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(25.7.19) クローズアップ現代 「世界を監視するアメリカ スノーデン氏告発の衝撃」

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フランス南部の古都ル・ピュイの大聖堂 ここからサンチャゴ巡礼の旅が始まる

 私のようなゴルゴ13の愛読者はアメリカ政府が以前からインターネットの情報収集をしており、そのシステム名をエシュロンと言っていたのを知っていた。これはアメリカだけでなくイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが参加しており、アングロサクソン同盟と言われている(実際の運用はアメリカとイギリスであり他は刺身のつま)。

 今問題になっている元NSAの嘱託職員だったスノーデン氏が暴露しているシステムはプリズムと言って、主としてアメリカ経由のインターネット通信会社Google,Yahoo,AOL等)から情報を入手して分析するシステムだという(ただしエシュロンとの関係はよくわからない)。

 私はこうした通信傍受は中身の傍受だと思っていたが、それは違っていてプリズムが集めているのはメタデータだという。
メタデータとは電話であれば誰がいつどこからどこにかけたかの情報であり、電子メールであればどのIP アドレスがいつどこのIPアドレスにメールしたかであり、ATMであればだれが何時、どこでATMを使用したかである(はATM情報にはいくらの金額を出金した、または送金したという情報もあるのではないかと思っているが番組では明らかにされていなかった

注)メタデータとは「データのデータ」という意味で、たとえば私のメタデータは、名前、現住所、生年月日、男、職業のようなもので、私自身がどのような生活をしているかは含まれない。

 考えてみれば電話や電子メールの中身を分析するとなると膨大な人手と時間がかかるから、まずプリズムでメタデータを利用しテロや犯罪の可能性を絞り込んで、次にそうした人物のデータの中身を覗くのがもっとも合理的だ。
このためメタデータの収集は基本としてアメリカ人すべてと、アメリカを経由するインターネット回線を使用している外国人約世界の通信の8割相当)のすべてが対象になっている。

注)反対に日本国内だけのネットを使用したり、外国への通信が直接その国とつながっているネット(アメリカを経由しないネット)を使用するとプリズムに引っかからない。

 アメリカでなぜNSAのような通信傍受システムが発展したのかというと、1941年の真珠湾攻撃を事前に知ることができなかったのを理由にしており、1952年にトルーマン大統領が設置を許可している。
そしてさらに現在のようにすべてのメタデータを収集するようになったのは2001年の同時多発テロを防げなかったことから、それまでの特定者の通信傍受からメタデータの収集に舵を切ったのだそうだ。

 スノーデン氏が告発した内容は、中身の通信傍受が裁判所の許可なく行なわれているということで、メタデータだけなら2008年の法改正で令状なしでおこなわれることを議会が承認している。
だから議会としたら「議会が認めたのはメタデータの情報収集だけなのに、中身まで令状なしで覗いていたなんて約束違反ではないか」ということになる。

注)ただしオバマ大統領は「NSAの活動は完全に合法的であり、メタデータの収集しかしていない」と言っていたが、これはスノーデン氏のいうように嘘だろう。

 アメリカ人の意見は分かれており、プリズムを合法・違法と考えている人の割合はほぼイーブンだ。
今回スノーデン氏の告発によってNSAの存在とその任務が明確になったのだが、こうした事実は日本ではゴルゴ13で何度もえがかれており、またアメリカではミッション・インポッシブルのようなスパイ映画で何度となく扱っているので、今更驚くほうがどうかしている。

 現在は世界各国の諜報機関がそのIT 技術を駆使して互いに情報を盗み合っているのであり、アメリカや中国だけでなく、イギリスもドイツもロシアもイスラエルも同じことを行っている(ただしレベルはかなり差がある)。
日本では正式な情報機関がなく、また諜報活動も行っていないのでどうしても世界政治では準プレーヤーになっていて、私などはとても残念に思っている(主要な情報はアメリカから通知されるが、アメリカのバイアスがかかっている)。

注)なおスノーデン氏の告発は中国にそそのかされて行っているもので、その経緯は以下に述べておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-a332.html





 

 

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