に勤めなさい。そうすれば私は日本全国タダで旅行ができるから」と言っていたが、この国鉄一家をもっと徹底的に自給自足的にしたのがエジプトの軍隊一家である。

 エジプトの軍事予算は45億ドル4500億円)程度だが、その4分の3は独自で稼ぎ出し残りの25%はアメリカからの軍事援助で賄われてきた。
国家から独立した国家内国家で、大統領府が軍隊の要望を受け入れないとすぐさまクーデターを起こして解任してしまう。
ムバラク政権時代はムバラク氏は軍隊に対してできる限りの対応をしていたが、モルシ政権になってから軍隊に対して対応が敵対的になった。
軍事費は国家が管理し、アメリカからの軍事・経済援助も国家が管理する

注)アメリカは2011年のムバラク政権崩壊後は軍事・経済援助を停止していたが、2012年に再開を約束した。

 ムバラク政権時代エジプト軍の装備は、アメリカの軍事援助金を使用しアメリカからの武器の調達でまかなってきた。
エジプト軍の装備はアメリカ頼みであり、はっきり言ってしまえばエジプト軍はアメリカの傭兵のようなものだ。

 エジプトはイランやイラクのような石油産出国ではない。収入はと言えば観光業、スエズ運河の通航料、海外からの仕送り、それとアメリカの軍事・経済援助だった。
それがモルシ政権になった途端観光業は閑古鳥が鳴き、アメリカからの支援がなくなれば国家は冷えあがってしまう。

注)アメリカが再開した軍事援助は、これは直接にエジプト軍への援助であり、モルシ政権に対する援助ではない。

 現在アメリカは軍による行動を民主主義に反するものとして表面的には非難しながら、一方クーデターでないとして軍事援助を軍に行っている
何ともちぐはぐな対応だが、アメリカの目標が中東でのイスラエルの生存権確保なのだから、エジプト軍を支援してイスラム原理主義のモルシ政権を葬り去り、再び親米政権を打ち立てようとするのは当然だ。

 エジプト人も民主選挙だけでは生活できないから、イスラム同胞団を駆逐して軍主導の親米政権ができることを多くの国民が待ち望んでいる。しかしムスリム同胞団としてはこのまま引き下がるわけにはいかないから、軍との衝突はますますエスカレートしそうだ。

注)イスラム同胞団辺の支持率は約3割で、十分第一党にはなれるが反対にいうと7割は同胞団による政権を嫌っている。

なお、エジプト革命については以下に記事をまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat55897769/index.html

 

 

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(25.8.15)NHK アメリカにおける化学兵器の人体実験レポート 「プロジェクト112」

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(北アルプス白馬岳登山の途中でとった写真だが、植物の種類は知らない)

 8月になるとNHKの番組は戦争関連の番組が増える。
ゼロ戦の戦闘員の証言によるゼロ戦と日本の運命とか、終戦後北朝鮮から脱出した日本人の証言とかだが、「プロジェクト112」は1960年代のアメリカの化学兵器開発の経緯とその人体実験について扱っていた。

 1960年代と言えば今から半世紀も前のことだが、当時はベトナム戦争の真っ盛りでソ連とアメリカは化学兵器の開発でもしのぎを削っていた。
核兵器は大国間の戦争に使用されてもベトナムのような局地戦では使用できず、こうした地域紛争では化学兵器が有効と考えられていたからだ(実際に枯葉剤の散布を行っている)。

 当時CIAケネディ政権に対し「ソ連は化学兵器の開発に成功し実戦配備が終わったと」報告していた。これに驚いたケネディマクナマラ国防長官に命じて、アメリカでの化学兵器開発を急がせたという。
CIAの報告はいつもの大げさな報告で、実際はソ連も化学兵器の開発の途中だったようだが、アメリカは開発に遅れを取ったと判断していた。

注)CIAはその後も誤った報告を出し続け、イラクが核兵器と化学兵器を貯蔵しているとの報告をブッシュ政権に挙げて2003年にイラク戦争を起こしている。

 アメリカは何としてもソ連に追い付こうと、アメリカ陸軍に化学戦専門部隊を設置し、化学兵器の開発、その実戦配備、その効果の測定、およびソ連から化学戦を仕掛けられた場合の防御体制の研究に邁進していったという。

 そしてこの時アメリカ陸軍は信じられないような人体実験を行った。
アメリカ陸軍のエッジウッド基地新兵を送り込み、新兵には単なる簡単な医学研究程度の知識しか与えなかったが、実際はサリンを吸入させたり、その解毒剤を飲ませてその効果を測定したり、ガスを吸い込んだ後の幻覚症状の測定等を行っている。

 この人体実験は1968年1月1日から2月28日までの2か月間に行われ、集められた新兵は約60名だったようだ。
この60名を何班かに分け、それぞれ投与するサリンの量を変えて投与しその効果を測定していた(サリン以外の化学物質の研究もあった)。

 こうした人体実験をされた新兵はその後若くして癌等で死亡することが多かったが、一方現存している元兵士はうつ病、慢性皮膚炎、視覚・呼吸器の障害、パーキンソン病等に悩まされ続けている。
この状況下で元兵士達10名程度)は情報公開法によって当時の実験結果を知り、自分たちの病気がこの人体実験によったものだという裁判を起こしている。

 一方アメリカ政府は元兵士の病気と人体実験には因果関係はないと反論しているが、元兵士が治療を受けている大学病院での判定は科学実験との因果関係を認めていた。
またエッジウッド基地での人体実験以外に、たとえばアメリカ艦船がソ連の化学兵器によって攻撃された場合の防御体制の訓練が海軍で行われていた。
この実験ではサリン等を艦船に空中散布し、防御マスクと防御フィルターで艦船が化学攻撃に耐ええるかを実験していたが、フィルター等が十分に働かなかったため約6000名の兵士に健康被害が発生した。

 この海軍の実験ではあまりに被害が大きかったため、アメリカ政府もその因果関係を認め医療費等は全面的に政府が支出することにしたが、エッジウッド陸軍基地で人体実験された60名については政府は因果関係を否定している

 
 当時はソ連とアメリカは冷戦の真っただ中で一触即発の関係にあり、1962年にはキューバ危機が発生している。
アメリカもソ連もなりふり構わず核兵器と化学兵器の開発に邁進しており、今なら動物実験やシミュレーション実験で十分効果が確認できることも、当時は手っ取り早く人体実験をしていた。
もっともこうした人体実験はソ連も同じで、ソ連ではもっと大々的に核爆弾を爆発させてそのあとに戦車隊を中心にしたソ連陸軍の大軍団を進行させた実験を行っている(戦場で核兵器が使用された後、戦車等の通常兵器での進軍が可能かどうかの実験)。

 1960年代はそうした時代だったと言ってしまえばそれまでだが、一方で動物実験のモルモットにされた元兵士の怒りはもっともで、この裁判の帰趨が注目される。

なおNHK特集の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhknhk/index.html

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(25.8.14) ボランティア教師奮闘記 一周年記念

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(穂高と梓川。初めてこの川を見たときはその美しさに感動したものだ)

 私がボランティア教師を始めてからほぼ1年たった。
最初は中学3年の男子生徒を教えたのだが、この少年はマラソンが非常に強いある私立高校を受験して合格している。
今は高校でマラソン選手のレギュラーになるために夏合宿をしているそうで、そのうちに京都の高校駅伝に出てくるかもしれない。

 今教えているのは中学2年の女生徒小学校6年の女生徒だ。
中学生には英語と数学を教えている。私が中学生だった時よりは教科書の内容はずいぶんとレベルアップした感じだ。
それでも参考書を購入して中学生並みのトレーニングを行った結果、中学の数学と英語の内容については熟知できた。
また最近の中学の教育方法も把握できたので、ボランティア教師に自信を深めている。

 小学生にはこの夏休みの期間に英語と算数を教えている。英語は本格的には中学から学ぶのだが、母親から「英語を教えてもらえないだろうか」と依頼された。
中学1年の教科書で教えているが、知識欲の旺盛な児童は易々と英語を理解していく。
私が教えている小学生は特に記憶力がすばらしく、私のような右から左に忘れていく人間の対極にいるみたいだ。
俺もこんなに記憶力が良ければそれなりの人物になれたのに・・・

