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(25.3.17) 安倍首相のTPP参加表明 経済開放に鍵を切った

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 私は安倍首相の政治姿勢はとても好きで、15日のTPP参加表明にあたってもその断固とした対応に好感が持てた。
日本は工業国であり農業国でないので農業重視政策は基本として無理がある。
実際農家の戸数は加速度的に減少しており、GDPに占める農業の割合は1%程度に過ぎない。

注)農家戸数は1960年には606万戸だったが2005年には285万戸に半減し、農業従事者は1196万人から252万人に4分の1に減少している。

 しかし日本では農業関連団体の力は信じられないほど強力で、全中を中心にTPP反対運動が盛り上がっており、農村出身議員はこの農業団体の意向に左右される。
日本の農業を守れ、食の安全を守れ」がスローガンだが、実際は日本の農業の担い手はほぼ崩壊しているといっていい。

 私の住んでいるおゆみ野周辺でも農地は広がっているが、実際は耕作者がいなくなって放置されている農地が散見される。
私の娘の嫁ぎ先は農家だが誰も農業を継ぐ人がおらず、私に「あんた、暇ならば農業をしないか」といつも言われている。

 必要があれば農業実習が受けられ必要な資金が貸与されるという話だが、66歳になってとても農業従事者にはなれない。確かに日曜菜園程度の規模の農地を耕作するのはとても楽しいが、数haの農地を大規模機械を操作して耕作するなんてほとんど不可能だ。

 またこれはほかの例だが、耕作者がいなくなった畑の草刈りを最近頼まれた。
ほっておくと周りの耕作者に迷惑がかかるので、せめて草刈りをしたいのだが山崎さんしてくれないだろうか
この畑は2アール程度だったから気安く引き受けることにしたが、その傍に1ha程度の昨年まで耕作されていた畑があって、「今年から耕作者がいなくなったので山崎さんこちらを耕してもらえないだろうか」と言われた時は絶句した。

注)農業従事者の高齢化は加速度的であり、現在の平均年齢は66歳で私とまったく同じ年齢になっている。

 本来こうした農地は農協に依頼して規模拡大を希望している農家に貸与したり、日曜農園に開放したりするのがいいのだが、所有者はそうしたことは嫌がる。
それは相続問題が発生した時に問題が起こるからで、誰にも貸さずほっておくほうがいいとの判断になる。
それでも草刈り程度はしなければならないので私のような草刈りを趣味としている人間に草刈りが依頼されるのだ。

 「日本の農業を守れ」と言っても実態は守るべき人材が存在しせず、本音は農業ではなく農家を守れということだ。
ほとんどの農家は兼業農家で、農業は自分が食べる野菜やコメを細々と作っているのが実態だが、そうした人は農協の組合員であり農協共済や農協貯金の重要な顧客だ。

 農協は農家がいなくなったら存立基盤がなくなるから、農業そのものの振興よりは農家であってくれることが重要で、そうした意味では規模の小さな農家ほど兼業収入が多いから農協組合員としてふさわしい。
農業なんてどうでもいいから農家であってくれればいい」これが農業団体の本音だ。

注)民主党が実施した農業者戸別所得補償制度は明確に農家を守ろうとした制度。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/21129-d798.html

 こうした状況下で日本の農業が諸外国の生産性の高い農業と対抗できると思うほうがどうかしている。農業団体の既得権をはく奪して農地の流動化を促進し、企業農業を導入すれば農業も世界と対抗できるが、これは農業団体も農水省もそして農村出身の政治家ももっとも嫌がる方法だ。
そんなことをしたら農業生産性が上がって輸出産業にはなるが、農家がなくなってしまうじゃないか

 安倍首相は農業もやり方によって成長産業になると盛んに言っているが、実際は既得権益者が大反対するから企業経営の農業など夢のまた夢だ
TPPに参加した後、仕方がないのでいつものように補助金を農業団体に出して、静かに安楽死させること以外に農業政策はないのだろう。

なお、安倍内閣に関する記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52551955/index.html

PR記事

 私は過去に書いてきたブログを纏めて本にする作業を始めました。月に2冊程度の割合で出版いたします。KindleのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)を利用していますので、電子書籍の端末を持っている方はアマゾンで購入できます(iPhoneやiPad・iPodでもソフトを入れれば見れます。またアンドロイド系のスマホやタブレットにもソフト対応していますがパソコンは不可
)。
なお、蝦夷地探訪記等の値段が200円になりましたが、ボリュームが多いとキンドルの最低価格が上がるので、私の意図的な値上げではありません。


出版済み

・ぼくが生きたとき(山崎書店 NO5)  定価 99円(いじめにどう立ち向かうかを自分の経験から書いてみました)
・ロドリゴ巡礼日誌(
山崎新書 NO1)  定価 200円(サンチャゴ巡礼フランス道の記事です)
・ロドリゴ 失敗記(
山崎新書 NO2)  定価 99円(若者が人生に失敗しないための指南書)
・ロドリゴ蝦夷地探訪記(山崎新書 NO3) 定価200円(北海道東部の過疎地帯を放浪したときの記録)
・ロドリゴネパール日誌(山崎新書 NO4) 定価200円(ネパールの明治時代を思わす山村での教育実習の記録)


なお出版の経緯については以下に詳述してあります。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat53203102/index.html

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評論 日本の政治 安倍内閣 TPP交渉」カテゴリの記事

コメント

カナダからの警告だけでも見ておいては?
日本語字幕+日本語アノテーションと至れりつくせりの6分半です。
丸呑みさせられたという部分は1:20頃からです。
http://www.youtube.com/watch?v=vhMAa12ztb4

ちなみに交渉の余地は全くないと明言されたことも伝わっています。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/67417

人口2億人のインドネシアは賢明な選択をされたようです。
http://ameblo.jp/59rg7a/entry-11482319432.html

投稿: 横田 | 2013年3月17日 (日) 13時41分

 実は今年はじめて知ったことですが、「専業」「第1種兼業」「第2種兼業」という農家の分類は現在使われていません。今年から使われるようになった中学校の地理の教科書には、農家として「主業」「準主業」「副業的」という分類を載せるようになりました。主業は農業収入>農外収入、準主業は農業収入<農外収入の農家となります。つまり、主業=専業+第1種兼業、準主業=第2種兼業となるわけです。それでは、副業的農家とは何でしょう?
 答えは「農業従事60日以上の者がいない農家」です。つまり、1年の内2ヶ月も農業をやらない農家ということです。私も授業で思わず「これって農家といえるだろうか?」と口走ってしまったほどです。おまけに、この分類には「65歳未満」という制限も付いていて、山崎さんはどんなに頑張っても農家にカウントされません。
 ちなみに、全国の農家のうち主業農家は21.9%、準主業農家は22.6%、副業的農家は55.5%(2005年)だそうです。半分は水増し?と考えてしまうのは私だけでしょうか?

註:「1995年の農業センサスにより、従来の分類を改めた。」そうです。しかし、昨年まで使っていた教科書には従来の 「専業」「第1種兼業」「第2種兼業」の分類が使われていました。

(山崎)用語が変わったことを知りませんでした。なぜ変えたかはとても興味ありますが、副業的農家というカウントが何か意図的な感じがします。

投稿: 信天翁 | 2013年3月17日 (日) 19時46分

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