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(25.7.14) 日本を中国の属国にしようとした男 前中国大使 丹羽宇一郎氏

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フランス南部の高原地帯は牛の放牧場になっており、巡礼者以外の人はいなかった

 私が長い間不思議でしょうがなかったのは、元伊藤忠商事の社長と会長を足かけ13年あまり歴任した丹羽宇一郎氏2010年6月菅総理当時)の意向を受けて中国大使になったことである。
民主党政権は徹底的に官僚を嫌っていたし、また当時は「それまでの慣例を破った実に斬新な大使起用で、外務省出身者にあるような中国にただへくだるだけの外交から、民間人のバイタリティーを感じさせる外交」に変わると思われていた。

 だがそれでも私はとても不思議に思ったものだ。
なぜ伊藤忠商事の会長が中国大使になるんだろう。商社だったら三菱商事や住友商事や三井物産といくらでもあるのに・・・・・・」
私は当時伊藤忠がもっとも中国進出に熱心で、かつ中国要人との太いパイプを持っていた商社だとは知らなかった。
中国要人に取り入り、伊藤忠を中国ビジネスのトップ企業に押し上げ、セブン・イレブンイトウ・ヨーカドーの中国進出を実質的に仕切っていたのが伊藤忠で、そのトップが丹羽宇一郎氏だったことを最近知った。

注)青木直人氏の「誰も書かない中国進出企業の非情なる現実」という本に詳しく載っている。

 丹羽氏が中国ビジネスを展開した方法は常に決まっていて、中国要人で最も政治力のある鄧小平李鵬江沢民ファミリー企業たいていの場合は子供が社長になっている)に取り入り、そこに多額の政治献金実質的にはワイロ)をすることで、鄧小平等の政治力で商取引を展開していくという方法だった。
その手口があまりにあこぎだったため李鵬首相の息子に対する献金数十億円はわいろではないかと大阪国税局の摘発を受けている。

注)中国では法はあっても形式的なものですべて権力者の意向(人治主義いうがワイロ政治といったほうが早い)ですべて決まるので、誰に取り入るのかが最大のポイントになる。丹羽氏はそれが特別にたけていた商社マンだった。

 こうした丹羽氏のビジネス展開(わいろ献金)で伊藤忠は日本を代表する大商社になったが、昔からそうだったわけではない。
私がまだ融資担当だった40年ほど前は、商社の中で伊藤忠三菱商事住友商事より一段低い商社とみなされており、実際長い間不良債権に苦しんでいた。
その伊藤忠が21世紀に入り劇的に収益が改善したのは、丹羽氏が進めた中国シフトが効を奏したからで、中国の大発展とまさに袂を一にしている。
丹羽氏は伊藤忠の中興の祖だ。

 
 丹羽氏の中国傾斜はひときは抜きんでており、伊藤忠の役員時代に「将来は大中華圏の時代が到来し、日本は中国の属国として生きていけばいいのです。それが日本が幸福かつ安全に生きる道です」と深田祐介氏との対談で述べている。
いわば確信的な中国シンパを菅首相は中国大使にしたのだが、このためその後の日中関係に問題が発生するたびに丹羽氏は中国側に立って日本をいさめることになった。

 まず2010年9月に起こった尖閣諸島中国漁船当て逃げ事件では、中国に対する抗議は一切しないでもっぱら中国の言い分を日本に伝えるメッセンジャーの役目だけをした。
さらに石原東京都知事当時)が尖閣諸島を都が購入するという案を出すと、石原氏と土地購入を支持する世論を「日本の国民感情はおかしい。日本は変わった国なんですよ」と習近平副主席当時)に釈明している。

注)中国漁船当て逃げ事件については以下の記事を参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/22922-5c33.html

 また中国に対するODAの継続と増額を外務省に進言したが、すでにGDPで日本を凌駕して押しも押されもしない経済大国に対し開発援助の継続を続ける理論的根拠はなかった
しかし本当のところを言えばこのODAは中国から見たら日本からの戦後賠償(すでに7兆円規模のODAを提供しているという位置づけであり、他国に対するODAがすべてひも付きで日本の企業が鉄道や道路や橋梁の建設を請け負うのに、中国に対してはお金の分配方法は中国に任せられている。
だから丹羽氏は「まだ中国に対する賠償が十分でないから、もっとODAを続けろ」と言っていたのだ。

注)このようなODAの方式をアンタイドローンというのだが、アンタイドローンになったのは上記のように賠償だとの位置づけと、さらにアメリカがアメリカ企業の参画を図るために、アンタイドローンにするように日本政府に圧力をかけたから。

 
こうして丹羽氏は日本の大使というよりは中国の意向を日本政府に伝える役目だけを果たしていた中国のメッセンジャーだったが、さすがに尖閣諸島問題で、「領土問題がないなんて言ったら世界中の笑いものになる。外国から見たら日本はおちんちん丸出しで騒いでいるようなものだ」とまでかなり下品な表現で述べたのが命取りになった(名古屋大学での講演)。

 何しろ日本政府は「尖閣諸島は日本固有の領土で領土問題は存在しない」と再三にわたって表明して来たのに、それを「おちんちん丸出し」とまで揶揄されれば日本の大使としてほっておくわけにはいかない。
丹羽氏がなぜこれほどまで中国のために尽くすかというと、「日本を中国の属国にしよう」としていたからで、丹羽氏の考えでは「現在日本はアメリカの属国になっているが、それより中国の属国になるほうが幸せだ」という世界観からきているとしか言いようがない。

 だがそれは日本人の大多数の意見とは異なっており、中国は21世紀には珍しい帝国主義国家で、内部にチベット、ウィグル、内蒙古といった植民地を持ち、さらにベトナムやフィリピンから島を掠め取り、日本から尖閣諸島をとろうとしている帝国主義国家だ。その属国になるには、日本はあまりに民主主義が根付きすぎている。

 結局丹羽氏の日本を中国の属国にするプランは安倍内閣から嫌われ、全権大使を解任されたが、このような人物を中国大使に任命した菅首相の任命責任も当然問われてしかるべきだと私は思う。

注)丹羽氏は第一次安保闘争の時の全学連の活動家だったが、この時代の学生は社会主義にシンパシーを感じており、中国やソビエトを地上の楽園と思う傾向がある。
結局丹羽氏は中国を理想郷と誤って判断し、伊藤忠の中国シフトを強引に推し進めた。

なお尖閣諸島問題の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51088450/index.html

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