注)昨年ボランティア教師を始めたころの文章を読み直してみたが、1年間まじめに教師をやってきたものだとしみじみ思う。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/24722-bc54.html

 小学生を教えたのは45年ぶりだ。大学1年生の時に小学生の勉強を見たのだが、その生徒はいわゆる有名中学を受験するとても勉強のできる子だった。
最初この家を訪問した時のことは今でも忘れられない。
母親から「この子はこんな問題も解けないのですよ」と示された算数の問題を見て脂汗が出た。
それは方程式を用いれば難なく解けるのだが、小学校の算数ではそれぞれ別個の解法が用意され、その解放のパターンを知らないと金輪際解けない種類の問題だった。

 私は深く反省し、大学にもいかず1週間自宅に立てこもって小学校の算数の解法パターンをすべて暗記し、ようやく小学校の算数を理解した。
今思えばたぶんあの時母親は私を試したのだと思う。
この先生大丈夫かしら?????」それでも首にならなかったのだから僥倖だった。

 あれから45年、小学校の算数の問題を解くのも久しぶりだ。幸いなことに私はその後高校の数学の問題を解くのが趣味の一つになっていたので、算数の感度は残っておりかつてのような脂汗をかくことはなくなっていた。
やれやれ、昔取った杵柄はどうやら健在だ!!!」ほっとした。

 前にも記載したが私がボランティアで数学や英語を教えているのは、生徒の中にほんのちょっとした手助けで落ちこぼれから免れたり、また素晴らしいほどの学力向上ができる子がいるからだ。
勉強にはある種のコーチが必要で、もちろんそうした人がいなくてもそれなりの学力向上は可能だが、コーチがいるといないとでは費やす労力に大きな差が出る。

 素早く理解できる方法があるなら、何も呻吟して学ぶ必要はないわけで、それがコーチの役割だと思っている。
すでに齢67歳になり神様のお迎えが近づいているので、最後の社会に対するご奉公と思ってこのボランティア教師をおこなっている。

注)ボランティア教師奮闘記は以下にまとめて記載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51314868/index.html

 


 

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(25.8.13) 中国人による北海道の森林買収  中国から飲料水がなくなる!!

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(北アルプス穂高岳の途中の稜線)

 現在の七不思議のひとつと言われていた。「なぜ中国人は日本の森林、それも主として北海道の森林を購入するのだろうか」ということである。
林野庁の調べでは06年から12年までに購入者が外国人の森林の売買は、全国で68件、801ha となっているが、一方北海道庁独自の調査では北海道だけで820haになっている。

 なぜこのように調査結果が異なるかというと、外国人であることをカモフラージュするために、間にいくつもの不動産会社を入れたりして本当の購入者が分からないようにしているからだ。
しかしそれでもこうした情報は洩れるもので、北海道のニセコ町や砂川市の森林は中国や香港の資本によって買い占められていると言われている。

注)中国人による北海道の森林の買い占めについては前に一度記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/24222-d79e.html

 
 目的は水資源の確保と言われていたが、今一つよくわからなかった。
水なんてどこにでもあるだろう。なんで日本の水なんだ」とても不思議な気がしたが、それは私が日本人だからで、実際は世界から良質な水が消えつつある。

 特にそれが激しいのが中国で、もともと降水量が日本の6分の1程度しかないところへ、経済成長に伴う工業用水や生活用水の需要が爆発的に増大し、水不足が常態化している。
さらに下水道の整備が遅れていることもあり、工場排水や汚物や糞尿を河川に垂れ流しており、いくら浄水場で浄化しても飲料水に健康に支障がある化学物質が混入している。
中国の水は飲めん」中国人でさえそう思うようになった。

注)中国の国内で水資源が不足している問題については以下に記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/2368.html


 このままいくと中国から飲料に適する水がなくなるので、その時に紫水明媚な日本の水をミネラル・ウォーターとして販売しようとしているのだという。
何とも遠大な計画で、「さすが中国人」と私などは感心したが、おさまらないのは北海道の市町村だ。
中国人が水を占拠してしまったら俺たちが飲む水がなくなってしまうじゃないか。水が無くては生きてはいけない

 現在11道府県で水資源保全条例が制定された。従来は水資源確保のための特別な地域を除いて事後の届け出も必要なかったが、条例で一定規模以上の案件は事前届け出をさせることにした。
最も条例だから法律ほどの強制力がないところが弱い(強制的に売買を止めさせることができない)。

 事前届け出の内容は、「購入者と販売者の住所氏名、土地の所在地、取引面積、および利用目的」である。
もっともこれだけでは購入者が外国人であるかどうかかなり判断が難しい。
カモフラージュのために表面的には日本の企業が購入するのだが、その企業を中国資本が買収しているという事例がある。
これなどはよく調査をしないと日本人の購入だと思ってしまう。

 しかし驚くべきことだ。日本人は「水と平和はタダだと思っている」と言ったのはイザヤ・ベンダサンだが、世界の常識では水は希少資源になりつつある。
いわばレアアースと同じようなものだが、それにしては日本人はその価値を知らなすぎる。
さすがに安倍首相は「安全保障上何をすべきか、大切な水資源を守るために何をなすべきかについて議論が必要だ」と述べ、法律制定も視野に入れて検討を始めた。

注)近い将来清潔な飲料水は石油と同程度の戦略物質になる。そのことに中国人は気が付いているが、日本人は日本中が清潔な水だらけなので気づかない。

 

 

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(25.8.12) 限界を超えだした日本の温暖化 亜熱帯化する日本 

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(マッスルさん撮影 北アルプス穂高)

 すさまじい気温の上昇だ。10日には高知県四万十市と甲府市で40.7度を観測した。
過去の最高気温は2007年8月16日埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市の40.9度だが、いつこの最高記録を更新してもおかしくない状況だ。
何しろ20日までは高温が続くと気象庁が発表している。

 気温が体温を超えると何とも不快な状態に置かれる。一番近い感じでいえはサウナ風呂にはいっている感じで、熱風の中におかれて風がちっとも涼しくない。
私は最近毎日のように近くの有吉公園プールで泳いでいるが、屋外水泳場なのに水が温まりすぎて温水プールで泳いでいる感じだ。
泳ぎながらひどい汗をかいているのが分かる。

 地球温暖化はますますひどくなり、日本は亜熱帯の気候に近づいてきた。
先日は秋田と岩手で過去に前例のない豪雨に見舞われていたが、熱いときは徹底して暑く、そして雨が降るときは豪雨になってしまう。

 それでも日本では高温と豪雨ぐらいで済んでいるが、北極などは氷が解けだして過去の半分ぐらいになっており、このままいくと2050年頃今から40年後)には氷はゼロになってしまうという。
こうなると世界中で海面上昇が発生し、氷の上が生活舞台のホッキョクグマなどは絶滅してしまうだろう。
少なくとも北極で氷の上で生活をしている生き物の運命は定まってしまった。

 人類という種族が自身の繁栄のために地下資源を掘り出しては二酸化炭素を放出し、地球を温暖化させた結果だが、私は人類だけがこうした形で繁栄するのは奇形だと思っている。
現在の人口は約71億人だが増殖は速く毎年1億人ずつ増えているから、一年で日本がひとつできているようなものだ。

 一般に人の命は尊いとされ、先進国では年をとって寿命が来ても延命措置が取られるが、これだけ人が激増すればそうした対応は明らかに誤りだ。
ネズミでも増えすぎると死の行進が始まり最後は集団で海に飛び込むと言われており、人間も同じだ。

 私は今人間が死の行進を始めたと思っている。
日本では気候が毎年荒くなり、熱中症で死亡したり大雨で土砂崩れに遭遇しているが、本当の日本の危機は2011年の福島原発事故だろう。日本はあの日地獄を見た。
福島県の原発周辺は汚染され人類が住める環境が失われた。

