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(25.3.6) 文学入門 ダシール・ハメット マルタの鷲

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  私は普段探偵小説というものを読まない。かつて読んだたった一つの探偵小説は「シャーロックホームズの冒険」というものでコナン・ドリルの作品を中学生向きにアレンジしたものだった。

 この種の小説はとても映画化しやすいので少しでも有名な作品は映画で見ることができる。シャーロック・ホームズにしてもポアロにしても映画で見てしまうのでいちいち原作を読む気力がうせてしまう。

 だから今回ダシール・ハミットの「マルタの鷲」が読書会のテーマ本になったのには当惑した。
この小説は1930年に発売され、ハードボイルド小説の古典中の古典なのだが、この本を推薦したのは特異な本を推薦するA姉さんである。
A姉さんは落語家の本を推薦したり、ハードボイルドを推薦したり多才だ。

 筋書きはサンフランシスコに住む私立探偵サム・スペードの下に、「マルタの鷲」の捜索願が来たことに始まる。依頼者はこの鷲のことを秘匿していたが、スペードはこれが過去にマルタ騎士団が、宝石をちりばめた献上品として製作した事実を知る。時価数十億円とも数百億円とも言われる鷹だ。

注)アメリカやヨーロッパの小説ではしばしばこのマルタ騎士団が現れる。イスラム世界から宝石や金を強奪して勢力を伸ばしたからで(当時は正当な行為だった)、多額の資産を今でも隠し持っていると思われている。

 表面を黒い塗料で覆われているのでその価値を誰も知らず、たまたま保管していたロシア人の将軍の家から盗賊の一団が盗み出し、いつもの仲間割れでそれがどの人の手に入手されていたか分からなくなってスペードに調査依頼が来たものだ。
何人もの殺人事件が発生し最後はこの鷹が偽者でみんなバカを見たという筋書きだ。

 今ではどこにでもあるハードボイルド調の探偵小説で主人公のスペードはただ腕っ節だけが強い女たらしで、特別魅力のあるキャラクターではない。
人物の心理描写などはまったく無視して事件が次々に起こり、人が殺され、スペードは窮地に陥っても機転で抜け出す。
絶対死なないところはダイ・ハード並みだし、雰囲気はシャーロック・ホームズだが難しいことは一切言わない。

 文体はいたって簡潔明瞭で中学生でも書そうな文章が続いている。
なるほどね、ハードボイルドの先駆者はこんな文体を使っていたのか・・・
今から見ると筋書きも単純だし探偵はただ強いだけだから何ともキャラクターが不足しているが、当時は衝撃的だったそうだ。

 探偵小説が推理小説からアクション物に変って行った草分け的作品だから、歴史的意味はあるが現在人から見るとトリックも陳腐で面白いとはいえない。だからこの小説の意味は先駆者としての意味であって面白がって読む小説ではない。

なお文学入門は以下にまとめてあります。 

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43898465/index.html

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なお、蝦夷地探訪記等の値段が200円になりましたが、ボリュームが多いとキンドルの最低価格が上がるので、私の意図的な値上げではありません。


出版済み

・ロドリゴ巡礼日誌(
山崎新書 NO1)  定価 200円(サンチャゴ巡礼フランス道の記事です)
・ロドリゴ 失敗記(
山崎新書 NO2)  定価 99円(若者が人生に失敗しないための指南書)
・ロドリゴ蝦夷地探訪記(山崎新書 NO3) 定価200円(北海道東部の過疎地帯を放浪したときの記録)
・ロドリゴネパール日誌(山崎新書 NO4) 定価200円(ネパールの明治時代を思わす山村での教育実習の記録)


なお出版の経緯については以下に詳述してあります。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat53203102/index.html

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