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(25.1.22) NHK 毛沢東の遺産 激論 二極化する中国 その1

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  このような放送を良く中国政府が許したものだと驚いてしまった。
先日NHKが放送したドキュメンタリーWAVE「毛沢東の遺産 激論 二極化する中国」という番組である。
この番組は河南省テイシュウという街に毛沢東支持派反毛沢東派が互いに討論をする場があり、そこでの討論を中心に番組が構成されていた。
なぜ対立する二つのグループが討論会を持っているかというと、両者は現在の共産党に対する批判勢力であり、右と左から現政権を打倒しようと考えている集団だからだ。

 最近中国では毛沢東を再評価する左からの運動が力を得ている。もともと毛沢東は中国共産党の創設者だから中国で尊敬されていると思うかも知れないがそれは違う。
毛沢東は生涯に二つの大失政を行っており、一つは1958年から1962年まで行われた大躍進運動、それと1966年から1976年に中国全土に吹き荒れた文化大革命であり、政治家としては無能革命家としては有能)というのが中国支配層の本音だ。

 問題はこの無能の毛沢東を共産党政権は建国の父として天安門広場に肖像をかざり、たたえなければならないところに本質的矛盾がある。
人民には毛沢東を建国の父としてたたえさせておきながら、一方で共産党幹部はまったく毛沢東を嫌っている。
それには以下の歴史的経緯があるからだ。 

 毛沢東がおかした失政は原因と結果の関係にあり、大躍進運動が失敗して毛沢東に対する批判が最高度に達したとき、毛沢東が批判の矛先を中国共産党の官僚群にすり替えた運動が文化大革命だった。
俺は悪くない。悪いのは俺の指示を守らず人民を搾取している共産党の官僚だ。あいつらを打ち倒せ!!!

 ほとんどの人は大躍進運動といっても何のことか分からないだろうが、毛沢東が唱えた自力更生で中国を先進国にしようとした運動である。
たとえば鉄鋼生産をあげるために各村に手製の溶鉱炉を作り銑鉄の生産で大躍進をしたと報じていた。
実際は何の役にも立たない混ざりけの多いぼろぼろぼ鉄を作っただけで、日本の例で言えば古代の山陰地方にあったたたら製鉄と同じレベルだった。
農業生産でも地方からの報告では大増産していたが実際にはどこにも穀物がなかった(そう報告を上げないと粛清された)。そのために人民は存在しない米を書類上で食べて2千万人の餓死者を出した運動である。

 問題は共産党内部でこの責任を追求する動きがあったため、毛沢東が先手を打って大衆運動を起こし反毛沢東派をたたいたのが文化大革命である。
この革命のさなかに3千万から4千万人の中国人が三角帽子をかぶせられて裁判もなしに殺害されている。

注)イメージがわかない人は映画「ラスト・エンペラ」の中で当時の紅衛兵運動の場面が出ているので確認すると良い。

 この毛沢東の文化大革命は10年間吹き荒れた後、実際に指導していた4人組が粛清され、鄧小平の指導のもとに収束させられた。
その後鄧小平は「先に豊かになれるものから豊かになろう」と言うことだが、はっきり言えば「毛沢東を捨てて資本主義に舵を切ろう」ということだ。

 その後の中国の経済成長は目覚しいものだが、実際に豊かになったのは共産党の幹部だけで中国の富のほとんどを独占してしまった。
この状況は19世紀末のアメリカそっくりで当時アメリカは大富豪と貧しい労働者だけの世界だったが、それが今の中国の現実になっている。

 収まらないのは毛沢東に呼応し造反有理(抵抗には理由があり、官僚を打倒するのが正しい行為だと毛沢東が煽った言葉を唱え文化大革命を指導した元紅衛兵たちだ。
現在の毛沢東支持派とは文化大革命の昔に戻ろうと主張する貧しい取り残された人民の運動である。
鄧小平は毛沢東思想を棚上げにして、共産党幹部だけが裕福になる社会を作った。これは毛主席が目指した「貧しくとも平等の世界」とはまったく反するものと彼らは考える。

注)中国人の半数は農民で農民戸籍しか持っておらず、貧困の農村に押し込められている。こうした貧民は都市に出稼ぎに出ても農民工として最下層の生活しかできない

 中国では言論統制が厳しいが、さすがに毛沢東をたたえる言説を取り締まるわけには行かない。何しろこの国は建前は共産党の指導する社会主義国で建国の父は毛沢東だからだ。
今中国経済が完全に曲がり角に来て、貧しいものが豊かになる機会が失われている。
貧しいものは何時までたっても貧困のままだ。こうした人民が毛沢東の肖像を掲げ再び「造反有理」と叫びだしている。

 これは党幹部としては実に恐ろしいことだ。中国の王朝は農民暴動によって滅んできたが、今中国共産党という王朝もこの農民暴動の嵐に巻き込まれつつある。

 私がこの放送を見て驚いた理由が分かってもらえるだろうか。中国は今富めるものと貧しいものの間で階級闘争が行われつつあり、貧しい毛沢東派は共産党幹部を打倒しようとしているとこの放送は言う。
このような放送を良く中国政府がNHKに認めたものだ。

注)上記は毛沢東派の動きについて記載しておいたが、明日は反毛沢東派について記載する。

なお中国の社会問題については以下に記事を纏めてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html

PR記事 四季の道駅伝の参加者募集 四季の道駅伝実行委員会

2月17日(日)おゆみ野四季の道で小中学生の駅伝が行われますが、今年より高校生以上の部 5kmが新設されました。
これは駅伝ではなく
5km走です。
募集を行ったところ参加者が現在
12名程度で、実行委員会が目標にした30名程度をかなり下回っております。

そこで高校生以上5kmの部の
追加募集を行っております。
参加希望者は、
氏名、男女別、年齢、住所をこのブログのメール機能あるいはコメント機能)を使用して申し込んでいただければ結構です。

なお詳細は以下の通り


・ 17日 9時より有吉中学校前で受付(500円の参加費用を払ってゼッケンを受け取る)
・スタート 9時40分 有吉中学校。
・ゴール 夏の道ののりくら公園(四季の道を一周)

・参加資格  おゆみ野あるいはその周辺に住んでいる住民
・荷物   出発地点において置きますのでランナーはゴール後出発地点に戻って回収してください。

 






 

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