 一方隣の中国では大気汚染で空が消えてしまい、揚子江の水は汚染が激しすぎて飲料水として耐えられる限度を越しつつある。
土壌は工場の廃液と農薬で汚染されてしまい、まともに井戸水も飲めない。
それでよく生きていられるものだと私などは感心してしまうが、中国人は人類が耐えうる動物実験を行っているのと同じだ。

注)中国の大気汚染の現状は以下参
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-af0b.html

 中国の経済発展をそのまま延長し、21世紀は中国の時代で前丹羽中国大使などは「日本は中国の属国として生きるのが幸せだ」と言っていたが、実際はそうはならない。
環境のネックが中国を襲い、中国の生活環境が破壊されればそもそも生産活動などできないからだ。
日本では福島第一原発周辺で人類が絶えたように、中国の汚染地帯で人類が絶えてしまい、スモッグにまみれた北京から人類がいなくなってしまう日が来るだろう。

注)前丹羽大使の言動については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-04f4.html

 何度も言うが人類だけが特殊な種で、永遠に増殖できると思うのは過信だ。
生存環境をいくら壊しても生きられるほど人類は特殊ではない。
環境汚染地域は21世紀の近い将来、そこに住む人類がいなくなると私は予測しておく。
そして生産活動も環境ネックで、それ以上のGDP の増大など望むべくもなくなると言って置こう。

なお異常気象に関する記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44491343/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat42722208/index.html

 

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(25.8.11) 再び中国が媚びを売り始めた!! 我が国にぜひ投資を・・・

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(奥穂高岳 ジャンダルム)

 中国の地方政府が再び日本企業の誘致に乗り出した。昨年9月以降こうした動きはストップしていたのだが、中国と言えども背に腹はかえられない。
尖閣諸島問題はわが市では関係ありません。ぜひぜひ日本企業の進出を希望します
塩城市、常州市、重慶市の共産党幹部が来日して熱弁をふるっている。

注)中国は22省、4直轄市、5自治区からなり、その下に市があるが経済活動に関しては市が権限を持っており、誘致活動は市単位で行われる。

 中国では北京政府がシャドー・バンキングの調査を始めたため、今まで何とか資金調達ができていた地方政府の金庫が冷えあがってしまった。
開発したものの売れない工場団地だらけになっており、その資金繰りに支障をきたしている。ちょうどバブル崩壊後の日本の地方財政にそっくりだ。

注)シャドウバンキングの内容の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-f658.html

 私の住んでいる千葉市では幕張新都心の工場団地の約半分にぺんぺん草が生えているが、中国の場合はその比ではない。
港湾や空港まで整備し、高速道路を通したのに進出する企業がほとんど現れなくなっている。

 しかし日本企業は従来と異なりそんなに簡単には中国進出をしないだろう。
パナソニックをはじめとする日本企業への焼き討ち事件が起きたばかりだし、また人件費はうなぎのぼりで労働集約的な企業はそもそも中国に進出しても何のメリットもない。
そして中国が12億の消費市場だとしても富の偏在が大きすぎて、人口の半分を占める農村地帯は貧困そのものだし、都市には下層階級が溢れている。

注)中国の富の偏在については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-076e.html

 すでに中国進出して多くの投資を行い逃げることのできない企業以外は、投資先を東南アジア、特にタイやベトナムやインドネシアに集中しはじめているし、将来はミャンマーが有望だ。
これからは中国プラスワンです」と言っているが、本音は中国から資本を引き揚げ東南アジアに資本を集中しようということだ。

 こうした状況下で中国の7月の貿易統計を見ていたら、再び回復基調になり中国経済は底を打ったとの評価が一部にあったのには驚いた(だから再び投資をせよと呼びかけている)。
だがここには二つの問題があり、一つは貿易統計の数字が正しいかの問題と、もう一つはそうした短期の数字の動きで中国経済を見ていいのかという問題だ。

 前者については中国の全国税関情報センターが上半期の統計水増し分は約6兆円でそれほど大きなものではないとの報告になっている。
さらに7月の輸出量は5.1%の増加で6月の▲3.1%の減少から回復し中国経済は再び回復基調になったと公表された。
またまた、本当かい!!!」というのが私の率直な印象だが、この香港との水増しは地方政府と国営企業がつるんで輸出を行ったことにし、その代金(実際は融資金)を香港から調達して、地方政府や不動産企業の資金繰りに利用していたものだ。

注)貿易統計の水増し問題については前に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-4e7a.html

 だから北京政府にはとても報告できない金で、李 克強首相がいくら声を荒げても調査に限界がある。
地方政府は自分の汚点になるので実態をできるだけ隠蔽するから、これは判明した分というのが正しく、隠れた資金調達はどのくらいあるか分からない。
だから中国の貿易統計をいくら見てもその実態が分からないのだ

 後者についていえば、7月に5.1%増加したことが正しいとしても小躍りするような内容でない。何しろ中国の公式なGDP の発表数字は上半期は7.6%なのだから貿易が経済成長をけん引しているとはとても言えない。

 統計数字そのものの信頼性がほぼゼロだから、こうした数字を使って分析しても本当は何の意味もなく何かむなしい作業を強いられるが、それでも公表された数字でさえ中国経済が復活しているような兆候は何もない。
だから中国に新規に投資をするなんて企業の自殺行為以外の何物でもないと言える。

注)中国経済に関する記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 


 

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(25.8.10) 大変だ、ネットバンキングのIDとパスワードが盗まれている!!

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(北海道の東部の海岸で見たハマナス)

 大変だ。大騒ぎになっている。
インターネットバンキングIDパスワードが盗まれ、不正送金が激増しているからだ。
特に6月以降急速に不正送金が増えており、それまで月に20件程度だった被害が、6月108件、約1億円、7月 180件 1.5億円の被害になってきた。
ほっておくとさらに被害が激増しそうなので警視庁が慌てて注意を喚起している。

 私もインターネットバンキングの利用者の一人だから、すぐさま使用しているネットバンキングを開けて不正送金の有無をチェックして見たが幸いなことに被害にはあっていなかった。
やれやれ、俺のパソコンはウィルスに感染していないらしい・・・」ほっとしている。

 今回の不正送金の被害が分かっている金融機関は12金融機関で公表されている金融機関名は、楽天、ゆうちょ、みずほ、三菱東京UFJ、りそな、シティバンク、ジャパンネット、セブン、北洋、十六、大垣共立だそうだ(これらの金融機関を使用している約1万5千台のパソコンにウィルスが感染している)。
どうやらこの金融機関の順に被害が大きそうだから、これら金融機関とネットバンキングの契約を締結している人は自分の口座の送金記録をチェックすることを勧める特に楽天との契約者は要チェックだ)。

 今回のウィルス感染経路は信じられないような経路で、日本で特に著名な会社トヨタ自動車等)や公官庁のサーバーがウィルス感染して書き換えられ、そこにアクセスしたパソコンにウィルスが送り込まれている。
ネット利用者が次にインターネットバンキングの画面を開くと偽のIDとパスワードを入力する画面が現れ、入力したIDとパスワードがぬすまれる仕組みだという

 私たちは普段著名な企業や公官庁のホームページは信頼して見ているので、ここにウィルスを仕組まれたらアウトだ。
一方インターネットバンキングの画面は普段から見慣れているので、変な画面が出たら気づきそうなものだが、たとえば楽天ならば、楽天のネットバンキングにほとんど似た画面が出るのだろう(確認はしていない)。

 だが通常銀行の送金の場合はIDとパスワードだけでは駄目で、さらに確認番号というランダムな数字の入力が必要になっており、この確認番号も盗まれてしまったのだろうか。
どうもこのあたりになるとよくわからない。

注)私が利用している金融機関の場合は確認番号を要求されるが、ほかにその都度使用するパスワードが送られてくる形式のものもある。

 
 しかしネットバンキングが狙われるようになったら本当に危険だ。
持っている預金が知らないうちにゼロになってしまうなんてことになりそうだが、一般的にはこうした場合は金融機関が補填してくれる。だがそうなると金融機関が今度は被害甚大だ。

注)反対に少額の金額を送金させてウィルスにかかっていることを気づかせない方法もある。ウィルス感染が蔓延している場合はこちらの方を犯人は選択する。

 この種の犯人はネットに精通しており、ウィルスを巧みに仕掛けてくるのだが、一方送金先は自身の口座でないと役に立たないからどうするのだろうか。
他国のわけの分からない口座に送金するのだろうか。それでも送金先は特定されるし、追っていけば現金を引き出す人間がいるはずだから、犯人逮捕ができそうなものだが、何とも不思議だ。
警視庁のネット犯罪特捜班の腕の見せ所だが、早く犯人像を特定し逮捕してもらいたいものだと思う。

注)ネット社会の問題については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51499187/index.html

 

 

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(25.8.9) とうとう草刈りでへたばってきた。 ダウン寸前だ!!

