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(25.7.23) 自治体が倒産する。デトロイト、ストックトン、そして夕張

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(鬼怒川上流。岩が大きく削られている)

 最近アメリカを代表する自動車産業の街デトロイト市が財政破綻し、連邦破産法第9条を申請したのにはびっくりした。
GMやフォードやクライスラーの工場があり、最盛時には人口180万人を擁した町が、GMやクライスラーの実質倒産で現在は人口70万負債額は1兆8千億円まで膨れ上がり、どのようにしても返済は不能なのだという。
デトロイトの場合はアメリカ自動車産業の衰退とたもとを一にしており、旧産業だけに頼るとどうしても町が衰退することが分かる。

 一方ドキュメンタリーWAVE「破産都市は甦るかで放送したカリフォルニア州ストックトン市の財政破綻はバブルにまみれて不動産投資に走った町が、リーマンショック後の不動産の暴落で立ち上がれなくなった例だった。
ストックトンはサンフランシスコのベットタウンで人口30万人の町だ。郊外には瀟洒な住宅が建設されているが、3万人がすでに家を手放し、しかも買い手が全くつかないのだという。
家を失った家族はさりとて行く場所もなく、ストックトンに次々に作られていくスラムに住んでいるという。

 もちろん職場もほとんどなく失業率は15%全米平均の2倍、特に若者の職場がないため家を追い出された若者はギャングとなってコンビニや商店を襲っては生活していた。
なぜ商店を襲っても平気かというと、市は破産申請をする前から公務員の削減を実施してきており、削減率は一般職員6割、教職員6割、消防署員3割、そして警察官2,5割になっていた。

 犯罪者が増加しているのに警察官は削減されているので、犯罪が起こっても警察官がかけつけるのは1時間程度かかり、その間強盗は悠々と商品を持ち去ってしまう。
町はギャングだらけになってしかも重武装して互いに抗争をしているので、うっかり警察官も近づけない。
給与は30%カット、人員は25%カット、そしてギャングは重武装なのだから、まともに警察官なんてやってられない」というのが本音で、通報があってもできるだけ現場には遅く駆けつけるようにしているようだ。

注)手柄を立てても何のメリットもないので、けがをしないようにうまく立ち回らないとストックトンで生きながらえない。

 ストックトンの財政破たんの理由は、バブルの最盛時にヨットハーバー展示ホールといった箱モノをさんざん建設し、資金は借入や市債を発行して賄っていたことによる。
人口はどんどん増えるから市民税はバンバン入ってくる。いくら箱モノを作っても必ずペイする」と思っていたが、リーマンショックですべて裏目に出てしまった。
人口は増えるどころか減少に転じ、しかも住宅を持たない浮浪者ばかりが増加するようになり、まったく目算が立たない。

注)このあたりは住宅バブル崩壊後の日本とそっくりだ。当時自治体は宅地開発とテーマパークと乗る人のいないモノレールなどを作りまくっていた。
千葉県の上総アカデミアパークの事例を参照してもらえば当時の雰囲気が分かる。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/22128-d1af.html


 負債総額は900億円だからデトロイト市の20分の1とかわいいものだが、借り入れの担保として市庁舎、消防署、警察署、学校、公園と市の保有財産すべてを金融機関に差し入れていることが裏目に出ている。
債権者から「返済をしていただけないなら警察署と消防署を競売にかけます」なんて脅されている。

 いくらなんでも消防署や警察署を担保に入れるのはどうかと思うが、市の財政は火の車で致し方なく担保に入れたらしい。しかし債権者が本当に消防署や警察署を担保処分してしまうと、ストックトンの街から消防と警察というもっとも重要な公的サービスが消えてしまうのだそうだ。

 現在全米では主としてバブルで舞い上がってしまった町の倒産予備軍がほぼ100都市程度あると聞いて驚いたが、日本にも夕張市というれっきとした倒産都市がある。夕張市の場合は主産業の石炭が衰退したためだから、デトロイト市の倒産と似ている。

 都市が倒産するとアメリカでは裁判所の管理下に置かれ、一方日本は国の管理下に置かれるがすることはほとんど同じだ。
まず債権者に債権放棄を依頼し残った債権は長期弁済方法で細々と返済するようにする。
一方公務員を削減し、残った公務員の給与は大幅にカットする。退職者に対する年金も同時に減額対象になる。
一方市民税やその他の税金は大幅にアップするから住民は国内有数の税負担を強いられ、一方でゴミ処理等の住民サービスは低下の一途をたどる。

 こうなるとその都市の運命はほぼ決まったも同然だ。住民は税金の高負担と少ない住民サービスに嫌気をきたして都市から離れていくので、人口が激減し不動産価格はさらに低下する。
金融機関は相手にしてくれないから借り入れなどは金輪際不可能になって、財政は縮小均衡のスパイラルをたどり、最終的には町は消滅する

 夕張市の場合は最盛時12万人の人口が現在は1万人になり、さらに毎年人口が減少し町そのものの存立が不可能になりつつある。
信じられないかもしれないが自治体の倒産とはそういうもので、アメリカでも日本でもそして中国でもすべて破産した都市の運命は同じだ。
そして問題なのは今世界中で都市の倒産が始まっていることだ。

注)現在もっともバブルっている都市は中国の都市で、たとえばオルドスでは100万人都市を建設したが住む人がいない。
中国の都市のバブルの状況は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

なお私の住んでいる千葉市でも来年からゴミ収集費用が大幅にアップされる。千葉市の実情については以下参照。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/2284-0be0.html

 
 

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