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(25.1.12) アメリカから中国企業が追い出されている。 SECと中国政府の攻防

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 先日アメリカのABC放送を見ていたら、中小企業のおじさんが中国企業に5百万円相当の投資資金を持ち逃げされたと憤っていた。
SEC米証券取引委員会)の担当者も「中国企業の法律無視を許せない」と怒っていたが、最近アメリカに上場された中国企業が資金を集めて、その資金を持ち逃げするケースが頻発している。

 中国では当たり前の詐欺行為で私などはいつもの中国企業らしいと思うが、さすがにアメリカでこれを大々的に行うとSECが乗り出し、すでに40社あまりの中国企業の登録を抹消した(抹消されると証券市場に上場できなくなる)。

 本来NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場するにはそれなりの難しい審査があるが、中国企業はこの審査をすり抜けるために上場している企業にM&Aを仕掛けて乗っ取り、自身は審査をすり抜ける方法をとってきた
すでに400社あまりの上場がなされており、まともな企業はその一部でほとんどの企業が集めた資金を持ち逃げするためのダミー会社か、アメリカの技術を盗んでコピーするための国策会社のどちらかだ。

注)中国通信大手の華為技術は人民解放軍の元お偉方が社長で、アメリカから通信技術を盗むための会社として上場されていた。
このためアメリカ政府はこの会社とアメリカ政府・アメリカ企業との取引を禁止させた。


 1990年代からの中国の経済発展はすさまじかったため、アメリカでは中国企業の上場に熱心だった。
また間に入ったアメリカの紹介会社が「絶対成長が間違いない!!投資をしたら一攫千金だ!!」なんて大法螺を吹いてきたこともあって、アメリカ人の投資熱がいやが上にも高まったのだが、ここに来て持ち逃げ企業が頻発したためすっかり熱が醒めてしまった。

 今SECが問題視している中国企業は9社で、この監査報告を中国にあるアメリカの大手監査法人の事務所に求めたものの、監査法人からは回答が来ない。
それは当たり前でどの企業もアメリカの監査基準にのっとった会計処理など一切しておらず、はっきり言えば集めた資金はトップ層が私服しているのだから報告しようがない。

 アメリカの法律ではアメリカの証券市場に上場した企業はアメリカ方式の監査報告を上げる義務があるので、SECはそれをたてに強行だ。
あわてた中国政府国策会社が上場廃止になったら大変なので「中国国内法に基づいて対処する」と居直っているが、中国にまともな国内法がないのは明らかだ(また形式的にあっても誰も守らない)。

 中国経済が破竹の勢いだった11年ごろまでは、どの企業も基本的には収益を上げていたが12年度に入り急ブレーキがかかり、特に輸出産業は廃業に次ぐ廃業が続いている。

 アメリカとすれば今までは大目に見てきたが、これからはそれを許さないと言う立場で、これは1990年代の日本の金融機関に対する態度とそっくりだ。
私は金融機関にいたから肌で感じたが、バブル崩壊まではアメリカの金融当局は日本の金融機関に対する扱いが非常に丁寧だった(正確に言うとなんら規制をしなかった)。

 ところがバブルがはじけ長銀日債銀拓銀がつぶれると、日本の金融機関の会計を魑魅魍魎の世界と指弾して、アメリカ並みの透明性実際は透明でないのだが建前は透明)を追求して検査づけにした。
当時のニューヨーク支店の担当者が「一年中検査対応に追われて仕事がまったくできません」と泣いていたものだ。

 このときの日本の金融機関に対する方策を今中国企業に対してアメリカは実施している。
いい機会だから、中国の企業を丸裸にして内実を把握しよう。文句があれば追い出すだけで、中国企業は斜陽だからアメリカにとって痛くもかゆくもない」と言う判断だろう。

 このままで行くと中国の上場会社400社の半分は上場廃止に追い込まれると言われている。
しかし実際はそこまで行かないうちに手打ちが行われて、中国もアメリカの言う情報開示に協力せざるえなくなると思われる(最もそうなるとまともに上場できる企業は激減する)。

なお中国経済についての記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

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