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(北海道東部海岸を徒歩旅行中にとった写真。花の名前は知らない)

 とうとういくらなんでもへたばってきた。四季の道の草刈りのことである。
ここおゆみ野には周囲約6km四季の道という遊歩道が整備されていて、幅15m程度、真ん中に5m程度のアスファルト道路があり、その両側に幅5m程度の芝生が敷き詰められている。

 ここはUR都市機構がそれまでのノウハウを結集して街を整備しただけあってこの遊歩道はことのほか美しい。当初UR都市機構が全面に芝を引きつめたが、とても残念なことにその後のメンテナンスが十分でなかったため、芝が消えて地面が露出したり、雑草に覆われて芝が死んでしまった場所が多くなっている。

 もちろん市役所は年3回程度は草刈りを行っているが、雑草の生育速度はとてもこの程度では抑えることができず、見ているとどんどん芝生の場所が少なくなり、雑草や荒れ地に変わってきていた。
私はこの四季の道を「世界で最も美しい遊歩道にする」という目標を掲げて、清掃作業やベンチの防腐剤の塗布を行ってきたが、昨年から草刈りも開始した。

 芝について知悉している人は常識だが、草刈りをすればするほど芝が復活する。それは背丈の高い雑草から駆逐されていくからで、最後はもっとも背の低い芝だけが残って、当初の美しかった芝の状態が復活する。
うまく芝が復活した場所は多くの人がその上を歩いて散歩しており、時には寝転がっていたりするので何ともうれしい限りだ。

 だからこの6kmの遊歩道に芝が全面的に敷き詰められた状況を目指して今年は懸命に草刈りを行ってきた。
しかしこの7月から8月にかけては草刈りの鬼門だ。何しろ雑草の成長が早く2週間もすれば20cmぐらいにすぐ伸びてしまう。
一旦芝模様になると雑草の種を受け付けないので草刈りも頻繁にしないで済むのだが、草状態の時はどうにもならない。
なんだよ、このあいだ草刈りをしたばかりなのにもうこれかよ・・・・・・

注)業者の方は通常10名程度で一組になっており、一日で遊歩道を500m程度草刈をする。私の場合は2時間で100mがやっとだ。

 7月以降ほぼ毎日2時間程度草刈りを行っているがとても間に合わない。雑草の成長のほうが圧倒的に早いのだ。
私は草刈りは一人で行っているので、事故が起こらないように日中のもっとも人通りが絶える時間に実施している。
だいたい12時から2時の間だが、この間の日差しの強さは半端でない。
日本は温暖化の影響で日中は亜熱帯並みの気温になっている。
もうだめだ!! 頭がくらくらして気持ちが悪い・・・・・」なんて状況にしばしば陥ってしまった。

 さすがにこのところへたばってしまい、あまり長時間の草刈りができない。1時間もするとひどい疲労感に襲われる。
しかし夏場の草刈りを行っておくと来年は見違えるほど芝生が復活するので手が抜けないのだ。
100%芝生復活運動をしていて、一部では確かに大成功し始めている。秋の道公園の前の四季の道や、夏の道のNASの前の芝小谷小学校からのりくら公園にかけての芝はうまく復活できている。

 一方でまだまだ雑草がはびこっている場所が多く、そうした場所は手が抜けない。だがしかし私の体力も限界に近付いてきた。はたして四季の道の芝復活計画はいつになったら完成するのだろうか。
何とか老骨に鞭打っているのだが、神様のお迎えとの競争みたいになってきた。

注)なお私が草刈りが好きな理由は以下に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-6e24.html

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(25.8.8) スノーデン容疑者の暴露を予見したアメリカ映画 The Bourne Ultimatum

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(北海道のひまわり畑)

 NHKも相当の皮肉屋だと思った。先日BSのプレミアムシネマで放送された「The Boune Ultimatum(ボーンの最後通告)」という映画は、現在アメリカが呻吟しているスノーデン容疑者が暴いているアメリカの諜報活動を余すところなく描いていたからだ。
映画そのものは2007年の作品だから、映画の持つ先見性には驚かされる。

注)スノーデン容疑者に関する記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-03a6.html

 映画の筋は目新しいものではない。CIAが極秘に進めた行動修正療法という実験(ブラックブライヤー作戦と命名された)を開始したが、それはCIAの誇るエリートスパイをさらに徹底的に訓練し(極限状態にまで置いて)完全な殺人マシーンに仕立て上げる実験だった。
いわばゴルゴ13を量産するプログラムだと思えばいい。

 この実験の第一号ジェイソン・ボーンというスパイだったが、これは行動修正療法としては失敗作で、良心が残ってしまい自分が実行する殺人行動に疑問を持つようになってしまった。そしてボーンは自身がなぜ殺人マシーンになったのか調査を始める。
これに危機感を持ったのがCIAでブラックブライヤー作戦を指揮しているノアで、この作戦が外部に漏れることを恐れてCIAの総力を挙げてボーンを抹殺しようとする。

 映画そのものはアメリカ映画特有のオーバーアクションの連続だが、興味があったのはCIAがボーンを追い詰める方法の中に、エシュロンNSA(アメリカ国家安全保障局)が盛んに登場するからだ。
物語の初めはイギリスのガーディアン紙の記者サイモン・ロスブラックブライヤー作戦をかぎつけたことから始まる。

 信じられるだろうか。スノーデン容疑者がNSAの資料を提供した先もこのガーディアン紙だ。ガーディアン紙は発行部数20万部の中規模の新聞社だが、左派系の気骨ある新聞社として知られていたから、この映画でも登場したのだろう。
映画の先見性にはここでも驚かされる。
サイモン・ロスが電話で「ブラックブライヤー作戦についての特ダネを入手した」と編集長に電話したが、この「ブラック・ブライヤー」という言葉がエシュロンの危険用語に引っかかった。

 これがCIAのブラックブライヤー作戦の責任者ノアに通知された時から、CIA対テロ極秘調査が始まる(建前は対テロ作戦ということになっている)。作戦本部は投資会社としてカモフラージュされており、CIAとは一見無関係を装っているが実際はCIA長官直轄の秘密組織でアメリカ大統領も知らない
作戦本部には多くの端末が設置されていて多くの専属オペレーターがノアの指示に従って検索を行うが、端末がアクセスする先は今問題になっているNSAである。

 その探索能力はすさまじく、サイモン・ロス記者の電子メール、住所、車のナンバー、銀行口座、クレジットカード、行動パターンまですぐに把握できる(プライバシーは100%はがされる)。
もちろん携帯電話は捕捉されており、話している内容はすべてわかる。

注)映画ではボーンがサイモンと連絡を取るため電話番号が特定されないプリペードホーンを使用して連絡を取っていた。

 サイモン・ロスの監視は衛星と監視カメラと諜報部員のカメラでとらえられ、CIAのノアはリアルタイムですべての状況を把握できる。
ボーンは優れたスパイだからこうした監視体制を知悉しており、その間を縫ってサイモンに接触したり、ノアの本部に潜入して最後は自身が受けたブラックブライアー作戦の全容を知るという筋立てだ。

