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(25.2.20) NHK なぜ日本人が拉致されるのか  アルジェリア人質事件

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 NHKでアルジェリア人質事件の真相に迫る放送をしていたので興味深く見た。この事件では日本人10人を含む39人が殺害されたのだが、それがどのような経緯を経て殺害されたかが分かってきた。

 事件が発生したのは1月16日の午前5時40分で、テロリストは32名3つのグループに分かれてこの天然ガス関連の施設を襲撃している。
この施設には外国人、アルジェリア人を含め約800名が働いていたが、テロリストの人質は外国人に限られていた(アルジェリア人1名が殺害されているが、この人は警備職員)。

 今回の襲撃事件でNHKが最も重視していた視点は「なぜ日本人がこんなに多く拉致され殺害されたのか」ということだ。
殺害された外国人の内訳は日本人10名、フィリピン人8名、イギリス人6名、アメリカ人3名、フランス人1名、その他6名である。

 この施設は多国籍企業BP英国石油)が建設していたのに日本人の被害者の多さに驚かされる。
なぜイギリス人でなく、日本人の被害者が多いのか、そしてなぜフィリピン人がその次なのか???」誰でも不思議に思うはずだ。

 日本人の被害者はプラント建設大手の日揮の社員と日揮に派遣されていた職員で、17名の日本人がいたがそのうち10名が殺害され、生還できたのは7名だった。
今回の襲撃事件で始めて知ったがBP関連の居住区と日揮関連の居住区は隣接しているが別れていた

 テロ集団はその両方の施設に別々に押し入っているから、最初から居住区が別だったことを知っていたことがわかる。フィリピン人が多いのは日揮に雇われていたフィリピン人が多くいたからだろう。

 結局外国人人質は全員BP居住区の広場に集められ、手足を縛られて車座に座らされその真ん中に爆薬が置かれていた。
襲撃をすれば人質を全員殺害するというジェスチャーだが、アルジェリア政府は当初からテロリストと交渉するつもりはなく、人質に危害が及んでもテロリスト殺害を優先していた。

 各国政府は一応に人命尊重をアルジェリア政府に要請したが、本気で人命尊重を訴えていたのは日本政府だけのようだった。
なぜそれが分かるかというとアルジェリア軍の空爆でテロリストと人質が死亡すると、フランス、イギリス、アメリカともアルジェリア政府のテロ殲滅作戦を容認したからだ。

 実はテロ集団の人質事件で相手と交渉して金で解決するのは日本ぐらいで、他国はテロ対策部隊がいて硬軟両方の作戦を展開し、ほとんどの場合はテロ対策部隊が突入する。
ロシアは典型的でどんなに自国民に被害が出てもテロ集団を一人残らず殺害しようとするし、イスラエルドイツも突入派だ。アメリカやイギリスやフランスは状況に応じて対応する柔軟性はあるが、それは特殊部隊の能力が高いので余裕があるからだ。

注)ロシアは2002年のモスクワ劇場襲撃事件で死者169人、2004年ベスラン小学校襲撃事件で死者322人を出したし、ドイツはミュンヘンオリンピックのパレスチナゲリラ襲撃事件で9名の人質が死亡している。

 残念ながら日本は特殊部隊を他国に展開することはしないので(憲法の制約がある)、後は金で解決するより手段はない。
おかげで世界中の誘惑犯から鴨にされてしまって、誘惑をするなら日本人というのが常識になっている。
日本政府は金払いはいいし、一方で特殊部隊は投入しないから絶対安全だ。ネギ鴨よ

 今回のテロを計画したのはマリ北部に根拠地を置くイスラム武装勢力の頭目ベルモフタールという人物だが、彼は過去10年間に欧米人約50名の誘惑を実施しており、身代金約80億円を手に入れたといわれている。
この資金でリビアからカダフィ大佐が残した武器を密輸入し、マリ北部で隠然たる勢力を誇っている(オサマビンラディンの後継者といわれている)。

 今回の襲撃は「フランスのマリ侵攻に対する抗議だ」と言う声明が発せられたが実際に殺害されたフランス人は1名で、圧倒的に日本人が多いので話が合わない。
今回の作戦はいわゆるジハードのような自爆テロを目指したものでなく、あくまでも人質目当てで特に金払いのいい日本人を狙った犯行だということが分かる。

 番組ではアルジェリア情報相の言葉として「外国人を狙った犯行で特に日本人がターゲットにされた訳ではない」という言葉を紹介していたが、別棟の日揮の住居をわざわざグループが分担して狙っているところを見ると、そのまま信用するわけには行かない。

 2004年イラクでの人質事件では日本人3名が誘拐されたが、スンニ派の長老が間に立ってあっさりと開放されたのは日本政府が大金をすぐに払っているからだ。
世界のテロリストの間で「資金稼ぎをするなら日本人を誘拐せよ。安全確実なビジネスだ」と思われており、こうした評判を払拭しない限り日本人の海外でのテロリストによる誘拐事件は後を絶たないだろう。

注)イラクの人質事件ではNGOのボランティアをしていた女性は「イラクが好きだ」といって又イラクに外務省の制止を無視して渡航するし、劣化ウランの本を出すといっていた未成年者は本など出さずにヨーロッパに逃げてしまうし、ジャーナリストと称していた人物は解放された後日本大使館の応接室で解放後の写真をバチバチ撮って商売にしようとしていたので、日本中の顰蹙を買った。それでもこうした自己責任と思われる人にさえ日本政府は大金を誘惑犯に支払った。

注)なおアルジェリアの人質事件については以前に以下の記事を記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-2105.html

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・ロドリゴ蝦夷地探訪記(
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なお出版の経緯については以下に詳述してあります。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat53203102/index.html

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