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(25.1.6) 壮大なパラドックス デフレ時代のインフレ政策 アベノミクスのインフレネーション

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  考え込んでしまった。デフレ時代のインフレ政策とは一体なんだろうかと言う疑問である。
日本がデフレに陥ったのは1995年頃からで15年以上も続いているが、なぜデフレになったかの理由は日本特有の問題世界経済の大きな流れの二つがある。

 日本の理由は明確で人口が増加せず2005年からは減少に転じ、さらに高齢者が世界最速の速度で増加しているからだ。2012年には24%が65歳以上の高齢者だから、今や4人に一人が老人だ。

 こうした社会では消費需要が激減する。それは当たり前で人口減はそれ自体消費がなくなるし、さらに老人は物を大事にして新たな商品に飛びつかない(正確に言えばiPhoneなどはなかなか操作できない)。
消費財の最大の物件は不動産だが、老人は家の手当ては済んでいるか諦めているし、今や空き家がいたるところに存在している。

注)日本の空き家問題の深刻さは以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-469f.html

 一方公共投資も必要なくなり、道路も新幹線も橋もダムも使う人が激減していくので新たに作るよりはメンテしていくほうが苦痛になっている。実際笹子トンネルの天井は落ちてくるし首都高速道路はボロボロになってきた。
こうした状況下で最も合理的な選択は不要な道路や橋や港湾や飛行場を閉鎖することで、新たに作ればその維持でさらに苦境に陥る。

 人口が減って老人の比率が増えてくる社会はいづれもデフレになり、たまたま日本がそうなのは世界の老人世界の最先端を走っているからに過ぎない。

注)経済的な言葉で言うと生産力が一定なのに、消費力が低下しているので価格が下がると言うことになる。生産財が消費に見合った規模まで縮小しないとデフレは収束しない。

 一方世界的な要因は工場の新興国シフトで、20世紀の最後の10年から飛躍的に増加している。
ここでは最新の設備安い労働力を組み合わせ、かつ日本のような公害問題のうるさい場所を避けて商品を安く生産することができる。
日本メーカーが中国、ベトナム、ミャンマー、インドネシア等に工場を移転させているのは安い労働力とほとんど規制のない自由な生産それだけその国の環境は悪化する)を目的にしていることは確かだ。

 だから新興国のGDPが増大すればするほど安価な製品が生産されて価格は低下する傾向にある。
ここ20年、メイド・イン・チャイナに日本市場は席巻されていたから実感で分かるはずだ。

 ただし一つだけデフレでなくインフレ要因があり価格低下に歯止めがかかってきた。
資源問題である。
資源だけはこの無限労働力、資本はほぼ無限で土地も新興国に行けばほぼ無限)の世界の中でただ一つ有限な物質だったからだ。

 石油、天然ガス、鉄鉱石、石炭、レアメタル、それに食料大豆、トウモロコシ等)だが、もしこうした資源も無限に存在すればデフレは決定的になる。
だが最近まで石油と天然ガスはOPECとロシアの戦略物になっており(レアメタルは中国の戦略物質)、その結果資源だけは一方的に価格を上昇させてきた。
インフレはすべてこの戦略物質から始まっていると言っていい。

 しかしここに来て世界のパラダイムがひっくり返るような現象が発生している。アメリカとカナダでシェールガスと言う天然ガスが大量に生産され、最近ではシェール石油まで生産されるようになったからだ。
近い将来アメリカは世界最大の産油国になるが、このことはもはや石油も天然ガスも戦略物質でなくなることを意味する。

注)シェールガス革命の詳細は以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-7968.html


 鉄鉱石は今でも戦略物質だがレアメタルは代替が進んで中国の生産工場は倒産が続いているし、食料はいざとなればどこでも生産ができる。
世界はデフレとインフレの綱引きを行っており、世界の最先端をいく日本はデフレに振れていたが、いまや世界も大きくデフレに舵を切ってきた(韓国や中国は近い将来人口減と高齢化社会に突入する)。

注)中国のレアメタルの惨状は以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-0ce7.html


 実体経済はどこもかしこもデフレムードだから、こうなるとデフレをインフレに見せる手段はただひたすら紙幣を増刷して表面的にインフレを演出することしかできない。
安倍総理の進めるアベノミクスがそれで、かつてはひどいインフレに見舞われた国が価格を切り下げるデノミネーション(今までの1000円を新1円にする等を行ったが、今行おうとしているのはその反対のンフレネーション(こうした経済用語はないので私が概念を明確にするために作成したという単なる価格の付け替えに過ぎない。

 このインフレネーションをデフレ時代のインフレ政策と言う。

注)安倍首相のアベノミクスに私が反対している理由は以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-23a0.html

 

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評論 日本の経済 安倍内閣 金融政策」カテゴリの記事

コメント

食料はいざとなればどこでも生産ができる」には?と感じましたが、基本的に同感です。
需要が無い、見込めないのに、そーれそれと囃されても、国民には仕方がありません。
政府も、資金をジャブジャブにして、世界的なカジノ資本主義を煽るべきではありません。
まさにパラダイムシフトをすべき時に、昔に戻ってしまうようで、まことにイカンです。
これが国民の選択なのでしょう、私は自民党には投票しませんでしたからねって。

ついでに言えば、
公共投資、どうせやるなら持続可能な社会への投資として、例えばエネルギーなら北海道と一部東北の広大な土地に再生可能エネルギーの一大拠点を整備するとか、ここから首都圏に超伝導の送電ラインを引っ張ってくるとか、50ヘルツ地帯の60ヘルツ機器置き換えを推進するとか、電力グリッドを整備するとか、或いは水素エネルギーの貯蔵・輸送システムを国内で大規模に模索してみるとか、明日に繋がる仕事をして欲しいものです。

(山崎)いつも貴重なご意見をありがとうございます。

投稿: バイオマスおやじ | 2013年1月 6日 (日) 10時51分

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