 だがこの映画で本当に興味があったのは、たとえば銀行口座を把握すると銀行に指示して金の引き出しや送金を遅らせたり(こんなことがシステム的に可能になっているのだろうか)、あらゆる場所にある監視カメラの映像がCIAでも直ちに検索できるというネットワークの存在だった。
原作はロバート・ランダムの「最後の暗殺者」で、もちろんこれはフィクションだからかなりの脚色はあるだろうが、NSAの実際の利用方法がよくわかって面白かった。

 現在アメリカはスノーデン容疑者に振り回されて顔色なしだが、一方でNSAのような諜報組織を築き上げることができた実力は大したものだ。
アメリカのスパイ映画もなかなか為になるという事例で、またNHKがこの時期にわざわざ放送したのも何とも皮肉が効いている。

なおサイバー戦争に関する記事は以下にまとめて掲載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46749968/index.html

 

 

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(25.8.7) BS歴史館 古事記 大和の懸命な生き残り策

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(トシムネさん撮影 妙高山)

 私は古事記については全く知識がなく、中学の歴史の教科書でその名前を覚えたものの、中に何がかかれているか全く知らなかった。
今回のBS歴史館古事記を扱っていたが、古事記は上・中・下の三巻からなり、上巻は神々の話、中巻は神と人間のかかわり方、そして下巻が人間界の話だそうだ。

 出席者の一人が「古事記は上巻だけ読めば十分で、内容はとても楽しいファンタジーだ」と言っていたが、ここに現れてくる神々は欠点や弱さを持った何とも頼りなく愛らしい神々だという。
そもそも日本の国を作ったのはどの神かということが問題になるが、もともとこの葦原の中つ国を支配していたのは大国主の命で、大国主の命からこの国をアマテラス大御神が譲られ、そのニニギの命にこの国の支配を委ねたのだという。

 日本神話はとても不思議なのだが、もっとも不思議なのはこの大国主の命が実にあっさりと国を譲って、自らは出雲大社の奥に隠れてしまったことで、こうした神話は世界でも例がないという。
なぜ日本では政権の交代が「簒奪」ではなく「国譲り」になってしまうかというと、これこそが大和政権で古事記を実際に作らせた持統天皇が目指した統治方法で、力ではなく話し合いでことを収めようと願ったからだという。

 古事記は681年に天武天皇が国史編纂の詔を発してから30年の月日をかけて編纂され、天皇も天武、持統、文武、元明の4代にわたって編纂作業が行われた。
何とも悠長な話だが、その間古事記の内容が何回か書き直されたらしい。

 古事記とは当時の天皇家の支配を盤石なものにするためにかなり意図的に作成された神話で、特に「国譲りの神話」は当時の政治情勢を色濃く反映していたのだという。
古代日本のもっとも大きな危機は663年に大和・百済の連合軍が唐・新羅の連合軍に白村江で完膚なきまでに叩きのめされたことだという。
大和の対外戦争の最初の大敗北で、ちょうど太平洋戦争で負けた日本と同じような状況に置かれてしまった。

 戦後日本はすっかりアメリカン・スタンダードを採用しほとんどアメリカの属国のようになることでかろうじて生存権を確保したが、白村江の敗戦の後の大和も同じような状況だったという。
唐風の政治体制を採用し、都を唐風に変え、そして大和が大和となった神話を作り出さなければならなかった。
国生みの神話が無くてはまともな国家として認めてもらえなかったからだという。

注)唐風スタンダードを採用したがそれだけでは唐の属国になってしまうので、大和が大和であるアイデンティティーを確立するために神話が必要だった。

 そこで天武天皇が詔して神話を作成することにしたが、実際にその作業を推し進めたのは天武の妃だった持統天皇690-697)で、持統天皇は今風に言えばヒラリー・クリントンのような女性だったらしい。
国譲りの神話は持統天皇が目指した国のあり方国体)で、天照大神が持統天皇、ニニギの命が持統天皇の孫の文武天皇697-707)だという。

 文武天皇は15歳で即位したが、これは当時としては異例な即位形態だった。それまでは実力者で30歳以上が天皇になる資格だったが、これ以降血筋がもっとも近いものが天皇になることになった。
そのことを正当化するために古事記が作られたという(おばあちゃんから孫への譲位)。

注)持統天皇は702年まで生きたがその間文武天皇の実質的な摂政を行っていた。

 さらにこの時期豪族から土地と人民を取り上げ、公地公民の制度を引いて唐風の中央集権国家を確立しようとしたが、それが戦争ではなく豪族の自主的な国譲りによって行われたという擬態が必要だったという。
出雲は最後まで豪族の支配権を譲らなかったが、最後に話し合いで大和政権に服属することになり、それを神話化したのが出雲神話だと出席者の一人が説明していた。

注)唐から大和を守るためにも中央集権国家が必要だったが、それを内戦で行うのではなく平和的に国譲りで行っていきたいというのが持統天皇の気持ちだった。
なお白村江の戦いの後の壬申の乱については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/bs-a829.html

 私は長い間古事記は日本の歴史書として読み伝えられていたのだと思っていたが、実際はその8年後に完成した日本書紀が正式の歴史書になり、古事記は天皇家の私的な物語としてその後かえり見られることはなかったのだそうだ。
その古事記を再び世に知らしめたのは江戸期最高の学者だった本居宣長で、彼の労作によって古事記が再び日本人の歴史としてよみがえったのだそうだ。

 日本においては日本書紀が正式な歴史書で、文体も古事記の和文ではなく漢文で記載されていたが、この日本書紀を編纂したのは藤原不比等だった。
以降藤原氏が実質的な権力を掌握し、天皇は象徴としての権威を維持したのだが、古事記とはその天皇家の権威を維持するための歴史書であったと言える。

なお、日本の歴史シリーズは以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

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(25.8.6) 不妊治療の助成金の年齢制限には実は問題がある。

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(トシムネさん撮影 火打山と妙高山の中間にある高谷池ヒュッテ)

 厚生労働省が不妊治療の助成金に対して年齢制限を設ける案を検討している。不妊治療は健康保険対象外でそのために助成金制度があり、一回当たり15万円で10回まで助成を受けることができる年度ごとの上限がある)。

 この助成金が膨れ上がっていることが問題になっており、2004年の制度ができた年は1万8000件の利用だったのが、2012年13万5000件に激増している。
これにかかる助成費用は約200億円だそうで、国と地方の財政の圧迫原因になっているのだそうだ。

 一方で不妊治療による妊娠率は年齢が高まるについて低下し、39歳で10%、43歳で2%、45歳で1%で加速度的に低下する。したがって妊娠の望みが2%以下の43歳以上は補助金の対象から外し助成回数も6回にするという案である。

 この案は一見とても合理的に見えるが、しかし不妊治療の実態を正しく反映したものとは言えない。
私は知り合いに不妊治療を受けた経験者がいるので話を聞いているのだが、この不妊治療ほど医者の技術の相違が明確に表れるものはないのだそうだ。

 駄目な医者は何度通っても駄目で、一方有能な医者は一回で妊娠させてくれるという。
特に年齢を重ねると卵子も精子も老化してくるのだが、その老化している中で相対的に元気な卵子を見つけ出し、一方で元気のいい精子を掛け合わせるのがコツだが、実際はそうした卵子と精子を見つけて、掛け合わせの環境を最適にするのが並大抵のことでないらしい。

注)卵子が老化することは前にNHK特集で放送して衝撃を与えていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-b241.html

 知り合いの女性はそれまで200万円近い費用をかけても全く駄目だったが、医者を変えたら一回で受精ができたという。一般的に高額の医療費を請求する医者は技術が高く、低額になるほど技術が拙い場合が多く、技術が拙い医者にかかると高齢者が妊娠することは絶望的になる。

 だから厚生労働省が示した体外受精の妊娠率とは最高の技術を持った医者と最低の技術を持った医者の平均値にすぎない。
この世界は藪医者と本物の医者が明確に分かれている世界で高齢者でも本物の医者にかかれば出産する確率は非常に高くなる。

 高齢出産者のあいだでは「あの医者は藪だから、行くのだったらAクリニックね」なんて情報をインターネット等で共有しているものの、日本では残念なことに医療機関を評価する正式な機関がなく患者はもっぱら評判だけで判断しているのが実情だ。
だが一回当たり30万円から50万円かかる不妊治療においては、その成功率を明示して正しく評価する各付け機関が必要だろう。

