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(25.5.26) クローズアップ現代 農業技術の革命は可能か スマートアグリという幻想 "Today's Close-up", "revolution of agricultural technology possible?" Illusion of smart Agri

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 安倍総理が日本農業の復活と競争力強化を訴えて久しいが、それをNHKがクローズアップ現代で後押ししていた。
世界で最も農業競争力のある国はアメリカだが、二番目はオランダである。アメリカの輸出額の7割相当の規模だから実に立派なものだ。
何しろオランダは日本の農地面積の2分の1で、農家人口は20分の1だから、それで世界との競争に打ち勝っているのだからすごい。

 だがなぜオランダの農業に競争力があるかというと、農家人口の少なさであり、はっきり言えば競争で生き残った農家が大規模化して競争力をつけ、さらにIT技術を取り入れて企業家になったからと言える。
オランダの農業をスマートアグリと称しているが、巨大なハウスを建設してその中で土に依存しない徹底的な合理的農業が実施されている。

 オランダの輸出品はトマト、キュウリ、パプリカだが、ハウス内にセンサーを設置して約500項目環境管理項目温度、湿度、日照、二酸化炭素濃度、水分補給状況、栄養補給状況等)で作物栽培に最適な状態になるように管理している。
これによって映像で紹介された農家は日本の収穫量の約3倍の生産性を誇り、年間の売り上げは約46億円だと話していた。

 国谷キャスターは、「こうしたスマートアグリがなぜ日本で導入されないのでしょうか?」と疑問を呈していたが、日本でもこうした試みがあるものの、常に失敗している。
なぜ失敗するかというと、農家も政治家も役所も農業団体も農業の振興には興味がなく、もっぱら農家の維持だけを目標にしているからだ。
スマートアグリなんかとんでもない。そんなことをすれば農家は互いに競争して弱い農家が淘汰される

 これを補助金行政と言うのだが、小規模農家も大規模農家も区別せずにただただ農家として存続することだけが目標になっている。
農家にとっては農家でさえいられればほとんど税金を払わないで済むし、都市近郊の農地は宅地として販売できるチャンスがある。
農協は農家が共済に加入し貯金をしてくれればいいので、なまじ農業などをすると貸出金が焦げ付くのでかえって厄介だ。
役所は農家あっての役所で小規模農家に補助金を出すことで役所の存立意義が残っている。企業経営の農家は役所を必要としない。
そして政治家は農家の票がほしいだけで、農家がなくなれば農村出身議員の基盤がなくなる。

 こうして日本では農業の振興策を寄ってたかってつぶしてきており、結果として残ったのは小規模の兼業農家ばかりになってしまった。
これが日本にはスマートアグリが根付かない原因で、農業でなく農家を守ろうとする限り農業はどちらかといえば衰退したほうがかえっていいのだ

注)民主党政権が推進した個別補償制度が単なるの農家保護であることは以下に述べてある。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/221124-ced8.html

また自民党政権が行おうとしている耕作放棄地強制集約制度もジェスチャーであり、絵にかいた餅であることは以下に述べておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-c0f8.html

 放送では日本のスマートアグリに取り組んでいる事例としてIT産業が農業に乗り出している事例があった。
実際スマートアグリとIT産業は非常に相性がいいが、それは現状の農業行政や農業団体とは無関係だし農家とも関係ない。

 コメンテーターが日本の農業の方向性として、国内向け市場をターゲットにした農業と、海外をターゲットにした農業があるとコメントしていたが、前者が従来の農業、後者はIT産業が行おうとしているスマートアグリを指している。
そして後者は農業行政とは全く無関係な企業経営としての農業であり、農地を全く必要としない農業と言える。

 日本では農家や農業団体が農地を抑えており、これは農地法によってがんじがらめに守られている。
基本的に農地は農家以外に転売できない内容になっており、企業経営による農業の参入を意図的に阻んできた

 だからスマートアグリを育成しようとすれば農地法に縛られない農業が必要で、かつ所管も保護の農水省でなく育成の通産省でなくてはならない。
そうすれば確かに日本にもオランダ並の生産性の高い農業ができるが、これは農村出身政治家の票にならない企業農業だから、実際に法改正をしてまで企業農業を後押しする政治家はいない。

"Today's Close-up", "revolution of agricultural technology possible?" Illusion of smart Agri

Prime Minister Abe has complained of competitiveness and revival of Japanese agriculture, NHK had been supported by the "Today's Close-up".
Country of agriculture the most competitive in the world is an American. The second is the Netherlands. It 's really a fine because of the scale equivalent to 70% of exports in the United States.

The Netherlands is one-half of the land area of ​​Japan. And, farmer population is about 5% of Japan, so the Netherlands are winning the competition with the world.

But, said why it is competitive in agriculture in the Netherlands, it's the reason of low farmer population. It can be said with a competitive farmers survived competition with large-scale, and since became a entrepreneur to incorporate the IT technology.

Agriculture in the Netherlands is called a smart Agri. And to build a huge house in the Netherlands, rational agriculture that does not depend on the soil has been carried out .

Exports in the Netherlands, is the paprika and cucumber and tomato. It manages to be ready to be suitable for crop cultivation (temperature, humidity, sunshine, carbon dioxide concentration, hydration status, nutritional status, etc.) in the environmental management field of about 500 items by installing a sensor to house in the Netherlands .

Farmers in the Netherlands was featured in a video, was proud of the productivity of about three times the yield of Japan . And annual sales was talking that it is about 4.6 billion yen.

Kuniya caster was questioned.
"Why Smart Agri Is not introduced in Japan?"
There is an attempt of smart Aguri in Japan, but have always failed.
Farmers, politicians, government office, or agricultural organizations not interested in the promotion of agriculture, the reason is because there goal is only the maintenance of the farmers.

I have been told this is a government subsidy. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries has set a target of only that small farmers also large-scale farmers without distinction, to survive as farmers.
And, politicians only want a vote of farmers, rural base from lawmakers eliminated if there are no farmers.
For farmers, it need not pay taxes if farmers are. And, farmers are trying to sell the farmland as residential land,.
Purposes for agricultural cooperatives, let farmers the savings and mutual aid, agricultural loans would often become irrecoverable.
By issuing the subsidies to small-scale farmers, existence significance of public office have left public office. Farmers corporate management does not require a public office.

In this way, we have been crushed promotion measures of agriculture in Japan. It was left as a result it has become a part-time farmers only small.
This is the cause of Agri-smart is not take root in Japan. As long as you try to protect farmers rather than agriculture, agriculture will continue to decline.

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評論 日本の政治 農業政策」カテゴリの記事

コメント

私が常に考えていることで、完全に同意です。

>スマートアグリなんかとんでもない。そんなことをすれば農家は互いに競争して弱い農家が淘汰される

ここが本音ですよね。


ただ僕は勉強不足で所得補償についてよく知りません、米国は輸出価格を維持するために所得補償を行っていると聞きます。関税無税で所得補償もなく豪州米国と穀物分野(米のことです)で戦うのはそれも不幸かなと思います。
専業(大規模)農家と兼業農家と分けて議論されると良いと思うのですが、JAが許さないのでしょうかね。

投稿: wood | 2013年5月27日 (月) 22時12分

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