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(25.1.10) アベノミクスとディーラーの大パニック 円は売って株は買いだ!!

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 昨年末から今年にかけて世界のディーラーがテンヤワンヤの大騒ぎになっていた。
自民党の安倍総裁が「選挙で勝利すれば日銀を隷属して消費者物価が2%(当初は3%といっていた)上昇するまで日銀券を刷りまくる」と明言していたからだ。
さらにこれを担保するために日銀法の改正を行い、2%上昇しない場合は日銀総裁を馘首するといっていたので安倍総裁の本気度が確認された。

 それまで世界中のディーラー日本政府と日銀の間には明確な隙間風があり、政府がなんと言っても日銀は物価安定策を第一にとると信じていた。
実際日銀の白川総裁は「日本の物価は長い間1%以上上昇することはなかった(したがって1%目標は非現実的だ)」と主張していた。

注)各国の中央銀行の政策目標は異なり、アメリカのFRBは経済成長と失業率の低下、EUのECBは物価の安定と弱小国家の救済、そして日銀は物価安定だった。

 だがここに来て自民党が大勝し、安倍内閣が発足して安倍首相の言う2%の消費者物価上昇が現実味を帯びてきたので、実際にその具体策が発動される前に日本から資金が一斉に逃げ出した。
そのスピードは驚異的なものでそれまで78円前後だったドルが87円前後約11%UP)に、100円前後だったユーロが116円前後約16%UP)まで上昇したのだから、ディーラーの慌てふためきぶりが分かろうと言うものだ。
何でもいいから円を売りまくれ。ドルがいいか、いやユーロのほうがもっと良さそうだ・・・・・・

 このおかげで日本株が急上昇したがこれは世界中のディーラーが裁定取引をしているからだ。
日経平均9000円前後から10500円前後約16%上昇したが、円安になって日本株が16%程度安く評価されたので買い増しをしたのに過ぎない(これを裁定取引という)。

注)株の購入資金はほぼゼロ金利の円を借りてそれで株式を購入する。自己資金は円から外貨に移し、日本国内では円調達で株の差益を稼ぐ戦略。

 新聞などを読むと日本経済が復活したと言うような論調があるが、株式が上がったのは単に円安になったための調整にすぎず、日本経済が復活している兆候はない
それよりも沈没する船からねずみが逃げ出すように資金が流失しているほうが問題で、この間ドル対比の円安は約10%だから、ドル表示でのGDPは約10%低下したことになる(日本経済は10%縮小した)。

 円安になれば輸出産業が息を吹き返して再び貿易立国になれると言うシナリオを安倍内閣は描いている。
しかし日本の輸出産業の海外へのシフトはすでに完了しているから、ちょっとやそっとの円安では再び工場を日本に建設しなおす気持ちにはならないだろう(カルロス・ゴーン社長は100円にならなければ駄目だといっていた)。

注)アベノミクスの基本的問題点は先に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/2516-60b1.html 

 それよりも当面は輸入物価が上昇し今でも困難を極めているLNGの調達価格が上がったり、小麦トウモロコシ大豆の価格上昇に悩まされると言うのが実態だと思う。
国内では物価上昇に悩まされ対外的には貿易収支の赤字が拡大し、赤字国債の増発で長期金利が上昇して(価格は低下して)、金融機関が経営に苦しむ構図になりそうだ。

注)長期金利は0.70%まで低下していたがジリジリと上昇をはじめ現在0.85%前後になっている。このレートが1%越えだすと要注意。

 何度も言って恐縮だがこのデフレ時代にインフレ政策をとるのは時代錯誤であり、アベノミクスが民主党の埋蔵金政策と同様に化けの皮がはがれるまでそう時間がかからないだろう。

注)成長戦略がなければアベノミクスは単なるインフレ政策になってしまう。TPPに参加をしたり、老人優位の社会を若者向けに変えたり(医療費を若者並みにしたり)、国会議員数を削減したり、外国人に日本国籍を与えたり税体系を消費税中心に変えたり等、痛みを伴う改革をしなければ成長などするはずがない。

 仕方がないのでアベノミクスに対する個人的な対応策は円が当面安くなるので資産の半分を外貨にかえる事と、株式が上昇するので株式投資をしているのが安全だろう。
ただしこれはアベノミクスがまだ有効だと信じられている期間だから、化けの皮がはがれそうになったら再び円に戻し株式を売却しなければならない。


なお安倍内閣の経済政策についての記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52551955/index.html

 






 

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