注)インターネットを検索するとそれなりの医者の評価表が出てくるがかなり恣意的なものでその評判を完全にあてにできない。

 金融の世界ではS&Pのような格付機関が評価を行いその格付に応じたレート設定がされているが、不妊治療においても病院(あるいは医者ごとの)格付が行われればそれに応じた助成金の配布も考えられる。

43歳以上の人がかかる病院は○○だけで、この場合は助成が受けられます」なんて感じだ。
日本の出生率は世界的に見ても最低の部類で、人口は2005年ごろをピークに減少に転じており、高齢者だからと言って妊娠をあきらめてしまったらますます人口減少に拍車がかかってしまう。
もう少し現実を見据えた対応をしてもらいたいものだが、医者を技術でランクづけする方法が確立しない限り無理のようだ。

 なお私は日本の社会保障制度が老人に偏重してることに危機感を持っている一人だ。
はっきり言えば耄碌をした老人を支えるよりは新しい生命を宿すほうがはるかに日本のためになる。
本来は不妊治療が健康保険の対象でないことのほうがおかしく、一方で70歳以上の老人が自己負担10%で無駄な医療をうけつづけることをほっておく制度に憤りを覚えている。
この国は将来より今を大事にしすぎるといえるだろう。

注)老人になってみると分かるが、老人は身体のいたるところに支障が出てくる。しかしこれは加齢によるものだからいくら病院にかかっても治らないことのほうが多い。
なお医療費の増大問題については前に以下の記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-f696.html

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(25.8.5) ようやく減産を始めた中国鉄鋼業界 増産時代の終焉

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(トシムネさん撮影 妙高山)

 中国の鉄鋼業界がついに減産に乗り出した。それまではただひたすら増産の一途をたどり気が付いてみたら世界の鉄鋼生産量の約半分を中国のメーカーが生産していた。
世界の10社中6社が中国企業河北鋼鉄集団が3位宝鋼集団が4位である。

注)一位はアルセロール・ミタル、二位が新日鉄住金

 しかしいくらなんでもこれでは生産過剰だ。世界第二位のGDPと言っても日本とどっこいどっこいなのに、世界の半分の粗鋼生産だから在庫が積み上がり、「どこに販売するの」という状況になっていた。
12年度の生産量は6億8千万トンだったが設備能力は約9億トンで稼働率は75%だ。

 ここにきてようやく世界第4位の宝鋼集団が減産に乗り出した。現在の生産能力を5年以内に3割削減するという12年の生産量4270万トン)。
これは中国鉄鋼業界としたら驚くべき決定だ。生産すればするほど赤字が出るので、他の国だったらすぐさま減産に突入するのだが中国はそうはならない。

 中国のGDPはこうした国有会社が稼ぎ出しているので、減産などしたら目標のGDPが達成できない。また国有企業には共産党幹部やその子弟が大挙して就職しているので、レイオフなどもっての外ということになる。
さらに国有企業には銀行融資が殺到して特に最近までは貸し込みが行われていたので赤字になっても資金は潤沢だった。

注)国有企業は銀行から無理やり貸し込まれていた融資金を地方政府や不動産会社に高利で転貸して鞘を稼いでいた。こうした中国金融業界の実情は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-d9d9.html


 かくして景気動向に関係なく生産は続けられるが、鋼材はいくら作っても利益は出ない(だから利ざや稼ぎのサブビジネスに走る)。
我々はナゼこのように出血生産をし続けなければならないのだろうか・・・・・・」正常な感覚の人間だったら耐えられないだろう。
今回宝鋼集団がようやく減産に踏み切ったので、他のメーカーも追随しやすくなった。
それまでは減産などという言葉は禁句で、ひたすら生産拡大に走っていたのだからこれは中国鉄鋼業界の転機と言えそうだ。

 何度も言うが中国のGDPはこうした無駄な生産を行うことで維持してきたのだが、それにも限界がある。道路建設にしろ鉄道建設にしろ利用する人がいて何ぼのものなのだが、中国と言えども経済効果が見込まれる投資案件がなくなってきた。
日本と同じようにイエティーが雪合戦をする道路とか、空気を運ぶ鉄道ばかりになりつつある。

注)最近私は気が付いたが、中国では生産=GDPという計算方法(在庫という概念がない)が採用されているのではないかと思われる。「売れようが売れまいが作ればそれでおしまい」というのは社会主義国特有の体質でソビエトロシアのGDPはそうした計算方法だった。

 政府や地方政府主導の投資案件がなくなれば後は国内消費ということになるが、中国は貧富の差が大きな国で、金を持っているのは共産党幹部とその取り巻きに限られており、一般大衆は貧困にあえいでいる。
だから国内消費も中間層が薄いので全く火がつかない。
投資案件はなく、国内消費も駄目、輸出もさっぱりだ!!」ということになり中国経済は大失速し始めた。

注)貧しい農民の地方政府に対する反逆は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-1cbe.html

 この影響が端的に出ているのがブラジルオーストラリアといった中国への資源輸出国で、成長率は大幅に減速し、また資源価格の低下で中小の鉱山業者が倒産し始めている。
アメリカのINSS(米国家戦略研究所)は北京に乗り込み調査を開始したが、その内容は「中国経済の崩壊が米国家安全保障に与える影響の調査」で、アメリカもハードランディングを見据えた戦略の練り直しを開始した。

 今や世界の関心は中国経済の失速は明確だが、それがハードランニングになるかソフトランニングになるかの一点に絞られている。

注)ブラジル経済の失速については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-5760.html

 

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(25.8.4) BS歴史館 謎の5世紀 ワカタケル大王とオワケの臣

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(トシムネさん撮影 妙高山)

 森浩一氏と言えば古代古墳研究の第一人者で、私は森氏の書いた古墳関係の入門書を読んで興奮し、仁徳陵をわざわざ見に行ったことがあったが、実際に見てみると古墳は小山と少しも違いないのにがっくりした記憶がある。
天皇陵のような大規模古墳は空から眺めて始めてその規模や形が分かるのであって、地上から眺めていては単なる森に過ぎない。

 今回のBS歴史館謎の5世紀に挑戦していた。この時代はまだ大和政権が全国統一をするはるか以前であって、大和政権に劣らない地方豪族が蟠踞していた時代だったが、詳しいことは分からない。
埼玉には行田市周辺埼玉(さきたま)古墳群というのがあり、地方豪族の拠点があった。その中の埼玉稲荷山古墳から鉄剣が出土し金象嵌の文字が記されていたので大騒ぎになったが、1978年のことだ。

 ここには115文字の漢字が記載されており、鉄剣が471年に作られたいきさつと関係者の名前が記載されていた。
埼玉の豪族オワケの臣と自身を含めてオワケ一族7代の首長の名、それと大和王権のワカタケル大王名、そしてオワケの臣がワカタケル政権で親衛隊の隊長をしていたと記されていた。

 ワカタケル大王とは5世紀を代表する大和王権の大王で、宋書倭国伝倭の五王として記載されているで、その奏上文には「征服した国東に55国、西に66国、海を渡って95国」となっている。
奏上文を読むと何ともすさまじいばかりの征服者で、当時の国が現在の村落レベルの大きさだったとしても、これほどの征服戦争を行ったというのは信じられない。
特に海を渡って95国というのは朝鮮半島のことだから、「本当かい?」と思わず聞いてしまいそうだ。

 ただしワカタケルが日本国内で侵略戦争をしていたのは事実らしく、ワカタケル様式鉄製の鎧ワカタケルスタンダード)が日本各地から出土している。
またここ埼玉古墳群だけでなく、九州熊本県の江田船山古墳からも銀象嵌の太刀が出て、ここにもワカタケル大王の名前が記されていたので、ワカタケルの支配は東は関東、西は九州中部まで及んでいたことが実証された。

