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(25.1.4) 大変だ、書店が消えてしまう!! ネットワーク配信の時代

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トシムネさん撮影 房総の浜辺

 今急激に書店の数が減少している。2001年約2万1千軒あった書店が2012年には約1万5千軒に減少してしまった。
ここ10年で3割の減少だ。
もっとも坪数2008年ごろまでは伸びており、書店の大型化が進んでいたのだが、それも2011年ごろから減少に転じている。

 実際私自身も本屋で本を買うことは基本的にしなくなった。
もっぱらアマゾンの通販を利用しているのだが、アマゾンのインターネット通販のメリットは実に大きい。

 まずほしい本を検索すればほとんどの本がそろっているので、本屋で探し回る手間が省ける。
さらに古本も販売されており、場合によったら250円の郵送費だけで入手することもできる。
さらに新本なら依頼した翌日に自宅に届くのだから便利この上ない。
アマゾンのインターネット通販は「便利で安い」のだから書店での購入が減るのは当然だ。

 さらに追い討ちをかけるように昨年の年末にかけてアマゾンキンドル・ファイアという電子書籍を売り出した。アメリカではかなり前から電子書籍が普及していたが、日本では再販売制度に守られて電子書籍の普及が進んでいなかった。

注)再販売制度とは出版社が書店に本を定価で販売することを指定する制度。日本はこのほかに雑誌・新聞・音楽も再販売制度の対象になっており、世界的に見ても信じられないほど競争を制限している。

 ここに来てアマゾンと出版社の間で協定が結ばれて電子書籍が普及し始めており、紙本の定価の1割から2割程度低い価格で販売されている。
私もさっそくキンドル・ファイアHDという電子書籍を購入してみたが、驚くべき内容だった。

注)私がキンドル・ファイアを購入したきっかけは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-3630.html

 まず信じられないことに無料本約5万冊用意されているのだが、これらの本は著作権が失効した本である(本の著作権は著者の死後50年まで保護される)。
見てみると夏目漱石太宰治エドガー・アランポーの作品などが並んでいるので古い本は基本無料で手に入る。

 通常の本は1割から2割程度安いが、一方で紙の本はまったくない電子書籍本というものがあってこれらは100円の定価が付けられていることが多い。
現在ある電子書籍本は「キンドルでの電子書籍の作り方」と言うようなハウツウ物が多いが、こうしたものは当初から電子化されているので極度に安い。

注)電子書籍を作成してキンドル・ストアで販売することが誰にでも無料で(手間と若干の技術がいる)可能になっている。著者の印税は35%だから(本の印税は10%)はるかに電子書籍のほうが著者にとって収益率がたかく、コストがかかっていないので安く本を提供できる

イヤー、これではしばらくすると紙の本はなくなってしまいそうだ。本屋はいらなくなり、著者も電子書籍を作成するようになるから出版社もなくなる可能性が高い・・・・
グーテンベルグもびっくりしそうな変革が進んでいる。

 実は本だけでなく今まで再販制度で守られていた雑誌や新聞も電子化が進んで紙でのディリバリーがなくなり、音楽もiPodのようにダウンロードをして聞くからCDなどまったく売れなくなってしまうだろう(ニューズ・ウィークは最近電子書籍だけになった)。

 電子化とネットワークの時代は実に恐ろしい時代だ。いままで普通と思われていた流通形態がすたれて電子化され、情報と言われていたものはすべてネットワークで配信されてしまう時代になってきた。
価格は急激に下がって消費者にとっては天国だが、書店や雑誌社や新聞社にとっては生き残りが難しい時代になってきたと思う。

 こうした時代をデフレの時代と言うが、GDPという計測方法ではGDPが毎年縮小し、しかも生活は豊かになると言うパラダイムの変革が始まっている。
 
注)私は年賀状も基本的に書かず、電子メールで送っている。すると返事がすぐに返ってきたりして、はるかに近況を知りえてえらく便利だ。
しかしこうした電子メールが郵便局にとってひどい収益減をもたらしている。

 

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システム ネット社会」カテゴリの記事

コメント

20年前に誰かは忘れましたが 未来に消える職業にありましたね
本屋と 新聞屋

投稿: X | 2013年1月 4日 (金) 07時24分

山崎さんの文章を読んでいて、私も“キンドル・ファイアHD”を買ってみる気になりました。

これから電子書籍出版物は、もっともっと安くなるのではないでしょうか。
今の書籍販売制度の下では、著作権料は本の定価の1割程度ですが、実際には500部しか売れない本であっても、
4000部を一単位として出版すれば、印税は4000部ぶんもらえます。
キンドルによる35%の印税で500部出版の方が、出版社としては遥かに美味しい商売ですよね。
現状の本屋利幅一律2割、更に印刷代や運送料を考えると、まだまだ下げ余地はありそうですね。

山崎さんにおかれましては、今年も毎日、ブログを書かれるような雰囲気なので、一読者の私としてもうれしい限りです。
私の頭は、どちらかと云うと文学的でアバウトな所があるためか、山崎さんのような数学的ともいえる精緻な思考に出会うと、大いに触発されます。また、ブログをやっておられれば心ない書き込みも多いかと思いますが、頑張ってください。

(山崎)とても不思議なのですがあまり変な書き込みはありません。内容が稚拙すぎる場合はコメントに掲載しないようにしています。

投稿: 三太郎 | 2013年1月 4日 (金) 10時33分

電子書籍は字が大きくて読みやすいです。
パソコンの大画面液晶で読むと、信じられないほど速く読めます。
今まで字を追うのに苦労していたのがよく分かります。

(山崎)最近視力が弱くなっているので細かい字は読めません。昔の本は紙が高かったせいもあってやたらと字が小さいのですが、電子書籍でらくらく読めるようになりました。
また分からない文字があればそこをなぜると辞書機能がついていて本当に便利です。
これはすばらしい発明です。

投稿: Z | 2013年1月 4日 (金) 10時36分

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