« (25.3.21) 瀬又のこいのぼりとトーテンポール | トップページ | (25.3.23) おゆみ野クリーンクラブがNHKのクローズアップ現代でとり上げられるという »

(25.3.22) アベノミクスと経常収支の崖 この崖を登りきることができるだろうか

Dscf5303  

 私は安倍首相の政治姿勢は好きで、特に独裁国家中国に対する断固とした対応は民主党ヘナチョコ外交を見てきた後だけにすがすがしさを感じる。
だが、全面的に安倍首相支持というわけには行かないのはその金融政策についてどう考えても賛成しかねるからだ。

 安倍首相の経済政策はアベノミクスといわれ、特にその金融政策についてはリフレ派の経済学者がブレインになっている。
リフレ派とは簡単に言えば「日銀券を印刷してばら撒けば景気は回復する」と主張する学者や政治家や経済人のグループで、今や日本はリフレ派に席巻されている。

 実は日本だけでなくアメリカのFRBバーナンキ議長やEUのECBバラギ議長もこのリフレ派であり、中国も人民元を刷りまくって国内投融資資金に投入している。
日本では白川元日銀総裁がこのリフレ派の経済学に否定的だったため、世界の通貨の信任はスイスフランここもリフレ派に否定的)に集中していたが、昨年の11月以降安倍首相の円安発言に伴って円は急激に円安に振れ出した。

注)リフレ派の経済学は1930年頃の大恐慌時に各国が為替の切り下げ競争を行って出血輸出で乗り切ろうとしたが、その現代版といえる。

 現在日本では株価が急上昇し輸出産業の業績も好転してきているのでアベノミクスを大成功と賞する言説がかまびすしくなっているが、実際は日本経済は急速に悪化している。
これを端的に示すのが貿易収支で財務省が発表した2月の貿易収支の赤字額は約8000億円で、8ヶ月連続の赤字が続いている。

注)経常収支=貿易収支+所得収支+サービス収支で従来は貿易収支と所得収支が黒字だったが、今は黒字は所得収支のみ。
なお経常収支とは対外的に日本が儲かっているか否かの指標。

 円安になったからといって急に輸出は伸びないが一方で燃料費を中心に輸入が急拡大し、さらに円安が追い討ちをかけているため貿易収支の赤字は拡大している。
一般に円安効果が現れて輸出が増加するのは半年から1年のタイムラグがあり(J カーブ効果という)、その効果はこれから現れることになっているが、私はそうはならないと見ている。

 確かに国内にある輸出産業の輸出環境は好転するが、実際はほとんどの輸出産業が国外生産に移っていて自動車などではタイの方が日本車生産の中心地になっている。
ニッサンのゴーン社長などは「円安と言っても100円程度が定着しなければ、日本に生産を移すことは考えていない」と明言しており、輸出の増加と言っても限界がありそうだ。

 一方で日本の最大の懸念は原子力発電所がほぼ全面的に停止している中で燃料費の拡大がとまらないことだ。
日本のLNG価格は世界的に見ても最高値で、これは福島原発事故で急遽LNGの確保に走ったためカタール等に足元を見られて吹っかけられたからだ。

注)LNGの価格が世界最高価格であることは以下の記事に詳述してある。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-50a1.html

 この燃料費の圧縮が図れない限り、貿易収支の赤字基調は続き、所得収支の黒字で経常収支を黒字化することができない。
すでに1月まで3ヶ月間に及んで日本の経常収支は赤字2月以降も赤字になりそう)が続いており、12年度全体で日本から失われた富の全体は約19兆円に達している。

 円安とは国家の安売だから富は国外に流失して国民の生活は苦しくなる(直接的には輸入品の物価が上昇して電力料金や食料品価格が上がる)。
株価の上昇は日本が安くなった分の調整という側面が強く、確かに株所有者にとってはウハウハだが、日本全体としては貧困化しているのだ。

 リフレの経済学の最大の欠点は、成長産業を育成する視点を持たず、ただ単に日銀券を印刷してインフレを起こし(株も価格と考えればインフレが起こっていることになる)、あたかも景気が回復している錯覚を起こさせる経済学だからだ。
しかし錯覚である以上経常収支は着実に悪化し、日本は貧窮化するとともに輸入物価の高騰に国民は悩まされることになる。
これを「経常収支の崖」というが安倍首相はこの崖を登りきることができるのだろうか。

なお、安倍首相の金融政策については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat54030854/index.html

PR記事

 私は過去に書いてきたブログを纏めて本にする作業を始めました。月に2冊程度の割合で出版いたします。KindleのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)を利用していますので、電子書籍の端末を持っている方はアマゾンで購入できます(
iPhoneやiPad・iPodでもソフトを入れれば見れます。またアンドロイド系のスマホやタブレットにもソフト対応していますがパソコンは不可)。
なお、蝦夷地探訪記等の値段が200円になりましたが、ボリュームが多いとキンドルの最低価格が上がるので、私の意図的な値上げではありません。


出版済み

・ぼくが生きたとき(山崎書店 NO5)  定価 99円(いじめにどう立ち向かうかを自分の経験から書いてみました)
・ロドリゴ巡礼日誌(
山崎新書 NO1)  定価 200円(サンチャゴ巡礼フランス道の記事です)
・ロドリゴ 失敗記(
山崎新書 NO2)  定価 99円(若者が人生に失敗しないための指南書)
・ロドリゴ蝦夷地探訪記(山崎新書 NO3) 定価200円(北海道東部の過疎地帯を放浪したときの記録)
・ロドリゴネパール日誌(山崎新書 NO4) 定価200円(ネパールの明治時代を思わす山村での教育実習の記録)


なお出版の経緯については以下に詳述してあります。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat53203102/index.html

|

« (25.3.21) 瀬又のこいのぼりとトーテンポール | トップページ | (25.3.23) おゆみ野クリーンクラブがNHKのクローズアップ現代でとり上げられるという »

評論 日本の経済 安倍内閣 経済政策」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (25.3.21) 瀬又のこいのぼりとトーテンポール | トップページ | (25.3.23) おゆみ野クリーンクラブがNHKのクローズアップ現代でとり上げられるという »