 それにしても不思議な時代だ。この時代の交通は陸上交通ではなく船舶河川と海交通が主体で、そもそも陸上などとても歩けるような代物ではなかった。
私は登山をしているのでよくわかっているが道のないブッシュを進むのは並大抵の苦労ではない。方向も分からずつる草や木の枝に阻まれ一日に数キロ進むのがやっとだ。

注)中央政権を確立するためにはどうしても道路の整備が必要になる。古代ローマも中国の秦王朝も道路建設に熱心だった。日本では6世紀に入って律令国家が成立するまで道路は整備されていなかった。

 それに引き換え海上交通は見晴らしもよく大量の荷物や人間を運べるし、荒れていなければこれほど便利なものはない。そして海の交通は基本として制約がないから、決心さえすれば日本各地から朝鮮半島まで行くことができる(今でも北朝鮮の漁民が遭難すると日本の沿岸にたどり着いている)。

 埼玉古墳群を作ったオワケの臣は当時東京湾に注いでいた利根川を利用して現在の千葉県富津市鋸山周辺にいた地方豪族と深い関係があったらしい。
鋸山からは房州石と呼ばれる加工に適した石材がつい最近まで算出していたが、古代のこの時代も同じで、房州石を使用した石室が埼玉古墳群のひとつに存在している。
石材を運べるほどの船舶交通があったということで、この時代は意外に人の往来が激しかったようだ。

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(千葉県鋸山の石切り場。古代からここは石の産地だった)

 ワカタケルが全国制覇をしたというのも海の道をたどったからで、反対に地方豪族も自由に大和政権だけでなく朝鮮半島の地方政権と海の交易のネットワークを持っていたようだ。
埼玉古墳群からは朝鮮半島にある帯金具が出ているし、熊本の古墳群からはこれも朝鮮半島にあるが出土している。

 ワカタケル大王の全国制覇とは大和政権に従うとした地方政権から人質を取って、それを軍事力として使用していた関係らしい。
オワケの臣が大和政権の親衛隊の隊長を名乗っているのがそれで、征服した地方政権の軍事力を使って新たな地方政権を征服していったのではなかろうか。

注)蒙古軍の侵略戦争を見ても、古代では征服された部族の戦士は次の征服地への先兵になって駆り出されるのが普通だった。

征服した国東に55国、西に66国、海を渡って95国」の中身がそうしたもので、大和政権に臣従した場合はワカタケル大王の名を刻んだ鉄剣の所持が認められたというところだろう。
5世紀は不思議な世紀だ。古墳時代を通して日本には10万とも15万ともいわれる古墳があるが、それがもっとも集中しかつ大規模だったのはこの5世紀である。
この時代に大和政権の基盤は強化されたが、一方で地方政権は平然と朝鮮半島の部族と交易していたのだから、何とも牧歌的な時代だったと言えそうだ。

注)支配・被支配と言ってもまともな交通網も通信網もないのだから、大和政権は軍事力の提供以上の物は求めていなかったのだろう。だからそれ以外のことでは地方豪族は自由に他の豪族(朝鮮半島を含む)と交易をしていたらしい。

なお、日本史シリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

 

 

 

 

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(25.8.3) ためしてガッテン 緑内障は静かに忍び寄る

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(トシムネさん撮影 左のこんもりした山が妙高山。傾斜は相当きつい)

 今回のためしてガッテンは緑内障を取り扱っていた。
緑内障などと聞くと進行性の病気で最後は失明に至る怖い病気だと思っているが、意外なことに本人はほとんど気が付かないのだという。
推定患者数360万人のうち気が付いて治療を受けているのは約1割であり、あとの9割は自身が緑内障であることを知らない。

 緑内障とはスクリーンにあたる網膜の視神経が死んでしまって像が消えてしまう病気で、ほっておくと視神経がどんどん死滅して最後は失明する。
なぜ視神経が死滅するかというと、異常に高い眼圧がかかると網膜の視神経の出口に負荷がかかって、そこの視神経が圧力に耐えかねて死滅するからだ。
眼圧が高くなる理由は目の中に余分な水分がたまって排出できないためで、一旦死滅した神経は復活しない。
もちろんそうなる過程で見えない部分が拡大していくのだが、特に初期のうちは全く気が付くことはない。

 それは二つ理由があって、真ん中のスクリーン部分の神経が死滅するのは、もっとも後になるため、相手を凝視している限り見える。
また欠落した部分についても脳がその欠落部分を補って見せてくれるので、ほとんどの人は昔と変わらずに映像を見ていると錯覚する。
この脳が像を補ってくれるという機能については私は前から気が付いていた。

 というのも私の目は0.08程度で通常ならば眼鏡をかけないと何も見えないような視力なのだが実際に普段の生活をしている限り、まったく支障はなくメガネは必要ない。
たとえば前から自動車が来ると自動車の映像がすぐに頭に浮かぶし自転車が来ても同じだ。
風景を見てもいつも見慣れた風景の場合はほとんど細部まで見ることができる。
人の顔などはどう考えても見えないはずだが、知り合いで仕種等で相手がだれか分かった途端に、相手の顔が見えてしまう。

 ところが一旦外国などに行った場合は今まで見えていたものが全く見えなくなって、標識や注意書きを傍まで行って確実に読まない限り、それが何だかわからない。
仕方ないので海外に行く場合や、初めての土地の場合には眼鏡持参になる。
これは私の頭の中にすでに知悉した内容の映像が入っていて、最低限の情報で相手(または場所)を認識したとたん、記憶に残っている映像を脳が見せてくれているとしか言いようがない。

注)私は人の顔を覚えるのが非常に苦手だ。もともと見えていないので近くでかなり長く接触して映像を頭に記憶しないと二度目にあっても分からない。目で見ているわけでなく脳の中にしまってある映像で見ているため記憶の固定のために時間がかかるのだ。

 以前は緑内障は手の施しようのない病気と思われていた。私の母方のおばあちゃんはこの緑内障にかかったのだが、最後は台所で料理をすることができなくなった。
調味料を入れているのだが見えないためいつまでも調味料を入れ続けたからだ。
「ばあちゃん、いくらなんでもこのラーメンは胡椒だらけだよ・・・・・」なんて言われていた。

 だが今では一旦死んだ神経を復活させることはできないが進行を遅らすことは容易にできるという。
病気の原因は眼圧が高くなり、視神経の出口にあたる盲点を押し続けてそこの神経の束を破壊してしまうのだから、ならば眼圧を高くしなければいいのでそれを抑えるとても有効な目薬が開発されているのだという。
これは一生使用しなければならないが、使っている限り眼圧を抑えられるのでそれ以上の視神経の死滅は防ぐことができる。

 だから緑内障は早期に発見して目薬をさしている限り、その後の人生を左右するような重篤な病気でなくなった。一方で緑内障患者でも普段の生活には全く支障がないので発見が非常に難しい(ただし検査をすればすぐにわかる)病気だとも言えそうだ。

なお「ためしてガッテン」のシリーズは以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

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(25.8.2) 中国の大気汚染はいつになったら解決するのだろうか? 夏場も大気汚染が継続している。

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(トシムネさん撮影 妙高山)

 中国では人間の命は鳥の羽毛より軽いと言われているが、それでも政府に護民官としての立場が少しある。
いつも国民を搾取して共産党幹部だけが甘い汁を吸っているわけにはいかないし、中国人がどこまで大気汚染に耐えて生き延びられるかの動物実験を未来永劫続けるわけにはいかない。

注)なぜ共産党政権が搾取政権になるかというと政権交代がなく、権力(政治、経済、警察、司法、マスコミ)をすべて一手に握っているからだ。当初はまじめに人民のために頑張っていてもそのうち疲れてきて、あとは金と女(男)と権力に執着するのは人間の性だ。

 このほど中国環境保護省が発表した上半期74主要都市の環境汚染状況は、環境基準に達しなかった日数が45%だったというから、約2日に1日は大気が汚染されていたことになる。
最もひどかったのは1月で68%が環境基準を超えており、6月はそれが36%になった。

