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(25.5.4) 金融戦争の行方 アベノミクスは世界勝者になれるか?

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  現在世界的規模で金融戦争が行われている。金融を超緩和状態にして自国の通貨を切り下げ、輸出競争力を伸ばすのと緩和した資金で国内投資を伸ばして景気回復をはかることが目的だ。

 アメリカEU中国もこの目的に沿って超緩和策を推し進めてきたが、昨年の安倍政権発足までは日本だけ超緩和策に反対だった。
一番の理由は21世紀に入ってからリーマンショックが発生するまでの8年間、日本の低金利政策が世界中にバブルを蔓延させたことの反省が日銀にあったからである。
超緩和には必ず副作用がある。金余りになればバブルが発生し、それが崩壊するときの影響は計り知れない。我が国は二度とバブルを演出するのはよそう白川前日銀総裁はそう決心していた。

 しかし他国が超緩和策をとり続ければ当然に円は円高になり、輸出立国として成り立ってきた日本の経済構造が崩れる。
自動車産業や家電業界や半導体は軒並み赤字に見舞われて悲鳴を上げ、輸出産業は国内から海外に逃げ出してしまった。
何しろトヨタ1円円高になれば300億の利益が飛ぶといわれていたのだから、120円から80円に40円円高になれば1兆2千億円の利益が飛んだことになる。
これではいかにトヨタとて日本で生産をし続ける体力はない。

注)反対に電力業界は典型的な輸入産業だから1円円高になれば東電は300億の利益が出るという。(福島原発の事故がなければ)トヨタとは反対に1兆2千億の利益が出ていたことになる。

 だがアベノミクスの円安で一斉に輸出産業は息を吹き返した。13年3月末の決算見込みは輸出産業を中心に軒並み増益増収に転じている。
株式市場は猛烈なスピードで株価が上昇しているが、円安が2割進めば株価は黙っていても2割上がる。さらに輸出産業の業績見込みが向上すればさらに株価は上がるので市場は大はしゃぎだ。

注)現在世界のディーラーは裁定取引を行っているので、通貨が安くなればその分株式の積み増しを自動的に行っている。

 先日日銀の黒田総裁勝利宣言をしていた。目標のマネタリーベース流通している紙幣・硬貨 + 金融機関が日銀に預けている当座預金)で4月末時点で155兆円になり、対前年比26.2%の増加だという。
マネタリーは確実に増加している。毎年60兆円から70兆円の資金を供給するから、物価は上昇し景気は回復する。日本経済大復活だ

 日本経済の復活に伴って韓国と中国の経済が失速し始めた。この3国は輸出製品で競合することが多いが、日本製品が安くなれば品質は保証付だから世界の需要が日本製品に流れるのは当然だ。
韓国政府は日本の円安政策に危機感を持っており安倍首相に対してなんでもいいからケチをつけている。
保守反動の安倍が靖国神社に参拝し、憲法を改正するのをぜひ阻止しよう。安倍に歴史を教えようではないか!!」

 しかしつくづく思うのだが、資本主義経済はインフレでなければ生き延びられないというのは、これは資本主義の宿命なのだろうか。
インフレとは簡単に言えば政府が通貨を印刷しては通貨価値を下げることである。
国民よ、通貨なんか持っていてもそれは紙切れだよ。それよりも早く通貨を使用して物にかえなさい。消費は美徳だということを忘れたのかい!!」

 確かに通貨を増刷すれば物の価格は上がる。株式も一種の物だからさっそく値上がりを始めたし不動産も同様だ。
しかしこれは前にも書いたが価格が上昇するスピードは自由市場の商品ほど早く、一方規制商品の値上がりは遅いという特色を持つ。
株式がすぐに反応したのはもっとも自由市場に近いからであり、一方年金などが遅いのは規制商品だからだ。
その結果富の偏在化が起こり富める人はさらに富み、貧乏人はさらに貧乏人になっていく。

注)アベノミクスに対する庶民レベルの対応策については以下の記事に詳述しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-58bd.html

 
 しかしそれでもインフレ政策を推し進めるのは日本を食べさせているのはこの投資家や企業であり、年金生活者はただ国家にへばりついているだけだからだ。
がんばれ、世界中が自国の通貨切り下げをしているときに日本だけが切り下げなければ輸出競争で全敗だ。韓国や中国を蹴落とすために円安にしよう」安倍首相の鼻息は荒い。

 通貨戦争に勝利すれば確かに韓国と中国の企業を蹴落とすことができるから、日本の大復活につながることは確かだ。
この通貨切り下げ競争に日本は勝利するだろうか。世界中が切り下げ競争をしているときに日本だけが孤高を守ることは不可能だとしても、資本主義とは通貨を犠牲にして成長を図る制度だとつくづく思ってしまった。

注)インフレ政策の結果必ずバブルが発生しそれが大崩壊するが、その後始末を再びインフレ政策で糊塗するのが資本主義と言える。かくして通貨は常に紙切れに近づいていく。

なお、安倍内閣の金融政策については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat54030854/index.html

(問)この円安・金融緩和策で日本経済は復活すると思いますか?それともインフレだけ更新して挫折すると思いますか?貴方の意見を聞かせてください。

 


 

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コメント

こんばんわ。菜穂子です。個人的には白川前総裁の方がいいと思っています。このままいくとインフレだけ更新していくのではないかと思います。参考までに船井幸雄のHPに載っている経済アナリストの朝倉慶さんのコラムから添付します。http://www.funaiyukio.com/money2/index_1304.asp 

(山崎)いつもコメントありがとう。コラムは見ておきます。

投稿: 菜穂子 | 2013年5月 7日 (火) 12時34分

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