 冬場は質の悪い石炭で暖房をとったり、大気が澱んだり、慢性的な交通渋滞があったりして特に大気汚染が深刻化するのだが、夏場になれば解消されると言われていた。
しかし夏場は夏場でオゾンが光化学反応で大量発生し大気汚染を引き起こしているのだそうで、なかなか大気汚染は解消しない。

 中国環境保護省がこうしたデータを発表するのは一歩前進だが、それにしても問題が多すぎる。
まず中国の環境基準はとても甘くPM2.5に関していえば日本の環境基準の約半分の甘さで日本基準でいえば1月は93%、6月は83%が基準を超えていることになる。

注)PM2.5の基準:一日平均 中国75マイクログラム、日本35マイクログラム

 おかげでダイキン工業の空気清浄機が売れに売れており、1月から3月までが前年同期比で3倍、4月から6月までが2.5倍だそうだ。やはり中国人と言えども自身が歴史的な動物実験にさらされていることに我慢がならないのだろう。

注)中国の大気汚染の現状とその理由については前に以下の記事で述べておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-c51e.html

 中国政府はようやく6月に「大気汚染防止措置」なる10項目からなる対策をまとめたが、PM2.5の削減、エネルギー構造の転換、省エネ等どれも困難な項目ばかりだ。
中国の環境省は海外進出企業には厳しい環境基準を課すが、国内の国有企業は目こぼしを行う。

注)日本企業に対し如何に厳しい環境基準を課しているかは以下の王子製紙の苦闘を見てもらえば分かる。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-910d.html

 国有企業の幹部と地方の共産党幹部は同じだから、たとえばGDPの目標達成のためには国有企業の生産量を増加させ、なおかつ利益を上げなければならない。
そのためには環境基準などかまっていられないし、当然環境調査など許可させないし、あるいは実施したとしても数値を改ざんしてしまう。
わが工場は中国政府の環境基準を十分クリアーした企業である

 こうして中国では国有企業が環境に配慮した優良企業になっているので、空気汚染の問題はもっぱら自動車の排気ガスということになっている。
これには自動車産業界がかみついた。
自動車そのものは排気ガス基準をクリアーしているが、使用しているガソリンの質が悪いのでPM2.5を輩出している。問題は石油業界にある

注)一方石油会社は政府の指示が悪いと言っていた。

 みんなで責任の転嫁合戦をしているが、そもそも環境基準が甘いうえに、数値を改ざんしているので中国の大気汚染は一向に収まらない。
そのため海を隔てた日本にも影響が出てきた。特に福岡といった中国に近い地方では1㎥あたり70マイクログラムを超える日が現れており、全く迷惑なことだ。

 
 だがこうした大気汚染も今後は緩和されるかもしれない。それは中国の経済成長が急減速しており、特に過剰生産の鉄鋼業界が悪質な石炭を使用する必要がなくなるからだ
日本でも二酸化炭素の排出量が減っているが、これはもっぱら企業が海外に出て行ったからで、経済成長が減速すればどの国でも大気汚染問題は軽減されるものだ。
そうした意味で世界最大の大気汚染大国中国の空も少し美しくなる可能性がある。

注)日本の二酸化炭素排出量の推移は以下参照
http://www.jccca.org/chart/chart04_03.html

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(25.8.1) BS歴史館 新選組 時代を先駆けた最強軍団 近藤勇

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(トシムネさん撮影 妙高山)

 近藤勇と言えば私が小学生のころはいつも鞍馬天狗にやられてばかりいるさえない敵役で、新選組が鞍馬天狗を追い詰めても鞍馬天狗から「近藤さん、また会おう・・・」なんて言われ取り逃がしていた。
だから私は長い間新選組は悪い奴らで、その頭目が近藤勇だが何ともだらしない人間だと思っていた。

 そうした私の観念を覆したのが司馬遼太郎氏が書いた「燃えよ剣」で、これは土方歳三を主人公にしているものの、新選組隊士それぞれを実にイキイキ描いていてとても印象深かった。
この小説で私は始めて沖田総司永倉新八といった新選組隊士の名前を覚えた。
そして何より新選組隊長だった近藤勇武州三多摩日野宿の出身者で、土方歳三はじめとする隊士がその近在の百姓出身者だったことに驚いた。

 私は武州三多摩八王子宿出身である。日野宿は八王子宿から8km程度の場所にあり歩いても2時間、走れば40分程度の距離だ。
かつて近藤勇試衛館という道場で天然理心流というすこぶる実践的な剣術を教えていたが、当時武州三多摩は八王子を中心に養蚕のメッカだった。
当時(幕末)の日本の主要輸出産業生糸だったことから、八王子は現在でいえばトヨタ自動車がある豊田市のような位置づけだと言ったら分かりやすいだろう。

 産業の中心が農業だったこともあり、当時は農村地帯は相対的に地位が高かった。たとえば明治期になって東京で中学校現在は高等学校)が設置されたが、府立一中が今の日比谷高校で、府立二中現在の立川高校)は三多摩の立川市に設置されている。
三多摩を無視できないばかりか、そこに多くの名主や富農階級がいてその子弟の教育が必要だったからだ。

注)ついでに言うと国立大学の設置場所も非常に地方重視だ。北海道などにすぐに大学を設置したり、京都に京大をつくっており、地方の地位が現在より高かったことが分かる。

 今回のBS歴史館は「新選組 時代を先駆けた最強軍団 近藤勇」だった。
近藤勇が世に出るきっかけになったのは近藤30歳の時に将軍が京都に上洛するおりその身辺警護を幕府が公募したからだ。
これに近藤勇を含めて8人の試衛館のメンバーが参加した。

 これは実に不思議なことだ。もし徳川家康の時代だったら自身の警護は子飼いの武士団が難なく成し遂げたが、260年の太平の世で旗本八万騎はすっかり行政官になってしまい、剣の使い方すら分からなくなっていたからだ。
幕末になると江戸幕府は本当の意味での軍団がなくなっており、それを外注しなければならないほど軍事力がなかった。

 近藤勇達は京都に着いた後は今度は京都守護職会津中将松平容保私設警備団になっているが、これも会津藩士はまともな警察力を持っていなかったためだ。
京都には幕府正式の役所として京都所司代京都奉行所はあったが、長州土佐の脱藩浪士といった武装勢力を取り締まる実力はなかった。
そのために勤皇派志士の取り締まりは、実際の武装集団としての新選組が必要だったことになる。

 新選組が一躍幕府側のスターになったのは池田屋事件である。
1864年だから江戸幕府が崩壊する4年前だが、京都池田屋に長州、肥後、土佐の脱藩浪士約30名が集まり、京都に放火をしてそのすきに天皇を拉致し長州につれさる計画を立てていた。
これを素早く探索した新選組は約10名の隊士で池田屋に切り込み、7名を刺殺23名を捕縛している。
10名で30名に打ち勝つのだからいくら急襲したとはいえ、新選組の実力のほどが分かる。
幕末最強の軍団と言われる所以だ。

 新選組には局中法度という鉄の規律があり、これに違反したものはすべて切腹させられている。
新選組は最盛期には300名程度の軍団(赤穂藩浅野家と同程度の軍事力)になっており、そのうち約20名程度の隊士が切腹あるいは惨殺されている。
鉄の掟とは現在的感度では軍隊の鉄の規律といったところで「逃亡者は射殺」といったところだ。

 幕末期こうした鉄の規律を持った軍団は幕府側には新選組以外はなかった。そうした意味で日本における近代軍隊の最初の実践的取り組みと評価されており、その組織を実際にまとめていたのが鬼と言われた土方歳三である。
土方は近藤が千葉流山で捕縛され斬首された後も榎本 武揚が率いた幕府艦隊に合流し最後は函館戦争で壮烈な死を遂げている。

 私は新選組に対して何とも言えぬ親近感を持っているのだが、私自身が武州三多摩八王子宿の出身であり、近藤や土方の足跡をたどることが容易な場所にいたからだろう。
また私が小学生のころまで八王子はなお絹の町として知られ、実際私の父親は絹織物関係の仕事をしており、武州三多摩が輝いていた時代の最期を知っているからかもしれない。

なお、日本の歴史シリーズは以下にまとめて記載されています。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

 

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